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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

色々な書き方を使ってそれっぽい絵にする

塗り方を限定して描いていると限界を感じるので、いくつかの違った絵の描き方をしてそれを集めることで1枚の絵を描くことにした。それについてメモ的に書いてみる。

 

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(今週の一枚)もう秋も終わり(pixiv

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 色んな塗り方を混ぜるべきか?

 以前の記事で2種類の塗り方を使って絵を作ったと書いたが、その際にはいまいち上手くいかなかった。

nipplelf.hatenablog.jp

 これは別々の絵を組み合わせたため、焦点の問題や絵全体としてのテーマ性がよく分からなくなったことから齟齬が生まれたのではという自己批判が出た。

 このまま止めてしまい、どれか一つの画法を頑張るのも一つの手であるが、あんまり縛ると飽きてしまうので、少しずつ方法を混ぜて絵を作る試案を継続することにした。

 そこで、描き方の同じ絵を重ね合わせるのではなく、各パーツとしてそれぞれのイメージを抜き出し、背景やキャラに合った作り方を採用して、それぞれを組み合わせることで、一枚の絵にしてみた。

 今回はその際に考えたことや利点不利点を振り返ってみる。

 

厚塗り

「厚塗り」ってなんぞや

 イケてるお絵かき方法と言えば、「厚塗り」である。重厚なイメージと絵画チックな塗りはかっこいい。

 では、厚塗りとは何ですか?と言われると自分にはうまく説明できない。

dic.pixiv.net

 pixiv百科事典(有志のwiki)でも、どういう物であるとか、どういった技法が正しいものかと言った定義があるわけでなく、あえて言えば、アニメ塗りのようはっきりした線画と陰影が分かれているものに対比させる言葉として、油絵のような質感を出したデジタルの絵の総称をいっているように見える。いわばネットスラングに近いと自分は思っている。

 そのため、ここでは色をまずキャンパスに落とし、それに大まかな領域線を入れ、各部に陰影を入れていく油絵的手法を「厚塗り」と考える。

 

利点・不利点

 描き方として気付いたのは、隣り合う色をあまり違うものにしたり、全体の色のバリエーションを増やすには向かない点である。

 基本的に厚塗りは自由に隣の色を混ぜ合わせたり、別の色で領域を区切ったりすることができる分、この辺は適当にぼかしたり、この辺はしっかり区切るといった、明確な動きやフォーカスのイメージができないと、まともなものができないと思う。

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(鷹:羽の躍動感を出したかったので厚塗り)

 

 今回の鷹は茶、白、黄、黒という色を基本に羽の動きを中心に塗り分けていったが、これがもう一色多かったら、上手く塗り分けることができなかったかもしれない。

 一番動いている部分は羽の先っちょになり、動いていない場所は胸から嘴だと思う。だから、それに併せて書き込みの密度を胸部中心にした。

  色の多様化については自分の腕がしょうもないからかもしれないが、描き方的にぼんやりとした領域が多く、全体が流れるようなイメージの作品になる分、基本色の数が多いとその雰囲気が損なわれてしまい、多くなるほどその色の領域がバラバラになっているような印象を作る気がする。

 一方で、大体の輪郭を描き、必要部分だけ描き込むことで、見る人に描き込まれた部分から、その他細部についての印象を想像させることができるので、ある程度の描き方を覚えればそれなりの絵になると思う。

  センスが問われる分、自分にはなかなか難しい。

 

レイヤー利用型ブロック工法

 

何それ?

 適当に自分で名付けたものなので、もしかしたらちゃんと技術・プロトコル化した人がいるかもしれない。いずれにしろ、以前の記事で描いた(描き方)輪郭→着色→陰影において、レイヤーを多用する方法である。各部分を領域化して、腕なら腕、帽子なら帽子として描いてしまいそれぞれを組み合わせて、最終的に陰影やコントラストを調整する方法で、手間がかかる分、はずれのない仕様になっている。

 

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利点・不利点

 各レイヤーで形や色、影や陰、明るさやしわなど項目ごとに管理しているので、失敗が少ないし、部分的にAftereffectのパペットのような動きを想定することができるので、大小関わらず様々な修正が可能となり、最終的な失敗が少ない方法じゃないかなぁと思う。細部から積み上げていく方法ともいえる。

 その分、パーツが増えるほど管理が異常に面倒くさくなり、作るにも時間がかかるので、ちょっとしたお絵かきに使おうとするとヤケドする。

 また、各領域ごとの管理が可能な分、全体のイメージの統一感を出そうとすると、一度レイヤーを統合して一枚の絵としてさらに微調整をする必要があるので、2度手間となり慣れないと無駄が多くなる作り方だと思う。

 しっかりと固い印象の絵を作る時や外したくないキャラを描く際はこの方法を使った方がいい成果が出るのではないだろうか?

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(山岳魔法使い: 模様やアクセサリーが地味だが、付け足そうと思えはすぐできる)

 

ブラシを有効利用する

ブラシを作る

 各ソフトによってその形式が違うから何とも言えないが、photoshopの場合はある形をスタンプしていくことで画像を形成する。

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(記事ParticleShop よりphotoshopの仕様:この点の形を変えてブラシとする)

 このスタンプの間隔や散布方法や色を変えることで線を作ったり、形を作ったりしている。

  筆先をとがらせたり丸めたすれば様々な状態を表現できるし、そのまま木の枝を筆先にすれば、一発で木の木の枝を作ることだ出来る。

 

利点・不利点

 この方法は経験値や描き方というよりも、いかに自分のライブラリーの中にブラシの数が揃えられるか否かで、絵の質が変わるので、たくさんの筆先を持ち、それをしっかり管理できれば、ものすごく簡単に風景画などを描くことができる。

 下の山岳の風景はだいたい30分くらいで作れたが、そういったブラシがないとおそらく自分では何時間もかかったんじゃないか?と思う。

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 (ブラシを多用して背景を描いた:雲、山肌(遠)、山肌(近)、植物、木、葉、岩用など)

 

 当然、これは必要なものを持っているか持っていないかの差になる分、持っていない場合は全くこういった方法が取れない。自分がどういった絵を描くかを考えて、そのオブジェクトごとの筆先を揃える準備が一番大切な手法なので、こつこつとした収集と自作が必要になる。また、こういった有効なブラシパターンを売っているサイトもあるので、金がある人はどばーーーーーっ買ってしまえばいいかもしれない。

 

統合

 これらの描き方で描いた各パーツを集めて一つの絵にする。この際重要になるのは焦点と陰影であると思う。

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 (統合図:左上に強い光源がある陰は右下方向にできるが、反射を考えるとそこまで陰はない)

 

  焦点については今回手前のキャラに合わせて、背景をかなりぼかすイメージで作成した。そのままレイヤーで統合することができたが、違和感がある場合は、この背景にさらにぼかしを入れたり、背景色(この場合空の青)を距離に応じて追加することで、バランスを調整する。

 また、距離感にかかわらず、重要になってくるのは合わせたパーツが浮くか浮かないかという点である。以前のものは2枚の絵を左右に重ねた様になり、チグハグに見えた。これは焦点の有無と陰影のバランスが微妙だったことにその原因があると思う。

 例えば、今回の絵では鷹と魔女が同じく日の光を浴びるが、鷹は地面からの照り返しが少ない分、陰が強くなる。それに伴って、魔女の影は薄くなり遠近感と各キャラの状態がはっきり出る。

 今回は、記事中で書かなかった各オブジェクトも含め描き方を変え、焦点については担保できたので、陰影に気を付けて重ねた。

 必要なことは強い光源をなるべく減らし、できるだけ一つにすることではないかと思う。そうすれば、その光の影響をしっかりと絵に反映する時間が取れる・・・と思う。

 

 

終わりに

 この前の滝絵よりはうまくいったと思う。作成時間はあまり変わらなかったが、経験値的にはちょっと増したかもしれないという感想である。

 

 バシッと描ける人は厚塗りだろうが何であろうが、綺麗に描けるだろう。でも、素人に毛が生えてパソコン様のおかげで絵を作っている身としては、それを何とか有効活用できれば疑似的にしろそれっぽいものになるんじゃないかなぁと思っている。

 

 まぁ、こんな屁理屈考えないで、感性でぱっと描ければかっこいいし、それが一番だけど、そんな才能はないので、ぐちぐち考えながらなんとかそれっぽいものが作れれば嬉しいな(^ω^)

 

 

 

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