立体感を得るには陰影が重要だけど、自分がどれくらいできているのかよくわからない。そこで描いた絵を白黒にして改めて観察した。
(今週の一枚)帰りに猫缶を買う(pixiv)
白黒と陰影
色で遠近感や立体感の出し方を考えたり、パースを作ることで背景から全体像を意識することで立体的な絵を作ることができるようになってきた。
nipplelf.hatenablog.jp でも、本質的に色は視覚の2次情報であり、パースは視覚の錯視から来るものを補正した情報であるので、より根源的な光があるかないか、つまり白黒の絵こそ最も立体感を定義するものなんじゃないかとも思う。
グリザイユ画法なんかが一時期はやったが、その逆をすることでも絵の評価をすることができるのかもしれない。
そこで、今回は今まで描いた絵をチョイスして、それを白黒にしてしっかりと陰影やBrightfieldのバランスができているかなどについて、もう一度ちょっと辛めに自己評価してみようと思う。
平面的な絵と光
(学校帰りの魔女とその街並み:中心は日差しに輝く魔女)
この絵は背景に奥行きがない代わりに焦点がほぼ一定でわかりやすい。キャラやその他オブジェの立体感に絵の膨らみが担保されている。
白黒にしてわかるのは、左上から指す日差しに対して、画面右側の魔女たちが絵の焦点となるべく日差しを浴びているが、その他ケモノキャラたちや左側の果物の陰影がおかしいことが分かる。
TAXI(猫車)で運ばれる猫師匠たちの陰影は日差しに対して陰を作らないといけないし、その奥の果物はサンルーフによってもっと暗くならないといけない。そのため、左側が無意味に明るく、逆に左が暗い。これによって魔女たちの進行がイメージできるかもしれないが、それなら手前のTAXIはないほうがいい。
そういった意味で見ると、日の当たり方と陰のバランスが魔女とその他でチグハグになっているため、絵の中心がぼやけてしまっていて物語が作りきれない絵になっている。
平面的である故にこういった日と陰のコントラストは重要な要素となるので、書き手の技能が出てしまう点が分かるのはちょっと恥ずかしい。
アオリの絵と光
(空に向かって祈りっている絵:消失点を画面外に取ってキャラをアピール)
この絵は画面外の光源を中心に弧を描くようにオブジェクトが配置されている。球の意識で作ったので、全体的に中心に向かってすべてが向いているため、視覚的に下から上に自然と目が動く様なイメージになる。
一見バランスがいいように見えるが、細かく見ると各オブジェクトごとの明るさのグラディエーションが弱い。そのため、引きで見た場合画面上が白、下が黒になる方向性ができているのに、肝心のキャラが暗く、沈んでしまっている。本来であれば、空の輝度(白さ)程度になる部分が全身に光を浴びるキャラに必要であり(例えば手のひらや肩、頭の上)、それがあればしっかりした立体感が確保され、キャラクターがこちらに浮き立つように見えるはずである。
手前の彼岸花はとても赤くインパクトがある作りになったが、陰影だけで評価するなら光の向きに合わせた反射を入れるべきだったし、キャラを押し出す意図を持っているなら、もう少し暗くしておくべきだったかもしれない。
いずれにしろ、背景を含め全体像を色で遠近感を調整しすぎたため、白黒にすると肝心の陰影のバランス調整ができていないことが分かった。ちょっと残念な出来が分かる。
光源が見える絵と光
(夕焼けに陰帽子を作る絵:キャラよりも太陽が中心となる)
この絵は奥行きをかなり取って山並みからかすかに見える夕焼けを背景にオブジェクトを照らすことで、コントラストの強い絵を作り、それを色でカバーすることで印象的なものを作ろうとしている。
陰影をかなり意識したため全体のコントラストや明るさのバランスはある程度できている。中央にある太陽の光とそれを浴びるきつねや雪だるまはしっかりと太陽と対になる明るさを持っているし、その陰もかけている。
しかし、石畳の反射がキツネと比べ弱いことから、きつねが逆に浮いてしまい、若干背景と一体感のないキャラ配置になってしまっている。意図的にキツネを目立たせようとしたのならいいが、単に忘れていただけなので、良くない。
全体的に雪によってホワイトアウトしてしまう可能性もあるが、一体感を求めるなら、日によって当たる石畳を表現するか、木を配置して暗く見えなくしてしまうべきだったと思う。
あともうちょっと頑張るべきだった。
光源を意識しない絵と光
(一面の雪から覗く街並みとケモノ:各所にキャラを置き見どころを作った)
この絵は奥行きをかなり取って、場面を手前、橋、湖面、湖岸、建物、階段、奥建物、山という形で左下から徐々に右上に視点が向かうようにした。
各所に見てほしいところがあるが雪で全体が白くなってしまっているため、強い光源を配置したり、明らかな影(黒)を入れすぎてしまうと、コントラストが過剰になったり、サチレーションが起こってしまう。それをかわすために、光源を置かず、陰のみで各キャラの位置を作った。
敢えてカメラ的焦点はかなりいい加減にしたので、どこを見てもある程度キャラクターが理解できるような作りになった。各所に乱反射する光の影響があるといえば聞こえがいいが、各場面ごとに切れ切れな印象になってしまった。
湖面の反射を中心にするなら、正しい光の当たり方としては画面に対して水平・90℃の縦に陰が来るはずだが、キャラごとに手前であったり斜めであったりとバラバラになってしまっている。
また、手前の木とスイセンに影を作って、絵を締めることには成功しているが、そのため、近傍のキャラとの陰影の整合性が崩れている。
光源を意識しないような作りにしているが、その分、もう少し陰に気を付けていればもっとしっかりとしたものを作れたはずである。
総評として
全体的に以前よりも徐々にましな作りになっているが、コテコテと描きこんでいる割には詰めが甘いし、陰影がちゃんと表現できていないことが分かってきた。
おそらく、各オブジェクトを別シートで作っているために、合成時に陰影が齟齬として現れてしまったり、光源に対する意識が薄いためだと思うが、投稿前のちょっとしたチェックである程度改善できるはずの点も多いと思う。
色彩に関してバランスが徐々に取れるようになってきたのはいいが、肝心の光と陰の立体感が担保しきれず絵が破綻する可能性もあるので、もう少し慎重に見直しをする必要があるのではないかと感じた。
終わりに
う~ん、思ったよりも粗があった(;´Д`)
ごちゃごちゃ描いているけど、センスと言うよりももうあと2手3手の工夫が足りないのかもしれない。
ま、そのうち上達するだろう?!・・・そう信じたい(^ω^)
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