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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

野党はどうして安倍を倒さないのだろうか?

安定して強い安倍政権がまだまだ続きそうである。ただ、その支持不支持はほとんど感情論が元で、もやっとする。そこで素人なりに現政権の評価とその問題を考えてみた。

 

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(今週の一枚)もう秋だ(pixiv

 

 

※目次※

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内政

アベノミクス

 行政というものは今までやってきたことの「維持」と、新しいことに「チャレンジ」するという2点を分けて評価しないといけないと思う。民主党政権があまりに無能に映ったのは、「チャレンジ」固執して、「維持」が全くできなかったからであると思う。

 さて、アベノミクスってなんだろうで簡単に書いたが、安倍政権はこの「新しいこと」はほぼ失敗している。国土強靭化には予算を付けなかったし、消費税は国債償還に使ってしまった。結果としてはアベノミクスの三本の矢の全く逆のことをしているといってもいい。

 お金を動かすことをテーマにしていたのに、政府が中心となってそれをせき止めたのは正直意味が分からない。

 H29年度に至っては、決算を見ると彼らが色々言っていた「新しいこと」に金を付けず、本当に口だげになったのはちょっと悲しい。

www.mof.go.jp

 

大統領府となった内閣府

 新しいことができなくとも、彼らは現状を維持して、ほんの少しずつ世の中を変化させていっている。政府の強靭化はどうやってひねり出しているかというと、内閣府の強化」がその中心を占める。もう少し言うと、内閣府人事局設立により、各官庁の人事権を握り支配力を強めたことが内閣の安定性につながった。

gendai.ismedia.jp

 本来であれば1年半、長くても2年で起こる席替えが、上の例の様に5年以上続いたり、慣例にない抜擢人事が数多く行われた。安倍氏の方向性に従う人間を多く引き上げるのはちょっとしたアメリカ大統領選後の猟官人事の空気もあり、賛否が分かれると思う。

 

 さて、この人事局設立で非常に面白いことは安倍氏周辺が考えたことではなく、2008年の国家公務員制度改革基本法、つまりルーピー鳩山によって作られた法律を掘り起こし、利用した点である。民主党がやりたかったことをものの見事にパクッてうまく利用している様は何とも皮肉である(橋本龍太郎政権にさかのぼることができるが、法律まで行ってない)。

 そのため、規制緩和云々もすべて鳩山氏周辺が思い描いたことなので、安倍氏の「カイカク」を元民主党議員が批判すればするほど哀れな泣き言に見える。

 

 功罪あるが、この人事を梃子に日本はとても安定したと言える。

 

強権による弊害

 安定する一方で、官僚との争いとなった。財務省(森友の土地)、文科省(JK前川)、防衛相(自衛隊日報問題)、厚生労働省(年金)など、次々と官僚側がスキャンダルを出し、安倍氏を攻撃したが失敗した。官僚たちの権力はますます小さくなった。

 しかし、その権力強化によって弊害もかなり大きくなった。一番大きいものは数字をごまかすようになったことである。

www.esri.go.jp

 上は要するに新経済戦略がうまくいかず、本来の数字が上向かず苦しいので、別の数字を使ってよくなったように見せかけたと白状している。最近では内閣府内を出て、他官庁の経済にかかわる指標を都合よく弄りだし、徐々に整合性が取れなくなってきている。

 

vdata.nikkei.com

↑一つ一つ言わないが、2016年以降すべての指標に裏指標があることになる。

 

数字いじりはかなり危険で、「忖度」なんてかわいいものでなく、やばい

 

 

外交

価値観外交からトップ外交へ

 以前、外務省が麻生太郎氏を旗に据え「自由と繁栄の弧」を発表した。大国に依存した外交より、ヨーロッパへ続く海上交易ルートで各国との関係を重視しようという概念だが、安倍政権にはこういった小さくコツコツ積み上げるものを嫌う習性がある。

  外務省の言う価値観外交とはシステムや考えが近い国とたとえ遠くとも結びつき、上から下まで徐々に交流することを想起していたが、安倍氏はトップ同士で物事を決めて、後に細部を決めようとする非常にテレビショー的外交が多い。

 

 例えば、ロシアは強権国家であり、まったく価値観は一致しない。仮想敵国であり、アメリカ・西ヨーロッパの主敵であるが、頻繁に接触している。

www.afpbb.com

 一見華々しいし、上手くいくように見えるが、ロシア側の報道と日本側のそれを突き合わせると、合意事項など情報が一致しない。

 現在、プーチン氏は国内の長期的な不況で政権基盤が揺らいでおり、下手に外国に譲歩すると、軍、民衆から突き上げられるので、トップで何かを決めることができない。

 そのため、日本が言うような行間を読むような文言は一切無視し、それが情報の齟齬になっているのだろうと思う。

jp.rbth.com

 ロシアだけでなく、安倍外交は相手のトップの力が弱かったり、政権が変わると何の意味も持たなくなる。TPPがトランプの出現で反故にされたし、インドとの交渉は滞り、東南アジアとの交渉は難航した。

 

 次の業績として目指している北朝鮮との国交も、金主席との直接対話による解決を目指しているが、カリアゲデブが利害を理解できないので何も決まらないだろう(彼自体の決定権はほとんどなく、国是を維持している象徴的存在、王様である)。

 

 

唯一にして最大のカード

  アメリカやロシアは軍事や技術、中国やインドであれば賄賂や人口圧力など大国は個別に交渉の手札を持つ。

 日本もそういったカードを実は一枚もっている。「金」である。

 中国は莫大な見せ金を使って色々なものを買い占めようとするが、あくまで見せ金で実際は持っていないし使わない。アメリカやロシアは外国にものは渡すが、金を渡す外交はしない。インドに至っては正式に誰がその決定権を持っているかはっきりしない。

 現物を持つ日本はたった一枚のワイルドカードだが、ゲームをすることができる。そして、安倍政権ははこれを最大限に使って外交をしている。ロシアへ経済開発の誘いアメリカの武器購入各国への意図的な資金援助円安誘導と傍目で見ていもかなりうまい使い方をしていると思う。

 

 しかし、正式な公務員でない「特使」がやり取りしているよくわからない交渉では、実権のない人間も多く動いているので、この辺のバランスが揺らいできた気がする。

biz-journal.jp(ゴシップだけど・・・一理ある)

 

いずれにせよ、あれだけショーをしてはっきりした外交的成果がほとんどない

 

 

軍事

仮想敵国の変更

 現政権の方針はセキュリティーダイアモンド構想にある日本、インド、オーストラリア、ハワイ諸島アメリカ軍太平洋司令部)による仮想敵国である中国封じ込めであると思う。

www.project-syndicate.org

 この構想は、朝鮮半島からの撤退(韓国からの撤兵と北朝鮮との和解)と沖縄放棄(海兵隊グアム移転)によるアメリカ軍の縮小により、矢面に立たされる自衛隊の一つの戦略であり、それに向けて水陸起動団の編成オーストラリア、インドとの準軍事同盟南シナ海での潜水艦訓練の公表はそれに乗った戦術として評価できる。

 ただ、大問題があって、肝心の人民解放軍は海外にストレッチするほどのパワーを持たず、その眼はむしろ国内治安に向き、主仮想敵から外れたロシア軍の戦争介入が目立つ。限られた戦力を北部から西部に移したことは果たして大丈夫なのだろうかという不安が常に付きまとう。

business.nikkeibp.co.jp(ちょっと古い記事だが、現在は内向き傾向はより強まっていると考える)

 

 自分の印象(経験的に)は中国はある程度の交渉はできるが、ロシアにまともな話し合いはできないと常々思っているので、とても不安である。

 

自衛隊戦力

 自衛隊の主たる任務は防衛出動で、従たる任務が国民保護、治安出動、警護出動、海上警備、弾道ミサイル等に対する破壊措置、災害派遣などである。これをまとめて本来任務となる。

 これをわかりやすく分類し直して、国の防衛、災害派遣、国際協力とされている。

www.mod.go.jp

 

 これら増加する任務に対して、自衛隊定員、充足率は年々低下しているがそれ以上に問題なのは装備の補給不足である。

 現政権において、中国に目を向けて組織を大きく弄っているのにその装備をしっかり与えず、予算増加は高額でほとんど無価値なミサイル防衛関係費が占め、一般隊員の装備、武器弾薬などの消耗品にはかなり無頓着になっている(防衛省予算案、pdf)。アメリカの支援があるとしても、実際に戦端が開かれた際、このままだと何もできず一気に瓦解する状況がある。

 

www.nishinippon.co.jp

 

現実の配備を見ると、見てくれに評価を振りすぎて、実行防衛能力を無視している

 

 

 野党はどうして安倍を倒さないのだろうか?

 

  よく言えば一生懸命。悪く言えば、問題をはらみ、誰も修正せず、少しずついびつになっているのが現在の安倍政権であると思う。

 他にも労働、不動産、GPIF株、移民、金融など問題を挙げだしたらきりがないし、テレビでも野党でも攻めようはいくらでもあるのに、彼らは決してそれらを土俵に上げない。

 それは自民党内でも同じで、この前の自民党総裁選でたとえ討論会が行われたとしても、ふわっとした法律論だけで、本質的に日本の利害に関する討論が行う空気は候補者の石破氏側からでなかった。

 

 つまり、実際に問題に触ることができる関係者は問題には目をつぶり、その問題を安倍氏に押し付け、対案を出したり問題提起しようとしない。

 「誰かがこう言った」を根拠にして、かなり意図的に安倍が好き嫌いの感情論に固執している。

 

  色々言い訳はあるのだろうが、はっきりわかるのは難しい本質的な問題と向き合うことは彼らにとって「損」なのだろう。情報をそろえ、問題を見据え、改善をしようとしても、彼らとその支持団体は儲からないのである。

 だから、子どもがお菓子をねだるように、安倍氏に抱きついているように見えない。・・・悲しい。

 

 

終わりに

 

 自分や自分が所属している集団の利益になるようにやり取りをする政治が正義だと思っているので、できるだけ感情無しにこういった利害を話し合いたいし、国会前でチンドン屋をする集団は評価しない。

 

 政治が国民から遠い。つまり政治を考えても自分の利害から遠いと考えている人が多いのはわかる。しかし、それをなんとなく好き嫌いで判断するのは、最終的に自分たちにとってものすごい損になる思うので、自分は最低限の一般教養(笑)としての知識を持ちたい。

 

・・・なんつってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

 

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