前回に引き続き、どうすればエロCG集をすこしでもいいものにできるのか、ぶつくさ考えてみた記事
(今週の一枚)もしゃもしゃ(まいう~🐜)
前回の記事では今までのおさらいとして、作品の状態と進行のアウトラインをぶつくさ考えた。ぼんやりした作品各部のお色直しについて観念的にもう少し詰めてみようと思う。
ストーリーや作品背景作り
これって結構難しい。自分にはなかなかできない。中身すっからかんでエロい絵を並べても絵画集だし、長々と物語や作品背景を書くと肝心のエロにたどり着かない。また、素早くエロにたどり着いたとしても、ただパンパンアンアンだと盛り上がらない。
(絵は少しずつ進む)
まぁ、エロ同人なんて8割以上がエロシーンなんだから、そこで如何に盛り上げるかがほぼすべてと言っていい。盛り上げ方は2種類あり、導入部で一発やる理由を簡単に説明して、プレイ内でそれをさらに強調できればいいのだろう。
前回は、シンプルかつ情報量を制限した前説を読者に見せたほうがいいと書いた。その際、絵を多用して、それを補う程度の文章を載せることで、パッと見てなんとなく何が起こるかわかればいいと考えた。しかし、どの程度話を理解させるかはいまいちわからない。
そこで、今回はアクション映画を例にその密度を考えてみる。
具体的な作品対比
エロ漫画やAVで情報量を例示してもいいが、エロ作品は売り上げや作品評価の基準がはっきりしないので、考察しにくい。そこで興奮の方向性が同じようになる作品群を考えることにした。エロの場合、徐々にドキドキして何度もスケベシーンが繰り返され、最後にすごい落ちがあるといい感じにまとまる。これと同じような流れのものはアクション映画なんじゃないかと思う。最初にバトルフィールドの説明をして、徐々に戦いを重ね、最後にすごい強いボスをぶっ倒すとめでたしめでたしになるからだ。
そこで、放映から10年くらいたって評価が確定したアクション映画のいい例と悪い例を一つずつ出してみる。
いい例
いい例は映画ドレッド、Dredd(2012年版)だ。最初の10分はギリギリ著作権OKみたい?なのでURLを張ってみる。
(※残酷シーン有り※)
放射能まみれの荒野に壁を作り、その内側の巨大都市にみんなが集住する世界で、警察官兼検察官兼裁判官兼死刑執行人ジャッジのドレッド氏が麻薬製造・売買しているクズどもをぶち殺していく話だ。慈悲はない。映画の評価は宣伝のまずさがあって低かったが、グロありガンアクション大好きな人が見ると大好評という賛否両論の作品だ。
ここで参考になるのは、映像と言葉を使い無駄なく作品背景を伝え、暴力シーンをくみ上げている点だ。紹介した冒頭10分シーンを細切れで見ると、こんな街ですと説明し、主人公の重要性を語り、追跡を見せ、死刑執行をし、補佐キャラの説明をし、主人公の追加情報を入れている。このあとはひたすら麻薬カルテルとの戦いだ。
面白いのは一見シンプルに見えて、必要な事柄はちゃんと入っている点だ。必要な背景情報(世界がぐちゃぐちゃ)は映像と言葉の両方で説明している。そして、シーンを理解するための追加情報はその都度キャラのセリフや行動で一瞬だけ示し、それ以上説明しない。
例えば、10分シーン内にある追跡から死刑まで一般人が何人も死ぬ。犯罪者3人に対して、それ以上の死人だ。我々の世界とは違う。ナレーションでは犯罪対応の効率化のためにジャッジが存在すると言うが、その効率のためには人権がないことをはっきり示している。これを言葉でくどくど言うと長いので、市民の死体をゴミ処理と同様に扱う映像を数秒見せて説明終了としている。
また、重要な点は、英語がさっぱりわからなくても、この10分の映像を見れば大体内容が理解できてしまう点だ。言葉が追加や補助であることが良くわかる。絵を見るとパッとわかり、言葉が加わるとよくわかるように作っており親切だ。
悪い例
悪い例はユニバーサルソルジャー 地獄の黙示録、Universal Soldier: Day of Reckoning(2012)だ。まず評価を書くと、言いたいことはなんだかよくわからない。しかし、R18のアクションとしてはかなりいいので全体の出来にモヤっとする。
あらすじ・ネタバレをしてしまうと、旧世代のクローン兵士が逃亡・反乱を企てるが、新世代のクローン兵士(主人公)がそれらを処分する話だ。主人公には妻子が暴漢(旧世代兵士)に殺されたという偽の記憶をインプットされて、その復讐心から暴漢達を殺す条件付けがされる。しかし、徐々にその記憶に違和感を持ち、自分の前世代のクローンと出会い真実に気づく。そこで、反乱軍のアジトで偽の記憶の入ったチップを取ることにする。しかし、偽物であっても妻子の思い出を除くことを拒み、結局、旧世代の兵隊たちを皆殺しにするという流れだ。
この物語や作品背景がとにかくわかりにくい。この映画は続編だが、前の映画を知っていても意味不明な点が多い。絵での説明もよくわからないし、言葉での説明もほぼない。自分で考えろと言われている。ぶん殴られて話が始まるけど、引きの絵がほとんどないので狭苦しいし、ぎゅっと詰まった中でいまいちよくわからないエログロが延々と続くと嫌な気分になる。一番の問題は主人公の考えが全く理解できない点だ。なぜ急に戦うのかがわからず、狂人が暴力をふるい続けているようにしか見えなかった。
純粋にグロありアクションシーン(空手・MMAファイト)だけ見るとドレッドよりもすごかったりする。低予算なのでCGやカメラワークは悪いけど、役者さんたちもかなり頑張っている。
その結果はアメリカ国内の売り上げの5480ドルとはっきり出ており、大爆死となった。
宣伝費が捻出できなかったとしてもこれはひどい。つまり、いくらアクションが良くても、なぜ戦うのか、どうやって盛り上がってゆくのかを物語として組み立てられないと全く評価されないことがわかった。
比べてみて
…というわけで、作りがかなり似ている2作品を比べると、ただエロい(アクションがすごい)だけでも評価されず、お客に理解できる物語をわかりやすく説明し、それを積み立ててうまく興奮を後半に持ってこないと評価されないということがわかる。
ドレッドに関しては最初の10分がしっかりまとまっているおかげで物語に入ってゆけたし、シーンごとにちょいちょい解説が入るのがよかった。
一方で、ユニバーサルソルジャーは、最初から過激なシーンが満載だが、急にシーン展開が起こるので、「???」という気分でそれを見ることになり、終始引いて物語を見ることになってしまった。
この比較で分かることは、シーンごとの意味(ここでなぜ戦うか)と作品全体の意味(どうして戦い続けるか)は全く別の意味があって、それを両方準備しないといい作品にはなれないようである。
そして、アクションの場合、絵を見せて感覚的にわかるようにして、その絵だけだとわからない情報を言葉で添えることができれば、すっきりとした説明ができるんじゃないかと思った。
これはエロについても同じで、各シーンごとに一発やる理由があって、話全体としてなんで何度もやるかを示しておけばいい作品になるのではないかと思う。いくつかのシーンで同じ体位でやっていたとしても、やる理由やその解説が違えば興奮度合いも違うのだろう。
終わりに
ここまで考える必要もないと思う一方で、もう少しいい物ができればなぁなんて微妙な気分である。まぁ、エロ絵についても少しずつ整えるので気長にやろうかな(^ω^)
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