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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

見栄えのする絵を求めて

プロの絵描きさんの作品やCGアートを見ると「おぅふっ」と思ってしまう。どうやったらあんな見栄えのする絵が描けるんだろうかつらつらと考えてみた。

 

 

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(今週の一枚)廃墟となった昔の都を観光する(pixiv

 

 

 

差をどの程度出すべきか

 CGバリバリの映画はなかなかうまくいかないと以前の記事、CGが質の担保出来る限界で書いたけれど、絵の視点で見ると、なぜうまくいかなかったか前回と違ったものが見えてくる。

 例えば、トータルリコール(2012版)である。

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  こちらの作品の売りは二人の女性の格闘シーン(主役じゃなくて)とCGを多分に埋め込んだ意欲作で、スリリングなシーンてんこ盛りのアクション映画である。

 …が、売り上げは良くなかった。実際に見てみると分かるが、すごいシーンの連続だし、まるでそこに空飛ぶ車やSFチックな高層建築物があるように見えて、その中で大興奮バトルが起こるんだけれど、さっぱり見栄えがしないのである。

 CGはすごいのに実際のはめ込んだシーンは微妙なのだ。

 

 なんでだろうか(´_ゝ`)・・・とじっとり見てみると問題が見えてくる。

 いくつか問題は見えるが、一番は全体的にCGとの一体感がありすぎる点である。いくつかのCGを使ったバトルシーンがあるんだけれど、多くが暗い中で行われており、すごいバトルも何をしているのかいまいちわからない。確かにしっかりとした背景との一体感はあるのだが、それが原因で背景にキャラが負けてしまっているため、迫力を無くしているのである。

 絵を描いていると分かるが、大体見せたいところは意図的に明るくしたり、逆に真っ暗にする。つまり、背景やシーンの中でキャラを意図的に差を付けて見せつけるんだけれど、CG背景と俳優の一体感を意識するあまり、本来見せたいものを見にくくしてしまったんじゃないかと思う場面が多々あった。

 

 絵のメリハリの印象が動画でどこまで必要になるかは見る人の意識や閲覧する映像設備で大きく違うけれど、キャラを見せるとか、格闘(動き)を見せるなどの場合はその他の情報を出来るだけ除く方がいいと実感した。

 

 …とはいっても、キャラ絵を描くとどうしても背景やその他オブジェの情報が過剰になってしまうのが現状の自分の作風なので、描きこんだとしても、その描き込みの情報をいかにして少なくするかやむしろキャラの描き込みをさらに多くしてより強い焦点を作るかなどを考えなくてはいけないのかなぁなんて方向性が見えた。

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幽々子様の攻撃 見返すとやはりキャラが少し沈む)

 

色のメリハリ

 色と言うのは面白いもので、それ単独でも美味しそうとか悲しいとか基本的感情の情報を持っていることがある。これを上手くコントロールして作品のイメージを表現できれば、それは一つの才能になるのではないかと思う。

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 しかし、上の様な画材の販売展示をしているところに行ってみると、そのバランスや使い方を想像するだけでお腹いっぱいになってしまうので奥は深い。

 実際に見に行って自分でそれを観察し、色パターンを選択するのも一つの手であるが、色見本の様な一応この色にはその色が合いそうですよぉといったお勧めを用いてそこから自分の幅を広げてゆくのも一つの方法ではないかと思う。

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 最近特に思うのが、基本色のバリエーションの幅である。あるキャラクター、ある背景が色を持つが、それぞれのカラーバリエーションが豊富だとしても、それを見る人間自身がそれを認識していないのではないかと思うようになった。

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 基本的なお絵かきの動画を見ていても、選択しうる基本の色の種類はせいぜい4種類、場合によると2種類に収めたほうがメリハリのある仕上げになるのではないかと感じる。もちろん、その色同士を混合したり、ちょっとしたゴミや意識を散らす意味で小さく他の色を入れるのはありだろうが、あくまで基本となる色を絞った方がよく見えるような気がする。

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(パーツに特化するならさらに絞って2色が妥当ではないかと思う)

 

陰と色の幅

 絵を黒一色での表現すると分かりやすいと思うが、陰を意識的に描けば、実体感はある程度表現できる。その上で模様を書いたり自分のイメージするキャラや背景を付けていけばより表現力のある作品が作れるのではないかと思う。

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(棒人間も背景と陰があるとそこにいるように見える)

 

 日本のよくあるお絵かきの場合、陰や領域(境界)の指定の多くを線画が担っており、まずはしっかりとした線画を描き切り、その上で色を塗るという方法が主流であると思う。

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 この領域をまず決定する描き方は一色の場合にすごくわかりやすくて、表現としてもコミカルであったり、少し大げさなものの方が分かりやすく見やすく、好まれる。色情報が制限されている状況では、情報量が少ないので、それを上手くやりくりする描き方と考えればよい。 

 ここに色が入ると、当然、その表現の幅は非常に大きくなる。その色の状態に上記の陰の情報が負けないようにするため、陰をもっとわかりやすく見せるような表現方法が必要となり、まぁ一気に面倒くさくなる。

 

 では、この明暗(日本風では線画)と色のバリエーションはどの程度共存が可能で、どう使い分けたらいいのかと言うと、描き方や見せ方と言った作る人個々の感性も伴って答えはない。

 ただ、純粋に見栄えだけを良くしようと考えると一つの方法として情報を部分ごとに絞ればいいのではないかと思う。

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 上の動画では基本色を選択後に徐々に色のついた影や領域ごとの反射と色を選択して深みのある作品を作るチュートリアルを示しているが、ここで特に気になったのが、隣り合った部分との整合性と色のメリハリの意識であり、その差を見る際、色と陰と基本色と…と言ったいくつかのパラメータを比較するのではなく、陰なら陰だけをある部分では意識し、他の部分では反射する光のみに焦点を絞って作品を完成させている点であると思う。

 つまり、書く際に情報を絞って考え、境界を作ればメリハリは確保できるのではないだろうか。

 

まとめ

 意見は色々あると思うが、キャラと背景の差にしろ、色のバランスにしろ、境界のメリハリにしろ、見栄えを考えると「対比」である。そして、対比させる場合、見せたい部分の強調点はなるべく単純にして余分な情報を減らしておけば、それなりに栄える作品ができるんじゃないかと思った。

 

終わりに

 つらつらと考えていると、いかに自分の絵に強調点がないかが分かる(;´Д`)

 まぁ楽しみながら描いているからいいけど、もうちょっと上手になるにはそういったわかりやすく見てもらう視点も必要かなぁなんてぼんやり感じた(^ω^)

 

 

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