nipplelfsblog

nipplelf’s blog

1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

どのくらい暗くして絵を明るくしようか

人の眼は明暗さで物を見る。できるだけ効率よくその差を作るにはどうしたらいいのだろうか?ちょっと悩んで実践したことを書いてみる。

 

 

f:id:nipplelf:20181119181637j:plain

(今週の一枚)暗くてもとても明るい(pixiv

_______________

 _______________

 

端の明るさ、描き方の使い分け

 キャラの絵を目立たせようと思うと、ピカピカっとしたものがもちろん目立つ。ただ、ピカピカと言った抽象的な言い方ではわからないので、よく輝いている上手な作品をじっと見ると、そういった絵で目立つ点が、「端」をどうにかするという点ではないかと思う。

 例えば、トレーディングカードのような作品では最後には様々なエフェクトを追加して輝くのだが、おそらく、その基本となるキャラと背景にはしっかりとした領域の境界が存在し、その境界をどう弄るかが作品の質につながるのだと思う。厚塗りや写真のようなぼかしのある端としっかりと見える端をどうするかと言ったものはなく、距離感に関係なくキャラ全体がしっかりと見える部分をどうするかともいえる。

 この端と言って思い出すのが「線画」であり、漫画は線画が命というくらいで、モノクロ故にそのキャラクターやオブジェクトの境域をどう表現するかでその作品の質感やイメージが大きく変わる。細い線であれば繊細なイメージ、筆で描いたような太く荒々しいものであれば力強いイメージが出ると思う。

 この線画的な考え方で、境界領域をしっかりと維持するかどうかを考える際、モノクロと違い、色を塗る作品では結構選択が難しくて、上手な人は距離感や絵の中にある物体の強調にこれを使って無意識的に目立たせるという方法を使っている。

 しかし、そういった調整やセンスを手に入れるまでがとても難しい技法だと思うので、自分は簡単に3つに分けて使うことにしている。

 

f:id:nipplelf:20181119212920j:plain

(簡単な「端」の塗り分けのモヒカンの図)

 

上の図のように分けていて、

  • 背景と一体感を作りたい場合は光源を意識して左のモヒカンの様にある方向にのみ塗り込みをする。
  • いくつかのキャラやオブジェクトの中で、少し領域を強調する際には真ん中のモヒカンの様に内側の輪郭全体を塗る。
  • 遠近感などの実体感を無視して、とにかく絵の一番前に強調する際は左のモヒカンの様に領域の外側を塗る。

本当にちょっとしたことなんだけど、意識的に使い分けることで強調の程度が大きく違って、サムネイルにした際の縮小絵でもはっきりわかる程度に違いが出る。

 また、上の図では白を使って塗っているが、これを黒にして逆の効果を意図するのも一つの手じゃないかと思う。

 

目立つ色とその選択

 どうも自分には色選択のセンスが乏しい。

 だから、絵がカラフルになればなるほど評価が下がり、自分が見返しても何と言うか…アバンギャルドな絵になる。

 これはおそらく、その画像の中で中心となる色がうまく選べずに、まだらな色がバラバラと載せられているためにおかしくなるんだろうなぁなんて思っている。

nipplelf.hatenablog.jp

 以前のブログ記事の(段々色と効果)において、遠近感として光の強さを色で考えると比較的よく背景色を選択できたが、距離感のない色分けにおいてはなかなか解決できていなかった。

 

 そこで考え方を変えて、目立つ色の組み合わせではなく、色をどう綺麗に見せようかということに考え方を変えてみた。

 そこからイメージできたことは、

  • 中心の一色を決める
  • 塗る色をできるだけ絞る
  • 色ごとに目立たせる方法が違う

といった点であった。

 ある一色を目立たせようとすると、引き立て役の色は存在するが、逆にそれを阻害する色が思いのほか多く存在して、二つを同じキャンパスの中に入れるとものすごく醜く、見にくくなった。

 色見本を見ても分かるように、ある色には好ましい組み合わせパターンが存在して、特に、特定の色を使うのなら、使える色の数はかなり絞らるのだろう。

 こういった選択はずっとセンスだと思っていたが、「1色はこれを使う」と決めてしまえば、その脇役となる配色はおのずと限定されるので、その中から選べばいいということになり、あんまり悩んだり考えたりする必要がなくなってすごく楽になった。

 

f:id:nipplelf:20181120001439j:plain

(左:髪の毛を中心に配色、右:何となく配色 色合い的には左が断然いいと思う)

 

 また、暗い背景に生える色と明るい背景にマッチする色があるが、自分的にはそれは当てはまらないと思っている。まず1色を決めて全体を整えることで、陰影をコントロールできればどうとでもなるというのが最近のマイブームで、明暗とのマッチングはそれを補うものなんじゃないだろうかという感じである。

 絵のテーマを決め、雨のイメージの色を一色とか、秋のイメージの色を一色これかなぁと決めれば、あとはサブの配色が決まり、その色に沿って明るさも陰影も調整できるので、テーマ→色・・・と中心点から広げる構想ができる。

f:id:nipplelf:20181119220940j:plain

(中心がキツネ色で6色と陰影、テクスチャでコントロール

 

 実例として、上の絵は色とりどりに見えるが、基本の色は6色(それでも多いかも)で後はレイヤーの効果でバランスをとってカラフルに見せかけている。

 たくさん色があるのが正しいのではなく、1つの色に合うか合わないかで判断するのは自分的な結構な発見だと思う。

 

黒を使って明るくする

 自然で分かりやすい明るさを入れようとすると、ほとんど無理がと思う。自然なら明るすぎるか暗すぎるいずれかだし、わかりやすいなら作為的であり嘘くさくなる。

 その矛盾を上手く乗り越えて素敵な作品を見ると正直嫉妬するのだが、まぁブツブツ言っていてもしょうがないので、「黒」を起点にそれをどうにかしようと試している。(自分のやり方は結構作為的なので自然さは薄いかもしれない)

 

黒を抜く

 グリザイユ技法という方法があって、簡単に言えば白いキャンパスに影だけを塗って、後から別のレイヤーに色を載せるという方法である(厳密に言えば違うけど)。

f:id:nipplelf:20181120003458j:plain

(グリザイユ技法的な陰とその着色例:モノクロの陰影をベースに着色)

 

この方法の様にうまく陰影をつけ、バランスを制御することができれば、立体的でリアルに迫る作品が作れるのかもしれないが・・・

 

めんどくさい。

 

そこで、もっと簡単に立体化をする方法としては、全面を黒く塗って明るい部分を抜いて作ればいいんじゃないかと思う。

f:id:nipplelf:20181120004755j:plain

(容易な影付け法: レイヤーを着色と影の2つを用意する)

 

 どこまで細かくやるかがグリザイユ技法のネックになると思うが、それは大量の時間を使うし、できない人にができない。

 だから、完成した絵やちょっとだけそれっぽくしたいなら、細部を塗ってこまごまやるよりも、全体を上の様に黒を抜いてしまった方が自然に、しかも楽に影を入れられるのではないだろうかと思う。劣化版・量産型の考え方かもしれないが、アニメのような大雑把な顔なんかにはむしろこの方がいいと思う。

 

黒のオーバーレイ

 画像編集ソフトやお絵かきソフトはその技術競争の中で、様々な特殊なフィルターや編集機能を進化させ、加工することで素晴らしい作品に・・・いわば偽造してくれる。

 でも、そういった機能はたくさんあって使いきれないし、機能を十分に理解しないと作業の重荷になって逆効果だったりする。

 なので、そういった機能を使わずにササっと明るくしようかと考えると、お手軽なのは絵全体へのマスクや絵の重ね合わせじゃないかなぁと思う。

 photoshopにはレイヤーマスクと言う機能があって、画像の元情報を保持したまま様々な加工をする機能があり、それを使って特殊加工を行える仕様になっている。

 しかし、普通のお絵かきソフトにはそういった機能はついていないだろう。画質調整機能としても、明るさ、コントラストを弄る方法では全体の印象が著しく変わるし、ガンマ曲線的な色調補正もかなりテクニカルな面が強いのでやりにくい。

 そこで、使うだろう機能部分のテクニックだけを抽出すると「重ねる」というポイントにたどり着く。方法はいたって簡単で、例えば、えの色の強さを弄りたいなら、描いた絵をそのまま全コピーして新しいレイヤーに張り付ける。そして、その新しいレイヤーの描画モードや透明度を変更するだけである(疑似的レイヤーマスク)。

 この重ね合わせの際に、もっと明るさを強調する方法は新規レイヤー全面を黒く塗り、オーバーレイをかける方法である。一気に印象が変わるので、試しにやってもいいのではないだろうか?

f:id:nipplelf:20181120011456j:plain

(黒一色のオーバーレイ効果:かなり明暗を意識した絵でも効果が高い)

 

終わりに

 まぁ、上手な人ならこんなことせずにすごいの作れるんだろうけど、ササっとやるくらいなら、ちょっとだけ手間をかけるだけでかなり絵の印象が変わるんじゃないだろうかと思って書いてみた。

 

 ちょっと塩コショウを振るだけで、料理がおいしくなる。

 

そんなデジタルお絵かきでもいいんじゃないかな(^ω^)

 

 

 

 

 ☆エロ同人CG販売中

 

 

COPYRIGHT Nipplelf ALL RIGHTS RESERVED.