厚みのある画風や立体感のある描き方を模索して悪戦苦闘している。ずっしりやる時間もないので色々考えたことを一旦まとめることにした。
(今週の一枚)ピクニックにお昼ご飯(pixiv)
最近少し欲が出てきて色々な描き方を模索している。とはいっても、プロのようにビシッと極めようというのではなく、こんなの出来たらいいなぁという器用貧乏的な発想になる。せっかくやっている試行錯誤もそのうち忘れそうなので、その模索を記録しておこうと思う。
↑の続きみたいな記事になります。
平たい絵をかっこよく
海外の人の作品を見ていると日本で好まれる絵はなんだかんだ平たい。自分もそういった作品群を見て育ったので自然とそういう視点で絵を描いていることが多い。そのせいもあって、目標とする立体感のある物のがなかなか作れず、補助線を引いてもパースを上手く意識して作ることができていない(空間が認識できなかった)ことが多いと思う。描けないなりに平たい絵を何枚かを重ねることで奥行きを作ろうとする描き方などの工夫をしているけれど「これだっ」と言う解決策にはなっていない。
この段々な描き方のいい点はあんまり奥行きとかを意識しないでも、重ねることで色々と応用が利く点で、それっぽさを強引に演出することができる。よくない点はその演出に限界があって、一つ抜けた作品が作れないことである。
パソコン様の御力で色、明るさ、レイヤー管理(別の絵を重ねる)をして、ある程度それっぽい絵を作ることができるんだけれど、どうしても奥行きに限界が出てしまって、小さな空間にわちゃわちゃとキャラクターやオブジェが行きかうことになる。小さい世界観の構図を考える場合はとても重宝しているんだけれど、その奥に何かを想起させようとか、ちょっとしたギミックを入れようとするとさらに絵が狭くなってしまうので、テーマが限られてしまう点が難しい。
(頑張って描きこんだ絵平たい絵:華やかで面白そうだけどちょっと狭い)
例えば、上の絵のように、描きこみを強めることでその平たさを利用することはできる(わちゃわちゃ感があって楽しい)が、描きこみの量によってフォーカスがボケてしまうので、中心の「お茶会」のイメージが飛んでしまう。
また、以前の記事で書いたように必要な情報の取捨選択をしないと、描きこんだところでその情報が逆に絵を混乱させてしまって、見る人に不快感を与えてしまう。
ネットをフラフラしていると、単純に綺麗な絵なら写真加工やキラキラな抽象画で十分なので、見せ所を分けるためにも描いた絵でしか見せられないものが作りたいなぁというのが最近の目標となった。
具体的に試している方法
そういったもう一段いいものを…と言う意図で色々試しているんだけれど、それそれちょっとうまくいったことや問題が浮き彫りになってきたので書いておく。
写実的な描き方
自分の絵は全くの抽象画ではなく、キャラが動き回る様なものなので、土台となる背景やキャラのそれっぽい動きの基礎になる体の形はある程度の本物っぽさが欲しい。そこで写真を見ながら描いたり、その色合いの色彩を参考に絵を組み立てる試みをしている。
(かつていった雪山を参考にした絵:それっぽいけど絵のイメージに幅がない)
特に背景を描く際は植物と建造物の組み合わせになり、しっかりと消失点を意識したパースを組み立てられないと絵として破綻してしまうことがある。そういったルールをわざと無視するにしてもルールを知っておいたほうがいいという感じである。
そのため風景画のノリで写真を基に絵を描くわけであるが、とても参考になる点が多い。例えば植物を描く場合、光の加減や見える角度で様々なものに見えるが、よく見ると植物は基本的に同じものの繰り返しであるので、一旦葉っぱを数枚描いてしまえばコピペとその群体を組み合わせることで非常にそれっぽいシーンを作ることができる。この考えを応用すれば、山や川の情景をそれなりに作ることができる。
例えば、上の様な雪山は雪と山肌の繰り返しなので、白・青・灰色の模様を組み合わせることができればそれっぽく作れる。ただ、この繰り返しを作るためにはテンプレートとなる模様パターンを作るまでが大変である。部分から全体を作れるのは面白いが、元のパターンがポンコツだとそれを元にいくら組み合わせても当然綺麗なものを作ることができない。それなら最初から雪山そのものを描いた方が早いし、よくある「風景の描き方」なんかを学んだ方が様々なものが作れてよっぽど楽になるんじゃないかと思う。
つまり、いかにパターンを増やすかが重要になってくる。そこで選択肢が生まれ、なるべくいろんな背景を描いて今後に備えるか、もう描く絵の方向性や種類を決めてそれ以外描かないことにするか、となるが、やっぱり色々描きたい。…ということで、完成品の質がある水準で止まり、上達しないジレンマに陥っている。
(お花色々:花ばっかりの絵ならいい絵の助けになり、ない絵なら役に立たない)
少しずつオブジェもパターンも増えてきて以前よりもいいものができる環境は整いつつあるんだけれど、なんかすごい感じのものにはまだ遠いなぁなんて感じである。
厚塗り
写実的に描いていると、いくつか気づいてしまう点がある。写真的なものと絵画的な差やコンセプトアートとファンタジーアートの差みたいなものである。
漠然とした印象の差ではなく、そういったもの(みんなに評価されるもの)には描き方自体フォーマットが存在していて、キラキラさせるであるとか、キャラクターの配置であるとか、ぱっと見ただけでも様式の存在を意識する。見せ方が上手なものは描きこんでいなくとも美しいし、言いたいことがあるものはその意図と反対な意見を持っていてもおぉ!と思ってしまう。
そこまで極めようとすると美術学校に通ってプロを前提としてお勉強しなくてはならないので、残念…無理である。
そこでちょっとでもそれっぽさを出そうとしているが、いつもの描き方だとどうしても限界が見えてくるので、描き方自体を変え、少しずつ厚塗りの部分を加えて表現の幅をどうにかしようと悪戦苦闘している。
(厚塗り風に描いたもの:いつもと違う見え方をする)
やってみるとやはり大変で単純に厚塗りしてしまうと動物のふわっとした感じや詳細な模様なんかを作ることができない(今まで以上に時間がかかる)。
そこで、ちょっとずるをして厚塗りの上に毛のパターンを持つブラシで撫でたりして、加工している。つまり、80%厚塗りで残り20%はソフトの加工をすることでそれっぽさを出している。
本当なら領域の切れ目や立体感もしっかり一つの描き方でまとめたいが時間がかかるしどうしてもうまくいかない。
Photoshop painting process - makeup
プロの人のメイキングなどを見てもおそらく同じ程度の時間で圧倒的な差が出るほど領域の切れ目(線画的な部分)や正確なコントラスト差(光源に対しての正しい立体感)なんかが自分にはできていないことが分かる。
正直なところ自分にはそういった空間認識が甘いことはわかっているし、調整を面倒くさいと思う傾向があるので、うまく描き方やパソコン様の御力を駆使していいものづくりを目指さざるを得ないんだろうなぁなんて考えている。
陰影と逆光
パソコン様の御力にすがるとしても、最低限の元絵はないとしっかりした絵の加工はできない(全部パソコンでできるなら人間はいらない)。
そこで見てくれる人を楽しませる物語性や人目を引く様な立体感を作り出す必要があって、 色々な条件を探っている。
一番中心となるのがやはり陰影のつけ方で、基本色をどう選ぶかやその色に対してどのような影を付けるかなんてことを試したり、その影の対となるハイライトについて唸っている。
自分の絵は一般よりちょっと濃く、線画がほとんど残らないので、○○なイラスト講座的なものではしっかりとした立体感を確保できないのもキツい。
そんな中でもある程度の光明はあって、逆光と陰を組み合わせるとか、意識的に光のバランスを崩すことで絵をそれっぽく見せかけることができるようにはなって完成に納得できるものも出てきた。
(逆光と白黒:左で逆光でキャラを強調し、右で色の強度を下げ遠近感を出す)
ただ、これをどこまで自分の手でやるのか、それともソフト上で処理すべきかという問題は常にあって、フォトバッシュの仕様も念頭において作り込むことになるのかなぁという形に落ち着いてきた。
つまり、どの程度描き、どの程度加工するかを再考する段に来つつあるのかなぁというところである。Photoshop以外の新たなソフトの導入を考えてもいいが、割合によって絵の質が大分変わってしまうので悩みどころである。でも、上手い塩梅が決まれば個性が出るんじゃないかとも思う。
終わりに
まぁ悩んでいるうちが上達の山で、決まれば流れ作業になるかと思うが、それはそれでちょっとつまらない。
色々遊んでいいものが作れたら人気者になれるのかもしれないな(^ω^)
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