ちょっと時間に余裕が出てきたのでエロも描き始めた。そこで改めてエロい顔の表情を考え直してみた。
(今週の一枚)天空から花嫁(pixiv)
去年の9月あたりからほとんどエロい絵に時間を使う余力がなかったが、何とか落ち着いてきたので徐々にスケベを再開していこうと思う。
以前の記事では様々な変化についての効果を考えたが、今回は瞳やキャラクターの意識とその変化について考えて、既存の絵をもう少しエロくする方法を模索してみようと思う。
視線と意識
顔だけでキャラクターの意識がどこに向いているかをまず考えてみる。
上の顔はぼんやりこっちを見つめている絵だけど、特になんらかの強い感情があるようには見えないし、これだけだとエロをにおわせることはできるが「うほっ!」とはならない。ただ対面にいるこちらを見つめているというイメージになる。
エッチなことをするということは良かれ悪しかれコミュニケーションの一種なので相手の感情がフィードバックしないとイマイチ盛り上がらないし、パンパンするだけなら一人でやっていた方が気が楽だ。だから、上の絵ではこちらにどういった感情が来ているかわからないので、こっちでそれを考える必要があるし、人によってはエロく見えるし、見えない人もいるだろうということになる。
参考までにAVで女優さんがどういった視線の動きをするかをずっとトレースしていると、下手くそな人は男優さんとかカメラの後ろにいるだろう関係者の人なんかに視線がいって集中していない場合が多くあって、「なんか嫌々やってるんだなぁ」なんて気分になった。一方で、上手な人は常に男優さんの顔から首筋当たりに視線が固定されていて、シーンが盛り上がってくると顔芸なんかをしたり目線を切ったりして、いかにも感じてますよ~と演技をしてこちらをドキドキさせてくる。
演技指導なんかもあるのかもしれないが、誰を意識して行為をするかという点は視聴者の没入感ということを考えると重要で、視線の向きに強く現れることが分かる。
そういった意味では特に瞳で見つめられるというのは一種の強い反応(あなたを見ていますよ)なので、結構いいものなのかなぁなんて思っているんだけど、困ったことにこういった視線の強弱はそれを受け取る人(この場合絵を見る男性)によって好き嫌いがかなりあるようだ。
これが負に強い場合は社交不安障害(対人恐怖症)のような疾患に分類されるが、弱い場合でも不安・恐怖と言う形で、他人の視線と言うものはストレスになるようである。その際、見られる側は相手がこちらを見ているということを意識して、自分を良く見せようとか、相手に攻撃されないように緊張してしまうため、負の感情を持つようである。
これを解消するため、話術やコミュニケーション術ではリラックスとストレスの押し引きを組み合わせる。例えば、緊張している相手にはゆっくりと話し、視線を少しずつ合わせてゆくし、しっかり当てないことが必須となる。そして、徐々に和らいでくればその視線をしっかりとあてて見つめあうことで相手に強くよい印象を与えるみたいである。ずっと目と目で見つめあうというのは実際はすごく心を削る行為となるので、使いどころが大切らしい。
エロシーンの場合、絵のキャラは最初は少し視線を外しつつ顔を赤らめたりして視聴者の意識を引きつつ、勢いが乗ってくると視線をこちらに向ける方がより効果的なものになると考えられる。
また、シチュエーションを考えると色々考え付く。例えば、捕まってしまった女騎士ならあんまり視線を合わせないようにしたり、強い敵意を出す場合はギッッと睨む。この2つの強い視線が交互に動けばドキドキ感が出る。女王様とM男の場合なら、女王様は常にこちらをねっとり見つめ続けるが、自分が興奮してくれば徐々に視線は外れてくる。視線による呪縛が徐々に外れてくればそれを逃がすまいとM男は頑張るだろう。
つまり、視線と意識において大切な点は、見てくれる人に不安を与えないように興奮させることで、それを与えるためには視線に変化を持たせて、要所要所では必ず視聴者(もしくは男優役)の眼を見つめるという作業を繰り返して波のような感じにすればエロモチベーションがあげられるのではないだろうかと思う。
白目と黒目
エッチなシーンが進むと当然プレーヤーは興奮する。アドレナリンがバンバン出るはずである。その際、目の形状はどう変化するかを考えると、現実的には筋肉の変化でありそれが顕著な瞳孔付近はわかりやすいだろう。実際の状態を表す指標として黒目と白目の割合とその変化はいいバロメーターになると思う。
猫の瞳を考えると分かりやすい。野良猫は常に危険にさらされて緊張しているので、瞳孔が絞られて猫特有の細い瞳になる。一方で、家猫は家の中にいる限りほとんど危険らしいものが存在せず安静に生活しているので、大きい黒目のくりくりした瞳で飼い主を見ている。
では、エロと目はどういう状態なのかを考えると、興奮しているんだから出来るだけ黒目を小さくしてしまえばそれっぽくなるかと思いきや、そう簡単なものではない。シーンごとに黒目が大きかったり小さかったり千差万別だ。漫画的に考えると瞳それ自体を小さくしたり、目そのものを大きくすることもある。目をハートマークにすることもある。一見全くルールのない状態で絵描き側が勝手に状況を作っているようにも見える。
これは一言で言えば、緊張することがイコールエロい興奮とならないためである。上の猫でも、緊張している野良猫の瞳は別にエロくない。ただ、黒目の割合がエロさそのものではなくキャラクターの心理状況を表すことには使える。
黒目の割合低下は緊張しているという指標になるので、この瞳以外に緊張の状況説明が必要となる。顔を赤らめたり、視線が泳いだり、エッチな体位が必要かもしれない。何に緊張しているのかを明示できればエロい興奮となる。
黒目の割合増加は逆に緊張していないという指標になるので、この変化を用いれば、そのキャラの意識はこちらにより好意的(こちらと敵対してない)であるとか、意識がかすんでいるとか、何らかの弛緩がある様な心理状況を描けるので、表情の一環としてそれに沿ったシーンを構築(セリフやポーズ)できれば、そのシーンがキャラにとってより好意的なキモチイイ状態だと示すことができる。
つまり、上手く白黒の割合を変えることで、表情以上にキャラの心情を伝えることができるのではないかと思う。
よくあるアニメやイラストの瞳の大きなキャラを観察すると、多くの場合、キャラクターの白目の部分がとても少ない。その代わり、異常に大きな瞳(黒目部分)に様々なデコレーションがされたり、キラキラと特殊な輝きが添付されている。黒白割合から考えれば、家猫的瞳なので、非常にリラックスしてこちらに好意的な状態を示しており、この瞳で緊張する心情を作り出すことは難しいので、別の方法でエロさを作り出さないといけないんだろう。
アニメ的表現のエロさとAV的表現のエロさの違いはその辺にあるのかもしれない。
緊張の方向性と視線の集中
何かに集中しているときは視線が動くのかそれとも動かないかということを考えると、自分はどっちでもいいのではないかと考える。例えば、車の運転をしている際、目線をずっと前方の一点を見ていると、気づいたら眠って事故を起こしそうになる。集中していれば前方を見つつ標識や通行人を認識してきょろきょろと目線が動く。一方で、武道や球技をしている人は視線を一点に集中せずぼんやりと広い領域を視認して、何か変化があった場合、一気にそちらに集中する。
どちらの場合も緊張しているにもかかわらず、目の動きがずいぶんと違う。おそらくこれは緊張とは異なり、意識と視線が同じ向きを向くかどうかが重要なんじゃないかと思う。
テニスをしていて、ボーっとしていれば突然ボールが飛んできても対応できないが、集中していれば視線と意識が一気にそこへ向かう。運転していて、眠気が襲っていれば突然前の車がブレーキをかけたら事故を起こすが、集中していればブレーキを踏める。
つまり、緊張と言うのは広範に意識を飛ばしている状況と一気に意識を一点に集中する状況の組み合わせであり、視線も当然それに伴って動くはずである。
…ということで、エロシーンの場合を考えると、あまり興奮していない状況では意識と視線はうまく一致しないが、シーンが進んで興奮してくればその視線はより素早く強いものになってくるはずである。逆に意識が飛びそうな状況なら、視線はセリフなどと一致せずぼんやりとしてもいいし、むしろ視線を切った方がいいアクセントになるのだろう。
漫画的に考える場合、キャラの視線は読者の視線を誘導する意味を強く持つと思うが(例えば、大きな山ならキャラになるべく上の方を見させる)、エロの場合は読者とキャラの対話の意味が視線に多く含まれるので、シーンの説明とキャラの興奮状況の説明を使い分けたほうがエロいシーンを作れるはずである。
エロで重要なことは必ずしも意識と目線が一致しないということなんだろう。敢えて視線を逸らしたり、あわせたりするよりも、キャラクターの心と体が行為によって一致するかどうかを表現したほうがエロくなりそうだ。
終わりに
眼の変化、視線の変化、意識の変化の組み合わせを考えたけど、それをちょっと意識して描けば、ちょっと目を動かすだけで、もっと楽にエロさを出せるのかもしれない。
…まぁ言うは易く行うは難しなので、少しずつ実践していこう(^ω^)
☆エロ同人CG販売中