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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

神や悪魔は細部に宿るのか?

細かく描いてもいい絵は描けないけど、あまり雑に描いても評価されない。どうすればいいのかぶつぶつと考えてみた。

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(今週の一枚)お供え物がよくなくなります(pixiv

 

 自分にはデッサンをしたりしっかりと立体視をして物を作る才能があまりない。一方で、立体的な飛び出す絵本のようなものを作りたいなぁなんて思っているので、色々と工夫をしながらそれっぽいものを作ろうと悪戦苦闘をしている。

 そんな中で、出来る限り丁寧に描くことでそれっぽさを出そうとしているが、それがうまく作用していいものが作れる時もあれば、出来の悪い完成品になる時もある。

 出来ればいいものをたくさん作りたいので、細かく描くことでどうして完成に差が出るのかを考えてみた。

 

どこまで細かく描けばいいのか

 自分はPC上でしか絵を描かない。そのため、画素数に限界がありアナログのように無限の広がりのある作品作りはなかなかできない。これは描く際の問題もあるが、最終的なアウトプットが縮小したものになるのでどんなに頑張っても結局潰れてしまうからというのが大きい。例えば、40000×30000pix(画素をpixと略した)のキャンバスで絵を描いたとしても、どこかのサイトに投稿する際は圧縮されて1200×900pix程度の画質になるし、もし、元の大きさで投稿できたとしても見てくれる人の画面が小さければちゃんと細かい部分を見ることができない。

 ポスターなどの実物にデジタル絵をプリントするなら話は別だが、一般に描くデジタル絵のほとんどはデジタル上での発表となるので、細かさにはかなりの制限があるということになる。

 つまり、画素数的な縛りを意識して、綺麗かどうかや自分がどのくらいのこだわりがあるかを意識する前に発表する場所にあわせてキャンバスの大きさを決めなければならない。Twitterであれば縦横900pix、pixivでは1200pixまで圧縮されるので、それ以上は無意味な大きさとなる。

 もし、こういったサイトを中心に活動するのであれば、キャンバスサイズは4倍程度(1画素を4画素平均で圧縮することを考えて)であればいいので、大きくても5000pix四方あれば必要十分となる。

 デジタルにおける細部は見る側に支配されて作る側の悪魔が忍び込む余地は意外とないのではないだろうか。 

 

何を細かく描けばいいのか

 描き方の問題もあって自分はできるだけまんべんなく表現しようとしている。しかし、これには問題があって、細かくすればするほど見てくれのいい立体的なものができず、むしろ薄っぺらくなるのだ。

 これは目の焦点を考えると分かりやすい。ある点をじっと見つめた場合、目に映る他の部分が見えなくなったりとてもぼやける。眼の物理的焦点を絞ったことと脳みそが意識をある点に注目する際それ以外の情報を遮断しているために起こる現象である。

 これは絵についても同じことが言えるのではないだろうか。絵全体を同程度の細かさで描き込むと画像としては細かく描写の集合に見えるが、絵としては中心が見えずらくなる。描き込みを描く人の意識の焦点と捉えると、絵全体が細かいということは絵全体に意識がいく…注意散漫になっていることを示し、絵の一部分のみ描き込みがあるということはそこに全神経が集中していることになる。

 これを考えると、絵のすべてに描きこむことはほとんど意味がなく、自分の言いたいことや絵の主張があるポイントを強く押す際はその部分に力を入れるべきなんだろう。

 逆に、風景画のように全体をくまなく見せたい場合は意識や視線を好きなところに飛ばせるように隙を作ったほうが見る人にとって優しい出来になると思う。

 神は細部に宿らないが、部分集中の強弱こそ福音になりそうである。

 

 

細かく描く際の利点・欠点

 正しく描き込みを行わないと見えずらくなるし、意図をもって描きこめば非常に素敵な作品を作ることができる。このバランスを考えるためにはいい点と悪い点を天秤にかける必要がある。

 描き込みのいい点を書くと、

  • 下手くそでもそれなりの厚みのある作品を作れる
  • コピペや領域移動で同質のものの数や場所を変化させられる
  • 絵を描くこと自体が手の訓練になる
  • 絵にテーマがなくとも焦点を作れる

 悪い点を書くと

  • 描き込めば描きこむほど時間がかかる
  • 自己満足に陥りやすい
  • 見る人の絵に対する自由度を奪ってしまう
  • 描き込みのバランスがずれると意味不明になる

 

…といった感じで、いい点は自分の満足に繋がり、悪い点は見る人にとって不満足につながるのかもしれないことが分かる。見方を変えれば悪魔にも神にもなるのだろう。

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瞳を描き込みとそれっぽくなるけど、引きの絵にはあまり意味がないのだろう

 

まとめると

 見てくれる人にとっていいと思うものは千差万別である。落書きのようなものでも鳥獣戯画のように国宝扱いになったりする。要は見てくれる人が作品をどう見るか、どう感じるかで出来が変わってしまうのではないかと思う。

 作品が完成して、ふっと見る側になって作品を見返すと、描きこむことで価値が増すものは視点と意識がうまく誘導されたときにはじめて描き込みの価値を持つのだろう。

 結局、必要なところに必要な技術と時間をかければいいものが生まれ、その逆は無意味なんだろうと思う。

 

終わりに

 なんとなく描くのは楽しいけど、「私はこう思います」というのを入れれば描き込みの価値がグッと増すのかなぁなんて思った。

 いいものをたくさん描くには自分の思いが大切なのかもしれないね(^ω^)

 

 

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