室内でデジタル一眼レフを使って、できるだけ安い機材で綺麗な画像を撮ろうと頑張ったので、そのセットアップについてまとめてみた。
（今週の一枚）今年もあいつがやってきた（pixiv）
３ＤＣＧを作る前に、実物を作成しているので、その作成風景を録画しておこうとして工作部屋に撮影セットを作った。
この撮影セットは自分なりの答えなんだけど、前回は簡単にまとめたがそこに至るまでに色々考えたので、忘れないようにそれを書いておこうと思う。
一番安くて簡単な撮影セット
ハッキリ言ってお手軽にTikTokやYoutubeへ投稿するならスマホを使うのが一番いい。高いカメラや難しいソフトなんか使う必要もない。
スマホの最も素晴らしい点はフリーソフトが山のようにあることで、これを元に撮影、録画、編集、投稿という一連の流れがストレスなくできる。気に入ったものであればGoogle PlayやApple Storeから購入できる。自分はスマホベースに撮影をしていないので、おすすめソフトを見せることはできないけど、スマホ自体が簡易撮影機材なのだから動画時間、編集のしやすさ・簡単さを元にソフト選びをすればいいと思う。
また、カメラではちょっとした難点になる固定方法もスマホ自体の重量がとても軽く（～300g）大きさも小さい（～7inch）ので、非常に楽に固定することができる。位置の固定や高さを決める三脚もAmazonで様々なパターンを想定した器具があふれているので、撮影風景に合わせて好きなものを買えばいい。ゴリラポッドなんかがあれば十分だろう。もし、けちるならティッシュの箱にセロテープでスマホをくっつければ使えるので、一円もかからない。
…ということで、ある程度パワーのあるスマホをすでに持っているなら、ちょっと調べるだけで自分のイメージした動画を投稿できる。初めてならスマホというのが正解だろう。
しかし、ちょっと難しいことをしようとするとスマホでは不十分である。長時間撮影をすると電池の問題や熱暴走の可能性もある。ソフトにしても簡単である故に決められた条件でしか操作ができない。また、レンズ倍率も一定でデジタルズームで拡大すると荒い画像になるので、いまどきの高画質を前提とした動画には対応していない。
…ということで、ちょっといいものを作ろうとするとどうしても投資をすることになる。
機能ごとに考える
では、どのくらいの撮影セットを作ればいいのだろうか。スマホと違いカメラ関係はアホみたいに高額だ。編集まで考えると、１００万なんて簡単に飛ぶ。俗にいうカメラ沼である。しかし、それをそろえれば簡単にいい画像や自分の思い描いたイメージも作ることができる。
こういったセットは撮影目的によって様々だが、基本はカメラ・レンズとその固定機材、ライティング、イメージ情報の保存・録画情報の移動・録画情報の編集の各装置ということになる。
ここで重要なことはどこまでの精度を追求するかになるが、Ｂクラスくらいでいいなら値段は1/10となるし、中古ならさらに安くなる。必要な情報量がどのくらいかを押さえておけば不必要な出費は抑えられるし、それを調べることで目標とする像がどのくらいかをぼんやりとでもイメージできるのではないかと思う。
こういったシステムを作る際、気を付けないといけないことはボトルネックを作らないことだと思う。例えば、Ａ・Ａ・Ａ・Ｃ・Ａ・Ｂといった感じの機器ランクをそろえると、完成した作品は限りなくボトルネックのレベルＣに近づく。つまり、できるだけ高い機械を一品買うのではなく、機器ランクをそろえないと無駄がとても多くなってしまう。また、カメラの場合、多くでデジタル補正を行っているが、それでも生データが低情報なら出力もしょぼくなるので、最終的に出す画像よりも少しいい性能が必要となる。ここを意識しないと結構ヤバい。
カメラ選んでセットする
さて、カメラとレンズの選択だけど、デジタル画像を処理する都合上、あまり高級なものをそろえてもボトルネックがデータ化以降にあるので最終的に出力される画像の状態でそれ以前の機材のレベルが決まる。
そこで最終出力を考えると、写真画像をデータ化して画面上に写す際にはほとんどRAW（生データ）で見ない。jpg規格での圧縮やBMP規格でのベクター化といった加工を基本としているので、高画質でもどうしても出力画質は落ちる。動画なら1080P60フレームが一般である。結局、それを超えるような情報量は全て無駄データとして捨てられるともいえる。
カメラに関して、自分の条件ではFHDの1920×1080pix（静止画のRAWdataで1600万画素程度）で、60フレーム/秒が最終出力できれば必要十分な画像・動画となるのでカメラ性能としてそれ以下にならないようであれば十分とわかる。
物理的な視点で考えれば、カメラは大体５年くらい前のミドル機体で充分だしそのころ標準装備となったネットワーク接続関連が内蔵されていることを確認すればいい。特殊条件として、撮影時に別モニターで見るのでパススルー機能がいる。
ソフト的な点で自分が志向してた撮影方法はタイムラプスや連続撮影機能だったので、重たい情報処理はあまりいらない。そのため、どちらかといえばソフトが充実しているものがほしかった。
これら条件と値段を勘案するとミラーレス１眼レフPanasonic LumixシリーズでGX7markⅡが最も条件に合うものになった。
レンズに関して、一般的にメーカーのものであればどれも必要な性能を満たしている。そのため、対物倍率と焦点距離が条件に合うものを選べばいいので、上記カメラの標準レンズキットを選択した。室内撮影が基本なので撮影距離が1ｍ以下になるが、レンズの補完として、その点はクローズアップフィルターを使って焦点距離を弄ることで対応した。
カメラに関して、もう一つ問題となるのは固定である。レンズとセットなら重量1kg（カメラを触った時の圧も考慮）は覚悟しないといけないので吊るしたり傾けたりしたまま撮影するのは三脚などの機材では難しい。
しかし、室内で手元を写す動画では真上からの撮影が重要である。あたかも自分が作業しているようなイメージが欲しい。そこで1kgの重りをがっちりと固定して、動かしたいときに動かせる方法を考えると一番安いもの（2000円くらい）でいいからモニターアームが適切となる。これにカメラを接続するのは金属板を加工するのも手であるが、長尾製作所のモニターアーム用のマウントを買うことにした。
自分は上の棚に固定したが、モニターアームには様々なタイプが存在するので、欲しい撮影環境に合わせて机にくっつけたり壁に貼ったりと色々な方法があるのではと思う。
録画とデータ化のセット
さて、カメラとレンズを選択したが、自分の場合、撮影時間が比較的長時間になり、他のモニターで見ながら撮影・録画・データ化をカメラ単独で行うと負担が大きくなりすぎる。
カメラが担う役割が多岐でそれぞれ別の処理をいっぺんにする場合、高画素数になればなるほど内蔵チップの高性能化は必須だし密閉したカメラでは熱の処理が追い付かない。リチウム電池からの電流変換熱（放電熱）をＡＣカプラーで肩代わりさせたとしてもカメラのチップを傷付けることは間違いないだろう。
GX7MK2のチップ性能を考えると、データ化を含めると適正な撮影時間はせいぜい２０分程度が限度で２～３時間ぶっ続けで撮るようにはなっていない。そこで、カメラを撮影に限定して、録画とデータ化を他で担うことにした。
録画に関してはＩ・Ｏデータ GV-HDREC（中古で6000円～で対応ＨＤＤ容量は2ＴＢまで）でＨＤＤ録画をして、そこからＰＣへの出力は三生テック HDMI キャプチャーユニット（2500円くらい）でHDMI→USB出力化でパススルーしてOBS（無料）で画面に写した。それぞれで役割を分担してるので負担が軽減されるし、壊れてもユニットごとに買い直せるのでシステムを維持できる。
かなり特殊な組み方だけど、安いけどほどほどの性能のＰＣで参考情報を見つつ大きく手元を確認して、長時間録画するにはいいシステムだと思う。
これら機材はカメラ単独と比べて＋１万円程度の出費となるが、カメラを長期安定的に使うことを考えると高性能ＰＣにビデオカードと内蔵キャプチャーボードをセットするよりも安くて安定したシステムじゃないだろうか。
まとめ
簡単ならスマホ、お金があるなら外注のカメラシステムセット一式、お安くほどほどの性能なら部品を集めて自作となる。
固定方法や撮影方法も人によっては色々あるが、理解して管理できればカメラ単独よりも撮影・録画・データ移行などの機能は分散させた方がより長く安全に運用できる。
終わりに
嗜好品なのでカメラ関係は高いし、ＰＣ関係もやっぱり高い。でも、中古市場もあるし工夫すればそれだけ安くていいセットは作れると思う。
まぁ、どの程度時間と金を突っ込むかを考えるのも一種の遊びだよね(＾ω＾)
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