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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

ハイライトの入れ方を悩む

ツルツルピカッとした輝きを出したいと思うと、ハイライトを入れることになるがなかなかうまくいかない。どうすればいいのか悩んでみた。

 

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(今週の一枚)ダンスに行きませんか?(pixiv

 

 ハイライトとは

 絵で言うハイライトとは強い光を当てて、その光が反射する部分がサチレーションを起こして白く見える部分のことであると思う。わかりやすい例えば、鏡面ハイライトだと思う。非常に滑らかな表面を持つ鏡や球体がある方向から強い光を当てられると、光がほぼすべて反射するので、白い点のように見える現象だと思う。

ja.wikipedia.org

  逆引き的に考えると、この光の反射を意識して白やオーバーレイを効果的に入れれば、曲線をより丸く意識させたり、ペタンとしたべた塗りもつるつるとして丸く見えるのである。

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(落書きのような絵でも一瞬で立体感を得ることができるイメージ)

 簡単にやって見ると、上の絵のように瞳に白い点、ほっぺに放射状のグラディエント、顔枠外側を白く塗るとあら不思議、平たいお顔がまるくツルツルの素敵なお顔になる。

 

 こういった鏡面ハイライトだけでなく、「強い光を当てること」そのものが絵としてのトータルのハイライトだと思うので、その辺も併せてこの記事では考える。

 

ハイライトの使いどころ

 ハイハイ言っていても、どうやって使うかはどうも人によってだいぶ違うようである。いろんなところにハイライトしたり、ただ一点、視線を向ける意味で白い点を落とすこともある。どういったときに使うかのいくつかのパターンを出してみる。

 

感情の押出

 人は興奮するとキラキラ輝く。高校の生物の教科書的に言うと、脳や副腎皮質などから亢進性の神経伝達物質が出て、ストレス応答を起こす。ドキドキして、汗や涙なんかの汁をドバドバ出して、ピカピカになる。

 漫画的にも、がっかりしているときには色は暗く黒線が多いし、元気なときは周りに星なんか付けてキラキラしているのは実際のこの状態を表現しているからだろうと思う。

 最もわかりやすいのが目、瞳であり、涙が溢れたり、うるうるや輝きがあると、そのキャラが強い感情を持っていることが容易に表現できる。それをわかりやすく表現法の一つがハイライトだと思う。

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(眼と周辺:左 基礎、中央 瞳に白い点、右 涙腺に沿って白い点)

 

例として瞳にハイライトを入れていみると、その差がとてもよくわかる。

左はボーとしているように、中央は意識があるように、右は強い感情があるように見える。

 

立体感

 我々の眼は真っ暗な状態では物を認識することができない。また、光の強さで奥行きとか物の形を判断することが出来る。

 自分の場合、影を意識することである程度の立体感を出すことはできているんだけど、しっかりとした丸みや奥行きを意識させるためにはその対となるものが必要となり、ハイライトを入れることになる。

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(影と光: A 影を入れる、B 陰を入れる、C 光の反射を入れる)

 落書きアンパソマンでも立体感は出たが、陰影の対とすることで光の反射としてのハイライトを入れることができればよりしっかりとした遠近感や立体感を平面の絵の中にも作ることができる。

 

強調

 上に描いたものはあくまで光源から出た光とその反射を技法的に再現したものだけど、リアルに描いたところでたいして面白い絵にならないことが多々あるし、何らかの意図や見せたいものを描きたいなら、その部分を強調しなくてはならない。

 そのため、光の当たり方とか、立体感なんかを一切無視してとにかく見せたいところにハイライトを当てる場合がある。

 

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(一方から光が当たっているはずだが反射は多方にある)

 

 例えば、今週のキツネさんの肩に注目する。この絵だと手前から光が当たっているとすると、肩の凹凸部と背面部どちらか一方だけハイライトを入れるべきで、正確に描くならむしろどちらかを黒く塗りこまないといけない。しかし、右側の目から左側の肩のラインを強調したいとすると、凹凸、背面どちらもキラキラさせた方が見栄えがいい。

 

 また画面全体で強調したい部分を白のオーバーレイレイヤを重ねることで、強引に視線を持っていくこともできるだろう。

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(オーバーレイの追加: 左 追加白の位置、中央 元絵、右 強調部とその位置)

ライティングと全く無関係な絵としての意図を明るさやコントラストで簡単に付けることが出来るのはデジタルならではかもしれない。

 

 その他

 他にも金属光沢鏡面そのものの反射の利用なんて様々なパターンがあり、物質表面の特異性に沿った技法なんかもある。

 ただそこまで各論にいくと、悩みの海で沈むのでここでは書かない。少なくとも言えることは、それぞれには光の反射の特性があり、ハイライトの入れ方(コツ)である程度の再現が容易にできるということである。

 

ハイライトと陰影とのバランス

 使い分けはわかったが、どの程度の割合で、どのくらい使えばいいかをちょっと調べて考えてみる。

 

ハイライトの明るさにおける効果

当たり前なことを当たり前に調べてみる。

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(明るさの異なる帯にハイライトを当てて効果を比較する)

 

 明るさの異なる帯を置いて、そこに2点ハイライトを当てて状態を確認してみた。当然、黒ければはっきりとした強調になるが、ある程度白が優勢の部分でも、ハイライトはその部分で強調することができていると思う。

 面白いのは完全に白くなっていない状態であれば、どの光度であっても一定の強調と領域性が確保できているので、どの状態であっても確実にハイライトとして機能している点であった。黒をいれば場合はハイライトほどハッキリとした境界性の維持ができていないので、強調したり場所や部位を切り分ける場合は黒線を引くよりも白線を使った方がはっきりとしたものが出るかなぁという感想になった。

 

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(明るさの異なる帯に黒点を当てて効果を比較する)

 対比として、黒点を同様に配置してみた。

絵全体が暗いためもあるが、ハイライトほどの効果は確認できなかった。

 

ハイライトの彩度と明るさにおける影響

次に彩度の影響を同じように調べてみた。

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(彩度を変化させてハイライトの効果を見る)

 元の彩度を変えてそこに明るさを加えてゆく場合の変化を見てみた。色相に関しては特に意図はない。

 白と黒の純粋な明るさを比較したときと時と比べて、ハイライトの効果の減衰が大きいように感じる。特に彩度が大きい(R255G192B192)場合の効果が極端に弱かった。

 

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(彩度を変化させて黒点の効果を見る)

 同様に黒点の効果を見てみた。

  白と黒の純粋な明るさを比較した時と比べて、黒点の効果はより強くなったように感じる。特に彩度が大きさにかかわらずしっかりとした差が見られた。

 

 まぁこちらは当たり前の話で、元々明るい色にさらに明るくしてその状態でハイライトを入れても効果がないということである。

 RGBを変更してある程度暗い色ならハイライトの効果はあるが、色を入れた場合、ハイライトの効果は単純な白黒の場合よりも効果は弱かった。黒点はその逆となる。

 

どう使うか

 調べて当たり前な答えが返ってきたんだけど、彩度の高いものにはハイライトの効果はほとんどなかった。むしろ黒点が彩度が低くても効果的に機能している点がきわだった。

 少なくともわかることは色相で判断するのではなく、色が鮮やかかどうかでハイライトの入れ具合を判断したほうがいいと思う。つまり、明るさよりも彩度で入れ方が変わってくると思う。

 例えば、流行のキャラの絵描きさんのようにアニメ・漫画系統の作品のカラー絵の場合、ほとんどの着色の場合かなり高い彩度の色を使っているので、あらゆる部位でハイライト入れたほうが綺麗になるけれども、キャラを目立たせるための彩度の低い背景には入れない方がいい。

 バランスよく彩色してある作品の場合はワンポイントで入れるか、むしろ使わない方が絵として完成するような気がする。

 逆に絵が暗い場合は部分的に彩度の高いところには入れてもいいが、効果的に機能するのはキャラと背景などをしっかり分けるための境界線として入れるのが一番いいのではないかと思う。黒線との使い分けで立体感が増すと思う。

 

終わりに

 イマイチまとまらない記事になってしまったけど、自分なりに使い分けやパターンを

整頓することで自分の色(彩度)での使いどころはある程度分かったような気がする。

 

 まぁ目立たせるんならそういったものを気にせずバシバシハイライトを入れてピカピカにするのも一つのやり方だけど、それはちょっと恥ずかしいかな(^ω^) 

 

 

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