へたくそなりに道具をそろえてそれっぽく描いているので、よりそれっぽさを出すためにデジタルお絵かきの筆について考えてみた。
(今週の一枚)3密のない通学風景(pixiv)
なんで筆?
一言で「筆」と言っても現実世界では様々な道具としての筆が存在する。その道具によって作り出される色や形は色々な絵になって我々を楽しませてくれる。
しかし、デジタル出力ではソフト内において便宜上ブラシとか鉛筆といっているだけで、PC側としてはそんなものは存在せず位置情報や色情報があるかないかと言うデータのみの存在となる。つまり、人間側が「どう入力するか」ということがデジタルお絵かきの「筆」となると言えるのかなぁなんて思う。
自分には絵心がほとんどなく、実際に絵を描くとへたくそ(クソ💩)と言っていい。その無能を補うために、パソコンハードの力とソフトによる加工のデジタル技術を使っているが、その多くの工程でPCに依存したデータ出力やその加工を見直す瞬間に出くわすことができる。これを見ることによってそれっぽいデジタル絵に少しずつ補正ができつつあるのではないかと思う。
ヘタは下手なりに別角度から考えて、より絵っぽく、より見ている人に綺麗とか楽しいとかエロいと思えるものを作ろうとしているともいえる(ないものねだりかな)。
今回はその過程において、確認も含めて「筆」の使い方・考え方をまとめておこうと思う。
デジタル筆の基本
デジタル筆の出力はよく見ると点々の集合で、それを線のように見せかけており、それを如何にも連続的に入力しているように見せかけている。
上のように間隔を開けると点々がよくわかるが、その間隔を狭めてゆけばあたかも線に見える。
つまり、パソコンは連続的に線をずーと書くものではなくて、点をテンテンテンテンと押しているというのが実態で、絵を描く際には意識しなくていいが、何かを加工したりソフトを利用して絵に何か仕掛けようとした際にはこれを抑えておかないと苦労することがある。
ブラシヘッドの違いと描き心地
お絵かきソフトにおいて様々なブラシパターンが存在するが、その機能の仕分けは大きく分けてブラシヘッドとその出力方法に分けることができる。
我々がスーッと線を連続的に入力してPCが黒丸を点々と出力するのが基本であるが、そのスタンプする点について様々な形にしてすることできる。この点の形で様々な見え方を作り出せる。
上のようにブラシヘッドを変えるだけでその点々の結果も変わることが分かるが、そのパターンを変えることの一番重要なことは描き心地にあるのではないかと思う。
例えば、上の図のブラシヘッドを色々変えて出力したとしても、最終的に出てくる線の多くは同じであるが、描いている側としては全く違う感覚を得る。
おそらく人間の脳みそは自分がやっていること(この場合線を描くこと、入力)とその後に起こる現象(線が出る、出力)をある程度予想して行動しているようで、よりその結果を予想のしやすいものこそがいい道具ということになるのだろう。
線を描く過程において引っかかるとか感覚が合わないという物の多くは手に持つペンやパソコン(タブレット)のハード面の問題もあると思うが、出力される結果によっても違和感を持つことがあると思うので、メインにするブラシヘッドは少し時間をかけて何種類かを試したほうがいいし、サブで使うヘッドは自分が意図して出したい質感(ふわっとする、エッジが立っている)を優先させたものを選んだほうがいいのでは…と実感している。
デジタルな筆利用
さて、デジタルな筆は上で書いたように現実の筆を仮想的に真似たものだけでなく、さまざまな特殊な使い方ができる。
その多くが点々と言うポイントを如何に利用するかということになる。具体的にはデジタル処理において点々の間隔や色・傾き・出力量を意図的に変更して、現実の筆ではなかなか作りだせない現象をデジタルキャンパスに出力する(絵を描く)ということになる。言葉で言ってもよくわからないので、とりあえず実例を書いておく。
同じものから違うものを出す
先ほど線は点の集合だと書いたが、点の集合が必ずしも線にはならない。あくまで、「同じ点」の集合が無個性な線になるのである。
だから、点々を打つたびに点に個性を付ければ線は個性を持ち、形を作る。
上の図のようにブラシヘッドを葉っぱぽくして線を描くとそれっぽくなるが、そのブラシヘッド(点)に個性を付けてやると、あたかも枝に葉っぱがくっついているように見える。塗るたびにブラシにセットした色を少しずつ変えれば右のように何か意味のある様な塊を簡単に作ることもできる。
大切な点はそれぞれの点はあまり大きく個性を付けないほうがいいことである。色や角度の幅がパラメータで100あったら、せいぜい動かしても2程度に収めておけばいい。隣り合う点々で大きく違いがあってよく見える場合でも、それを多数の集合とした場合はぐちゃぐちゃに見える。とくに絵を作ろうとした場合、非常に多くの点が集まるので、あまり大きく色が変化したり方向性がバラバラだと認識が追い付かず、気持ちの悪い像が映るみたいなので注意したほうがいい。
小さいところでそれっぽさを増す
デジタル筆の使い方としては補助や加工の意味合いが強い場合が多い。上のようにパターンを弄ってそれ自体が何かを作る場合もあるが、既に存在しているものをよりそれらしく見せようとする機能を考えてもいい。
例えば、動物を描く際、いくらそれっぽいデッサンができて美しいポーズがかけたとしても、実際に色を塗ってみたり清書してい見るといまいちなことがある。
これは色や清書によって周辺情報が削られたからではないかと思う。人によって感じ方は違うが、自分の場合、動物の場合は毛の質感であり、関節のしなやかさが消えてしまうことが多い。
そこで、デジタル筆を使って補助をすると上のようになる。ネズミのシルエットを描くとそれっぽくなるが、あくまでイラスト調で本物っぽさがない。これに色を塗ってしまうととても固い印象のネズミが誕生してしまう。厚塗りのごとく外周部を背景の色と合わせてぼかしてしまうのも一つの手であるが、外側をなぞるように「毛」ブラシでなぞってやるだけで柔らかさが全然違う。
このように質感を担保するものが動物や物体(石や土などでも)で必ずあるので、それを探して専用ブラシで1撫でしてやることで全く違った結果になるのではないかと思う。
ブラシと消しゴム
陰影を考えると、色を塗るということは色を抜くということにたどり着く場合がある。光を当てると陰が消える。赤色を充てると青色が薄くなる。こういったバランスはどこに意識を向けるかで大きく異なるが、筆と消しゴムの関係も同じようなことが言えるのではないかと思う。
上の図のように黒い点に消しゴムのヘッドを何かの模様にしてスタンプすれば、黒地が抜けて背景の灰色が浮かび上がる様なものができる。
同じヘッドで白地に黒でスタンプすると当然同じ模様が出力されるが、どっちもそれっぽさがある。消しゴムの場合は一体感があり、筆の場合は強調感が出る。
同じようなことが様々な場合で言えて、筆で線を描くのなら、消しゴムで線を抜くことができるし、スタンプした木を作るなら、スタンプぬいた木を見せることができる。
実際に筆を持つお絵かきでは多くが「塗ること」に注力されるが、デジタルにおいて「抜くこと」に視点を移しても絵を作ることができる。
ソフトのよって…
ちょっとした追記であるが、上でつらつら書いたことは基本的なデータ出力方法とその応用であって、それを根本から考え直した筆とそのソフトやそれを担保する高性能なPCも多く存在する。
また、アニメーションに重きを置いて、ベクターアートのように始点と終点と角度から線を定義して滑らかな線を志向する方法もあり、一概に点々の集合がデジタル絵とは言えないのかもしれない。
しかし、ぱっとデジタルお絵かきを考えると理解しやすいし、無料ソフトでお手軽にできるのが、ここで述べた点々アートなんじゃないかと思う。
終わりに
まぁ上手な人はこんなこと考えずにもわもわっといいものができるんだろうけど、下手は下手なりに描き方はあるよって感じです(^ω^)
自力でいい絵が描けるのが理想なんだけど、理想は理想ということで…(;´Д`)
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