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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

二つの塗り方を併せてみる

ぼんやりした塊から描き込むことで物を描いたり、線画を敷いてそこに色を入れていく描き方がある。アプローチは逆だが、二つを混在させたらどうなるだろうか?描いてみて批評してみた。

 

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(今週の一枚)大暑突入(;・∀・)(pixiv

 

※目次※

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どうやって絵を描こうか

 紙に絵を描く時どう描くだろうか?まず外枠を描いてから、その中にキャラクターなら顔や服の模様を描く場合があるだろうし、目を描いて口を描いて顔の輪郭を描く、部分から全体に広げていく場合もあるだろう。ここには正解不正解はなく、おそらくそれぞれの人の「物を認識する方法」で描きやすさは変わるし、描き方が違っても描きたい場所に時間をかけることでその細密さも部分ごとに変わるだろう。

 カラーの絵を描く場合、厚塗りやアニメ塗りなどたくさんの色塗技術があり、それぞれに高い能力を持った人が絵を描いている。個々の技法を探ればそれこそ千変万化だが、自分には時間もないし、技術も未熟なので「これだ!」という描き方、塗り方などは定まらない。ただ、ごちゃごちゃやっている中で、なんとなく陰影を軸に絵を描こうとして2通りの描き方をしていることに気づいた。

 一つは特にキャラクターを描く場合に、しっかりと輪郭となる線画を描き、そこに個々のパーツを押し込んでいく方法で、そこから線画を消し、陰影をできるだけ強調する描き方である。

 もう一つは背景や風景を描く場合に、部分的に描いたものを付け足したり、コピペや部分変更などで量産化して全体を広げていく描き方である。

 なんとなくやっていたが、意識して描き方を実行することで、描き方の再認識とさらにそれぞれの描き方の特徴を出し、それを今回はあえて重ねてみて、遊んでみた。

 その際に考えたことを忘れないように書き残しておく。

 

(描き方)輪郭→着色→陰影

流れを図にしてみた。

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 (描き方の流れ:①~④の流れで完成させる)

 

  この書き方ではしっかりとラフやパーツを描かない。絶対に必要となるキャラの輪郭や筋肉の方向性のみラフに示して線画に起こしている。重要視しているのは②で行う影付けで、特定の方向からの光源と陰の影響を④つけている都合上、どの角度からも見えそうな影を付けることで立体感を出そうとしている。

 パーツを加えること(この場合服やアイス)で一体のキャラになるが、普通に作るより手間もかかるし無駄が多い。しかし、他の絵への流用や着せ替えなんかのイメージ変更の際にかかる時間がとても少なく済むのでこちらを使っている。

 

(描き方)部分描き込み→量産化→バランス調整

 こちらは完成図に対してどの程度描き込むかを図示してみた。

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(実際に力を入れる部分は2割くらい)

 

 厚塗りに近い描き方かなぁと思うが、こちらの方が絵に少し硬いイメージがあると思っている。この絵で具体的な描き方は、まず赤丸の滝と岩の部分を緑色、灰色のべた塗りからブラシを使ってカラーバリエーションを加えて、テクスチャーを貼り、大体の陰影をつける。注意点は少しきつめに領域の切れ目を意識して陰影をつけること。その後にその他の領域をあまり時間を描けず(赤丸の20%くらい)描いたり、コピペすることでボリュームを作り、各部分の輪郭を追記して、全体的な陰影を整えて完成させる。

 文字にすると非常にわかりずらいが、言いたいことは絵の中心となり描き込む部分は非常に少なく、ソフトのコピペ機能やちょっと色や形を変えることで違いを作り、全体を調整することで意外と簡単に作れるということである。

 当初この描き方で、遠近感を意識して焦点部分を1か所にしたが、写真じゃないので、見せたい部分を数か所しっかり描いてそれ以外を逆に雑に描くことで、目線を誘導することにした。

 だから、テンプレートとなるもの(ここでは滝部分と川の岩)がしっかり描けていれば、いい仕上がりになるし、その劣化版もそれっぽくなり絵として一応の体裁は整うが、テンプレートがまずいと全部だめになる。

 

二つの合成と批評

  二つの描き方をしたものを組み合わせてみたのが、この記事冒頭の今週の一枚になる。一見それっぽく見えるのだが、実際は結構問題があったので書き残しておく。

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(赤丸が絵の焦点部分、青い枠は若干ピンボケ部、矢印は2種類の光の向き)

 

 厚塗りが好きな人にはわかるのかもしれないが、この絵には焦点がない。写ルンですみたいに全体を何となくぼかしているのではなく、いくつもの焦点があり、絵としても何を言いたのかちょっとわからなくなっている。

 赤丸の部分が最もピントがあっているところで青枠はちょっとズレているところになり、それ以外はぼんやりしているが輪郭はわかる部分に分かれる。階層的なピントになっているが、合成前と比べて、視線誘導が上手くいっていない。

 また、光源の位置も実は2種類あって、手前のJKには画面上方向にあるが、奥の滝は右上から差し込むような作りになっていて、JKは全体を陰が覆うようにして明るさを下げているが、コントラストとしては手前と奥が同程度になっているので、両方とも目立つ作りになっている。なんとなく方向性が一致しない。

 さらに、パースに関しては手前の絵は右に消失点を作り、奥は滝の水が出始めているところにある。これによってすっと奥に目線が逝ったり、逆に手前に行ったりすることができずに、ちぐはぐな感じを受ける。

 全く違う絵を合成したようになって、とても不思議な作りになってしまった。テーマとしては涼しいものを一杯乗せて涼しくなってもらおうという意図だったのだが、絵としてはう~ん( ^ω^)・・・という出来になった。

 視覚的、色的焦点がいくつもあることが滝の絵のいいところだと思ったので、それを手前のJKまで拡張したかったのだが、やはり無理があったのかもしれない。

 今回は遊びで色々ぶっこんでみたのでまぁいいとしても、やっぱり一つ強い焦点に集中するか、全体的にぼんやりさせた方が絵のテーマとして伝わりやすいと感じた。

 

 

終わりに

 今回、ちゃんと描き方を意識して描くとそれなりにいいものができたと思う。

 ただ、残念だったのは、それぞれに時間をかけて作ったものを合成してみると、単独で作ったものよりも印象が薄く、上手くイメージの足し算にならなかった点である。

 特に気になったのは光の強さ、陰影の強弱の調整と何を見てもらいたいかがぼけた点であった。

 ・・・というわけで、やっぱり今の自分の実力的には均等に時間を使ってもビシッとした作品は作れないので、もし描き方を使い分けるとしても、見せたいところに時間を重点的に使ってそれ以外はむしろ雑に描いた方がいいということが分かった。

 キャラならキャラを、風景なら風景を、コンセプトならコンセプトをどれか一点を強調すべきなんだろう。

  

意見を主張するのは絵でも難しい(;・∀・)

もうひと踏ん張りが必要だ💪

 

 

 

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