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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

しっくり感をどうしようか悩む

レイヤーごとに絵を描き重ねるとなかなか一体感のある絵にならない。色塗りや補正によって違和感をどうするかをいくつか考えてみた。

 

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(今週の一枚)猫は何匹いるでしょう(答えは一番後ろ pixiv

 

 

 

しっくりくる立体感と陰影

 以前の記事で グリザイユ画法の逆を考えて、完成したカラー絵を白黒化することでどの程度立体的にバランスしているかを調べた。

nipplelf.hatenablog.jp

 このチェックによって、自分の色塗りにはいくつかのパターンがあるが、純粋に陰影を言う現象を使って立体感を出そうという試みは…まぁそれなりにうまくいきつつあることが分かってきた。ただ、全体的に最後の仕上げに問題があったり、光源が多数あると技術的な限界が訪れてバランスが崩れてしまうことがあった。

 また、影でなく陰を考えると、光源から得た物体の影響を示すものであるが、その整合性も十全に表現しようと思うと、やはりかなり拙いところが見え隠れしてしまって、ばちッと決まらない点も問題であると思う。

 白と黒の関係性だけを考えればそのうちどうにかなりそうだが、カラーの絵をメインで作っているので、色と言う点で同じ様に一体感に問題もある。イラスト調に光と陰の関係が分かりやすい場合は白黒の関係だけを考えればいいが、ちょっとリアル目に絵を描く場合、反射を考えたり、陰の色や環境光との関係がネックとなって絵そのものの一体感がなくなるケースもある。色は光であり、乱反射している。

site.ngk.co.jp 簡単に言えば、緑色の絵なら陰も緑色になり、光源が黄色ければ陰も若干黄色くなるのである。これは絵の中に一種類の物体が存在していれば起こりえない現象で、二つ以上物体が存在する場合、反射して陰の部分にあたったり、本来影となる部分にも影響を与えるため起こる現象ともいえる。一体感のない絵はこの相互干渉や色のにじみがうまく表現できていないのかもしれない。

 

 自分の場合、黒く陰影を描き、それを消しゴムで消したり、レイヤーの透明度を変更することで一体感を出すが、絵全体の一体感を考えるとどうしてもパーツごと、キャラごとに分かれた印象になる。

 それを解消する方法としては最初から陰についてレイヤー効果の乗算を使うか、厚塗りのように書きこむ都度周辺の色を意識して徐々にパーツを組み立ててゆけばいいのだが、自分のごちゃごちゃした絵ではなかなかうまく対処できていないと感じた。

 

 そこで今回はパーツごとの色合わせと、絵全体の効果の補正と言う点、つまり、ミクロとマクロな視点からしっくり感を追う方法を考えてみた。

 

小さいものと周囲の影響

  女の子のアクセサリーを描くと頑張って装飾にこだわっても、完成したものはなかなか目立たず、絵の中に溶けてしまって頑張った分の価値をなかなか出せないことが多かった(´・ω・`)ショボン

 これは投稿した際の解像度の問題もあるが、自分の絵はコントラスト差が大きいものが多いため、線画的な細かさが色のビビットに負けてしまい良さが消えてしまったのかもしれないと思う。

 消えてもまぁしょうがないかと思いがちなのだが、女性を際立たせたり、絵にアクセントを付けようと思うとこういった装飾をしっかり意識させることができないとぼんやりしたダサイものになるので、ワンポイントアクセントはとても重要じゃないかとも感じる。

 特に、今回のように立体感もさることながら、絵全体の一体感・しっくり度をあげようと考えると、光源からの影響と、それによって生じた色の影響を受けてアクセサリー単独よりもカラフル(装飾がその分沈む)になる。 

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 (光源とオブジェクトの影響 : 髪留めは各所から色の影響を得る)

 

 上の絵の左カラムを見ると分かるが、光源がない状態で細かく描いた髪留めを見ると鈍い銀色をベースに宝石の色となるが、光源(左下の炎)を加えると光源となる炎の色を中心に近傍になる様々なものの影響を受ける(反射光による物体が持つ色の影響)。これを綺麗に反映すると元の装飾や色が全く消えてしまうので、上絵の右カラムのようにある程度影響を抑えて髪留めを塗り直すことで、最低限の一体感を作り、その上で炎の色を入れれば絵全体としての整合性も担保できるのではないかと思う。

 悩んでわかったことは「色を加える順番」ではないかと思う。上で言えば髪留めからの距離と光源からの影響が大切になる。まず、髪留めに一番近い髪の毛の色を加え、次に肌の色となり(乗算)、最後に光源と背景となる森からの反射の光陰をバランスさせるように加える(オーバーレイを重ねる)としっくりいった。

 もし小物の装飾を絵の中心とする場合はその近傍から徐々に広がるようにして着色し、影響を考えてレイヤー効果を加えてゆけば、色塗りがヘタであってもそれなりの印象があるものが作れるのではないかと思う。逆に言えば、あまり目立たせたくない部分があるのなら、遠い場所の色から攻めていけば、その部分の印象は極めて薄くなるのではないかと思う。

 

 色補正と一体感

  ミクロな部分から見ると、そこからの距離で色を整えてゆけばいいことが何となくわかったが、あくまでそれはその部分を目立たせつつ絵に破たんを及ぼさないかをを考えたものであって、絵全体から落とし込んで色を考えると見方が異なると思う。

 以前の記事ではより見栄えのいいものを作ろうということで、シャキッとさせるために、白黒ぼかしやチャンネルぼかしを考えたりすることで、色の集中とコントラスト差を絵の中に作り込むことを考えた。

nipplelf.hatenablog.jp

 今回は見栄えよりも絵全体の一体感を出したいので、色自体の彩度を減らしつつ、ぼんやりさせない方法を考えた。

 基本的には絵が完成した後のレイヤー効果になるが、考え方としてはビビットになった色をある程度寄せることになる。

 …いくつかのパターンを考えたが、今のところは下の絵のように効果を重ねるのが一番それっぽくなるんじゃないかと思う。 

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 (色と陰としっくり効果:一つずつの効果は弱いが重ねるとそれっぽくなる)

 

 一つ目は以前の記事にある白黒レイヤーを重ねることである。透明度によってかなり差があるが、作品のイメージを担保する部分は消しゴムで消してその他部分をレイヤーでマスクすれば、多少ガチャガチャした色であっても抑えることができた。

 2つ目が暖色(寒色)補正などの色フィルターの使用である。写真の技術であるが、ソフトに機能がないなら全面塗りつぶし1色のレイヤーを用意して透明度を落として重ねればいい。一つの色の効果をすべての領域にいきわたらせることで絵が落ち着く。大切なことは見せたい部分がぼやけないように調整することで、逆にその部分を強調したいなら、そこだけ塗りつぶした色を消してしまうのもアリかもしれない。

 3つ目は反射を指定しない弱い光源を追加することである。上絵だとほとんど見えないが、右上から斜線の日差しを描きこんでいる。これは陰の方向に沿って加えたもので、ハイライトをグッと加えてるのではなく、葉っぱから漏れる日差しや反射光を意識したような入れ方がいいと思う。特に陰の影響やオブジェクトの塗り込みをするのではなく、日差しがここにあることをにおわせる程度で効果が出る。この絵だとベタ色に対して不透明度5%程度あれば十分量だった。

 それぞれの効果はあまり強くしないが、効果を重ねることでかなり差が出たと思う。上の絵で言うと左上のカラムと右下のカラムではしっくり感が違う。

 絵のイメージによるので、バシッと見せるなら元絵(左上)のままのほうがいいし、柔らかい一体感を求めるなら効果全部乗せ(右下)がいいのではないかと思った。

 

 作品のイメージによって効果を考えて載せることができたら絵の幅も少しは広がるのかなぁ( ^ω^)・・・

 

 終わりに

  う~ん、いくら補正してもやっぱり元絵の描き込みが不十分だと効果が乗らない箇所が多いのかも(;´・ω・)

 エフェクトと描き込みのバランスが重要なのかもなぁ…なかなかうまくいかないものである(;´∀`)

 

 

 

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