最近、SNSで意見が言いにくい。知らない人が襲い掛かってくるからだ。なんでそんなことになっているのかまとめてみることにした。
(今週の一枚)キンレンカの種(季節感とは…)
ネット世論の虚像と現実
世間全体の方向性とは異なり、独特の「ネット世論」というものがあるらしい。この言葉を聞いた時、果たしてそんなものがあるのだろうかと思った。一般社会にしろネットで匿名でしゃべるにしろ、発言しているのは同じ人間だ。そうそう意見は変わるものではない。せいぜい本音と建前の使い分けだろう。
次に、実際にSNSを使って色々な発言を見てみると、自分の知っている常識と離れて色々と発言する人がおり、その強い言論に引き付けられてしまう(扇動される)人がたくさんいた。その集団がネット世論なんじゃないかと思った。しかし、より多くを観察すると、ある集団での言論は必ずしも別の集団と同じ意見を持つものではなく、保有情報量にもかなりの差があり、ネット総体としての「世論」というものはないと感じた。
では、ある集団の言論があたかもネット全体を代表するように見えるのはなんでかと言うと、「声が大きい」からだ。例えば、カレーの具について考えると、あるコミュニティAではジャガイモだといい、別のコミュニティBではニンジンだとする。
グループ人数が同じだと仮定して、Aから何度も何度もジャガジャガと連呼されると情報量の多いジャガが多数に見え、気が付いたらジャガイモがネットでの正しいカレーの具になるケースがある。さらに問題な点が、例えAの人数が少数でも声が大きければ(たくさん情報を流せば)、それがネットの世論に見せかけられるという点だ。多くの人はジャガだろうが人参だろうがどうでもいい。その状態でネット上に大量のジャガ情報が溢れると、それが圧となってジャガが勝利するのだ。所謂ノイジーマイノリティ(うるさい少数者)戦略である。全体の1%が大きな声を上げて議論に参加した数%を圧倒し、それをもって無関心なその他多数を引っ張る方法だ。
しかし、我々社会ではあらゆるテーマで利害関係者がいる。上記のカレーの具でもジャガイモ農家と人参農家の間で戦いが起こるかもしれないし、単純にニンジンが大嫌いな人もいるだろう。そのため、ノイジーマイノリティが簡単に過半の世論を形成することはまずない。これはどんなテーマでもいえることだ。つまり、現実とリンクしたテーマでネットにおいても過半の世論を作ることは非常に難しい。
今ネットで起こっていることは、様々なテーマで10%の支持をどう取れるかについて方法が盛んに模索されている。例えば、国政では国民民主党がうまいやり方で勝利した。勝利したからと言って彼らの主張が必ずしも正しくはなく、支持票も1割程度だ。しかし、この1割を使って自民党に攻勢をかけ今のところ交渉を有利に運んでいる。
たった1割であるが、このような一定の影響力を持つことで自らが責任を持つことなく、自らの主張を成立させようという動きが大きくなってきた。かつて公明党がよく使った手法に近い点がある。
自分が知っているだけでもサブカルや文芸、働き方や経済見通し、道徳や歴史、食事や生活などなど色々なテーマで、ネットを使った影響力行使がなされている。
方法論としてはいくつかあるが、扇動かが目指すターゲットによって1%か10%をどうとるか(集団の規模の大きさで異なる)目途が分かれるようだ。
ネット1割の悪用
現実の日本において、外国人がどんどん増えている。これは安倍政権が強力に推し進めた経済政策の一環だ。コロナ禍で一旦減少した数もほぼ元通りになっており、これからも増加することは明らかだ。多くの人がこの別人種・別文化の流入について不安を感じ悪感情を持つ人も多いだろう。実際に軋轢が起こる可能性は非常に高い。
ネットにおいて、この外国人増加について非常に悪感情を持つ人達がグループを作っている。やれクルド人が、やれベトナム人が、やれ中国人が…と悪態をついている人を見たことがあるだろう。SNSのプラットフォーマーはプロファイルからパーソナライズ(見たいものを見せ続ける)戦略を強化している。これは趣味嗜好ならいいが、日常的に悪感情を増悪し、刷り込みが行われることにも繋がり、根も葉もない「外国人の悪事」を信じ込む人やデマを流す人を増やしているのも事実だ。
この環境を利用して見え見えな誘導がよく行われている。例えば、「岩屋毅外務大臣は売国奴だ。」という言説だ。彼は中国人のビザを緩和して、中国政府におもねりアメリカとの関係を悪くしている石破政権の愚かな大臣だ…ということになるらしい。
しかし、実際に彼のやって行動は別に売国的なものではない。ビザ緩和と言っても相互主義での緩和の一環で今回は中国のメンツを立てたものだ。その中身は文言を少し弄った程度のもので、外務省がよくやる手口であり日本の国益はほぼ棄損されていない。こんなことはちょっと調べればわかることだが、多くの人は現状の外交よりアホな石破グループにしか興味がないので岩屋売国という情報を信じてしまう。SNSをうまく使えない自民党がうまく刺された格好になっている。
↑実際の業者もなんとなくおかしいことに気づいている動画
この扇動の目的は金だ。関係情報を見せるYoutube動画への誘導や関連書籍・サブスクによる利益化を見事に成功している。同時に過激な言葉を使う人間には裁判を起こして搾り取るような動きも増している。どう動いても関わると餌にされるのだ。
さらに、これまでSNSでの動きは、負に向いている全体の感情を煽るために、一定数の同じ意見傾向を持つ集団を扇動して、全体を支配しようと誘導する点ではなかったかと思う。
例として、吉本興行や旧ジャニーズ潰しは情報元ロンダリングから週刊誌が火をつけ、ネットフェミニスト・アンチフェミニストを扇動して世論を作り出したとみることができる。これらはどの情報が嘘か誠かわからず、当事者も具体的な内容を言っていない噂話の類だがSNSは大騒ぎだ。フジテレビは経営が傾いた不動産企業であるが、総務省管轄の彼らを崩した結果、どういった人が利益を得るのかを見ると色々わかるってくるのではないかと思う。誰が株を買うか、どの事務所の役者が番組に出るようになるか、どういったCMが流れるようになるか、フジの不動産は誰が買うかを見ていけば扇動主にたどり着くだろう。
扇動の方向性
扇動が誰かの利益のためだとしても、こういった行為は社会のムーブメントとして必要なものだと思う。変化は重要だ。かつてはテレビ・新聞がやっていたことでもある。ネットSNSにおいて、検索上位を占めて優勢な情報量を確保するためには際どい言葉やウソを混ぜて人々の注目を得る必要がある。これによって数%は必ず動くという運用方法はほぼ確立されたとみていいだろう。10%を得るには少し無理な扇動が必要なことも確かだ。しかし、過激であるほど支持者を集められるこの方法では1割を集めても、反対意見を持つ1割を作ることになり主張を通すことができない。むしろ対立が生まれ中間意見層をごそっと失い本来の目的が達成できない。この対立をビジネスにする連中が5年間くらいで大量に増えたけど、この戦争ごっこが分岐点にきている。
例えば、アメリカにおいてトランプ政権が誕生したことだ。問題だらけの彼がなぜ勝てたかと本国人に聞くと、まず多くの人が一応にトランプが好きではないという。同時にアンチバイデンという。前回選挙において両陣営ではお互いに1割ずつ強い支持者を獲得したが、それ以上の支持は得られなかった。その状態でバイデン陣営は極左的政策ポリコレやLGBT運動などの革新行動によって様々ルールを変え、戦争を拡大しつつ貧富の差が増大して中間層以下が貧困化した。トランプ票を見ると、特定支持を持たないアメリカ人の多くがいかにこの思想前提の変化への嫌悪していたかわかる。
今回、トランプのやっていることは一見キチガイだが、意図は明確で「アメリカの利益」だ。だから、アメリカ人の利益を棄損する行動を否定する。彼らの主張は中国叩き、日本無視、ロシア融和、違法移民反対、戦争早期終結、北極海海路占有、オイル優先、株価上昇政策などである。思想や地球全体の正しさと言ったものを無視して、第一義に如何にアメリカの利益になるかを前提として動くようだ。前回の選挙で頭の悪いQアノンを引っ張ったが扇動できる数には限りがあり多くの敵を作り負けた。そのため、今回の選挙ではアメリカの現世利益を最大化するために扇動方法を変えたとみれば、彼らを理解できる。
この傾向は当然日本にも波及する。これからネット扇動の方向性が徐々に変わるのだろう。過去から大雑把な流れ・変化を見ると、最初は小さな個人のサイトのふれあいの場、数が増え大規模化した無法状態、一般の流入で市民の情報サイト化、企業が入り宣伝を前提とした誘導の組織化、専門組織の扇動による情報かく乱や小集団形成による利益化となる。今の動きはより大きな集団の現実的な利益を目指す方向にかじを切るかどうかというところだろう。
トランプたちの動きを見てわかる通り、この動きはある論を是とする層と非とする層はもう動かすことができず、その論に興味がない人を如何に引き付けるかを考えた結果なんだろう。
感想
もやもやとした感じでなんとなくSNSを控えていた理由を文章化してみると、自分が大きな流れから外れようとしていることが分かった。儲けを前提として動くのなら小集団をカルト化するのが一番手っ取り早いということは明白だ。ここに絡めとられると意図せず暴徒化してしまうのが嫌だったのかもしれない。
また、それ以降の動きも果たして自分の利益になるのかが読み取れず一歩引いて意見を言わないスタイルになったのかもしれない。いずれにしても、大衆を扇動する動きはなんだか大昔のナチスっぽい感じがして馴染めない。
元々ネットはアングラで、一定層の屑同士が騙しあいで成り立っている側面はある。一般社会でも同じ現象はあるが、ネットでは常態的起こり可視化される点が違う。この可視化を目の当たりにして、多くの人がそれを当たり前だと思い始めつつある。自分にはこの手法をカタギに使うことに忌避する感性を持っているが、これはもう古いのかもしれない。
終わりに
誰かに操られるのは楽に騒げるけど暴徒Aにはなりたくない。村人Aのニッペルフとしては細く長くやりたいが、それでも明確な生き残り戦略は必要だろう。
でも、まぁ楽しくやりたいよね(^ω^)
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