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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

顔の描き方を考え直す

顔を描いていると理想の顔であるとか、美しい表情を描きたいと思うことがある。ではそれはどんなものかと言われるとよくわからない。そこでどうすればそういったものを描けるのだろうかと考えてみた。

 

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(今週の一枚)浜辺と夕日と女の子と(pixiv

 

自分の現状を見る

 自分の描いている顔を見直してみると、常にリアルな表現と漫画的表現の間でいったり来たりしていることが分かる。特に鼻であったり輪郭が一作ごとに極端に変わってしまい、本当に同じ人間か描いているのかわからなくなる時がある。

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(同じイメージキャラのいろんな方向の顔のラフ)

 上をご覧になっていただければわかるように、何も見ないで描いたラフの段階ですでに別人の顔が並んでいるので、着色したらまぁ御察しください…という状態である。

 これは圧倒的に「絵を描く」と言う経験が足りないために起こる現象で、これでいくっ!という書き方が決まっていないからであろうが、これから数を重ねるにしてもちょっとひどい(センスがない)。

 でも、一作ごとにイラストを出すと考えれば色々な顔が描けてすばらしいということになり鼻高々なのだか、漫画やCG集など同じキャラクターをいくつも描く場合はそれが破綻してしまう。そういう意味で、同じものを同じように作れて初めて絵が旨いと言えるのではないかと思ってしまう。

 同一キャラの作画崩壊を何とか回避しようとソフトの歪み機能などのデジタル処理を使ってぎりぎりそれを維持しようとしているが、元がポンコツなのでなかなかうまくいかないという悲しい現実が目の前にあったりする。

nipplelf.hatenablog.jp 前回の見直しでは、各パーツごとに焦点を当てて比較的内向的なデザインの問題を考えたが、今回はもうちょっと外向き志向で考えてみる。

 

 

受ける顔と受けない顔

 もうだめだ~世界の終わりだ~という心の声に屈することもできるが、まぁ単純にそれだとつまらないし拙い。だから少し冷静に自分と周囲を見つめると、一見ポンコツ作画でもそれを続けることで評価につながる場合もあれば、見向きもされないときもあり、閲覧者が現段階で自分の絵のどういったものを好むかということがはっきりとわかってきた。

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 去年の秋ごろに連作で女の子の顔を描き続けたんだけど、評価は綺麗に割れた。閲覧数もほぼ同じ物を並べる。横顔や斜め顔はまぁそれなりに好評いただいたんだけれど、あごが見えたりするようなアオリの角度の評価がとても悪かった。

 上の絵はその連作の顔と評価を出したものだが、あごが見えるほどブックマークが減っていくのが分かる(上は2019年1月25日時点の評価で、以前はもっとひどかった)。
 原因の一つは自分の画力不足があり、角度を付けると髪の毛の立体感が悪いために顔が扁平になって純粋に絵として不気味なものなるからだと思う。

 ただ、「角度」というものを他作者様にも当てはめて、各ランキングやCM、各種広告、グラビアなどを見ると顎を突き出すというある意味挑発的な角度はほとんどなく、正中、もしくはおでこをアピールするものは非常に多い印象を得た。寝っ転がるような不自然た姿勢でも、なるべくあごを引くのである。これは性別に関係なく見えたので、見せ方として重要なのかもしれない。

 例外として、特に女性向けの化粧品や服装飾系では顎を意識するものが多かったので、女性→女性視点を意識するならありなのかなぁなんて思った。

 

喜怒哀楽は一つの表情で表現できるのか

  へっぽこなりに頑張って表情を作ろうとして色々やっているが、正直言ってイマイチこれだっというキメ顔には至らない。

 上記の角度でもそうであるが、プロの絵描きや女優はかならず自分を一番よく見せられる角度と表情、もっと言えば顔の形を持っている。そのポーズにおいて、その絵やキャラクターの一番イメージする感情が溢れてくるのだろう。

 しかし、それはあくまで絵やポスターなどの動かない像を見た瞬間に人間が意識するもので、むしろそういった一枚物に関してはぼぉっとしたよくわからない表情をしているものが大概なんじゃないかと思う。

 特にアニメやそれに類する顔のパーツを記号化した作品を見ると、自分の感性ではこのキャラがいったいどういう感情を持っているか顔だけでは理解できないものが多かった。

 綺麗に見せることと、感情豊かに見せることは違うし、素面を崩したものが必ずしも作者が意識した感情を表現できるとは限らないので、そこに文字や色、髪の動きであるとか様々なギミックと重ねることで、初めて作品全体の印象を完成させているように見える。

 

 これは一枚の絵や写真を見た際強く感じることであったが、動画や漫画などの複数枚の変化があるものはまた違ったように見える。

 舞台や漫画を見ていると、そういったキャラクター特有の基本的イメージを会話、顔、行動によって作っていて、それに外れることが「感情」じゃないかと感じる。

 例えば、いつも怒っている人は怒ることが当たり前で、「怒っている設定のキャラ」の怒るという行動自体が感情にはならず、その人が突然笑ったときはじめて感情になるような気がする。

 何がいいたいかと言うと、喜怒哀楽とは定常状態からの「変化」した瞬間こそ起こるもので、いつもの仕草は感情ではないのではないかと言うことである。

 

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(表情の変化、どれが基本絵かで見え方が違う)

 

そういった意味で上の絵を見てほしい。

1、左の顔がこの女性のいつもの顔とする。1秒ほど左の顔を見つめ、すっと視線を右に流すと、ニカッとした笑顔を感じる。

 

2、右の顔がこの女性のいつもの顔とする。1秒ほど右の顔を見つめ、すっと視線を左に流すと、ムッとした仏頂面を感じる。

 

 全く同じ絵であるのに、基本の表情をどこに置くかで同じ表情もずいぶんと印象が変化するのが分かるのではないだろうか。

 このため、表情豊かな顔を作りたいときは真ん中の顔、笑顔を目立たせたいときは左の顔、怒りを目立たせたいときは右の顔を基本の顔にすれば表情のコントロールが容易になるのではないかなぁなんて考えている。 

 

漫画的表現は本当に正しいのか

  上の絵で右の絵を基本的表情に採用したとして、それを笑顔にしようとするとさらに目が垂れて口が裂けて、お化けみたいになるかもしれない。たから、普通に考えたら、右の絵はこれ以上極端に笑えないのだが、面白いもので絵というものはそれを簡単に超えられる。

 ビックリするなら顔から眼が飛び出せばいいし、興奮するなら瞳を極端に小さくドットにすればいい。笑顔なら三日月のような目と口を貼り付ければいい。極端にすればするほどキャラクターの表情を上手く伝えることができるだろう。

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(「エロい顔」の中でも、小さな差を作って表情にはなる)

 

 自分の今の実力ではあるカテゴリーの感情のバリエーションを作れても、クワっと来る大きな変化まではいかないので、やはり漫画的表現の取り込みは絶対に必要であるが、その極端な表現がなかなか絵柄にマッチしない。

 エロであれば「アヘ顔」であるし、強い怒りであれば口を大きく開け眉毛をげじげじにするだろうが、残念ながらそういった表現を組み込むと表情が一気に崩れるのである。

 おそらく、顔のパーツを記号化した作画において、異なる表情が作れないため、苦肉の策として使っていた表現が時と共に技術的に高度化して、固定した方法の一種になったんじゃないかなぁなんて思うし、それをそのまま使うことが自分のキャラクターの感情を表すことにはならないと感じた。

 

 漫画的喜怒哀楽のアイコン的表情をオプションとして持っておくのはいいが、それが「正しい感情表現」であるととらえるのはよくないと思う。しかし、ここには穴があって、表情の乏しいキャラを描く有名漫画家がそういった表現を使えば、何十万と言う人がそれが笑顔であったり、怒りであると共通認識を持ってしまう。そして、それが正しい絵の喜怒哀楽となってしまうのである。

 自分がイイワルイと小賢しくいっても、読者の認識がそうなってしまえば、それこそ「正しい表情」となる。

 自分は最近あまり漫画を読まないので、一旦そういった「正しい表現」を押さえておかなければなぁと感じた。

 

終わりに

 まぁなんだかんだ言って、イラストならキメ顔、複数枚なら変化を上手く操れないと魅力的なキャラは作れないと分かっているのなら、さっさとそれを作れという話なんだけど、それがなかなか作れないのが自分の実力なんだろうなぁなんて思う。

 

 実力者への道のりはまだ長い(^ω^)

 

 

 

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