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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

ウクライナ戦争の終わりを考える

そろそろ1年が経とうとするロシアのウクライナ侵略だが落としどころはどの辺なんだろうか。素人なりに考えてみた。

(今週の一枚)晩秋を感じる(pixiv

 

 半年ほど前、ロシアの戦勝記念日前に大体の状況と所感を書いた。

nipplelf.hatenablog.jp

 素人なりに調べて予想したことだが、ウクライナ単独ではどうやってもロシアに勝てない。政治的・軍事的・経済的に見ても端から戦うべくもないことがわかる。

 しかし、現実的には半年たってウクライナは敢闘しておりいくつかの戦線で押し戻す勢いを見せている。冬を前に戦争が一段落し、ロシア再攻勢前の準備段階となった。いったいどうしてこうなったか、どうすれば終わるのかを考えてみた。

 

なんでこうなったか

 一国のみを見てもよくわからないので当事国の状況を見てここに至った過程を考えてみる。

 

ウクライナから見て

 ウクライナ国内を見ると、オレンジ革命クリミア半島のロシア併合・ドンバス戦争・ミンスク合意とその破棄…と揉めに揉めまくった。原因ははっきりしていて、ソビエト連邦崩壊後にウクライナ以西の国がEUに入ったことである。豊かになった隣国を見て、自分たちはヨーロッパになるかルーシーを続けるかで国を2分した対立がひたすら続いたためだ。

 問題なのはたとえヨーロッパにしっぽを振っても、天然資源が枯渇しつつあり核を含めたエネルギーをロシアに大きく依存しているウクライナでは経済的自立が不可能なことと、労働様式がEUと極端に異なるため経営的に自立ができず、また、低所得・単純労働が主となるウクライナ人が高度技能の労働力にならない点である。

 つまり、EUとなって西側の資本を呼び込んでも植民地的搾取をされるし、ロシアとくっついても今まで通りエネルギーで借金漬けとなりにっちもさっちもいかないという現実が待っている。

 本来であれば臥薪嘗胆して国力をつけ、国民の意識を転換して何十年後の次の次くらいの世代に未来を託すべきなんだろう。しかし、残念ながら、実際の彼らは怠惰で汚職を繰り返し、嘘をついて人から富を巻き上げる癖がある。典型的な「灰色な人たち」である。

www.businessinsider.jp

 ウクライナ人個人にはいい人がいるんだろうが、集団・地域・国家と枠が大きくなるにつれてそれが悪化するので地理的要因や文化に内包されたものなのかもしれない。

 

ロシアから見て

 ウラ~と叫びながら突撃してくるソ連軍、畑からイモのように兵隊が採れるらしい…なんてネタ話があるが、実際のロシア軍はだいぶ違うようだ。

 アメリカ軍が志向する考える軍隊(軍曹くらいでも軍全体の作戦意図を理解して自律的に動く)を模倣して、ロシア軍は色々と模索してきたようだ。しかし、今回の地上戦を見る限り、それは機能せず、むしろ旧態の高位指揮官が前線に出て戦線を掌握する手段に出て、それを狙い撃ちにされ将官に多大な犠牲を出している。

 また、兵卒に関しても大祖国戦争よろしく全体から無作為に成人男性を引っこ抜くような強権的な徴兵を行うのではなく、比較的障害の少ない予備役、少数民族、犯罪者、地方村落などから順に抜いているようなので、都市部にはかなり遠慮していることがうかがえた。しかし、9月以降、全体動員をかけ、半年後、つまり来年初頭から大規模な攻勢に出る動きを見せた。

 ソ連からの伝統で、彼らの戦訓は大量の失敗(死体の山)から経験論で学習して軍を強化し、その教訓を元に大量の人員物資で勝利するというものがある。餓死者が出ようが一世代丸ごとなくなろうが、100回戦闘で負けようが、最後に勝つのだ。また、多くの人が勘違いしているが、ロシアには負けている状態での政治的な妥協はない。これはスターリン独裁以降の歴史の通り国是となっている。よくプーチン現大統領が…とか、国内の不安が…なんていうが、ロシアとしての国体が前提としての勝利を求めているのだから、例えプーチンが突如いなくなっても今の体制・戦争の方向性は変わらないのだろう。一度始めたら彼らは勝つまで負けることができる。

 もし、負けを認めることがあるなら、それはロシア連邦の崩壊の時だと言えるのかもしれない。

 

アメリカから見て

 今回の戦争で一番大きな役割を果たしているのがアメリカ軍と軍属である。今回はかなりあからさまに「レンドリース」を用いて陰に陽にウクライナを支えている。これは人・物・金すべてを援助するが国家としては戦争していないという意味不明な法律のことであるが、第2次世界大戦以降よく使われているもので、アメリカと正面対決したくない国は嫌々ながらこれを認めて、アメリカ軍と戦っているのにアメリカ軍はいないことになっている。

 今回は、衛星を使ったロシア軍の位置情報の通知傭兵の派遣迎撃用・攻撃用短距離ミサイルの供与NATOの各種武器貸与中立国での軍事訓練司令部の戦争指導などがある。はっきり言ってほぼアメリカ(NATO)軍が戦っているとみることもできる。

 問題なのはなぜここまでアメリカがウクライナに肩入れするかである。

 アメリカはカラー革命と呼ばれる一連の政治的混乱を世界各国で引き起こしている。ユーゴスラビアグルジア・シリア・チュニジアイラク・エジプトなど独裁者を排除して民主化した。しかし、差配する支配者がいなくなったので国内の利益配分が定まらず内戦になったり、より深刻な軍事独裁になっている。しかし、アメリカは明確に戦場に関与しなかった。

 ジョージア南オセチアでは全くと言っていいほど無視(ポーズだけ)をしていたのに、ロシアと非常に関係の深いウクライナに介入している。穿った見方をすれば、アメリカは戦争を誘発している。

 こんなことをしている一つの理由はやはり「金」だろう。東スラブ地域はエネルギー・資源・食料が大量に取れる地域だ。ここを荒らせば武器が売れ、汚職がはびこれば面白いように金が動く。特に現大統領のバイデン氏を中心とした民主党の一部グループは多額の資金をウクライナに貸しているので、これを連邦予算で払ってもらえれば大儲けだ。

www.bbc.com

 もう一つは不安定化による安定化だろう。2度の世界大戦と冷戦によって「我々はいつか戦う」ということがわかってしまった。これを避けるためには強い軍を持っている国は常にガス抜きとしてどこかで戦い、傷を負ったり人死を見て国民がえん戦気分になる必要がある。今回の戦争でも、ウクライナが負けそうになると強力な援護をし、大勝ちしそうになるそれをぷつっと切っているウクライナがどうなろうが、ロシアをある程度弱体化させてしばらくは戦えないようにする腹積もりなんだろう。

 おそらく、この他にもたくさんの理由はあるだろうが、こうやって部分的に他国を不安定化することでアメリカの安定に利用するのは何とも言えない。

 

戦争の行方

 戦争開始時点で、ロシアと利害のあるEU各国や中国、インドは一歩引いてしまった。反ロシアプロパガンダしたイギリスは人も金も出さず存在感がない。安倍氏が亡くなった日本はただの貯金箱扱いである。つまり、戦争の当事者となるのはアメリカとロシアであり、戦場となるのはウクライナということになるんだろう。

 

戦略的に

 いくつかの戦場で勝ち負けがあっても決定的な勝敗にはつながらないだろう。いくら人が死んでも次々と補充されるからである。外部から大量の人と物が送られ続けるので補給線こそ重要になる。

 ロシアはアメリカから送られる大量の物資をいかに切るかが焦点になる。一番重要な線はポーランドから送られるものだろう。これを切り取ることができればウクライナ防衛軍は簡単に瓦解する。

www3.nhk.or.jp

 一方で、ウクライナはロシア本国から送られる物資を止めることができれば、少なくと自国内にいる部隊をすりつぶすことはできるだろう。ただ問題として、ウクライナ-ロシア間は地続きであり、クリミアを抑えられているので寡兵のウクライナ軍では完全に補給線を切ることができない。

www.bbc.com

 つまり、戦争の局面は正面戦では膠着、もしくは押し引きしつつ非正規戦や強襲での敵地浸透による解決にかかっていると伺える。シュリーフェン・プラン回転ドア作戦)のように超大規模攻勢はさすがにロシアでもできないし、そこまでの作戦指揮能力はないのでしょうがない。

 

政治的に

 ずっとウクライナ政府のことを無視して書いた。それは当初から彼らに戦争をどうこうできる能力がないからである。もし止めると言ってもほぼアメリカ軍主導の軍隊は無視をするだろうし、ロシアは笑いながら殺しに来るだろう。

www.nikkei.com

 では、戦争当事国をみる。アメリカとしてはロシアはウクライナでずっと戦ってすり減ってほしい。ロシアはウクライナで「勝った」という既成事実が欲しい。これを満たすにはいくつかの可能性(ロシアよりの地域の独立、占領地の割譲、部分的停戦など)があるが、これをまとめる中立的立場の交渉国がいない。

 アメリカ国内はすでにウクライナ問題にほとんど無関心、…というか最初からたいして興味を持っていないので支持率に繋がらない。ロシアにしても徴兵が始まるとどうしても厭戦気分が出るので、そろそろ止めたいという実情がある。そのため、本来ならそろそろ停戦である。

 こういった場合中立国の存在が重要である。しかし、利害がちょっとだけの国が日本やインドくらいしかいない。ご存じのように日本の現政権には外交をする能力がないし、インドは関係者をイギリスの首相にしている関係で手が出せない。そのため、何らかの民間組織や機関がそれをやる必要があるが、今から作るとなると何年もかかるので、落としどころはありつつそれを模索することができないジレンマが政治的には続くのだろう。

 こういった場合、アメリカは大統領が変わるとそれが起こる可能性があるので、あと2年はこのままということになるのかもしれない。

 

まとめ

 …ということで、年明けまで程よく殺し合いをしながら川とか山を境にして膠着することが予想され、何回かの電撃作戦があり、成功すれば戦争は終わるし、失敗すれば次のアメリカ大統領選までだらだらと戦いは続くのではないかと思う。

 

終わりに

 感情的には今すぐにでもウクライナを開放してほしいと思うが、現実的には数年は続くのかなぁと思った。我々も大国の遊び場にされないために今から核を持とう*1ケラケラ

 

 

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*1:´∀`

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