綺麗な色を出したいと思うと色々なやり方があって迷う。そこで色の組み合わせと後処理について自分なりの色の使い方をまとめてみた。
(今週の一枚)頬を伝う雫(pixiv)
ちょっとした悩み
今までいろいろと色の使い方を考えてきてそれっぽく色や光陰を分けて塗って、色相・彩度・明度をある程度コントロールして描けるようになった。しかし、個性であるとかメディアに合った描き方や見る人が求める作品作りなど、表現として色を上手く使えていないのではないか…と言うのが最近の悩みの種になっている。
どこに合わせるか、誰を意識するかで画風もコンセプトイメージも変わってくるから、個性を出せないというのは器用貧乏の証なのかもしれない。
そういった中で、もう一度今までの描き方を見直しているおり、その際にちょっとでもよさげに見せたりする方法がほんの少し更新したので書いておく。
カラーバリエーションと中心色
色彩豊かな絵と言うのは見ていて面白いけれど、描くのはとても大変だ。しかも組み合わせを間違えると歪で汚いものになってしまう。
色のうまい組み合わせでまとまりのある絵を作ろうと思う自己流のパターンを選ぶのも一つの手であるし、作者によって好みの色パターンを持っていてそれを個性として持っている人もいる。
一般に、こういった色パターンを選ぶ際は実際に色を集めて見比べたり、デジタルで選ぶ際はすでに誰かが選んだ色パターンを利用したり、Abode Colorなどのフリーサービスを使って検討するのが流行っているようだ。
また、自己流に選択をするにしても、大量の色をたくさん使ってカラフルなものを作るよりも1~4色程度の中心となる色を決めて、それを組み合わせたり、その色に近い色で色の広がりを作ることが色選択として重要となってくる。
自分の場合も、4色程度のイメージカラーを選択して、そこで馴染んだり反発するか調べて中心となる色を決める。そこから色を分散させてゆくが、その広がりはあくまで中心色から見てかけ離れない配色を選択しているので、極端なガビガビとした絵なるミスが減ったと思う。
また、意図的に反発するような色を選んで作品作りをする場合でも、あくまで反発しあうのは4色の反発であり、中心色の集団の中では反発しあわないようにしている。
こうすることで、色の強い絵やまとまりのある絵を違和感なく作ることができるようになった。
コントラストと色
以前の記事では陰影を軸に考察をしてたが、必要となってくる「差」はコントラストの差と言うものが強く陰影の強弱にかかわってくる。
実際に一体感のある作品を作ろうとすると、陰影は少ない方がよいということになるが、そうなると逆にぼやけた像の集合になってしまうので、絵としての評価は下がってしまうのではないかと思う。
そこでまず、コントラストそのものを調べる。チェックの方法として一番わかりやすいのが白黒化で、一回完成したものをソフトの機能で白黒にしてみてコントラストを見る方法で、ちぇっくしてみると面白い。
例えば、白黒化した上の絵を見ると明るい部分(左のライト、奥の街、夜空)と暗い部分(奥の山、中央のキャラ、家と塀)がはっきり分かれており、絵全体としてはコントラストがくっきり分かれているが、細部を見ると、一番コントラストがはっきりしているのが夜空になっている。
つまり、絵全体としてコントラストの大枠として作ってから、さらに見てもらいたい場所についてさらに強いコントラスト差を付ければうまく視線誘導ができ、それっぽい絵ができる。
このコントラストを元に色彩を当てはめてゆけば広がりのある絵や美しい風景画なんかができるんじゃないかと思う。
大切なことは全面をチラチラさせるのではなく、絵の中心に向かってコントラストが上がるような意識付けではないかと思う。
色の広がりの管理と補正
色におけるバリエーションやコントラスのバランスを意識して絵を作っていても、最終的に絵がぼんやりしたりどうしても絵が地味になってしまうことがある。
これは自分の描き方が陰影を中心にした描き方なためで、それを元に色を付けててしまうと必然的に色のバランスが歪む。かなり意識しても予想図と完成したものがかなりかけ離れることもあるので、描き方のくせなのかもしれない。イラスト的な描き方をしている人や線画から漫画のようなテイストで作品を作られる人を見ると、逆に、平面的なものを如何に立体的にしようと苦労されているので、ちょうどいい線は普通の人に一発で目標に到達できないのだろう。この予想したイメージに素早く到達するにはコツが必要なのかもしれない。
…で、そのコツは自分にはないから、完成後に色々弄ることになる。これまでに、エフェクトを弄ったり、完成後に写真加工したり、テクスチャを全面に張って効果を付けたりして絵の見え方自体を変えて対応して紆余曲折を経ている。その過程で、幸か不幸か完全ではないがいくつかの解決策は提示できるようになった。
今回紹介するのは色の広がりを押させて目立たせる方法である。
方法としては、新しいレイヤーを作って全体を好きな色でべた塗りをする。そのレイヤー設定を「カラー」や「色彩」にして、不透明度を下げて完成した絵に重ねると色がそのレイヤーの色に引っ張られて色のバリエーションが減る。また、レンズフィルターなどのフィルター類で色を寄せることもできる。
そして、色調補正のレベル補正において、0~255までの値の中で、0~5と250~255を削除すると同様に絵が締まる。色の強度として強すぎる値(弱すぎる値)を削除することで、本来存在していた色の差が分かりやすくなってよく見えるようになるのだろう。
この処理は色彩のシフトにも使えるので、工夫して使ってみると地味な絵もちょっとは心象を変えられるので試す価値はあると思う。
例えば、上の絵では処理前は若干暗めで灰色が絵の中心色になっている。これは絵としては良くないと思う。本来はキャラの服の色と傘の色(この2色が本来の中心色)の対比にするべきだった。また、紫陽花など絵の色彩のバリエーションは意外と広い。そのため、単純にコントラストを上げるだけだと絵のバランスが崩れる。そこで中央部に焦点を付ける意味で中心部を青色で処理して、再度レベル補正とコントラスト調整をすると見やすくなった。
色の幅を狭めたりシフトしてしまうと色で距離感を出していた背景画などは平面化するため一長一短の方法になる点は注意が必要だと思う。
色のバリエーションがある一定の数を超えると見え方が変わって均一化してしまうことがあり、こうなるといくらカラフルにしても絵がぼやけてみてる。漫画の色付け絵においても同じような現象があるので、配色ミスでない限り、絵がカラフルでも平凡なら均一化や色シフトは試してもいいと思う。
終わりに
色々試してはいるけど、完成したものを弄れるのはデジタルならではだと思う。
…まぁ本来の絵自体がしっかりしていたらいいんだけど、こういった方法を使っていると、自分単体の能力はなかなか上達しないのが悩みか(;´Д`)
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