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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

3DCGを作ってみよう その12

石膏粘土でドラゴンを作っているがなかなか苦労している。途中経過であるが、分かったことや乗り越えたことを書いておこうと思う。

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(今週の一枚)春を見つける(pixiv

 

 

目標

 先月まではだいたい2cm立方のお人形を作っていた。大分作成にも慣れてきたので、今度は20cm立方程度の中規模造形に手を出してみることにした。方針は比較的小さなパーツを作り、それを合体させて一つの造形を作り出すことにした。

 その上で、未経験の大きさの造形について経験を積み、構想、造形、着色までの一連の流れを行うことが目標となった。

 まぁ、どうなるかわからないが色々調べつつそれなりの作品を最後まで作ってみようという感じになる。

 

構想

 美少女フィギュア作成でもよかったんだけど、それだとあまりにも個性がないので、かっこつけてドラゴンを作ることにした。大まかにドラゴンは手足4本の奴(手が羽になっている)と手足と別に羽が生えている奴(つまり6本ある)に分かれるが、かっこよさそうな6本ドラゴンを作ることにした。

 イメージとしては蛇のような頭と尻尾を軸にして人のような手足と太い飛行用の羽がついているキメラに近い生き物にすることにした。ぬるっとした表皮ではなく、比較的凸凹した模様が全身に貼り巡ることになる。

 そのため、力強い骨格としなやかな筋肉が共存する戦闘用の生き物が表現の先にあって、その象徴を頭で表現することにした。f:id:nipplelf:20220210114459j:plain

 また、色は赤が基準色として全体の多くを占め、それに次いで黒めの肌色を準基礎色にして赤を引き立てることにした。これらの色を引き立てるために、全体にうす暗めを入れたりグラディエーションを作って、部分的に透明な色彩を加えてそれっぽくしようと思う(着色については次回以降)。

 

骨組み・肉付け

 石塑粘土で造形をする場合、ほぼ石膏を扱うと同じように作るとしても固まるまでは他の粘土と同じように柔らかいものである。また、硬いということは展性が低いということなので、当然細い部分や接合部から長くのびる部分は折れやすい。そのため、フィギュア作成など、細長い部分が多い作品は内部に金属のワイヤーを入れて強度を補強することになる。

 自分はステンレスのワイヤーをくねくね編んで部分ごとに作ることにした。最初、太目(2.0mm)の物を一本で作成しようとしたが、肉付け時に角度を動かすことが難しかったので、細目(0.9mm)のワイヤーを3本編むことで強度を補強しつつ角度の変更が作業をしながらできるようにした。

 しっかりとポーズが決まっている場合は太目でしっかり作った方が安定度はあると思うが、小さいパーツを組み合わせる場合は細めの方がいいと思う。安定度と作業性を考えるとパーツが少ない場合は太目一本の方がいいが、今回は肢、頭と尻尾で合計8本が胴体につくので、作成しつつポーズを決めることになったため、細目になった。

 全部粘土で作れればいいが、内部乾燥と資金の問題からすべてを粘土で作るのはあまりよくない。特に乾燥によってひび割れの可能性を考えると内部は別の物質を置き、骨格とそれを覆うように粘土を使った方が安全性は増す。

 それにのっとって、骨組みにくしゃくしゃにしたアルミホイルを付けて石塑粘土で覆うことにした。この手法は結構オーソドックスなやり方らしい。

 この時点ではパーツごとに作成したので、左右のバランスやポーズの正確性を担保することはできなかった。各パーツを合体させてから改めて肉付けをすることにした。

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粘土付け、やすりと彫り

 粘土をこねる段階では大まかな形を作り、硬化後、電動ルーターや彫刻刀を使って大まかな形を彫って、また石塑粘土を付けることで重層的な造形を目標にしていた。そのため、第一回の粘土作業は部分的な細かいものをあまり考えずに、全体の流れ・筋肉がこんな風についてるだろう…というのを意識して肉付けをした。

 初めてのことなので、とにかく肉付け~彫りまで一周してみた。

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 初めてとしてはまずまずの出来であるが、写真の通り、頭や指先など細かい部分の出来はあまりよくできなかった。その最大の原因が石塑粘土にあって、硬化前かなりべたついて細かい作り込みができず、一方で、硬化後の状態が想像以上に硬く掘り込みが困難な点であった。線として1mm幅を彫れても、立体として曲面を作ることがほぼできなかったため、尻尾を見ると分かるがかなり平べったい模様になってしまった。

 また、ピカールで研磨もしたが、やすりの手番で1000番程度で、ちょうど石膏を磨くのには適した感触だったが、鉱物油の蒸発後に残る茶色い色が吹いてものぞけず結局水洗いすることになり、石膏が溶けてうまくいかなかった。

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 いくつかのパターンで紙や金属やすりを試して、最終的に電動ルーターで彫ることになった。その際、最も効率的に作業できたのが浦和工業の超硬カッタータケノコ型大であった。矢じり型は歯の数が少なく石膏がうまく削れず飛び散るし、ダイアモンドコートのピンバイスでは硬さが不足して彫るには向かない。また、細い棒状のものは切削面積が安定せず作業性が低かった。

 

細工

 ここで、細かい細工については当初の石膏粘土を使った造形をあきらめ、樹脂粘土を使った盛りをすることにした。着色や硬度に不安は残るが、自分の技術ではこの大きさ(5mm以下)の造形で石膏に手が出なかったので思い切って変更した。

 方法としては至極単純で、色々な大きさの円錐を作って、それを2つに割る。そしてそれを木工用ボンドでペタペタ張るというものである。

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 これが思いのほかうまくいき、かなりイメージに近い質感のパーツを作ることに成功した。コツとしては後ろ側から前へ、空気が流れるイメージがあるとしたらその逆側から貼っていくとそれっぽくなる。また、石塑粘土でうまくいかなかった部分も覆い隠せたのは良かった。

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 難点としてはとにかく面倒くさいということである。それぞれ小さなパーツとチクチク作って、一枚一枚ペタペタ張るため、イライラする。

 

合体

 各パーツが単体では完成の状態になったので、仮組で全体の状態を見ることにした。

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 写真の左になるが想像していたよりもいい感じの出来になっていたが、バランスとして胴体部分の筋肉が小さく、羽が貧弱だったことが分かった。

 そこで、羽の指部分はもっと長く作り直すことにして、筋肉部分は合体後に最後石塑粘土を盛ることにした。

 写真右のように合体させるにあたり各結合部を削った。結合にはアンカーとしてステンレスワイヤー(線径0.9mm)を穴をあけて接着剤で固定し、合体後に石膏粘土を塗り直して構造の完成とした。

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 …というわけで、大筋の造形は完成

 

終わりに

 想像以上に紆余曲折を経てのドラゴンの作成となったけど、石膏粘土を使う場合はもう少し大きめな造形物でアバウトな彫り込みをする方がいいのかと思う。

 ただ、彫ることでしっかりとした流れのある造形を作ることができるので、創作の幅は結構広いと思う。

 

細かい部分の直しをしてから爪や角を付け、次からは色付けとなる。

果たしてうまくいくのか( ^ω^)・・・

まぁなんとかなるだろう(^ω^)

 

 

 

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