デジタル絵がうまく描けないと嘆く人がよくいる。これは「慣れ」の部分が大きいが、知っておけばものすごく楽に描ける基本テクニックがいくつもある。自分なりのそれを何かの足しに書いておこうと思う。
(今週の一枚)秋の大冒険(pixiv)
※目次※
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両手を使えるようにしよう
紙に向かって絵を描く時どうやって手を動かすだろうか?右手に鉛筆や筆を持ち、左手で紙を押さえたり、パレットを持つかもしれない。つまり、アナログの場合、どちらかの手に意識を常に集中してもう片方は不動と言うのが基本的な手の動きと言えるのかもしれない。
しかし、実はデジタルの場合、その意識の持ち方をするとものすごく手間になってデジタル特有の描きやすさや時間短縮や様々な作業をすることができない。・・・というか、それだとデジタルはどうやっても使いにくい。
マウス、ペンタブレット、液晶タブレットなどの入力ツールを片手に持って作業することになるが、反対の手では別の器具のキーボード、パッドやテンキーを使ってその動作をフォローすることで、圧倒的に利便性が改善する。
安くても中古でも、なんでもいいが両手にそれぞれの器具を持ち、両手で入力作業をできるようにしておこう。
(ニッペルフの場合、机の都合上キーボードは絵を描く時に使わない)
デジタルと特有の考え方
レイヤー
厚塗りの場合は異なるが、基本的にデジタルお絵かきで絶対押さえておかなければならないことは「レイヤー」であると思う。
なにそれ?と言う人向けに描くと、デジタルの絵は1枚の紙に絵を描くのと違い、何枚も透明な紙に色を入れてそれを重ねていると考えればいい。
(別レイヤーを3枚作っておけば、後で表情を変更しても他は変わらない)
もちろん一枚で作りきりたい人はそれでもいいが、背景とキャラと効果を分けるだけでも、創作の幅がとても広がるので試してみてはいかがだろうか。
いずれにしろ、この「重ねる」という意識は持っておいた方がいい。
ヌルと領域とその指定
デジタル絵を描く際は白い紙に絵を描くのではなく、何もない空間に色を埋めることに気を付けたい。イメージとしては空気の中に絵の具を入れていくような感じや透明なプラスチックの板に描く感じである。
この何もない null ヌル という考え方は理解しずらいかもしれないので、頭の片隅にでも置いておいて、なんとなくかっこいい程度に思っておけばいい。「何もないところ」が「ある」と言われてもピンとこないのはしょうがない。
また、ソフトによるが「何かあるところ」と「何もないところ」は明確に領域として設定できるし、それを上手く使えるようになりたい。
(例として塗りつぶし 新規レイヤーと組み合わせて素早く完了)
さらに、描画領域、つまり自分の塗りたいところと、塗りたくない所を指定するという機能は、紙の上であれば塗りたくない所に別の紙やシールを貼って防ぐようなちょっと面倒だけど、やって見るとくっきりした色分けができるという特性があるので、お持ちの各ソフトでこの領域指定機能の有無や、どうやって使えるかを知っておくと絵を描く幅が広がり、はみ出たところを消すような無駄な作業が著しく減るので、すごくお得である。
消しゴムと元に戻る
よく勘違いするが、消しゴムボタンによって消すことと元に戻る(undo、一段階戻る)ボタンによる削除は全く違う。
ソフト内部的にブラシで絵を「描く→消しゴム」を使うという作業は「ブラシ→消しゴム」という行為自体が存在しているが、「ブラシで絵を描く→元に戻る」はブラシで描いたという行為をなくしており、ある意味ブラシで描く前にタイムスリップしていると考えてよい。
消しゴムを使う場合、新しい行為で新たに何かするので、部分的であったり全体であったり様々なパターンで作業できる。一方、今やった行動そのものを否定して新しいことをするためには元に戻るを使った方がいい場合もある。一種類だけでなく、作業の幅は持っておくべきだと思う。
単に消しゴムツールだけを考えればほとんど差異は見られないような行為であるが、「元に戻る」はちょっと作業が複雑化してくると絶対に必要になるボタンなので、早いうちに元に戻ると消しゴムとは違うボタンだと覚えておいた方がいい。
(消しゴムやブラシという作業は未来に進み、元に戻るは過去に進む)
ショートカットキーを覚えよう
両手を使えたほうがいいといった。ではペンを持たない手では何をするかというと、機能の使用と繰り返す作業の短縮である。
ソフトのほとんどには「ショートカット」という機能がついていて、キーボードのボタンを押すとそれが働くようになっている。フォトショップの場合、広範な写真加工機能を持つため何百もの使い切れない機能とそのショートカットがある。
こんなたくさんの機能は使わないし、よく使う機能は意外と限られていているが、それらを機能させるために一々ペンを動かしてボタンを押すようなことをしていると手が痛くなってしまう。
ソフトによるが、機能の変更は画面上のパレットや各種バーから選択するだろう。こういった機能の切り替えや使用を左手に任せることで、右手は絵を描くという作業に集中することができる。
例えば、「セーブをする」、「新しいレイヤーを作る」、「元に戻る」や「回転する」などの機能はマウスやペンで何回もフォルダを開いて選択して煩わしいし、描くことの妨げになる。
各人がこういったよく使う機能のショートカットを左手に任せておけば、思った瞬間にぱっとそれに切り替わって、とても効率が上がる。
もっと単純に言うと、ブラシと消しゴムの繰り返しを考えよう。
ブラシで絵を描いて、消しゴムで消すという作業を繰り返すとして、一回ごとにブラシや消しゴムのボタンを絵から離れて押した場合、実はものすごく右手に負担がかかる。
そこで左手の出番である。ブラシで絵を描き、その手を動かさずに左手で消しゴムボタン(ショートカット)を押せば、ブラシの位置をずらさず消しゴムに変更できる。
ほんの1,2秒の動作の短縮だが、自分の場合、1時間で絵を描くとすると、左手を使わないと、こういった切り替えに5分近く使っていたので、ショートカットキーで作業がとても楽になる。それが5時間になれば25分の短縮、10時間なら50分の短縮とかなりの補助となり、右手の腱鞘炎ともさよならである。
(両手の役割を変える)
終わりに
100人いれば100通りの使い方があると思うが、できるだけ楽に描いて時間を他のことにも使いたいのではないだろうかと考えて、とても基本的なことを書いてみた。
少なくとも両手で作業することで、とても疲労を減らすので、やっていない方がいればぜひ試しいただければいいなぁと思う。
自分にとってはロジクールのG13がとても使い良かったので、これを使っているが、こういったパッドはちょっとお高い。もし、手軽に効果が見たいなら、タブレットについているボタンを使ったり、キーボードを利用したりしてもいいと思う。
楽に描きたいと使い始めは設定は面倒だし苦労することになるが、中長期的にはきっと楽になるはず( ^ω^)・・・
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