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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

個性と自我と絵

PC環境修復中に色々他の方の絵を鑑賞させていただく機会が多かった。その際に感じたことを書いてみようと思う。 

 

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(今週の一枚)春の音(pixiv

 

 

参考にした作品群を紹介するべきか迷ったけれど、許可の取れないものも多々あるので今回はぼんやりとしたお気持ち系の記事になります。

個性的な絵とネット

 評価が高い方の作品は綺麗だったりわかりやすいだけでなく、個性のある作品が多い印象があった。

 では、すごいなぁと感じた「個性」と言うものは何かと考えると、自分しかできないことや自分だけがとても目立つ…と言った他人と比較してわかるものと、パッと見た瞬間あぁこの人だなとわかる独立した印のようなものに分けることができるのではないかと思う。人の集団の中から誰かを見つける指標と雑多な生き物の中でそれだけを識別できる目印みたいな差である。

 他者と比較した場合、ネット投稿ではその個性がどうしても「いいね」とか「ブックマーク」の数が評価の基準となり、どうしても「商品」としての絵になってしまう。そういう意味で、物を作る人はいかに他人の評価を得ようかと個性の合間で苦労している。SNS全盛では、自分の作品をいかに優れているかと宣伝をして初めて評価されるものがほとんどだと言ってもいい。莫大にある情報の中では絵の一枚の個性なんて塵以下の情報量である。

 

 (ネットの評価)=(本来の個性)×(知名度)×(時事性)×(ネタ度)

 

 アバウトだが、式にすると上の様な感じにある。ネットの評価は個性の一要素のはずなのに、しかし、現状はそれが逆転しており、ネットの評価があたかもその作品の個性のように騒がれているシーンを何度も目にした。だから、自分も含め個性を磨いているつもりなのに、気づいたらネットの評価を得ようと躍起になる人が多い。

 本来の個性を磨くという行為はニッペルフにとってとても難しい。自分の脳みその多くを物事の効率に振っているので、どうしても浪漫要素が減ってしまう。以前の記事でも触れたが、描く回数を増すごとにそれなりに綺麗な出来の絵を描けるようになってきたが、どこかしら誰かが描いたような構図であったり、イメージがあったりして純粋にニッペルフの絵ですと言い切れるか疑問符が付く様な作りになってきたことからもなんとなくの自分の傾向が透けて見える。だから、どうしてもネットの評価に舵を切ってしまうんだろう。

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 今回はネットで求められているものは本体の個性と言う枠とは異なるという点を考慮において、いくつかの点で考えたことを書いてみた。

 

私を見て

  評価を別にして、名の知れたプロの作品を一度見ると誰が描いたかすぐわかる場合がある。これは本質的な個性だろう。では、その要素はいったい何が担っているかと思って同一作者さんの作品群をじっと見ると、とても強い自己主張なのではないかと感じた。

 そして、そういった主張が強いものを集めると、グロ系にしろ、風景画にしろ、キャラ絵にしろ、絵柄にかかわらず作品を見ていると描いた人の心情が刺さってくる作品が多かった。また、それは作者ごとに刺さるポイントが違った。

 例えば、同じような内臓をぐしゃ~っと描いた作品でも、じっくり閲覧するとその作者の心象みたいなものが刻んであって言いたいことが全く違う。描き方や色の塗り方で喜びなのか失望なのか悲しみなのかそれぞれ違う。そのため、作者が違うと同じテーマでもとても気の滅入るものから思わず笑ってしまうものまであった。これはその先にある作者の言いたいことや内面が透けて見えるような意図が絵のそこここに配置してあって、気持ち悪い内臓はあくまで「釣り」の要素にしか過ぎなかったとわかる。

 時間をかけて作られているものほどその傾向が強く、単純に書き込んでいるとか、線が細かいというのではなく、思いを彫り込んでいるような錯覚を受ける場合があり、結局そういった強い印象を受ける作品は言うなればその作者の自画像を見せつけられているんだろうと思った。

 美少女キャラをじっと見ているはずなのに、その先にあるおっさんの顔を凝視していると思うと、何とも吐き気が込み上げるが、個性的なものと言うのはそういう作者自身の要素が強く埋め込まれたものなんだろう。

 これは何も突飛なもの(でっかいおっぱいとかだまし絵)を作ることで生まれる印象ではなく、作品の前提が「私」を如何にアピールしようかだから感じてしまう要素なんだろう。

 

繰り返しと変化

 上手な人も下手な人もなんだかんだで、描くものが偏っている。色々描けてもキャラばかり描く人や背景ばかり描く人がいたり、チンチンやマンマンをひたすら描き続ける業の深い人もいる。キャラクターの顔でも決まった角度しか描かない人は多いし、ひたすらアニメキャラの瞳のみに力を注ぐ人もたくさんいる。つまり、好みであり、それが個性に繋がる。

 商業的に色々な絵が描けることは重要な稼ぎのファクターだけど、個性という点で見ると、様々な分野をそれなりの工期で描く作家さんの作品はとても個性が薄い。まぁそれは当たり前のことで、繰り返し同じ作業をし続けることで、ある部分だけ技術的にも感情的にも描きたいように描くので、その部分だけは妙に濃いがその他は薄くなる。それが絵の中心となり印象的になるのだろう。

 非常に面白い点は、来る日も来る日も同じような個性のない絵を描いている人でもある日突然個性的になることである。例えば、SNSで古いログを見ていると、下手くそだった絵がある日を境にグッと変わることがある。それはいらない描き方だったり不必要な作画の要素をぱっと除いた瞬間もあれば、逆に、一つ違う描き方やテーマを加えることで作風が全く違うものに変わった方もいた。そういった作品や作者に出会うと蛹が蝶になる瞬間に出会ったような気がして不思議な気分になる。しかし、この変化が必ずしもいいわけではなくて、評価を得ていた方がこういった突然変異で一気にフォローワーが減ったり、前の作風に戻そうと迷走して筆を折ってしまう人もいる。

 つまり、一見無駄な繰り返しでは個性が生まれないとしても、その繰り返しがあることで個性につながる可能性は十分あり、実は無駄ではないと言える。

 そして、その変化が良くも悪くも作者を揺するので、個性を得るというのも一長一短なんだろう。

 

読み手へのすり寄りの価値

  個性とは何ぞやと考えて色々な絵を見ていると、一方で、出来る限り個性を隠してしまおうという作品に出会うことも間々あった。例えば、コピー作品(贋作)や2次創作を作っている人たちにそういう傾向が強い。

 創作をするということは自分のイメージや考えを作品の中に載せることで一つのゲージュツになっていくんだけど、商業作品を買いたい人やエロを求める人にとってそんなことどうでもいい。よく知った気に入った絵柄でワクワクドキドキしたりエロい気分になれれば、別にパクリであろうが偽物であろうが目的である感情を盛り上げることができればいいのである。こういったお客様志向全開の人はかなり多い。

 そういった点をシビアに考えて儲け優先でいけば、個性なんてものはいらない。アニメキャラがエロい格好してパコパコしていれば満足だし、それを目当てにお金を出す人の方がよくわからない創作物なんかよりも多い。「いいもの」とは「個性のあるもの」とはイコールにならないのである。

 注目すべき点は1次だろうが2次だろうが創作物の評価は評価をしてくれる人次第という点だと思う。個性があるかどうかの判定も当然作者以外の他者がする。その際、相手に体よく評価をもらうためには、相手を気持ちよくする必要があり、より多くの人に「個性がある」と認識してもらうためには相手の気持ちに寄り添う必要がある。

 つまり、贋作と呼べるほど絵柄を似せなくとも、創作する人は多かれ少なかれ相手の好むものに寄せないといけない。そうしないと誰も見てくれないし、見てくれなければ個性があるかどうかわからないのである。個性が有る無しの前に、存在を認識されなければ無価値であるということになる(0/1 or null)。

 何処かに投稿したり、評価をもらうという行動は誰かに自分を見てほしいという欲が前提になっているが、その欲を満たすためには個性を多少なりとも捨てないといけないことになる。この自我と認知度をいかにバランスを取るかが総じて個性になるのは痛しかゆしで、長く続く人ほど場合ごとに相手への押し引きができている。

 創作とは会話であり、個性とは自分の言葉の多さなのかもしれない。会話をする際、しゃべりすぎると相手が黙ってしまうし、相手に喋りさせ過ぎるとこっちが嫌になる。絶対的なものがあれば別だが、こういった相互関係があって初めて得られるのが我々の会話であり、その支えあってこその個性なんだろう。

 そういう意味では(ネットの評価)≠(個性)であるが、「お願いします見てください!!!」と訴えかけないと個性の存在が維持できないというのはなんとも因果なものだなぁと思った。

 

終わりに

 自分に寄り添うか、誰かに寄り添うか、たくさんの人に寄り添うかで描き方は異なるし、個性の価値も違うと思う。全部内包できれば最強だけで、そんな能力は自分にはない。

 長続きさせるためにも、少しずつ絵柄や技法を変えて落ち着く先を探すことになるのかなぁなんて気がした。

 …まぁへたくそは少しずつ前進である(^ω^)

 

 

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