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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

コロナ自粛とGoToトラベルと観光業の利益

みんなっ!旅行しようぜっと政府が掛け声をかけようとしてズッコケた。ただそれを馬鹿にするのもつまらないのでちょっと調べてみた。

 

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(今週の一枚)堕ちた天使は雫のように(pixiv

 

 

 この前政府が進めるGoToキャンペーンの一部が変更になり、東京が除外された。旅行業(経済)を優先するか、感染拡大防止(健康)を優先するかが各所で議論になっている。この二者択一的な議論の中で、果たして本質的なのかちょっと考えてみる。

旅行の多様化

 旅行を考えると、聞く人ごとにそのイメージはかなり違う。そこで大きく3つに分けて見ようと思う。

 一つはブームとなっていた「おひとり様」ではないかと思う。ゆるキャン△に代表される所謂キャンプレジャーであったり、カメラや釣りなどの趣味を気兼ねなく少数、出来るなら一人で満喫するようなものだ。日ごろのストレスを緩和する気分転換的なものであり、お散歩の延長線にあるようなものになる。基本的には自分で持ち込んだ機材を使って一泊旅行する程度の小旅行と言え、宿泊も道の駅で車中泊や素泊まりがトレンドになるように旅行先との接触も少ない代わりにあまり金を落とさない人の移動になる。

 次のものは、旧来の旅行と言うのはイメージも含めて「団体旅行」というのが大きな位置を占める。農協月に行くではないが、学校の修学旅行であったり、会社の慰安旅行だったりと多人数が大きな宿泊施設で飲み食いをして、地元の旧所名跡をめぐる。いつも一緒に行動する集団がその集団のまま異なる世界を満喫するという形で、その集団の結束を図るという意味が大きいのだろう。支度その他の大部分を地元の業者に任せて数泊するので規模の大きな旅行と言え、旅行先に大きな利益を与える。

 もう一つは、「友達とのお出かけ」ではないかと思う。ヨーロッパ型のバカンスとまではいかなくとも、2から5人程度の比較的少数の気心の知れた者同士で見たことのない景色を見に行くものである。そこには趣味集いもあれば、女子会、学校や会社などある集団の友達もいるだろうが、ある程度旅の目的が決まった集いといるのかもしれない。小規模の団体行動のため、何に金を使うとか何をして楽しむかが決まっているので、その目的に関しては旅行先での財布のひもは緩くなる代わりにそれ以外にはあまり金は使わない傾向があるようだ。

 英語で言う Travel Trip Journeyのような時間的規模よりも人数的規模で分けたほうが、日本の旅行を理解できると思った。

 この大雑把な分け方でも分かることは旅行者側を考えるとそれぞれの目的と方向性はバラバラであり、レジャーが多様化した現在では一概に旅行と言うものを定義できないが、旅行される側の仕事を考えると、かつての大人数から少人数に顧客が変化し、それをどうさばくかが大切な視点だと分かる。

news.yahoo.co.jp

 

GoToトラベルと旅行業

 多様化する旅行の目的はおそらくこの先もっと細分化されるのだろう。地方では都会や外国から来てくれる人が落とす金で経済を回しているという側面を考えると、その多様化に対応していかなければならない。

press.jtbcorp.jp

 今年初めのコロナ騒動以来、こういった人の往来が滞り、旅行業とその下に位置する地方経済が徐々に腐ってきた。外国や都会の人が金を落とし、地方業者はその金で投資や生活をし、その生活を維持する人がその地域経済を回すというサイクルでは、外部からの人の流入が半年以上止まることは死活問題となる。これ以上の閉塞はどうしても避けたいのだろう。そこで政府の補助金である。

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国土交通省観光庁GoToトラベル事業より抜粋

 まぁ色々手続きがあるみたいだけど、ざっくり言えば宿賃と地方で遊ぶ金の半分を政府が持つから、ババンと遊んでチョウダイ!と言ったもので、1兆円税金を以上出して腐りかけている地域観光業を助けようというものだ。

 

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GoToトラベルの適応条件

 …とは言っても、すべての地方企業に直接利益があるものではなく、旅行代理店・予約サイト経由で予約・宿泊が確認できないと還付は受けられない。金額的に宿泊へ7割、その他へ3割補助ということで、行ってみればホテルと旅行代理店を中心とした旧来の観光業への支援がとても強い補助となっている。

 ここでの問題は、旅行代理店はその地方に根差したものではないという点とコロナ対応である。

 本来であれば、補助された額のすべてをコロナ不況にあえいでいる地方に落とすべきだが、商品券的なものではなく、一度旅行する側が支払って後で還付を受けるシステムなので、旅行代理店の仲介が必要となりその金額の多くを彼らに渡すことになる。宿泊業が一番得をするシステムになっているので、果たして地方への補助と言えるのか疑問が残るものである。

 現実的に地方の経済を考えるなら、金額的にも宿泊3割その他7割補助とした方が直接的な利益になるのは明らかなので、日帰り客に厳しくちょっとすっきりしない。

 また、コロナ対応を考えると、団体客に対して防疫ができない。特に顧客ターゲットになっている首都圏の人にアプローチしたいようであるが、コロナ感染者が最も多い東京を除いてしまうので効果は半減するだろう。

www.kahoku.co.jp

 ハッキリ言えば、金の使い方が特定業種に偏っていて変だなぁと感じた。

 

旅行とコロナ

 東京は危険だ!というが果たして本当に危険なのかと言うとかなり疑問がある。もちろん感染者が地方を動き回ってぺっぺっと唾を吐きまわれば地獄だが、そんなキチガイのようなケースは稀である。

www.youtube.com

 市中感染の可能性は当然懸念されているが、現在多くの感染者発見に至っているのは保健所が狙い撃ち的に「夜の街」つまり風俗街をピンポイントで検査し、それが的確だったからである。逆に言えば、それに関わらない人はあまり感染していないと想定される。

www.asahi.com

 やっとこさ警察とヤクザとの調整も終わったようで、そういった感染震源地にも防疫上の秩序が整えられるので、今後は一定数の感染者は出し続けても制御は可能ではないかと感じた。

 ただ、それでも問題があって、焦点となっている東京では保健所ベースで患者数を見ると、6月中旬から7月中旬で陽性率が増加している点である(PCR数・判明感染者数の大小は日本人全員検査でないので評価できない)。風俗街とその他感染を分けた資料がないため、この4%増が風俗街由来のものなのか、その他由来なのかはっきりわからない。

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 ↑のまとめたTweetの表が最も優れている。

 

 7月からの感染者数の増加は全国的な傾向である。この4%増がすべて風俗狙い撃ちから発生したものであれば、安心して旅行(他地域移動)を勧められるが、もし、その増加割合が風俗街由来以外からのものであれば市中感染は増加しているということになり、旅行は勧められない。

 おそらく、風俗業界と警察、旅行業界と国土交通省の綱引きになると思うが、PCR検査などの問診票で「ここ一か月夜の街に行きましたか?」と言う項目追加とではないかと思うし、それではっきりわかり安心感を作れると思う。

 

夜の街と旅行業の利益

 さて、「夜の街はダメッ」となった場合、ある程度リスクはあるが、都会の人も安心して旅行できるし、田舎の人も安心して受け入れることができる。では、それで儲かるか?という算段になると厳しい。

www.jata-net.or.jp

 旧来の観光地と言うのは基本的に風俗街である。温泉街、旧所名跡や繁華街と言うものは人が集まってその地域を盛り上げる。大きなホテルはそういった夜を斡旋する場所でもある。これは男女ともに変わらない。もちろん、純粋に美しい景色を見て風情を楽しみリラックスすることも旅の本質の一つであるが、田舎としては儲からない。

maonline.jp

 これは業態が修学旅行や社員旅行などの団体客を主眼に置かれたシステムが原因であり、そこからどう利益を絞るかの帰着としてできた街並みであるためこういう利益追求になったと考えられ、小規模客が増えた状況で団塊世代の高齢化→外国人客呼び込み→コロナ…で身動きが取れなくなったと言える。

 つまり、旅行業における地域振興を考える際、現状の多くのシステムでは夜の街の濃厚接触は切れないのである。

enkainet.com↑エロい写真もあるので注意

 

 アフターコロナやwithコロナなんてカッコイイことを言っている人がたくさんいて、地方の~とか政府が~なんて言っているが、利益を考えると旧態依然としたシステム(団体客を効率的にさばくシステムと夜の風俗)をどうするかが旅行業の将来を決定することになる。

 業態を純粋観光に変化できたブランド化地域は生き残れるが、それができなかった多くの地域は果たしてエロを抜いて客が金を落とすか、業態変化に新しい大きな投資をすることができるかとなる。

 コロナによって浮き彫りになったのは、旅行業全体の問題ではなく、古い体質のままでいる街をどうするかという地方の構造的問題ではないかと思った。GoToキャンペーンはそれを守ろうとしたものとわかるが、このままでは守り切れない。そういった変わらない地域はどうするかがキーだと分かる。

 

終わりに

 調べてみると結局どこまで恐がればいいかと言う「不安」の問題に行きつくし、隠れていた問題がコロナであぶり出された地方自治のではないかと思った。新しい世界の前には古い世界は消えなくてはならないのだろうか?

 …やっぱり残って欲しい…ちょっとノスタルジーな気分になった(^ω^)

 

 

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