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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

初心者の仮想通貨マイニング その8

マイニングの地獄、夏が過ぎようとしている。実際の管理と冷却方法、仮想通貨の所感やもう一歩踏み込んだ冷却について書いてみる。

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(今週の一枚)家出猫、帰宅を見つかる(pixiv

 

 

夏を過ごしてみて

 ご存知の通り、今年の夏はとにかく暑い(;´Д`) 想定しているよりもさらに暑いし急に雨が降ってきて風が吹かない。人間にとってだけでなく、バンバン放熱する機械にとってはまさに地獄である。

 そんな中、自分のマイニングPCはシステム全体で500w程度で電力消費はそこまで激しくないが、普通のご家庭としたら結構なものである。夏を半ばまで過ごしてみると、マイニングの冷却は風の向きと量、温度差である程度管理できるということが分かった。

 前回の記事でも書いたが、自分は、グラフィックボード周りで一番弱いコンデンサーの寿命(VRAMやVRM、電源周りも考えたが、部品強度はコンデンサーが一番脆弱)を起点に置いているので、4年運用を想定すると、温度リミットは65℃以下が必須だと考えている。

 空冷は機械と外気温の温度差を使って冷却しているので、外気温が上がるとその温度差が少なくなり当然冷却能は下がる。だから、サーキュレーターの風量(時間当たりの風の当たる量)を増やすことで対応している。

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 前回のブログでは風の向きを一定方向に固定して、吸気から放熱を意識した配置をした。今回は試しに、PCを小屋の隅において風向きをL字にしたり、サーキュレーターの配置をカーブを描くような配置をしたり、サーキュレーターの首振り機能を使った。結果は一方向と比べ、その冷却効果は半減した。室温25℃で一方向でグラホの平均Hot spot温度が62℃、L字で66℃、首振りで68℃となった。サーモメーターでざっと測定してみると、風向きに角度を付けた場合、いずれかの場所に暖かい空気が滞留してしまったことがわかった。つまり、冷たい風を当てて冷やすというよりも、グラボから出る熱せられた空気をどう排出するかが重要だと分かった。

 自分の場合、一方向の風の強弱を調整しても室温が32℃を超えると冷却が限界になりストップとなった。7月で150時間くらいは止まることになった。これはおそらく風の当てる量とあてる空気の温度差に相関があって、温度差30℃程度が家庭用のサーキュレーターの限界点なんだろうと思う。

 まぁ、2個3個とサーキュレーターを増やしたり、大型の物を導入するのもアリだと思うが、系としてはこの辺で安定させることにした。

 

仮想通貨の変動とその所見

 多くのマイナーが扱っているEthereumのハードフォーク、EIP-1559(London)を超えた。超える前、関連報道ではハードフォーク以降Ethereumの価格が下落し、マイナーにとって冬の時代がやってくるなんてことがまことしやかに書かれていたが、完全に外れた。むしろEthereumの価格は上昇し、それに引きずられる形でbitcoin自体の価格も上昇した。

 これはEthereumの取引が安定することによって、DeFiや関連取引が活発化することとなり、その恩恵を受ける形でマイニング報酬が上昇したようである。

 2020年末から波打ちながら上昇をする仮想通貨市場であるが、投機的な動きが活発なので簡単には投資する対象とはならない。しかし、いくつかのポイントがあって、一番重要なのはアメリカのお金の動きなんだと思う。

 純粋な株価や為替の動きとは異なり、給付金とか減税のような連邦全体や州ごとの配給スケジュールと、給料日(第2、4金曜日、15日や月末)なんかがあるとUSドルベースですっとBitcoin価格が上下するので、すでにアメリカやその周辺国で送金にBitcoinを利用する人がとても増えていると考えられる。

 つまり、仮想通貨取引をするならその辺を念頭においてやればいいし、機械のメンテナンスもその前後数日を避けてスケジュールと立てると損をしないんじゃないかなぁという目算が付く。

 いずれにしろ、ここ1年で急速に価格が上昇してきた仮想通貨(BitcoinとEthereum)であるが、投機的な動きと共に明らかにインフラチック(基軸通貨のように)利用される動きがあるので、どこか一つがこけてもその他が支える体制が徐々にできつつあり、ちょっとずつ投資として持っておくのもいいんじゃない感ぁと思う。

 注意点としては、先ほど言ったDeFiのような不安定な売買システムが次々と出てきて、どれが詐欺でどれが本物か(場合によっては全てがインチキ)判断がつかないので、非常に短期で少額使うならいいが、長期投資にはそういった謎プログラムが避けるという点が重要だと思う。

 マイニングでは、今のところの新規通貨をつまみ食いしても儲かるが、安定的に行くならEthereumでほっぽらかすのが一番楽だという状況はしばらく続きそうである。

 

もうちょっと冷やそう

 なんとか夏を越せそうであるが、グラボを弄ってもうちょっと冷却効率を上げたい。RTX3080、90(GDDR6X)を持っている人たちからすれば、機械の熱管理は死活問題だし、5℃でも下がれば万歳である。どうすればいいかいくつか考えてみた。

改造は自己責任

 

簡易水冷化

 PCの水冷化はロマンである。ちょっとでも水が漏れると爆発するけど、機械の中を動き回る液体を見るのはかっこいいし、まさにマシンって気分になる。ただ、本格的に導管を曲げたり、ポンプ類を準備するとそれだけでパソコン一台買えてしまうので、マイニングには現実性がない。

 そこで登場するのが簡易水冷化である。導入方法がおそらく3通りあり、すでにくっついているパッケージを購入すること、キットを購入すること、自作することになる。

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 ①高価なグラボよりさらに数万円お高くなるが、パッケージを購入するのが一番安全である。自分の家にも一台あるので試しにマイニングPCにくっつけてみると、冷却性能は段違いであった。上の図で示したのが、水冷化したRTX2080Ti(EVGA GeForce RTX 2080 Ti FTW3 ULTRA HYBRID GAMING)とその他グラボの比較になる。2080Tiはラジエーターサイズが140mmで小さいので連続使用の冷却能はどうかなぁと思ったが、予想に反して非常に安定した(ラジエーターはファンでサンドイッチ)。Powerの項目で分かるが、その他グラボより1.5倍程度の熱を出すが、その下にあるRTX2080系で最大のフィンを持つもの(ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 AMP Extreme)よりさらに冷える。ラジエーターを風の当たる場所においておけばいいので楽だし、変に曲げなければ水漏れの心配もない。

 ②残念なことに、こういった変なグラボは今めちゃめちゃ値段が上がっているし、品物自体ほぼない。そこで、キットを購入してくっつけるのが現実的だが、そこで一番有名なのがRTX20系ならNZXT KRAKEN G12だと思う。指定のCPUクーラーとこれを買ってグラボにくっつける。いくつかのレビューを見ると「GPU」はよく冷えるという評価が多く非常に好評のようだ。うまくやりくりすれば1万円程度で改造できる。

 ただ、このキットは一つ大きな問題があって、「GPU」は冷えるんだけど、「VRAM」は冷却できない。マイニングにおいて一番発熱のネックになっているのがそのVRAMであり、脆弱なのがVRM周りの電解コンデンサーなのだから、グラボ自体の寿命を延ばせるかというと疑問が残る。

 同じようなキットで、EVGA HYBRID Kit for EVGA GeForce RTX 2080/2070 FTW3というのがあるんだけど、日本では正規代理店がないEVGAで並行輸入になるので今はとにかく高い。

 ③…というわけで、マイニング用に簡易水冷化をしようとすると、現実的には自分で金属板を成型して、絶縁テープを貼って、その上にCPU水冷クーラーをくっつけることになる。グラボ自体の形はそこまで難しい凹凸ではないので、どこかの板金屋に依頼して5mmくらいの金属板を加工すれば結構簡単に作れる。CPUグリス、加工板、水冷CPUクーラーとファンになるので、頑張れば1万5000円程度で物は作れる。

 

ヒートシンクとファン

 水冷化や板金なんて聞くと面倒だし難しそうだ…なんて思うかもしれない。もっと簡単にやる方法はないかと考えると、一つはヒートシンクをくっつけることである。グラボはその型によって冷却フィンの大きさがまちまちで冷却性能がピンキリである。安いものと高いもの重さを比べると実に3倍近く重さが違うのも、その冷却機構の違いといっていい。

 しかし、そのフィンを高性能に交換することは難しい。なぜなら単品でほとんど売ってないからである。そこで、どうしようかと考えると、グラボの裏側に目が行く。裏は表ほど凸凹していないし、物によっては背面実装されたものがあるが、そこまで複雑な形をしていない。そこでそこにヒートシンクをくっつける。バックプレートを外し、結束バンドで固定すれば完成である。ここで重要な点がどんなヒートシンクを付ければ効率的かであるが、一番いいのが古いグラボのフィンをはがしてくっつける方法である。いまなら2000円程度で中古だがヒートパイプの付いたフィンが買える。サーマルパッドやcpuグリスで間を埋めるとして、4000円もあればりっぱなものが作れると思う。

 もう一つの案がグラボのファンの交換である。通常、グラボには80mmもしくは92mmのファンがついているが、マイニングをしているとほぼ最大で動かしてもフィンの熱をとることができない場合がある。フィンが小さいタイプや発熱が大きいRTX30系ならそれは顕著だろう。また、常にファンを動かしているので経年劣化でへたってきてしまい、おそらく半年も動かしていれば壊れるかもしれない。

 そういう時にファンの交換である。マイニングの場合、ファンは常に動いているので、とても重要なんだからそれを強化する。手法は簡単で、今あるファンとその電源コネクターを外す。PCのケースファンくっつけて結束バンドや両面テープでくっつけるだけである。ファンの電源はPC本体から延長ケーブルで引く。ファンの大きさや強さはグラボごとに違うが、回転数(RPM)や冷却能力(CFM)を参考にして購入すればいいと思う。80mmファンで2000RPM、40CFM程度あれば十分な風量(もともとついていたファンの1.5倍程度)が確保できる。延長ケーブル込みで3000円もあれば購入できるだろう。

 

終わりに

 そろそろ機材の償却が済みそうなので、後は楽々不労所得になれば…

 …なんてことを考えているとまだまだ何かありそうなので、ドキドキ、ビクビクの今日この頃である(^ω^)

 

 

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