nipplelfsblog

nipplelf’s blog

1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

尖った絵を描こうと苦労する

自分の絵は描き方もあってだいぶ暗いし幅が狭い。そこで、違った視点・明るい絵も描きたいので色々試行錯誤してみた。今回はそれを忘れないように書き留めておく。

 

f:id:nipplelf:20190902231749j:plain

(今週の一枚)あそこの空も青いのだろうか(pixiv

 

 自分の描き方は手間の割にパチッとしたものが描けない。また、画法的にもかっちり描き切らないとまともな絵にならないので、ボーっと描いていると同じような絵になってしまう。これは自分が絵心がないためなんだけれど、それだと工場作業のような繰り返しで飽きてしまうので、日ごろやらないことを工夫してみた。

 

 複雑な構造物と明るいイメージ

 ハッキリ言って建物であるとか複雑な人工物を作ることがとても苦手である。正確なパーツの配置や光と構造物の反射を考えると頭が痛くなる。CADで組んだ方が楽そうだし、欲しいなぁと思っている3D作成ソフト(Zbrush エロで儲かったら買いたい…)なんかで構成したほうがよりそれっぽくなるかと思って、いまいち指が動かなかった。

 

 …ということで、みんな大好き自動車で明るいイメージにチャレンジした。

 この絵ではフォード・マスタング(1969年型)の写真を10枚ほど用意して、それをチョイチョイ横目で見ながら描いた。今までのような領域化する描き方では時間がかかりすぎるので、一旦線画を起こしてから少し大きめな領域を厚塗り風に着色し、各パーツ共通の影を描いてから、全体絵と合わせるように反射を描きこんでいった。

 フロントのラジエーター周りやタイヤなど、大きめのパーツを少し雑に描くことで、時間短縮をして、実体感を鏡面反射で補ってそれらしい趣にすることができた。

 

 明るさを担保させる方法として考えたことは、一つは肌色を多くとること(エッチなおねぇさん)と、コントラストをさげ、明るさをあげることであった。

 明るい(ここでは日光が強く当たっている)場所では多くの反射があるため、領域を決定する線画や陰の強さがかなり減衰する。そのため、比較的彩度と明度の高い色を選択しつつ、陰影を出来るだけ弱く設定することでイメージする明るさを作ることができた。

 キャラに関してはハイライトを多用することで、ちょっとインチキくさいがテカテカを演出して、全体を押し出すことができたと思う。

 注意点は必ず特に暗い部分(ここでは車の下)を作る必要があり、この明暗の差がないと絵として浮き立って実物感がなくなる点であった。このメリハリをどこかに作らないと非常に歪(テカテカしているだけ)になることが分かったので、大きさは小さくとも明るさの比較となる起点は絵の中に置くべきだと思った。

f:id:nipplelf:20190812181957j:plain

 

謎の世界と見えた先のイメージ

 パッと見ておしまいと言うのは悲しい。美術的にはそれを見て、自分の思い出と照らし合わせたり、その絵の意味を探ろうとしてもらうことで、作品に価値が出てくるというものがある。

 もちろんポスターとしての○○を買ってくださいと文字で言うのも一つの方向性だけれど、見て様々な印象を持ってもらえるのも絵としては必要な価値であると思う。

 …とわかっていても、そういったものはなかなか作れないし、めんどくさいので手が動かなかった。

 

 …ということで、謎かけ風にかなり意図をもった絵を作ってみた。

 この作品のテーマは単純に「海に行く」と言うものだけれど、その過程で「どう海に行こうか」と言うものを絵の中に込めた。

 注文の多い道路標識、謎の狸型ロボット、空に広がる巨大な積乱雲や行先がおかしい標識などのギミックを配置することで、ほんの目の前に海があるにもかかわらず、その道程は険しいことを示してみた。

 結果としてはまずまずで、普段さっと流して去ってゆく人も一度絵をじっと見てくれたり、「私はこう思った」といった意見をいただけることができた。

 強いテーマ性(例えば、ゲームの個性の決まったキャラや、絶望などの強い感情)を持つ作品はそれが持つ強さのために目立つが、それ以上を求めると漫画や動画にしないと表現できないと思うので、見ていただく方に幅をもって考える隙を作れたのはいい経験となった。

 

 注意点はどの程度複雑にするかであると思う。この絵では、予備ギミックとしてカーブミラーと後ろから追ってくるロボや雲間から見える猫なんかも用意したが使わなかった。あくまで女の子を中心とした道をテーマにしたので中央に絵が収めることになった。

 もっと見てもらうためにはもう少し凝った作りが必要になるが、さっと見る人の呼び水となるようにそういったものの配置、塩梅を考えないと見にくい絵になると感じた。 

f:id:nipplelf:20190819170232j:plain

 

アオリと視線の展開

 強い遠近感のある絵を描くのがとてもへたくそである。また、角度のある絵を描こうとするとなんだかんだで歪んでおかしくなるくせがある。キャラ絵も正面を向いてニッコリしていればそれなりのものは描けるようになったが、それ以外のポーズや見る人の目線を考えるといまだに理解が追い付かない。

 

 …ということで、アオリ視点で見えてくる先を工夫してみた。

 この作品は猫目線で猫が見えないというものである。以前、水面を見つめる猫視点(pixiv)の動画を作ったけれど、その応用ということになる。

 消失点を中央上に二つ作ることで、遠近のパースをずらし、画面の広がりを作ることができた。さらに、鏡面に子猫の顔を写したり、こちらに向かう手を意図的に大きくすることで、この先の猫の生活を感じてもらうというギミックも入れてみた。

 絵のパースやギミックは実のところかなりいい加減なのであるが、これは意図したもので、正確に構成すると猫の寝顔やキャラのパーツ配置は絶対にこうならない。しかし、写真ではなく「絵」なのであえておかしなアオリ視点を作ることで、イメージを強調することにした。

 

 問題点はやはり正確性にある。一見すると面白く優しいストーリーを想起してもらえそうであるが、じっと見つめるとなんだか変な感覚に陥る。今回はギリギリセーフ(見る人によってはアウト?)だと思うが、アニメやエロ漫画にありがちなのへたくそ構図や異常な体位になる可能性を常に秘めた作りなので、イメージ構成以上にバランスの補正は慎重に行う必要がある。

f:id:nipplelf:20190826203807j:plain

 

広い視野と物語

  自分の絵はせまっ苦しい。視野が狭いし、時間的な広がりもないものが多い。なんとなく描き始めるものがとても多いので、見返して「おっ」と思うものも中にはあるが、大概は過ぎ去った黒歴史化するので悔しい。

 本来であれば、しっかりとテーマを硬め、構図をいくつも推敲してゆくべきなんだろうけれど、週1で素人がやっているへっぽこ絵になると、その辺はどうしてもおざなりになる。まぁ、単にずぼらなのかもしれないけど。

 

 …ということで出来るだけ物語的に・時間的に・空間的に広い絵を描こうとした。

 今回意識したものは「対比」である。手前と奥、文明と自然、機械とケモノ、明と暗と言った比べられるものを絵の中で出来るだけシンプルに入れてみた。

 また、物理的に広さを求めて縦横比2:1サイズの絵を初めて作ってみた。このサイズ選択の意図はどの媒体、どの見方をしても絶対に一目で全体像を知ることができないことである。そのため、目を動かして広さを認識してもらうことができる。

 仮に上から下に視線を動かすと、暗い夜空の月、遠くの巨大な建造物、雲間の宇宙船、水没ビル群、湖面に映るそれらの威容、草むらと大地、泥に汚れたうさ美、手に持った花という流れを順々に見ることができる。

 物理的に目で絵を追って、その中にあるオブジェを対比してもらうことで、絵の広さや物語のイメージを作ってもらえれば、見た人に強く印象に残すことができたのではないかと思う。

 

 注意点はその長さである。今作はなんちゃってハードSF調であり、そういった作品群から見ると絵が長い割に描き込みは薄い。川と水面と花火と恋人…みたいなオシャンティーなテーマであればニヤニヤ絵を見続けてくれるかもしれないが、見続ける分、気に食わないテーマやテーマとして絵が弱い場合、足元を見られる可能性がある。

 当初案では貧困と裕福も入れようと貧民街と未来都市も構図としてあったが、それは切った。これはあまりにも重たくなりすぎたと感じたからだけれど、実際にはこういった強いメッセージ性はこういう長物には必要なのかもしれない。

 この辺は全く経験不足なので、もう少し練らなければ評価に耐えられないのかもしれないと思った。  

f:id:nipplelf:20190902231749j:plain

 

 終わりに

 なんかやらないなぁと思ったテーマをひと揃えやってみて、一応完成品を出すことができた。それなりに楽しんでもらえたり、評価いただけるものもあってほっとした。

 それなりに頭をひねったので、それなりに画力も…

 

 …画力はあんまり変わらないか(;´Д`)

 

 道はまだ長い( ^ω^)・・・

 

 

 

☆エロ同人CG販売中

 

COPYRIGHT Nipplelf ALL RIGHTS RESERVED.