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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

なんで防衛費増額で増税なのか

先日、防衛費増税というものがニュースに上がったけど意味不明だったので、自分なりに理解をしようと考えてみた。

 

(今週の絵はなし( ;∀;))

 

税金の概念

 何が増税だよ!死ね!!!と思うが、ちょっと落ち着いて概念を考えてみる。

 国民国家の税金は基本的にはみんなから公平にお金を集めて公共の福祉(みんなが利用できるなにか)に使う。

 かつては王様が武力をもって農作物を徴収するものだったし、貨幣経済が発達したらお金で納めるようになったが、その使い先は王様が求める利益の追求(領土拡大やぜいたくな生活)が主だったようだ。

 そう考えると、たとえお題目だったとしても「みんなのために使うお金」としての税金はとてもいいものなのかもしれない。

 では、どのくらい集めればいいのか、何をもって公平なのかを考えると色々と意見や立ち位置がある。お金持ちから奪いすぎればちゃんと納めなくなるし、貧乏人から剝がし過ぎれば死んでしまう。逆に取らなければ国が成り立たない。ある程度不平があったとしてその不満が爆発しないように集める必要がある。

 経済的な効果で考えると、税とは経済のアクセルでありブレーキである。取る側がしっかりとそれを投資したり有効に分配できれば滞っていたお金の流れがすっきりとしてうまく動き出す。一方で、過度にお金を取られてしまえば、取られた側の行動が抑制されてお金のサイクルが回らなくなってしまう。

 つまり、感情的にも学問的にも、まったく税金を取らないというのも問題だが、取り過ぎるのも大問題だということがわかる。

www.nta.go.jp

 では、ちょうどいい取り方というのは何かと考えると、それは「税金で何をするか」に依存する。例えば、1年後に隕石が落ちてみんな死ぬ状態では100人飢え死にしようが高税率にしては隕石破壊光線銃に投資する。これは全体が生き残るために絶対に必要なことだろう。一方で、徴税官がキャバクラで遊ぶために税率を上げるならお金を取られて誰も困らないとしても全く必要のないことになる。

 そこで問題になるのは、日本で何が必要なことか、10年後、100年後に向けて何を投資し、何を切り捨てつつお金を集めるかということなんだろう。

 

防衛費増加による防衛力低下

 今年はウクライナ戦争が大きなトピックになった。お隣のやばい国★ロシア★が突如ウクライナを侵略した。これに対して我が国はウクライナ全振りというありえない対応をした。このため中国、ロシアなど周辺国に警戒され外交的にかなり不利な立場に立つことになった。この延長として防衛費増額が決定したことになる。ビビるくらい無能だ。

 はっきりした内訳はわからないが、大枠ではミサイル防衛を増強するために約1兆円の増額となる。

www.nikkei.com

 防衛費、つまり、我が国を守るための投資であるが、このミサイル防衛システムは日本を守るものではない。あくまでアメリカ本土を防衛するシステムの延長である。

 ウクライナ戦争を見て、ロシアが我が国に攻めてくるかもしれないから防備を固めよう!…と言うなら理解できるが、なんで今、遠くの国の防備を固めるのだろうか。はっきり言って意味不明である。

 レトリックとして、アメリカがひどい目に合うと日本が守ってもらえないかもしれないからアメリカを守ることが日本を守ることになるというものがある。敵基地攻撃能力云々も同じような理屈だ。しかし、これもはっきり言って詭弁である。自分を守るためならアメリカを守らないとならないなら、アメリカが北朝鮮を「防衛的に」攻めるならアメリカ兵を守るために自衛隊を派兵しないといけないことになる。ロシアが行った国土防衛的なウクライナ侵略と同じだ。めちゃくちゃだ。

jsil.jp

 また、100歩譲ってミサイルが必要だとしても、以前、このミサイルは当たらないし、配置する場所がないし、運用もうまくできないことが暴かれ、システムそのものが信用できないことが指摘された。

www.afpbb.com

 さらに、経済的にも全く投資としての意義を持たない。防諜がガバガバな自衛隊ではアメリカの高度防衛技術移転は行われないし、ただ高級品を購入するだけなので、これによる防衛産業の付与も全くない。

 

 そして、非常に問題なのが、このポンコツを購入するために、本来任務で必要な自衛費が多かれ少なかれ絶対に削られるという点である。現状、海においては全体の艦艇乗組員の充足率が作戦行動ギリギリという絶望的な状態であり、陸では高齢化と人員不足で戦略的展開がほとんど期待できない。数字上、充足率は90%を超えていると言っているが、1996年以降任務内容の多様化によって仕事量が増えているのになぜか定員が減っている。本来必要な定員を減らすことで書面上足りていることにしているが、陸自に関しては事実上軍隊としての体裁が取れなくなりつつあることがうかがえる。ここからさらに予算を削ればもう機動的な運用は不可能になるだろう。

jp.reuters.com

 つまり、今回の決定により、政府は自衛隊を切り捨て、軍としての機能をあきらめたことになる。もちろん一部精鋭部隊は残るだろうが、本土防衛やテロ対策は不可能となり軍は崩壊する。

 

行動から見る自衛隊の実像

 ミサイル防衛が今回ピックアップされたが、こういったゴミが自衛隊には山ほどある。送受信できない通信機、整備困難な車両、部品のない飛行機などなど結構やばい。そして、本来であれば、軍事費増額で軍隊が強くなるはずなのに、今回のゴミサイル購入により、自衛隊は超が付くほど弱体化する。

 投資するなら、現実的な脅威に対して投資を行い、本質的な軍の強化をすべきだが、自民党からも防衛族からもそんな話題は一切ない。ニュースもないし噂話もない。こんなこと自分のような素人でもわかることなのに現実を無視してアメリカ(の仲介者)の顔しか見ていない。

 つまり、彼らにとって北朝鮮のミサイルやロシアが脅威とか中国の暴発なんかは二の次でアメリカ軍とどうやって付き合い続けるかしか見ていないことになる。佐官以上が増えて幕僚の割合が世界トップなのを見れば、軍隊というよりも一種の政治団体になってしまったのではないかと感じる。

www3.nhk.or.jp

 結局のところ、アメリカが北東アジアから撤退を開始し、今までアメリカ任せてにしてきた防衛方針をいざ自分のところでやろうと思ってもどうすればいいのかわからず、保守的に今までアメリカから与えられてきた任務を繰り返そうとしているとみることもできる。

jp.wsj.com

 

官僚と政治家から見た増税

 実際に税金を使う官僚から見ると、財布を管理する大蔵とそれ以外の省庁で違いがある。大蔵としてはいかに新しい税項目を作り、税率を上げるかが出世の道となり、それ以外の省庁の官僚としてはいかにして新しい予算をもぎ取るか が自分の未来の栄達を示す(pdf)。

 一方で、政治家からすると背景となる団体の税率を下げ、新しい税ができてもどうにかして優遇税制(免税)を勝ち取るかが次の選挙への布石となるし、地元へどうにかして支援金や補助金を得て利益誘導ができるかが自分の地盤を強くすることになる。

 財務省が悪の権化だっ!なんて言説があるが、実はこの官僚と政治家(企業連)を繋ぐ自民党税制調査会が一番力を持っているというのはあまり知られていない。

www.nhk.or.jp

 今回の騒ぎを見ると、この点がはっきり浮かび上がってくるので面白い。

 増税はする。しかし、いつ増税するかは不明だし予算は確保する。そして、各種税項目の税率は上げる。でも、その税率は今後検討し話し合いによって変化する。

 …普通にみると謎のやり取りだけど、それぞれの立場を鑑みるとなんとなくわかる。官僚と政治家両方のメンツを立てて、アメリカの顔色を窺った結果なんだろう。

 

まとめ

 今回の増税騒ぎは結局アメリカの一部軍事企業にお金を流すために頭をひねった結果だとわかる。また、本来の税の目的となる「公共の福祉」や日本の未来には誰も考えが及ばず、現状をどうにか守ろうと必死になっていることがうかがえる。これによって自衛隊は弱体化し、我々は意味不明な税を取られることになる。

 そして、この上納金はアメリカ軍そのものを引き留めることにはならず、アメリカ本土でさえ疑問視される兵器の開発に寄与する露骨な利益誘導だとわかる。

 つまり、これは岸田政権とその周辺が外交的に失敗したことによる口利き・ご機嫌伺の可能性が極めて高く、これによって日本の成長は大きく後退することになるだろう。

 

終わりに

 正直、う~ん…と思ってしまった。でも、岸田氏を変えたとしても行政を実行する官僚群が疲弊している状態ではこのまま流れていくような気もする。要は実働する人たちの士気が上がらないのである。

 つまり、これを脱するには公務員の数を倍にして、給料を3倍にすれば自主独立ができるはずだ!

 …って、これが一番難しいんだよね(;´Д`)

 

 

 

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