エロも少しずつやっていこうなんて言いつつなかなか進まない(;´Д`)…顔の形についてどういう形がいいのかなかなか決まらないので考えてみた。
(今週の一枚)お天気雨の入り口(pixiv)
前回は顔と意識の関係を考えてその変化からエロさがどういう風に出るのかを考えてみた。
今回は顔の形からその可能性を探ってみることにした。
エロさを求める前に
よく言う不気味の谷とはアニメ・漫画のキャラの顔を現実に寄せよう(その逆も)とするととても気持ち悪い絵になってしまい、かえって実体感を失ってしまう現象のことだと思う。
往々にして、写実的に絵を描く人はアニメキャラが苦手だし、アニメ作者は普通の絵が描けない(それができる一握りは一流となる)。これはアニメが特に顔について平面的に特殊な描き方をしているため、ある一面はとても素敵に映るが、それ以外の面ではありえないデッサンになっている。左右反転をすると歪むし、立体的には存在し得ない絵がたくさんあるからともいえる。
自分の描き方は実写寄り側からどうにか谷を超えようとしてたが、最近はそう言うのはあきらめて、正面、横、斜め、アオリ、俯瞰でそれぞれそれっぽい顔を作り、その基礎を少しずつ弄っていこうという方向に転換した。
果たしてこの顔がエロいのかと言うのが今回の問題になるのだが、とりあえず基礎となる顔の形を決めることでその上に感情を載せれば負担が少しは軽くなるという考え方である。
エロさは馴染みか
エロ本を読んだり、AVのお姉さんの顔じっと観察していると、エロには「エロいなぁ」という顔と「???」と言う顔がある。エロ本では大体正面の顔に対して眼や口を変化させ色々な液を付ける組み合わせだし、AVは明らかに演技指導で顔芸をしている場合が多い。以前の記事ではその変化についてつらつらと考えた。
その表情をちょっと真面目に見ていると、あぁここがぬきポイントですよとか、感じちゃってるのポイントみたいのがあって、作る側もいろいろ苦労しているんだなぁと分かる。
では、このいくつかのポイントで出てくる顔は色々と種類があるのかと言えば、意外と種類は限られる。
具体的に分けると、目をつぶって歯を食いしばる(顔の筋肉を顔の中心に絞る)、正中軸に沿って目を動かしたり口を開く(顔の筋肉を上下に広げる)、目を寄せたり舌を出して変顔をする(普段動かさない筋肉を動かす)、寝ているときのように脱力(筋肉を意図的に弛緩する)に大別できる。
極端な動きであるが、方向性が決まっているのでそれを意識すると描きやすいと思う。上手なエロ本作家の場合はその作者特有の表現方法があるが、上の筋肉の動きに沿って描いているので方向性があり、それを守って表現をしているし、そのパターンも大体3パターン以下で描きやすさがあるのだろう。
また、有名な作品ほどその顔芸がパクられるのだが、それが数年もすると「公式」になって世に頒布されることを考えると、大体3年くらいは「この顔がエロい顔」であるという共通認識がその界隈に生まれるのではないかと感じた。
つまり、エロさと言うのは一見個人によって趣味嗜好がとても幅があって広がりがあるように見えるが、実際はある期間において代表となる顔芸と方向性があり、それを外すとあまりエロくない顔になるみたいである。
もちろん古いエロい顔(?)もあり、人によってはその顔芸こそがエロく馴染みのある正しいエロい顔となるが、そういう人にとってもそれだけがエロい顔とと言うわけではなく、ある程度許容できる範囲があるようだ。そして、新しければ新しいエロい顔ほどお客の喰いつきもいいみたいなので、その型を知ることは大切なのかもしれない。
新しい顔芸と古い顔芸
ではドンドン新しい顔芸を取り入れて作品を更新してゆけばいいのかと言えば、そういうわけでもない。
具体的に名前は控えるが、描く顔をドンドン変えて全く売れなくなった作家さんもいるし、それで筆を折った人もたくさんいる。生き残っている人は残す部分はしっかり残して、そのポイントを中心にして強調する方向に注力しているように見受けられるし、変えるなら顔そのものを全く別物に変えたほうが売れることもある。この辺の新しい顔芸を取り込むかは売り上げやお客の評価を見て変化させている作家さんが多いので答えはないのかもしれないと感じた。
ただ、少なくとも言えることは、自己の納得と読者の納得は別物で、自己満足はあまり読む人の心を打たないようである。結局、雛が初めて見た生き物を親だと思うように、「これがエロい」と最初に感じたものや強い衝撃がエロいものと言う認識になる様なので、顔芸に関してもどのエッセンスが読んだ人のエロを刺激したのかを知っておかないといけない。商業作家さんの作風の変遷と売り上げの変化を見ていると、それを消して新しいものに挑戦するのはかなり失敗する可能性が高いみたいである。
では、一体何が必要なエッセンスで不必要な要素になるのかと言うと、エロのテーマやジャンルで大きく変わる。道具にこだわるエロはその道具の写実性が重要だったりするし、可愛い女の子系なら顔はもちろん指先を如何に美しく表現するかが重要となる。その中で、顔について具体的なエッセンスを見ると、瞳とその輝き、表情の変化の度合い、髪の毛、顔の輪郭となる。意外だったのが、同じような瞳を描く作者さんでも輪郭を弄るとなんか違うということで評価がぐっと下がってしまうので、瞳と顔の割合は結構大切なのかもしれないと分かった。
多くの場合、北東のアジア人の場合は瞳に意識が行くが、マスクの認識なんかを考えると相手が何を見るのか地域によって違うのは面白い。
…ということで、自分の顔芸のエロポイントを見つける(作る)場合には瞳から抑えるのが一番楽で、それを決めたらそれを補強するように新しいものを追加するのが一番やりやすい顔の描き方なんだろう。
エロい顔を認めてくれる層
顔の基礎を決め、顔芸を作り、新しい要素を少しずつ入れる…と言うのが一番ストレートなエロ顔作りということになる。しかし、誰に向かって、つまりどの層の読者に向かってそれを出すのかで評価も売り上げもだいぶ違うようだ。
コンビニにおいてあるような劇画タッチのエロい顔を好む人もいるし、ヒラメ顔でハンコで押したような同じ顔を好む人もいる。自分が描いた顔がどの層に受けるのかは結構重要な問題になる。
これを調べる方法はいくつかあるが、まず年齢層で切るなら、少年ジャンプの20年くらいの顔の変遷を見ると分かりやすい。徐々に劇画調が減り、少女漫画風になり、アメコミっぽいしっかりした顔に変化している。ターゲットを10代と見ると、今の10才台に受ける顔でなくても、その当時10台で今30才台の人に受ける顔なんかを調べることができるので、自分の描いた顔がどの辺かなぁとみてれば評価層もわかる。
同じように、ジャンルや対象女性の年齢なんかも変化しているので、各専門誌(?)を見ると意外とはっきり割れているし、その顔を調べてゆくと自分の性癖が分かるのかもしれない。
終わりに
つらつら書いたけど、未だに自分のこれだっという描き方が完成していない。なんだがモヤモヤするが、大器晩成ということで納得しよう(^ω^)
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