3DCGを作るぞ~ということで、今回はZbrushの基本とよくわからなかったポリゴン関係の用語と使い方を自分なりにまとめた。
(今週の一枚)夕日とデート(pixiv)
前回はZbrushCoreのUIについてぶつくさ言って、SubstancePainterで2次元展開からちょっと色塗りをした。
今回はZbrushCoreについて使い方を考える。前回同じようなUIがごちゃごちゃあってわかりにくいと言ったが、調べてみるとほとんど同じような機能があって、システムを圧迫していた。これらをどう使い分けるかや基本的な機能をどう応用するかをまとめてみる。
最低限知っておけばいい機能
基本ボタン
前回も書いたけれど、ZbrushCoreで純粋に粘土コネコネ(スカルプト)しているときはなんだか楽しくなっちゃうんだけど、それは4つのボタンとペンを使えば大体のイメージする動作をしてくれるからだと思う。おそらく最新版の一番楽な使い方は Ctrl、Alt、Shiftを組み合わせてブラシと視点移動を自由自在に使うことであり、ちょっとしたまとまった変更はSpaceを押してパレットをで制御することだと思う。また、困ったらUndo(Ctrl+Z)で戻ってしまえばいい。
ハッキリ言ってしまえば、第一歩にこれが分かるかわからないかでとっつきやすさは全く違う。なんかごちゃごちゃ色々機能があるけれど、まずこの4つのボタンとペンタブ(マウス)の使い方をマスターしたほうがいい。
逆に言えば、それさえ覚えればその他機能がよくわからなくても大体使えてしまう。そこでこの前書いたSpace以外のボタンについてまとめる。
Ctrl
コネコネに慣れてくると細かくこねたり、一部分だけうまくへこませたりしたくなる。そういったときに、便利な機能がマスクによる領域指定である。Ctrlを押しながらモデルを塗ればいいし、Ctrl押しながらモデル外を押せは領域反転もできる(Ctrl+I)。領域を指定して、その部分だけをコネコネできる。
Alt
ブラシは基本的に盛り上げる機能と削る機能がセットになっている。Zbrushでは面を歪ませて立体を形成しているので、内に向かって歪ませるか外に向かって歪ませるかと言う感覚は実際の粘土細工と最も違う点だと思う。
これを実行するにはAltを押して切り替える。この機能はブラシだけでなくその他すべてに共通する反転機能なので、「なんかひっくり返しのことしたいなぁ」と思ったら、とりあえずAltを押しながら操作するとひっくり返ることが多い。
また、Altを押しながらモデル外をドラッグすると視点移動できるし、Alt+タップ中にAltを放してドラッグすると拡大縮小ができる。覚えるととても便利。
Shift
粘土をコネコネしていると、部分的に山になったり谷になったりして不格好になる。様々なブラシがあるわけだから、別のブラシでさらにこねてもいいが、周囲の平均値をとってなだらかにできたらすごくこねやすい。…ということで、面を平均化できるのがShiftを押して出てくるSmoothブラシとなる。CtrlやAltよりも地味であるが、機能としてはよく使う。
+α
基本的なボタン操作を抑えたうえで、下の動画のようにさらによく使うブラシや機能のショートカットを覚えるのはありだと思う。上手な人達の造形を見ていると大体5パターンくらいしかブラシを使ってないので、(基本の4ボタン)+(応用の5ボタン)くらい決めればかなりいい線の作り込みは出来そうだと思う。
さらなる機能
ある程度使い方が分かるともっと特殊機能で遊んだり、楽に作りたくなる。そういったコネコネを支援する機能がZbrushには詰まっているが、残念なことに同じようでちょっと違うようなよくわからないものが多い。その中でも特に混乱したものがあったので、まとめてみる。
ポリグループとサブツール
少し造形を細かく作り込んでゆくと、ブラシをそのまま充てるだけでは細かいところまでこねることができなくなってくる。また、多くの部分が繰り返しであったり左右対称であるので、一つ作ってそれをコピペできれば手間はその分ググっと減る。
こういった領域を指定して作業をする方法としては先ほど書いたマスク(Ctrl)で作業するのが基本だけど、一回ごとにマスクを指定するのは面倒だ。そこであらかじめ領域を分けておくことで作業が効率化する。そういった要望をかなえるのがポリグループとサブツールだと思う。
しかし、この二つとても似ていて実はだいぶ違う。ポリグループは一つのモデルを疑似的に色分けしてZbrush内のみで作り分けることができる機能であり、サブツールは名前の通りツールを別のものとして扱い、その組み合わせが一つのツール(モデル)となる。そのため、別のソフトに移した場合はポリグループで作ったモデルは一つの塊として出力され、サブツールで作ったモデルはいくつかのモデル群が個別に存在する。
ではどちらが使いやすいか、どちらが他のソフトとの連携がいいのかということになるが、これは一長一短だと思う。
ポリグループの場合、一つのモデルを色分けしているだけなので、そのモデルで連続的な面は上手に形成することができる。しかし、連続であることが条件なので、不連続に動いたり個別に操作が必要なものを形成することは当然できない。つまり、あるモデルに対して、オブジェクトを脱着することはできないし、内側に入り込むような凸凹や複雑な目や口内部などの造形とは非常に困難になり、モーションが難しくなる。しかし、一つの塊なので、一度完成してしまい、オブジェクトを一定にして、可動域が小さい用途ならポリグループが優れている。
サブツールの場合、様々なポリゴン体の集合なので、Zbrushそれごとに連続性はない。たまたま同じような空間にいるだけだと言える。そのため、個々に動かしたり、変形させることがとても容易で、作っている途中でこのアイテムいらねと思ってもすぐ削除できるし、追加することもできる。しかし、個別であるため、当然作成はそれぞれ行う必要があり手間がぐっと増える。また、管理が難しく、サブツールを同時に変化させることができないので、何か変更があると、一つ一つを変化させないといけない。数が増えると面倒になる。しかし、それを乗り越えてしまえば、異なるソフトでもしっかりと多面で機能するし、テクスチャ塗布や着色が容易になり、モーションもかなり作り込むことができる。
まとめると、あまり動かさず複雑な構造でないもの、内側に食い込まないモデルならポリグループで作ればいいし、モデル作成後に多様な用途を見るならサブツールでモデルを構成したほうがいい。用途次第なので、上手く二つの機能を組み合わせて使えればいいが、その辺は使う人の腕なんだろう。
ダイナメッシュとサブディビジョンの関係
これは最初全く分からなかった。今の段階でも正しい知識なのか微妙だけど、とりあえず分かった範囲で書いておく。
ポリゴンは点々とそれを結んだ線で構成されている。より詳細なスカルプトをするためには多くのポリゴンとそれを結ぶ線画必要になり、こねこねした面に対して、正確なポリゴン配置とポリゴン数が必要になる。しかし、高ポリゴンになればなるほど計算に時間がかかりPCに負担がかかってしまうので、出来るだけ計算を楽にできるようにソフト側でどうにかする必要がある。そういった視点でソフト側の解としてあるのが、ダイナメッシュとサブディビジョンとなる。
ダイナメッシュの場合、面とポリゴンの情報をおそらく別に持っている。面をコネコネするとポリゴンの位置もそれに伴って移動するが、ダイナメッシュをかけることにより、一度面とポリゴンの関係をはがして、再度ポリゴンを面にプロットする。造形中にポリゴン位置がおかしなところに行っても、ダイナメッシュ(ポリゴンの再配置)をすることで補正できる。また、剥がせるので、配置ポリゴン数を減らすことができるし、増やすこともできる。これによってPCの負担を減らすことができる。
サブディビジョンの場合、面とポリゴンの情報が一体化している。この一体化した情報はポリゴン数が多いと当然大きな情報量になるので、モデルでは低ポリゴン数にする。これをこねこねした場合、当然ローポリゴンのモデルができるが、サブディビジョンではポリゴン間の関係を計算することで疑似的にハイポリゴンのモデルを形成する。5ポリゴンで作っている面を100ポリゴンにしたら滑らかな面になる「はず」なので、近似式を計算して出力させるのである。これは近似式の集合体なので、当然誤った面が出ることがあるが、最低限のポリゴン数を指定することでそれっぽい面を作ることができる。
両機能がそれぞれ必要に応じて使うことができるが、その互換性はない。ここが問題で、ダイナメッシュは面とポリゴンの関係の最適化を計算し、サブディビジョンはポリゴンの予想配置を近似式で計算しているので、両方を混ぜることができない。存在しない仮定のポリゴンは剥がせないし、再配置できない。
また、ダイナメッシュは結局高ポリゴンを必要とするのでPCに多かれ少なかれ負担を強いるのでポリゴン数には限界があるし、サブディビジョンはその他の変形にも対応できないので、最終的な出力には強い味方になるが、造形過程では役に立たない。
両者の関係と限界を理解しないと突然コネコネができなくなる可能性がある。
そのため、面倒だがPCの計算能力とポリゴン数を考えて作業しないといけないということになるし、使う順番が重要となる。
とりあえずコネコネしたもの
屁理屈ばっかり考えていたので肝心の造形が滞った(;´Д`)
今作成中なのは目標のドラゴンでこれをVersion_1になる予定
全身像(途中)羽の部分を鳥型にするか、翼竜型にするか悩み中。首と胴は出来たので尻尾や後ろ脚を先に作ってもいいかもしれない。
頭に関してはガオ~と鳴いたり、火を噴いてほしいので上顎と下顎を別個で作り重ねた。お口の中までいい感じ。
終わりに
なんも考えずにこねている方がいいものが量産できるのかもしれないが、変なところで止まることがあってイラっとしたので、今回はちょっと理屈を勉強した。
これから効率化にこねられれていい投資になったはずである。…たぶん(^ω^)
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