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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

初心者の仮想通貨マイニング その7

マイニングの鬼門、ついに夏がやってきた。現状の状況と対策、グラフィックボードの価格推移を考えてみた。

 

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(今週の一枚)昔、私はあそこにいた(pixiv

 

 梅雨がそろそろ終盤にきて暑い夏の始まりが感じられる。そんな中で、仮想通貨マイニングをしていると気になってくるのはこのままの状態で機械は動かし続けられるのか、通貨は安定するのか、グラフィックボードなどの価格はどうなるかと言う点に絞られてくる。今回は現状を確認して、ある程度の予想を立ててみる。

 

夏と熱

 この企画を始めた当初から熱がどうなるかが大きな課題だった。

 そんな中で、週一で1時間くらいかけて設定をしたり計測をしてきたが、そろそろ決定稿になるんじゃないかなぁという答えに行きついた。

 

効率化と省エネ

 熱を下げるには当然使用電力を削減する必要がある。しかし、削減すると計算量も減って損をする。そこを何とかバランスさせるのが今回の目標となった。

 現在4枚のグラフィックボードでマイニングを運用して、ワットパフォーマンスは0.43MH/Jとなり、ハッシュレートは約161MH、reject率は~0.5%となった。型式としては一世代前のものなのでそんなにハイスコアにはならないが、この世代としては合格点の構成になった。

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 現状のマイニングソフトはNicehashQuickMinerで、AfterBurner制御を辞め、ソフト内に常駐するOCtuneでのコントロールに切り替えた。4つのグラホはブラウザからのOption設定で、上から2080はManual(固定Core1050MHz,固定Memory8100MHz)、2070は共にHIGH、1660SuperはManual(Core-280,Memory+1000,PowerLimit81w)とした(カッコ内はOCtune設定)。2080については簡単にスクリプトを書いて差し込んだので、よくわからない場合は2070同様にHIGHでも近い値が出る。

 前回までは65℃というくくりの中で色々やってきたが、上から2番目のRTX2070についてはどうしても性能が上昇しなかったので、Nicehash側が推奨する68℃上限を採用した。このグラホに関しては寿命が短くなる(理想値で3ヵ月減)が、スコア的に15%増(36.8MH/s→42.3MH/s)なので4年運用を前提として、性能増の方を選んだ。

 省エネ化(390W→376W)と効率化(157MH/s→161MH/s)には成功しているので、OCtuneの導入は一応の成功と言える。

 

熱を捨てる

 効率化と共に、発生した熱の処理を考えたが、一番わかりやすいのが↓のブログで示唆していることだった。簡単に言えば、風の方向を一方向にしてできた熱を外に捨てるという方法となる。

www.nicehash.com

 

 自分の環境は小さなガレージ(小屋)の中で室温が24~28℃である。夏前にしては比較的冷えた状態でマイニングPCを管理しているが、この風向を意識したらかなり安定した。

 記事ではPCファンを使って風向をコントロールして、部屋を2つに割ることで熱の行き来をコントロールすべきとあるが、スマフォの簡易サーモメーターで見る限り、PCファンでは十分な風量が確保できずPC付近に熱が滞留することが分かった。そこで、2台の小型サーキュレータ(8畳用、静風)をPCになるべく密着させて前後に挟んで方向性を管理すると、滞留する熱が一気に外に出すことができた。

 特に下絵で言う右側のサーキュレーターの風を一番浴びる2080ではファン回転数が0でもしっかり冷やすことができたのは良かった。

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 マイニングリグっぽくPCファン(140mm)4台と扇風機2台で同じ様に風向を管理しようとしたが空気が50cm程度で拡散してほとんどうまくいかなかった。また、記事で書かれてように壁を作ってみたが自分の環境ではほとんど意味がなかった。さらに、よくあるマイニングリグのようにグラホをミチミチに並べるとサーキュレーターの効果は半減したので、出来るだけグラホの感覚は空けたほうがいい。

 結論として、サーキュレーター一択になる。筒の中にPCを入れて前後を大きなファンで挟んで動かせば効果的となるので、それをイメージして各種を組み立てればいいのかもしれない。

 

CUDAとマイニングの関係を考える

 グラホのマイニングは画像処理技術で行われる単純計算の繰り返しを応用したものだけど、それを担っているのがCUDA(Compute Unified Device Architecture)の利用で、この技術はNvidia社がリードしている。

developer.nvidia.com マイニングの場合、ほとんど同じ計算を同じ速度で営々と繰り返すわけだからCUDAの中でもメモリの有効利用と同一周波数帯でのGPU運用が非常に重要になる。

tech-blog.optim.co.jp  本来、CPU-GPUでの情報を一旦DRAMに溜めてやり取りをする1対1の関係の制御だが、Daggerhashimotoの場合、この技術を応用して複数枚のグラホ間でメモリキャッシュのやり取りをして計算の効率化を図っているようで、1時間に一回くらいの割合でグラホ間に橋をかけてそれを調整している。

 ソフトのheaderの中身まで見ていないから詳しいことはわからないが、同期の際、グラホに送るデータををコピーして一時的にグラホ外メモリに担保するみたいだ。

cryptomining-blog.com

 この理屈上、ストレスなく情報を移動させる場合、PC上には最低でもグラホメモリと同じ量の仮保存領域が必要となる。そこで、実物のメモリを積むのが一番確実なんだけど、グラホ枚数が増えてくるとそういうわけにはいかない。そこで、SSDに仮想メモリ領域をかなり大きく作ることになる。

www.dospara.co.jp

 自分の環境では実物PCメモリが8GBでグラホVRAM合計が30GBである。そのため、最低でも仮想メモリを22GB用意する必要がある(実際は実物メモリはシステムに消費されるので30GBは必要か?)。一応、Daggerhashimoto以外のスクリプトが走る可能性があると予想して、最低値の倍を用意しておけばばっちりだと見込みが取れる。

 自分の場合、SSDにかなり余裕があるので64GB(65536MB)確保している。

 

 こういったキャッシュ情報のやり取りをグラホ間で盛んにやって、単独では出せない安定性と効率をCUDAの平衡同期を使って確保している。このCUDA設定において、QuickminerのOCtuneの設定を見るとGPU、Memoryの周波数が固定されており、GPUを同期して定格でななく固定値で運用することで効率化を図っていることが分かる。

 これによって手動で設定(手動では主に上限値の設定)するよりも有利にCUDAを使ったマイニングができているが、当然問題もあって、瞬間的な計算漏れやピッタリ分割できないデータがあふれて一瞬スタックする場合がある。悪い場合はこれによってシステムがダウンしたり、Daggaerhashimotoの再起動となるが、出来るだけこれを避けたい。

 そこで自分の環境では、すべてのグラホのGPUとmemoryの値を固定化するのではなく、一枚だけバッファとしてManual設定ですることでこのスタックを減らすことができた。

 

 …とまぁCUDAの仕様で難しいことをぐちゃぐちゃ言ったが、言いたいことは3枚以上のグラホでDaggerhashimotoを使う際は全部自動設定にしないで、1枚だけManual制御してちょっと余裕を持たせた定格の上限値を設定しておけば、ちょっと計算が詰まった時に、それがバッファになってシステム全体が安定するよと言う話。

 自分はこれを1660Superで行うことでうまくいった。そのため、1660Super単体では他の固定値で運用しているグラホよりワットパフォーマンスが落ちるが、全体で見るとかなり効率化できたと思う。

 

グラフィックボードの価格推移

 前回のブログでは、採掘価格低下によるマイニング引退組の出現、ゲーマーのグラホ買い替え、転売屋の損切りによって徐々にグラホ価格が落ち、大体9月終わりくらいが買い時になるのでは?と書いた。

nipplelf.hatenablog.jp

 この予想は今のところ当っていて、販売店各所へのグラホ供給と共に価格が徐々に落ち着きを持ち出している。…とは言っても、中古でNvidiaのだす新品の希望小売価格より1.5~2倍程度の価格であるので、まだまだ買い時とは言い難い。

 中古価格の指標としてはネットでドスパラの中古コーナーやじゃんぱらを見るのがいいし、転売屋の傾向ならメルカリを覗くと分かりやすい。ヤフオクは業者とイタズラが横行しているので価格的に信用できない。

 現状では、6月中盤からRTX20系の価格下落(3倍→2~1.5倍)顕著だったが、7月の2週目からRTX30系の価格下落(2倍→1.5~倍)が始まり、もう少し待てば一般のユーザーも手が出る価格になるのではないかと思う。

 これからのマイニングを考えると、RTX2080TiやRTX3070、RTX3080がねらい目になるけど(RTX3060Tiの新品はおそらくすべてがマイニング制限)、これらが落ち着くには新品・中古を問わずもう少し時間がかかるようだ。中古価格的には順に70000円、70000円、90000円程度が妥当(グラホ高騰前)だが、現状が100000円、110000円、150000円程度となり、いかに高いかが分かるし、今買っても明らかに1年でペイしないとわかる。

 採掘した仮想通貨を5年くらい資産として持つと考えても、今の仮想通貨の価格での購入はお勧めできない。直接仮想通貨を購入したほうが資産価値はあるだろう。

 

終わりに

 そろそろソフト的、ハード的にしゃぶりつくした感が出てきたマイニング。完全放置でお金を生み出す機械に変身してくれれば、楽々不労所得が…

 …と言う夢を見ているが、まだまだ山はあるんだろう(^ω^)

 

 

 

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