粘土での造形がほぼ終わったが、ラップやレジンを使ってドラゴンをかっこよくしてみた。それについての備忘録的記事
(今週の一枚)瓦礫の散歩道(pixiv)
前回の記事の通り、石塑粘土、樹脂風粘土を使ってドラゴンを造形したがこれに色を塗るだけではちょっと印象が薄い。
粘土の質感だけでは全体が固い印象になってしまい動きのない像になっているなぁと感じた。もちろん、塗装がうまくいけばそれなりのものになるのだろうが、ほぼ初めてなのでそれが成功する保証はない。
そこで、爪と角、翼に関しては異なる素材を使って、ドラゴンのイメージをアップグレードすることにした。
ドラゴンの翼を作ろう
翼の構造
翼に関しては支柱となる腕・指部分と揚力を生む膜部分に分かれると思う。支柱部分に関しては単純にドラゴンの体の延長だと思うので、石塑粘土を使って作ったが、膜部分に関してはちょっと違う。
試しにドラゴンを描いているほかの作家さんの作品やファンタジー映画なんかを見ると、大きく分けて2通りの作り方が見受けられる。
1つは上皮を伸ばした物で皮がビヨーンと伸びたものであり、もう一つは粘膜状になって半透明になっているものである。皮ビヨンについてはイマイチパッとしないので、自分は今回粘膜状のものを選択することにした。
これのいい点は半透明なのでその中に血管などの内容物を入れるとうっすら透けて立体感が増す点であり、その透明度を制御できれば厚みも表現できると思う。
膜の基礎素材
そこで素材選びをすることになったが結構難航した。
半透明ということでクリアファイルに用いられるポリプロピレン(PP)を試したけど、重合体なので加工に難点がありうまくイメージする膜の形にならなかった。
プラバンなどのプラスチックに関しては熱を上手くくわえて変形させることはできたが、比較的厚い(0.5mm~)ために膜のイメージに合わなかった。
そこで、多少薄くても取り扱いしやすいラップを使うことにした。ラップの素材には何種類かあり、ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニル樹脂、ポリエチレンを今回試した。扱いにはあまり差がなかったが、膜を支柱に付けた後ヒーターであぶってぴんと張る際に差があった。
ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニル樹脂の場合、熱耐性が若干高く、強くあぶるとちぎれてしまう。一方でポリエチレンの場合、熱にすぐ反応するが比較的伸びがあり細かいものとして扱うにはこちらの方がよかった。
膜の模様
膜の基礎となる部分を作成したが、ラップなのでとにかく膜が薄い。そのため、次に目標となるのは内部の造形と厚みを増すことになった。いくつか試したが結論としてはUVレジンで膜の厚さを出す方法が一番楽だった。
理由は成型が容易なことと速乾で硬化するからだ。ライトはハンディタイプのAlonefire SV003 10W 365nmを使った。他のライトは出力が弱く波長もズレるため硬化に時間がかかるがこのライトなら10秒以下でかたまる。注意点は熱を持つため短時間でもラップが歪むため素早い行動が必要な点である。
作成の流れとしては着色したレジンを膜に薄く塗り、UVライトで硬化させる。その上に血管などの内容物をアクリル絵の具で描きさらにレジンを使って封入すると言った感じである。支柱部分に近いほど厚く層を作り、立体感を出した。
部分ごとに若干色味(タミヤのアクリル塗料使用)の異なるレジンを用意して塗り分けることで支柱からどのくらい遠いかを意図して塗り分けることができた。
爪とレジン
羽が完成すると分かったが、ドラゴン本体部分のインパクトがかなり薄い。もっと造形を派手にするのも一つの手であるが、部分の見え方を変えることでポイントごとに色合いや質感を変えることで印象を変えることにした。
具体的には爪と角の素材をUVレジンにして迫力を増すことである。
UVレジンは手作りの立体造形にはあまり向いていないのか試行錯誤に陥った。
まず、試した方法が型を作りそこにレジンを流して固める方法と、レジンを楊枝の先につけて硬めされにレジンを付け硬め…というのを繰り返す方法である。
自分の場合、どちらの方法も中途半端に失敗したため、それを組み合わせることにした。
型作りの場合、まずシリコンを用いたが、どのシリコンも固化に時間がかかる上、爪のような先細の小さな立体には泡が入ったり型が歪んだりとうまくいかなかった。
塗り重ねの場合、作業を繰り返せばそれなりのものができるが、レジンの粘性があまりないためしっかりと同じ形の成型ができず、塗り重ねるため層がいくつもできあまりきれいな具合の彩りにならなかった。
そこで、組み合わせで対処した。型の素材を油粘土にして、型の元の爪にオイルを塗って油粘土で型を取る。また、針金先端にレジンを塗って固め、レジン爪の核を作り、それを型に埋め込んで一つの塊を成した。
問題は油粘土の粘性で、ある程度くっついてしまい方もい中途半端なので、硬化後に水で洗浄して再度レジンを塗ることにした。こうすればある程度の大きさの成型は出来ているので、それを補修することで自分のいめーずする爪を作ることができた。
ドラゴンへの接着はドリル穴をあけて針金部を入れ込み、UVレジンを接着剤として使い、境界面は石塑粘土を再度塗ることで一体性を出した。
石塑粘土単独と比べるとだいぶ印象が変わったと思う。すべてをこれらで装飾することはできないけど、ポイントごとにアクセントがあると結構映えることがはっきりしたので、結構な成功だと思う。
終わりに
細部の補正をしてついに色塗り、長かった( ^ω^)・・・
中型は手間取ると思ったけど予想以上だったので、何とか最後までしっかり仕上げられたらうれしいな(^ω^)
☆エロ同人CG販売中

