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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

アナタ、コロナで騙されてない?

ここ一年で生活が様変わりしたが、それを出汁に様々なインチキ情報や商品が出てきた。騙されて損をしないためにちゃんとした情報を集めていったん整理してみた。

 

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(今週の一枚)猫はお休みです(pixiv

 

 

新型コロナウイルス感染症の現状

 日々たくさんの患者が感染する一方で、その病態や治療法も徐々にわかってきた。そこで中国武漢の報告から1年かけてアップデートされた医療情報をまず並べる。

 

病状

 最も一般的な初期症状は、咳、発熱、倦怠感、頭痛、筋痛、下痢であり、感染から発症まで2~14日と比較的開きがある。

 重度の病気は通常、症状の発症から約1週間後に始まる。呼吸困難は重篤な疾患の最も一般的な症状であり、しばしば低酸素血症と血栓症、腎不全を合併症として引き起こす。

 また、感染しても無症状の人が多く、感染後重篤な症状を見せるのは年齢中央値を60歳前後(地域で異なる)で基礎疾患(心血管疾患、糖尿病、免疫抑制、肥満などの慢性的な不健康状態)を持つ人が多い。

www.cdc.gov

 ここ一年でより具体的となってきたが、これらの症例は地域によって発症までの時間や患者の年齢に開きがあるが、発生源とされる中国武漢からWHOへ出された1年前の調査報告と概ね一致している。

 一方で、新たにわかってきたことは、一旦症状が落ち着いて(熱が下がったり咳が止む)も、エコノミークラス症候群のように急速に状態が悪化する場合がある点である。これは血栓症…つまり血液が固まって色んなところで血管が詰まってしまうことが原因で、病気で脳梗塞や肺血栓心筋梗塞など病名を聞けば危険だと分かるのではないかと思う。

www.jsvs.org

 

治療法

 まず、ほとんどの人が感染しても弱い症状しか示さないので、家で安静にして他の人にうつさないようにすることである。ただ、個人でできる範囲ではどうしても家族や同居人に感染させるので自宅待機はなかなか難しいジレンマがある。

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 一応CDCの分かりやすい表を出しておくが、やはり対応は万国共通で「安静にしていろ」ということになる。

 症状が重くなってからの治療法はNEJMのガイドラインやWHOのページが日々更新されているので、専門性が気になる方はそういった公式のページや雑誌や論文をあされば結構面白いと思う。2020年初頭と大きく異なった点はレムデジベルやアビガンなどの抗mRNAウイルス剤が当初の期待に反してほとんど効果がなく、結局重篤肺炎の治療と同じようにステロイド系抗炎症剤を使って炎症を抑え、人工呼吸器で対処療法を行っていることだと思う。

www.covid19treatmentguidelines.nih.gov

 

 医療を受ける側として問題となってくるのが、突如ある地域で重篤患者が爆増して病院がその対応でマヒしてしまう点である。この冬騒ぎになった病床ひっ迫・ベッドが足りない問題もそのひとつだと思う。

 日本の場合、ECMOを医療の切り札としてすでに切っているが、日本以外ではこういった超高度な機械管理はあまり肯定的に扱われてはいない。理由は簡単で、医療資源を馬鹿食いして本来10人助けられるのに、こういった治療では1人しか助けられないため感染爆発の状況で限られた医療資源を有効に使えていないからである。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 この点は良くも悪くも日本の医療・社会保障制度に感謝である。

 

コロナ情報嘘・ホント

 まず変な情報を得たら、消費者庁消費者センターをチェックである。偽の役所からの電話があったりシリカ水やダチョウ抗体スプレーなどインチキ商品が横行しているが、とにかく迷ったら手を出さずに同じような被害者がいないか調べたり、自分から調べた公的機関の電話番号に確認の電話をすることである。

 その上でも、ちょっと難しくて注目度の高い情報を調べてみた。

 

マスクでコロナ防御?

 マスクは「自分の病気を他人にうつさない」ための道具である。意外と多くの人がマスクを病から自分を守るものと考えている節があるので、まずこの点を理解しているかを確かめて話をする必要がある。

 混乱の原因の一つとして、医療従事者がマスクをしているから防御できるんだと考えている人がいる。しかし、感染者と身近で接する医療現場では全身を医療着で防御して、感染部位である喉を守るためにサージカルマスクをして、さらにフェイスガードをする。こうやって初めて患者体液の感染から身を守ることができる。

 逆に言えば、市販のマスクをした程度では飛沫感染は防げない。

www.bdj.co.jp

 つまり、病気が蔓延して誰が感染しているかわからない現状では全員がマスクをしないと意味がないということになる。ネットでは「マスク警察」なんてスラングが出てぶつくさ言っているが、大切なことはうつるかもしれないと怯えることでなく、すでに全員が病気の可能性があり、自分が他人に病気をうつさないようにするという意見統一なのではないかと思う。

www.ims.u-tokyo.ac.jp

 

緊急事態宣言って緊急事態?

 2021年1月初頭に緊急事態宣言が再び発令された。

corona.go.jp

 字ずらだけ聞くと宇宙人やゴジラが攻めてきたのかなと言った趣だけど、要は外出を控えてくださいというお願いアナウンスである。表題の強さに比べて、その内容を見ると「要請」「推進」「お願いします」と言った言葉が並び、強制力が全くないことがうかがえる。

 実は犯罪でない限り、日本では個人の自由行動を制限することが法律上できない。そのため、他国のように戒厳令であるとか、ロックダウン(都市封鎖)のような全体のために個人の権利を抑制する強権発動ができないので、権限が自治体レベルとなり、国は自主的な感染予防を求める程度のお気持ち表明(現状でも結構脱法的宣言)になる。

www.nli-research.co.jp

 しかし、各国の新型コロナ感染症の広がり方とその対応を比較すると、日本政府の対応はなんちゃってにしろ意外と先手先手をやっていると見ることもできる。

 ロンドンパリにしろ、アメリカ各都市にしても、お願いしても個人が言う事を聞かず、なんだかんだ医療資源が限界を超えて、もうどうしようもなくなって都市封鎖を何度もしている。 

covid19.who.int

 そういった意味では日本の宣言は段階的に国民にストレスを与えて、経済とバランスを取っている点で特異的で、医療側の分科会と尾身茂氏が状況判断をリードしていることがうかがえる。

 これは実数として見ると明らかで、今回の場合、感染拡大前と比べて通勤通学ではおよそ20%程度の減少がみられるが、風俗街では50%程度の減少(宣言直前はお正月なので比較にならない)となり、「夜のお店」を狙い撃ち的に止めていることが分かる。外国であったならこういったセクションごとの抑制はできないし、優しく言っても暴動になることを考えると、個人としては不満があるが日本はなんとかやっていると分かる。

www3.nhk.or.jp

 つまり、日本の場合、ヤバイから緊急事態宣言をしているのではなく、ヤバくなる前に警告や宣言を出して破たんを回避しようとしている。そのため、海外の封鎖と日本の宣言を一緒にして考えるべきではないし、我々はまだ本当の緊急事態に直面していない。

 飲み歩いたりせず、普通に生活する分にはまだ大丈夫で過度に恐れる必要はないと言える。

 

ワクチンで救われる?

 天下のパスツール研究所が新型コロナワクチン開発を断念したように、RNA型ウイルスのワクチン開発や創薬は非常に難しく、今までの手法ではうまくいかないし、完成してもウイルス変異によって容易に効かなくなる可能性があった。そんな中でも、新しい手法でのワクチン作成が行われ、その接種がいよいよロンドンで先行して、その他海外でもいよいよ始まった。

time.com

 大きな希望であり、啓蒙的にアメリカの有名人が勇んで接種をしている絵を見た方もいるだろうが、この新型ワクチンには結構な問題を含んている。

 分子細胞生物学的に見ると、mRNAを導入して、細胞内でタンパク質合成+インターフェロン1放出で体内に免疫記憶を作るが、mRNAや生合成タンパク質がどの程度残るかが分からないし(残って悪さをする)、-80℃保存が要求されるワクチンが果たしてRNA分解酵素で溢れる生体内で合成まで本来の効果まで濃度を維持できない(働かずになくなる)可能性もある。

 また、多かれ少なかれワクチンが入っていない溶液のみでも副作用がでるので、優先対象となる弱った老人や基礎疾患持ちに使うかどうか判断が分かれる。

news.bloomberglaw.com

 通常のワクチン作成と比較して、リリース前の素データが粗すぎて全体摂取前のチェックが全く効いていない。ファイザー社は効果95%(10000人接種して本来100人病気になるとしたら発病が10人以下に減る)と言っているが、治験でそんな数に接種していないし、報道で言っている安全・危険の情報にはしっかりとした聞き取りの結果がない(例えば、↓記事は不安情報だけど雑に流しすぎ)。

news.yahoo.co.jp

 また、効果があるとして、現状では安定供給がほぼ不可能であり、契約を結んだとしても、おそらく納品は大幅に遅れ、日本において、接種が来年2022年冬の流行に果たして間に合うかどうかもわからない。 

www.reuters.com

 …と言った感じでワクチン自体の問題があるので、感染症学会のワクチン委員会の提言を見ると日本では抜き足差し足でやっていくことになったようだ。

 一方で社会的にもざわざわしており、ワクチン万能説/否定説の流布や国内国外での政治利用も目立つ。はっきりわかることはワクチンは病気の発症を妨げるだけで、ウイルス自体は蔓延したままである。発病する人はするし、弱ってる人は死ぬ。

 全体の患者数を減らすことは非常に重要だが、ファイザーが公称するように発症者が1/10になったとしても、無症状の人がまたぞろ出歩けば一気にパンデミックになってしまう。

 つまり、ワクチンは非常に素晴らしいものであるが、万能ではなく、ウイルス自体を減らには我々の引きこもり生活は少なくともあと数年は続けなくてはならない。

www.asahi.com

 

パルスオキシメーターの怪

 まず言いたいのはパルスオキシメーター(以下、PM)はとてもいい道具である。しかし、新型コロナの疾患判定にはあんまり関係ない。それは上の項目で書いたようにコロナの症状の判定はとても難しいし、素人がぱっと見て判断できるものではないからである。

 また、PMは体の中の酸素の量を簡易的に測定する機械で、あくまで補助的な医療具であり結構誤差がある。そのため、それ単独の数値では健康か不健康か程度の指標にしかならない。

www.konicaminolta.com

 では、なんでPMがコロナ感染判定できるなんてデマが広がったか調べてゆくと、2020年前半で無自覚な低酸素症(Silent Hypoxemia)がコロナと関連することがアメリカでたくさんニュースになって、例えば、The New York Timesのサイレント低酸素血症を予防的にチェックすることで、コロナによる急性肺炎が結構わかったよと言う記事日本語版)が出て、これらが伝聞的に 「コロナを知るにはパルスだ」みたいな舶来の都市伝説になったみたいである。

 起点となったアメリカでも、どうもこの関連は話題先行で「~らしい」とか「~はずだ」みたいな恐怖記事になっていて、医療的にはデマとはいかないまでも「まぁそうかもね」程度の話題に落ち着いたみたいである。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 一度広まった噂は拡大して、ヒステリーになるのは日本のお家芸だし、どうも悪意を持って広げている連中(金儲け?)がいるので、ちょっと注意したほうがいいと思って書いてみた。

 

終わりに

 自分なりに頑張って調べたけど、誤りがあるかもしれない。大切なことはテレビの情報番組に飛びついたり、刺激的なネットの情報をすぐ信じないで、一旦止まって考えることなんだろう。

 自分も少しずつ情報を研磨して嘘やデマに惑わされないようにしたいなぁ( ^ω^)・・・

 

 

 

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