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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

画角をどうするか悩む

印象のある絵を描こうとするとどんな距離感で描けばいいか悩む時がある。そこで、絵を描く際の画角について考えてみた。

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(今週の一枚)チョコよりお花を(pixiv)

 

  印象度の高い絵を描こうとすると色を独特のものにしたり、アオリや俯瞰のように被写体に対して描くアングルを変えたり、写真には出せない表現を使うことなど、様々な方法で見てくれる人の注意を引こうとする。

 では、表現したいものがあるとして、その表現に対していったいどのくらいの画角で絵を描けばいいかというと明確な答えはない。自分が描きやすい絵を描くことは大切だけど、見てくれる人が見やすい・わかりやすい・印象が強い絵を描くのも大切なことだと思う。

 そこで、今回は画角に関連してどういう絵を描いた方がいいのかを考えてみた。

 

言いたいこと・見せたいものの画角

 写真を考えるとある瞬間の風景やキャラクターを切り取って絵にするものと考えることができる。写真は対象が勝手に変化してそれをカメラに収めようとしている向きがある。一方、絵を考えると絵描きが頭の中で思い描いた像を紙や画面に映しているので非常に主観の混じるものになる。そのため、画角云々を考慮する前に、まず描いた絵で何が言いたいのかを考えて、画角を考えたほうがそれらしい作品になるのではないかと思う。

 例えば、同じ風景画を描くにしても、その中で中心的な主張が存在するので、その主張に沿ったものを描く方が見てくれる人に見やすい絵になるのだろう。

 分かりやすくするなら、ワンフレーズを書いて、それを如何に強調できるかで絵の画角が大きく変わるのではないかと思う。このワンフレーズが人によって、物語性であるとか、絵の主張であるとかに変わる。

 試しに自分の絵とワンフレーズの関係を見てみる。

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 左上のようにワンフレーズを付けるとこの絵の画角はどれがいいだろうか?人によって考え方が違うかもしれないが、右上が一番いいような気がする。

 一方で、この絵の題名は「私の好きな景色」なので左下の全景が見える画角が一番風景画として適していると思う。また、私(狼娘)をアピールするなら右下か全身像を切り取った縦長の絵がいいのかもしれない。

 結局、その絵で何がいいたいかによって像は全く違うのだろう。

 

注目点と画角

 先ほど言ったように絵は作者の意図が強くかかわるものである。それとは別に、見る人は自由に作品を見て自由に意見を持つものだから、その絵にどんな印象を受けるかはわからない。しかし、描いている側としてはこれはこういう意味で書いたんですよ~と思って欲しいから、一見、主張がないように見えても自然と目線がそこに行ってしまうなんてことはよくある。

 では、作者の主張を強く印象づけるためにはどういった画角が必要なのかを考えると、一番楽なのが見せたいものを誇張して大きくしてしまうことではないかと思う。アニメの絵ならキャラクターの眼をデカデカと描いて、その他のパーツを極端に小さくする。所謂美少女ものはその最たるもので、顔ではなく瞳に可愛らしさを詰め込んで後はそれを補うための補助になっている。こういった特殊な描き方をすればどんな画角であっても顔の中心にある瞳に視線が行くし、瞳を中心として作者の言いたいことや見せたい意図を組み込めばそれっぽい絵はすぐにできるのではないかと思う。

 つまり、写真的な画角ではなく、絵としての画角はパーツの強調になり、ぱっと見で歪に見えるほど強調したり像を大きく描くことで画角を疑似的に作り出すことが絵のポイントなんじゃないかと思う。

 写真…というか、現実世界においても同じような強調は良くされていて、目を目立たせるために色々なアイメイクをして目を大きく偽装したり、ものすごいおしろいをして瞳と唇以外を隠してしまう。

 試しに、自分の絵で注目点と疑似的画角と画角の関係を見てみる。

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 左側の絵では瞳に結構ギミックを入れたのでよく見るとキラキラした瞳に視線が行くようになっている。しかし、美少女もののようにデカい瞳ではないために絵に占める目の割合が小さいのでいまいち効果が薄い。そこで、ヘンテコな魔法メガネを追加してアピールをすると引きの画角でも十分視線が瞳に行くようになった。疑似的に目の周辺部を補強すれば見てくれる人の視線を誘える。

 一方で、瞳のキラキラを写真的に見せたいなら、右のように顔の部分までアップをかけたほうが画角として正しい。背景やエフェクトが邪魔をして左絵のように瞳の強調度が下がるくらいならグッと寄ってしまった方がそれらしい作品になるのではないかと思う。しかし、この絵では「魔女が見つめる」という主張が抜けてしまうので瞳にとって一番いい画角である右絵ではテーマが不足してしまう。

  つまり、写真的な画角を意識する必要もあるが、強調すべき点は強調して描いた方が絵としての画角が取れるということが分かる。

 

角度と画角

 どこから見るかというのは映像作品を見るうえでとても大切な視点ではないかと思う。動画において画角を一定にすることで作業風景や安定した視点を視聴者に見せることができるが、あまり固定しすぎても飽きが来てしまうので、テレビでは様々な視点から一つの像を撮影して瞬間ごとに視点を切り替えて見せたいものを見せている。最近は空撮がドローンによって比較的容易に撮れるようになってきたので、像の全景を見せるためにいったん上空の写真なんかを差し込んでこんなところに我々はいますよ~と見せる映像作品が多くなっている。

 絵や写真において見せるものは時の泊まったシーンを見せているので、一番いいアングルで見せたい。でも、その際の画角はとても悩ましい。アオリにしろ俯瞰にしろどの画角で見せるかで印象が大きく異なる。

 絵を考えると、実は正しい角度で絵を描き切っている作品はほとんどない。もちろんしっかり消失点を作りそこからパースを張って背景・風景画を描いている方はたくさんいらっしゃるが、作者の意図がある場合、先ほどのように強調部を大きくしたり、意図的にパースと会わない描き方をして見せたいものに違和感を持たせることで強調することがよくある。

 まぁ、自分を含めて基礎のない下手くそな人が描いた絵ならすぐばれてしまうが、一流のプロが描いたものの中には俯瞰の絵なのに一部だけアオリの像をぶち込んだり、魚眼レンズのような歪んだ見せ方をしているのに、キャラの顔だけわざと普通にしていたりと、ぱっと見だと分からないが、画角に対して角度が合わないものがある。

 自分の場合もあまりうまくないんだけど、たまにそれをやっていることがある。

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 例えば、上の絵では二つの絵を重ねている。手前の和服女子の画角と奥の日本家屋の画角とパースは別物になっている。手前はキャラの顔部分に消失点があり、奥は右上が消失点になっている。画角も手前遠くでは全く違う(本来であればキャラが半分くらいの大きさ)ので、よく見ると非常におかしな絵である。しかし、ぱっと見ではいかにも冬の日本風な風景になっていると思う。

 つまり、絵に関して言えば(精密な画法も大切であるが)、ある画角においてよく見えるアングルがあるなら、たとえめちゃくちゃであっても重ねて載せてもいいという自由度を持っていると思う。

 もちろん、程度によるし「これはおかしい」と見てくれる人に看破されるならやめた方がいいが、画角と角度のずれを多少作ることは絵としては必要なのではないかと思う。

 

終わりに

 色々考えたけど、基礎がないとそれっぽい絵はなかなか描けない。基礎がない自分はいったいどうすればいいのか、ちょっとしたジレンマである。

 まぁ楽しく描きつつ学んでいこう(^ω^)

 

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