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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

個性を求めて

個性とは何ぞやと考えるとよくわからない。そこで、個性的だと思った作品を見てその個性を考えてみることにした。

(今週の一枚)暑くても咲く(🌸)

 

 

 お絵描きを再開したけど、残念ながらまだお見せできる状態ではない。ラフ描いてキャラをどうしようかと悩んでいるところだ。いきなりゴンゴンやるのではなくリハビリしつつ少しずつ実戦形式にしようと思う。

 今、問題にしているのは絵の中心をどうしようかということであり、個性的な作品にするにはどうすればいいのかという点である。まぁ、落ち着かない中、あまりこだわってもしょうがないので少なくとも中心となるイメージは持っておきたい。

 そこで今回は個性的な作品とは何かを自分が知っている有名(?)な個性的な作品から考えてみることにした。

ファンタスティック・プラネット

 知る人ぞ知る謎のアニメーション作品「ファンタスティック・プラネット」だ。

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 上の予告編を見ていただくだけでもいいが、なんだこれ(なんだこれ?)と言ってしまうほど独創的だ。作品の作り方、キャラのデザイン、ストーリーどれを取っても見たことがない。

 色々言いたいことはあるが、ごちゃごちゃ言うよりも本編を見たほうが自分の感性を刺激されると思う。よくあるアニメや漫画、ゲームにないイメージを見ることができるはずだ。Youtubeなら400円、AmazonPrime登録者なら無料で見ることができる。

 

 さて、この独創性を担保しているものは何なのかを考えると、奇妙なキャラやおかしな世界ではなく、作品の中にある普遍的な常識なのではないかと思う。一見めちゃくちゃなストーリーや構成に見えるが、その実、とても常識的に話は進む。青い巨人の女の子は小さな虫(人間)を飼い、情操教育を受ける。大人は瞑想(♡)をして意識を飛ばし、女の子が成長するとともに子供時代の遊びを捨て大人になる。虫は知恵をつけ逃げ出し、仲間を見つけ自由を謳歌し社会の厳しさを知る。たくさんの死、恐怖、愛、生存への渇望、戦い、そして巨人との和解へと至る。

 言葉で書きだしてみると、とてもしっかりとした筋になっているのだ。つまり、表面的にはアバンギャルドな印象を強く与えつつ、その世界がしっかりとそれぞれのキャラを縛っている。それ故、キャラはそれぞれの常識の元で行動している。

 我々から見るとおかしな行動や姿は彼らから見るとごく自然で当たり前の姿であり、意識して変な格好をしていないと言い換えることができる。例えば、ペット虫が外の虫集団と出会った時に笑われる。外虫からすると元ペットの虫の格好はとても滑稽でおかしな格好なのだ。しかし、我々から見るとペットの虫も外の虫もどちらも変な格好だからシュールだ。つまり、どの視点から見るかで「正しい姿」は変わるのだ。

 この作品からわかる個性はキャラや背景はその世界では当たり前の状態であり、その世界に沿ってキャラたちは自然とその姿となるという点ではないだろうか。

 

 う~ん、ファンタスティック

 

はたらきたくない

 打首獄門同好会のミュージックビデオ「はたらきたくない」だ。

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 リードボーカルデスボイスで歌詞を奏でつつ、セカンドがリズムを取ってワンワードを連呼する。そんなミュージックPVだ。

 映像ではJRPGに出てくるようなモブキャラの一日をアニメーションにして曲に載せている作品になっている。

 なんとなく知っているファンタジー世界でバイトしている彼は働きたくないと思いながら毎日働いて、「でも…」という歌詞からイメージはひっくり返る。実は世の中を皮肉っている作品ではなく、人間賛歌・いつもの日常を褒めたたえている作りなのだ。

 

 この中で見える個性は「共感」ではないかと思う。日本人ならなんとなく理解できる世界、なんとなく身近なキャラクター達が現実世界とリンクして、我々と同じ世界観を生きながら我々と同じような生活をする。例え世界が違っても同じ毎日があり、同じ我々がおり、その一人一人が我々が思い描く自分物に重ね合わすことができるのだ。

 つまり、なんとなくふわっとしたキャラが我々の記憶の人物と重なることで個性を持つことができる。我々が勝手にそのキャラたちに意義付けをしてしまうのだ。そのため、見る人によってキャラの個性が変わり自由度が生まれる。

 

 あ~はたらきたくない。

 

グラディエーター

 アカデミー賞受賞の有名映画「Gladiator」だ。

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 仮想ローマ帝国で皇帝死亡による帝位継承が起こり、陥れられた前線司令官の顛末と新皇帝周辺の愛憎劇を描いた作品だ。リドリー・スコットによる非常にわかりやすい場面設定の説明とシーン展開により、政治闘争・恋愛模様・不安定な身分制度・世界情勢など複雑な内容がコンパクトに収められた名作だと思う。

 この作品のすごいところは監督のうまい物語作りではなく、それ以上に主役のマキシマス(ラッセル・クロウ)の演技が圧倒的である点だ。本来、新皇帝コモドゥスホアキン・ラファエル・フェニックス)との対比になるように作られている作品なのに完全にマキシマスがイメージを独り占めにして作品を支配している。

 デカプリオ的なへたくそだけど人気俳優というのではなく、演技でその他を黙らせて本来の映画のテーマを喰ってしまったのは異質だろう。

 

 この作品から感じられる個性は色々と背景や言いたいことがあろうと、それを撥ね退けるほどのわざとらしさ・それっぽさだ。普通の役者を見るとなんとなく無理をしたりその役に演技を合わせようと四苦八苦している。しかし、この主人公は彼の頭の中のイメージをそのまま演技としており、例えそれが誤った演技であってもそれを躊躇せずにそのまま表現している。

 つまり、イメージは塗り替えられるのだ。本来の世界観と異なるイメージでも、そのキャラ単独のしっかりとした世界観があれば個性として成り立つという点は興味深い。

 

 まぁ、俳優本人はかなりクソ野郎らしいからあんまり個性的なのも……ねぇ。

 

DEAD SPACE

 エレクトロニック・アーツが開発したSFサバイバルホラーゲーム「デッド・スペース」だ。

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 エンジニアのアイザックが他の星で作業している採掘宇宙船イシムラへ仕事に向かい、同時に恋人を探しに行く話である。いざイシムラに着くと、船は死体の山、怪しげな生き物がそこら中におり、一緒に来た軍人はどんどん死んでゆく。やばい状況の中で、機械を直し、工具を使って化け物をバラバラにしつつ、恋人の幻覚に苦しみながら化け物の発生原因へと向かうことになる。エンジニアは大変な職業なのだ。

 まぁ、とにかく怖い。暗がりから化け物が走ってくるし、胴体に弾を当てても敵はなかなか死なない。急に変な音がするし、ちょいちょいグロシーンが出て頭がくらくらする。また、最近、リメイク版(上の動画)が発表されて再び注目されるようになった。

 

 さて、このゲームから見る個性はテンプレを守りつつ、一部でそれを壊す点だ。ゲームではいくつかお約束みたいなものがあり、その中でゲームをプレーするが、それを部分ごとに変えている点は面白い。例えば、敵の頭を吹っ飛ばしても効果が薄く、手足をもいて初めて敵は死ぬ。武器も工具が大半で、敵も珍奇なものばかりで倒すのに苦労する。

 一方で、グロ表現や設定の押し付けをし過ぎずゲーム性を確保して最後まで遊ぶことができるようになっている。

 対比として、このシリーズのデッド・スペース3はそのゲーム性がなくなり、変なメロドラマ中心となり大爆死した。また、同様のグロゲームなどは多くがゲーム性がなくなかなか売れない。例えば、最近販売されたScornという作品があるが、ひたすらキモイ世界でぐちゃぐちゃと作業するゲームで操作性が悪くつまらない。この世界を体験してくださいと言うが、手掛かりをつかむ前に胸糞が悪くなる。作者がいくらこだわりを持っていても、ゲーマーには楽しめないし、フリークス達が興奮するだけだろう。

 つまり、個性というものは押し付けでなく理解であり、理解を積むことで新しい視点が生まれるものなのだと思う。 

 

 部屋を暗くしてゲームして、叫び声を出したのはいい思い出(?)だ。うぁぁぁああぁぁ。

 

まとめる

 色々な有名作品を思い返してみた。少し古めの作品を選んだので、誰でも手に取れるものばかりだろう。どれも自分ごときには作れないし、むしろユーザーとして楽しみたいと思うものばかりだ。それぞれには当然それぞれの個性があり、それなりに美点と欠点がある。

 この美点にはおそらく強い主張があり、それを世界観の背景やキャラクターを通して表現しているのだろうが、個性として立つには相手の視点が必要なんだろう。たくさん言いたいことがあったとしても、あくまで中心の主張をシンプルにしてそれを相手に理解できるように説明する必要があるのだなぁと感じた。

 そして、分かってもらったうえで、さらに話を展開して複雑にしたり、同じような作品を見せるかは作り手の腕次第なんだろう。

 

終わりに

 足し算ができないと掛け算がわからないように、創作も起点があって初めて個性的な主張があるのかもしれない。

 …まぁ、そんなご高尚なことを言う前にまずはモノ作りを再開することが大切だね(^ω^)

 

 

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