イギリス空母打撃群が最新空母と共に日本にやってくる。揉め事大好きなイギリスはいったい何しようとしているのか調べて考えてみた。
(今週の一枚)屋根より高い…(pixiv)
あらまし
イギリス海軍が地球の反対側からわざわざやってくる。しかも2017年に就役したバリバリの新鋭空母クイーンエリザベスが旗艦として、駆逐艦や潜水艦のフルセットの艦隊を従えてやってくる。
男の子ならワクワクするが日本ではあんまり報道されていない。イギリス側の情報を追うと、空母が新鋭なら打撃群そのものも結成したてのようで前提となる打撃能力も未知数のため、戦争や防衛行動をするというより、世界のみんなにUnited Kingdamの新しいNavy powerをお見せしようといった航行のようだ。
そのため、政治的にはEU脱退後のイギリスにおける世界的地位の再確立があるし、軍事的には中国への牽制とアメリカ軍との合同訓練が目的としてある。また、空母に載せるF35Bが相当ポンコツなので、現状でどこまで実践に耐えうるかアメリカ軍の指導の下の実地テストも兼ねていると考えられる。
アメリカ以外のメインプレーヤー
このイギリス海軍の東太平洋への進出はなぜ起こって何が起こるのか、対象となる日本・中国・イギリスの簡単な状況と見通しを考えてみる。
日本の思惑
自衛隊の防衛白書をぱらぱらと読むと、アメリカ軍が徐々に撤退して中国が大きくなっているけど、ロシアもざわざわしているらしい。そこで島嶼部防衛・奪還を含めた新しい対応が自衛隊として必要で、アメリカとの同盟は大切だけど、他の国とも同盟を強化して中国の伸長に対処したい…なんてことが書かれている。
これまで日本・オーストラリア・インド・アメリカによる話し合いと同盟強化が進み、アジア太平洋からインド洋にわたる海路の防衛が企画されてきたけれど、実際はどこの国も自国領海を維持するのが手いっぱいで、アメリカが引くとにっちもさっちもいかない状態であった。
そんな中でやってきたイギリスの海軍は渡りに船で、日本としてはアメリカ軍の穴を地球の反対側の軍隊に埋めてもらおうという算段がとても強い。もちろん整備や物資補給は日本持ちでアメリカに変わる傭兵としてイギリスを使い潰す算段なのだろう。
また、日本では海外派兵には南スーダンの大失敗があって海外で陸軍を運用することが難しく、軍全体の人員不足と歪な年齢構成のため機敏な軍行動がドンドンできなくなっている。そのため、国外における活動は非常に限定的になる。
規模が縮小する中で、自衛隊の将が現実的な戦略目標を決めて軍の再編と無駄な組織の排除ができるか…と言えばそんなことはなく、旧態然としたバブル時代から続く欲しい欲しい病を発病して、高価で使い方が限定された武装ばかり購入する計画を立てている。そのため、防衛白書で言う「自衛隊の在り方」に反し、自衛隊に支払う金額は年々大きくなるが、軍はどんどん弱体化しているのが現実だろう。
その買い物リストの中で今一番欲しいのがF35Bとその空母で、ヘリ空母改修以上のものを自衛隊将校は欲しがっている。体よくイギリス登場で政治的に必要性を既成事実化して買おうとしているのだろう。もし購入した場合、出来もしないアメリカ空母打撃群の任務を引き継ぐ非常に暗い予想しかない。
中国の恐怖
怨敵wの中国は驚異的な発展を遂げ、ついにはアメリカと肩を並べてG2(米中二極体制)の時代がやってきた…なんて以前は騒がれていた。
中国脅威論なんかもわちゃわちゃ出されたが、実際蓋を開けてみると、中国のアメリカ依存の経済体制や日本を軸にした北東アジア経済圏に組み込まれており、一つの極として立つには余りにも脆弱だということが分かってしまった。それを脱するためにここ20年中国は色々な角度から独立を模索した。経済的にも軍事的にも政治的にも一つの中国という概念を元に、共産党政府を中心とした組織づくりを模索したが、結局本土以外の華僑にすら反発されて足踏みをしているというのが現状だろう。
そんな中でバブル経済を迎えて絶頂の中国だが、人口統計的にこれから超高齢化による社会保障費の激増と人口減少が待っている(アジア成長研究所 pdf)ので、経済規模を維持するために、移民を入れるか、集約化をするかと言う我々と同じ選択を迫られ、あと数年で海外伸長が事実上不可能になる。
では、現状の中国共産党軍が精強で陸も海も支配できるだけの能力を持っているかと言われると非常に疑問符が残る。
例えば、習近平が虎も蠅も…と言って反腐敗と軍再編を行っているが、それ以前が異常な状態だったため、そこからどの程度軍が持ち直したか、本当に腐敗が洗浄されたかと考えると、武器の横流しが常態化していた軍隊でまともに戦える部隊の数は非常に少ないのではないかと思う。
また、消耗品の補給に至っては溜めるより売る・配る方にシフトしているので、弾薬(小銃からミサイルまで)や兵站維持物資(食料や医薬品を含めて)が枯渇している可能性が高い。
つまり、お船でドンブラやっているが、実際は玉もなければ人もいない張子の虎である可能性が高く、共産党軍は威嚇ができても戦闘は出来ないのが実態なんだろう。
このガラスの虎を使って各国と遊んでいるが、虎はあくまで交渉の材料だといういつもの中華スタイルを理解して東アジア各国が対応していた。
そんな中でやってくるイギリス海軍は彼らにとってトラウマをえぐるような存在らしい。もう歴史の一部であるが、約180年ほど前に中英間であったアヘン戦争がその根っこにある。当初はイギリスの無謀な戦争と言われていたが、陸軍国家の中国軍の展開の遅さを利用され海防が失敗し、その失敗が敗戦へと繋がり、後の大清帝国の破滅の引き金になった。
調べてみると確かに西洋恐怖症になるのも納得するほどアヘン戦争後の迷走と半植民地化はひどい有様だし、華夷秩序から英米ルールへと切り替わった転換点であり、「大国中国」としては嫌で嫌でしょうがないことはわかる。
repository.kulib.kyoto-u.ac.jp
イギリスの夢
「イギリス」と我々は言うが、それは果たしてイングランドのことか、イギリス島嶼部の連合王国のことか、旧植民地を含む英連邦のことなのか混同する場合が多い。仮に連合王国を指してイギリスということにしても、そのすべてをエリザベス女王の元に整った支配がされているのではなく、多くの貴族が資産を持ち、公王が不介入の領地を支配しているとても古く斑な状態になっている。
イギリス国家が3枚舌外交とか嘘つき、悪魔なんて呼ばれるのはそういった関係者が国内で足の引っ張り合いをしたり、非協力的な牽制をしているためにいったん約束したことを国家として守れない・守らないために常に起こる現象であると考えられる。
そんな国の軍隊の運用に関して、ソ連崩壊後の役割が常に議論されていたようだ。基本的な方向性は二つあって、一つはドイツのような軍縮…と言うか軍解体のように全体的に小さな軍隊にして、国家の予算を福祉や経済にお金を使おうという感じだったらしい。
もう一つは軍隊の規模を小さくするが、戦略目標を限定して複数の国で連合して活動しようという点だと思う。
この2点はヨーロッパ全体で大幅な軍縮に繋がったが、それによってお互い協力せざるを得ない状況に繋がった。EUやNATOの役割も変わり、アフリカや域外への介入も年を追うごとに小さくなった。国際協調主義なんて言うのは聞こえがいいが、1国だけで自国を守ることができなくなったのがヨーロッパ全体の実態なのだろう。
しかし、その方向性もアメリカ軍のNATO領域縮小とロシア軍の復活によって軌道修正を余儀なくされ、ウクライナ・クリミア、シリア・中東、グルジア・南オセチアなど徐々に旧ソ連圏への巻き返しが顕著になった。旧植民地国家との関係強化や中国との関係構築、アメリカ軍引き留めがEU全体の問題になっているようである。
そんな中で、イギリスはBrexit・EU脱退によって独自路線を歩み出すようになったようだ。具体的にはNATO軍よりも直接的にアメリカ軍と歩調を合わせること、インド洋以東への再侵攻を企てている点である。
つまり、アメリカの抜けた穴を利権と捉え、今までのヨーロッパ利権よりも東アジアでの利権争いの方が価値があると捕え、足がかりを少しずつ残し始めたということだろう。かつて甘い汁だった中華圏を再び割りに来ている感もあるし、アメリカが持つ世界の警察としての地位を利用したビジネスに触ろうとしている感もあって、なんとも不気味である。
優しくないブリテン
三者三様の思惑が見えてきたが、どの角度から見てもアメリカが抜ける事で起こる変化に如何に対応しようとしていることが分かってきた。
同時に、中国を含めアメリカ以外の国は大きな軍を海外展開させてそれを維持する能力は極めて弱いことがこともわかってきた。
ロシアに至っても、クリミアへ展開した陸軍が海外展開の限界で、一つの地域を住民協力の元、管理するのがいっぱいいっぱいだと分かる。
そんな中で、西太平洋にイギリス海軍がやってきてアメリカの代わりをするのだが、軍の規模としてはやはり小さい。それに役割を付けようとする日本政府の認識がとても甘いということが分かる。イギリスは先ほど述べた様に斑な国で約束を守らない。これは自国にとって不利になればなるほど顕著になり、アメリカのように損をしても仕事をすることは決してない。
また、中国に関しても清の時代よりも一見国防をしっかりし、海外展開を一帯一路政策にのっとってやっているように見えるが、政策一つ一つがおおざっぱで現地との摩擦が尽きない。そのため、冊封のような支配ができていない。
さらに、アメリカにしても訓練して基本的な計画を伝えれば親しい(?)同盟国なので、アメリカ軍と同じように働いてくれるという明らかに誤った認識で連携をしている。
3者がお互い利用してやろうというのが見え見えだが、お互い甘い認識で事態を見ているので、アメリカがいる間はいいが、彼らが抜けて問題が起こった際一気にぶっ飛ぶんじゃないかなぁと感じた。
そのため、一番問題を起こしやすいのが現状利害が小さく、むしろ混乱したほうが利益の出るイギリス海軍で、なんとなく中国の船を沈めるとかミサイルを中国本土に誤射するとかをやらかして、とっとと逃げる可能性もある。
その時こそブリカス(ブリテンクソ野郎)の復活になるのではないか。
いずれにしろ、新しいメンバーの加入で日本近海はさらに混とんとするのだろう。
終わりに
調べてみると意外と中国って狙われる側なんだなぁと分かった。大きくて目立つことだけが本質でないと感じた。
まぁブリカス仕草される前にスーパー一流国家の日本がどうにかするだろう
…って無理か(;´・ω・)
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