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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

印象的な絵と色の幅

色を上手く使って絵の印象度を上げようとするけどなかなかうまくいかない。どうすればいい味を出せるのか考えてみた。 

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(今週の一枚)あ~染みるわ~(pixiv

 

 

  以前の記事では風景をどうにかそれっぽく描こうと考え、光源と距離と焦点という物理的な現象から描き方を考えた。今回は少し抽象的に色の季節的な価値とイラスト的視点、キャラクターの配色からどうやって色を使おうかぶつくさ考えてみた。

 

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季節と色

  最近は季節に沿った作品を多く作っていたので、その過程で色々と考えることがあった。また、季節に合う色やその季節を表す色は何かなぁと他作者様の作品を見ることが増えた。鑑賞していて面白いと感じたのは写実的な風景画と情景を意識した作品ではその彩りが大分違っている点だと思う。

 写実的な風景の場合、街並みや都市などの人工物が多い作品では当然季節によって変化する点が少ない。雪が降るという気象を除けば冬であっても基本の色彩はほど同じで、日照を考えて若干秋冬は暗めになるが色としては差を見つけることができない。ワンポイントで花が咲たり落ち葉が舞ったりとオブジェクトの効果で季節を感じる傾向がある。もちろん都市部であっても植物はある。そういった場所を描いている作品ではその中心点に季節や変化を強く意図する多いが、逆に言ってしまえばそれ以外の領域ではコンクリートや金属、むき出しの土など季節感のない色が多くを占めていた。

 イメージを絵に落とした作品の場合、実際の風景よりも過剰に色を強調するケースが多いのではないかと思う。例えば、赤い落ち葉が一枚道路に落ちているのが本来の姿だとすると、情景を出した作品では全体的に赤みを帯びたトーンで整え、たくさんの赤や黄色の落ち葉が数えきれないくらい描き込まれているような色を強調した描写が目立った。もちろん何をその作品の中心に据えるかで描き方は違ってくるが、色…特に彩度の傾向としては全体的に中心に引きずられており明るさを変化させることで距離感や印象点を作っていると思った。

 写真に関しても、その多くが色相やグラディエーションをある程度加工しているものが展覧で多くを占めている。そういったものを改めて見ても、強いコントラスト(明暗)の差が作品内にあったとしても、彩度において作品中で大きく離れたものにはなっていないようである。

 これらからわかってくることは、中心の色(もしくは色のコンビ)をまず決めて、それに沿うように色相を展開しているものが「いい絵」であるようだ。そこでさらに先ほどの風景画を見返すと、写実的に描く場合は発色を押さえ(白黒っぽくなる)て中心や強調点に色が強い出る手法を用いたり、情景を強く出す場合は色に一体感を出す必要があるみたいである。

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(黄色一色とそれに近い色に合わせて全体を整えた絵)

 

 それを考えて小麦の色を軸にほとんどカラーバリエーションがない絵を作ってみると、単なる風景画ではなく一応それっぽい情景が作れたんではないかと思う。

 

イラスト的一体感

  イラスト調の作品を見ていると鮮やかだなぁと思う一方で、意図的に切り面を作って強調点を作っている作品に出くわす。多くの場合はイラストの絵ではなく、文字をバーンと入れたり、吹き出しを加えて強制的に枠を作っている場合なんだけど、色でもそういった結節を作っていることも間々見かける。

 注目点は、色見本的な色同士の調和を敢えて無視して多色の配色をしている作品でも少し引いて全体像を見て見ると結構一体感が出ているケースが多い点である。スーパーのチラシを想像してもらえると分かりやすいんだけど、人参やら電池やら雑多な商品と色があふれており、文字フォントのサイズもめちゃめちゃで一つのカラムから順番に見ないと分からない作りになっているが、遠目で見るとなんとなくまとまって一つの絵のようになっている。

 おそらくこれは文字の色や枠の色がチラシ全体の色をバラバラに裁断して中心となるポイントを作らないようにしているからなんじゃないかと思った。多くの色と分断を作ることで中心点が分からなくなるが、それが平均的に作品内にあることでチラシ全体が平面化して一体感を作っているのではないかと思う。

 つまり、情報量(この場合は色)が多数あってもそれが作品全体に分布している場合は人の眼が「同じである」と誤認して平べったい…つまり一体感があると誤認してしまうようである。ここからわかることは背景に色をたくさん描き込んだり、単色で統一しても画面内に情報量の差がないと一体的に見えるし、一部で過不足があるとそこがえの強調点になりえると考えられる。

 また、作品内での色彩量の多寡でイラストを見ていると、色の配色はそれを見る人にどれだけ時間を使わせるかで配色が変わってくるのではないかと感じた。

 ロゴや商品パッケージでは一瞬で判断できるように1、2色と少ない色で明るめに配色し、本の表紙や看板などの比較的文字の多いものは少し色数を増やして10秒程度は止まって見られるように配色し、漫画の表紙やイラスト本は10色程度の幅を持って一枚を3分程度は見つめられるようにしている。しかし、注意書き看板など文字などの情報量ものは逆に色の数は3色程度に減っていた。

 ここからわかることは、色の数で人の認識できる情報量が変わる言うことだろう。だから、絵を描く場合、中心に据えるものはできるだけ明るく、配色を少なくし、その周りの部分は配色が多めでもいいが、少し暗めにしたほうがいいということだろう。見てくれる人にビビットな中心部を見せて一瞬で意識を掴んで、それからゆっくりと全体像を見せることができるような周りの少し情報が多めの暗い色を配置できればいい絵になるのかもしれない。

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(色の情報過剰な背景と色の情報過小な女の子キャラ)

 

 敢えてキャラの個性(色)を減らす描き方をしてみたが、一番目立っているのはその色数が少ない女の子になったと思う。背景薄い、キャラ鮮やかというパターンをよく見かけるが、その逆をやっても印象点は作れたと思う。

 

キャラと色

 これは結構迷っている所なんだけど、それこそ有名なキャラクターやアニメデザインを見るとバストアップと全身像で必要になってくる色のパターンが違うんじゃないかと思うようになった。

 バストアップの場合で一番重要なのは女性キャラでは瞳の色で、その次が髪の毛の色になる。キャラクターの性格イメージが強く反映されると思う。例えば、明るい性格ならそれに合わせて明るい瞳(輝き)とキラキラした髪の毛になる。ここでの色はどちらかと言うと色相よりも明るさに重点があるのではないかと思う。瞳と髪の毛の兼ね合いは男性キャラの場合、バラバラにするよりも同色、近い色がいいみたいであまりキラキラした色が少ないと思う。見ている人が求める男性像、女性像があるみたいでこの辺は流行があるのかもしれない。

 一方、全身像の場合、重要となってくるのは色の広がりよりもトータルで一体感があるかどうかに尽きると思う。例えば、上半身と下半身のカラーイメージが極端に違うとぶつ切りになったような印象が出てしまいものすごい違和感が出てイラストとして成立しない。

 色の好みは千差万別だけど、特にこの一体感に注意して描き切らないといくらデッサンが整っていても気持ち悪い作品になってしまうと感じた。基本的には1色をそのキャラのイメージカラーに据えて6割程度をそれで埋める。そして、3割をその色に近い明度彩度の色を飾って、残り1割を全く別系統の色を添えてアクセサリー的なライトアップするポイントを作ればいいみたいである。イラスト絵は結構ビビットに栄える色がぶつかるような配色かと思っていたけど、9割が一体感と作り、残り1割で印象度を上げているようなので、作風によってこの1割をどの程度飛ばすか、もしくは1割を上限としてどの程度減らすかでキャラ全体のインパクトが違ってくるのだろう。

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(髪の毛に合わせた色を選択し、全体的に落ち着いた色彩の服装)

 

 おっさんが秋物コーデとかめちゃワロスwwwとなるが、キャラクターの髪色を中心に据えると意外と色のバリエーションが決まった。おそらく、瞳の色が加わってもその組み合わせを損なわない塗り方をすればある程度のものは作れるのではないかと思う。

 

終わりに

 色々考えてもやっぱり上手な人の筆遣いには遠く及ばない。ただ、何を中心にしてそれを支える方法を考えれば、それなりのものは作れるのではないかなぁと感じた。

・・・まぁ日々精進である(^ω^)

 

 

 

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