粘土での造形がほぼ終わりついに色塗り。その際にやったことや気づいたことを書いた備忘録的な記事
(今週の一枚)魔法学校へ…(pixiv)
実際やったこと
今回行った作業は
1粘土以外の素材のマスキング
2サーフェイサー処理
3腹部の塗装2回
4腹部のマスキング
5全体塗装7回
6グラディエーション塗装
7調整のやすり掛け
8目玉とレジン化粧
9ウェザーリング汚し
10トップコート
…という初心者を殺しの作業となった。ここでいろいろ技法云々について書いてもいいが、もっと上手にできる人がたくさん情報発信をしているので、今回は自分なりに気になって考えた点に絞って書いてみようと思う。
マスキングについて
マスキングとはつまり、部分的に表面を覆って塗りたくない部分を防御しようとする作業で、これをすることできれいに塗り分けをする方法なんだと思う。
石塑粘土に対して、どの方法でどのマスキング材が適切なのか全く情報がなかったので、実際にマスクする前に試した。
使ったものはマスキングテープ、練消し2種類、Mr.Masking Solution Neoを試してみた。
Neoは石内に溶液が浸透する傾向があって、うまく隠蔽できるけど取り除くのに非常に苦労した。また、凹凸が深いものはくっついて作業がしにくかった。表面処理をして像の表面をしっかりサーフェーサーで覆ってプラスチック様の状態にできればうまくいくかもしれない。
マスキングテープは2重に貼ればほぼ完全に隠蔽できるが、細かい部分を覆うことが難しかった。きれいな面の場合はカッターなどでテープを成型して張れば効果があるだろうが、凹凸が大きい場合は境界を綺麗に覆うことは難しいと思う。
2種類の練消しはどちらも隠ぺい性の違いはなくどちらもよかった。柔らかさで写真左から2番目のものは使いやすかった。あまり強く押さえてマスクすると凹凸面にがっちりくっついてはがれにくかったので加減が必要であった。
…ということで、一長一短だったので、マスク境界は練消しを使い、その他広い面はマスキングテープで対応した。
マスクする素材ごとに使いやすさは異なるが、練消しを使うのはかなりいい手段なんじゃないかと思う。
エアブラシと色彩についての一考
自分の家の環境から色の塗装は新水性ホビーカラー アクリジョンを選択した(ラッカー系の常時使用は無理)。
色塗りとエアブラシ初体験だったのでビビりながらの作業となったが、その際一番ネックとなったのは色ごとの塗料の扱いの違いであった。原因は塗料の中に入っている染料だと思う。溶けやすかったり重さが違ったり、粒子の大きさが違うことでそれぞれに扱いが異なってしまうからである。ラッカー系とは異なり、水性はその傾向が高いようで初心者として苦労した。
具体的に困った点と自分なりの解決策を挙げていく。
器具と塗料の関係
ものの本に何対何で溶かせばいい、目視でこのくらいの濃さに溶かせばいいなんてことが書いてあるが、これが全くあてにならなかった。例えば、黒色と赤色では溶けやすさと器具への付きやすさが違い、同じ濃度なら赤のほうがエアブラシが詰まりやすかった。
詰まるたびに洗浄しているとアホにみたいに時間がかかってしまうし、たまに溶けていない塊がどぶっと像にかかってしまいシミになったこともあった。
これを解決する方法としては2つある。
一つは溶液をさらに薄めることである。原液:クレオスT-111=1:1(専用液T-315は0.3)で薄めろみたいに書いてあるけど溶け切らない。そこでさらに薄めて1:2(0.6)程度まで幅を持たせて各色ごとにチェックしてから塗装することになった。
もう一つは溶けないものは何をやっても溶けないので、エアブラシに入れる前にろ過することである。自分は100均の茶こしを使って濾すとエアブラシのつまりがかなり軽減された。
塗料の隠蔽・透過率の違い
塗料の濃さや性質、膜のつくりやすさもあるだろうが、もともとの色が光を通しやすいかどうかという問題にも困った。簡単に言えば波長、赤橙黄緑青藍紫の順に隠ぺい力が強くなる。これは調色してみるとはっきりわかるんだけど、等量混ぜても等倍で発色しないので、想定した色を出すには相当の訓練とセンスが必要なのだろう。はっきりした透過率の割合はいまだによくわからない。
下地の色をどのくらい隠せるかというのは何回も重ね塗りをする際には重要で、特にグラデーションを意識したり綺麗に境界を出そうとすると塗りの順番が難しくなる。
自分は絵を描いているおり、なんとなく経験があるので助かったが、パッとやると意味不明になるのではないかと思った。
解決策としては波長の近い色(赤なら橙、青なら緑)の組み合わせで色塗りをして、遠い色(赤と青)をできるだけ避けることだろう。もし同居させるなら重ね塗りは避けてその都度マスキングして色を別の状態に維持しないといけない。遠いものを混ぜてしまうと調整してもどちらかに色が寄ってしまい綺麗に発色できないのは明らかだ。
また、赤でも明るい赤や暗い赤(つまり明度)があるが、その色を重ね塗りする場合は明るいものから塗ったほうがいいのではないかと思う。ただ、像をどうやってアピールするかで塗り方は変わるので絶対ではないと思う。要修行というところだろう。
エアブラシ選び
なんだかんだで3つのエアブラシを持つことになったんだけど、それぞれ癖があった。
写真左のTAMIYAのガンタイプはとても使いやすかったんだけど、常に空気が出るようになっていてコンプレッサーにかなり負担がかかる。そのため、手元でオンオフのアタッチメントを追加購入する必要があった。
右のものはコンプレッサー(ツールアイランド)を買った際におまけでついてきたものなんだけど、よく詰まる(;´Д`) 作業感は悪くないんだけど、清掃に手間がかかりすぎてお箱入りになってしまった。
…ということでエアテックス エアレバ仕様のエアブラシ(ATL-XP725P)を購入して使用した。ちょっと特殊な商品でレビューには賛否があった。何万円もするものと同じように使えて、ある程度の強弱を調節がワンタッチでできるが、正確に噴射量を調節することは難しいというものだった。
写真はマスクした腹部に軽く噴いて立体感を追加した像になる。実際に使ってみるとそれなりに柔らかい仕上げをすることはできた。
確かに無段階変速で塗料を出すことはできない。おそらく3段くらいの噴射量調節が限界じゃないかと感じた。…とはいっても、おまけや安物のエアブラシより使いやすいので満足している。
純粋にべた塗りするならタミヤ ベーシックエアーブラシ(74531)+手元調整バルブが一番コスパがいいと思うが、ちょっと細かいことをしようと思うなら高いものを検討すればいいと思った。
表面処理について
塗装前になんで表面処理をするかというと、プラモデルの場合は傷の確認と隠ぺい、塗装の接着力の強化、下地の色を消すといった具合により安定的に美しく色を出すための技術として知られている。
石塑粘土の場合はちょっと違う。まず、石こう自体にプラよりも大きい穴がたくさん開いていているため、それに蓋をして染料のにじみを防ぐ効果があると思う。
また、石”塑”粘土(可塑性の塑)なので水やその他液体によって容易に形が崩れてしまう。そのため、そういった外部影響から像を守るための最初のコートが必要という面がある。
特に今回、自分は水性の塗料(新水性アクリジョン)を使ったのでこの作業は必須となった。
実際やってみて驚いたことは1回目はとにかく塗料を吸うということである。自分の場合、この大きさで希釈液50ml程度を使ってしまった。
まぁ、一気に塗ってしまったことが大量消費の原因なのだが、その分非常に強固な膜を像に定着したと考えればいいかもしれない。一方で、量をケチろうと思ったら軽く吹いて乾燥させる作業を2,3度行ってから本塗装を行えば量はかなり節約できると思う。
この点はトレードオフで、像にガッツリくっついた膜を作りたいなら量は必要だし、量を節約するなら薄い膜になってしまう。どの程度の塗膜を何層作るかでこの量を決めたほうがいいのではないかと思う。
ウェザーリングについて
環境表現である。ポイントは2点あって、生き物の像であることと、動いているイメージだと汚れるという点である。
ガンダムや戦車と違って生き物・ドラゴンはくっきりとした0/1コントラストのある面は存在しない。そのため、プラモデルでやるようなスジボリから墨入れのようなくっきりとした境界線は作るべきではなのかもしれない。つまり、生き物は体の内側の環境を意識するとそれっぽくなるのではないかという考えになる。
しかし、像の見てくれを考えると凹凸の強調や陰影の表現においてやはり黒い部分は必要となる。そこで、実態感を出すための作業としてアクリル絵の具で細かい部分を再び塗って、その一環として黒を入れた。
また、ドラゴンの躍動感を出すためには外の環境による汚れを入れる必要があると思う。この辺は好みになるが、生きていて動き回れば多かれ少なかれピカピカなのはおかしいというのが持論なので今回は簡単に仕上げ前に汚すことにした。
TAMIYAのメイクアップ材シリーズが有名だけど、量的に小さい汚れや軽い色彩変化を表現する場合に適していて汚れを大きくしたり、大きな変化には向かないと思う。
次回の背景作成(ジオラマ)ではドライブラシを使いたいと思っているが、今回は少し楽をする方法を調べた。
その中で一番楽に変化がつけられたのが、「クレパスを茶こしでこすって振りかける
」である。どちらも100均で手に入るのでコスパはいい。パラパラと粉がつくので指でつついてつけるものいいし、ブラシでなでてもいい。汚れを広げたい場合は少し多めに振りかけて、指で軽くこするとそれっぽい風合いになる。塗料の膜を傷つけることなく拭き取れるので結構お勧め。
写真(ウェザーリング後に艶消しトップコート済)のように胸部・腹部は筋を入れつつ影を入れ、茶色と黄色で埃や砂がついてそれっぽい感じを出せたと思う。
完成図
…というわけで完成!
初めてにしてはそれなりのものに仕上がったんじゃないかと思う(^ω^)
がお~🦕
終わりに
想像以上に時間がかかった(;´Д`)
これから背景のジオラマを作るけどもう少しペースアップして本来の3DCGへの足掛かりにしたいな( ^ω^)・・・
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