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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

胸糞映画をみてもいまいち胸糞が悪くならなかった

今回は胸糞映画「NEW ORDER」をみたので、その感想とこの映画はどうすりゃよかったのかを考えてみた。

(今週の一枚)残暑でも咲く(🌸)

 

 ちょっと長い移動中は映画を見たり、本を読んだりする(絵を描く根性はない)。そんな中で、同じような傾向の作品を見ることが増えたので、今回は毛色を変えて胸糞の悪いというNEW ORDERという映画を見ることにした。

 感想を一言で示すと「で、なに???」ということになって、あぁ時間の無駄だなぁと感じたんだけど、それだとつまらないのでぶつくさ考えてみることにした。

~ネタバレ全開で書くのでここから先は視聴済みを前提とします~

 

映画の概略

 2022年に日本公開になった作品で、メキシコで起こりそうな事件(?)をサスペンス風にしたものになる。

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 1時間ちょっとの作品で、内容はそんなに厚くないのでざっと書く。

 近所で暴動発生中に、金持ちの家で結婚披露宴が行われていた。その最中に、元使用人が金の無心に来る。彼の妻が手術するために高額な費用が必要なのだそうだ。彼らとかつて親しかった花嫁はそっけない家族の態度に激怒し、使用人の妻を助けようと式場を抜け出す。

 危険を警告される中、花嫁と元使用人の息子は貧民街へ向かおうとして暴動と出くわす。花嫁たちは何とか逃げ出すが、結局、花嫁は自分の家に帰ると言い出す。戒厳令(?)が出る中、なんとか彼女を家に帰そうと、元使用人の息子が軍隊に相談すると、送ってくれることになる。

 しかし、彼らは不良軍人で花嫁は拉致されてしまった。汚職軍人達が暴動を利用して数々の金持ちを誘拐して身代金を要求する中、花嫁は監禁中にレイプされたり、裸にされたり、とても怖い目にあう。

 一方で、自宅の結婚式会場には暴徒が入り込み、ボディーガードの裏切りによってさまざまな金品が奪われ、花嫁の母も殺され、父も撃たれて重体になる。

 暴動鎮圧後しばらくすると、元使用人は外出中に軍に撃たれて死に、嫁はそのまま病死する。また、花嫁が拉致されたことを知り、悲しみの中で目を覚ました花嫁の父は軍のお偉いさんに調査を依頼し、何とか娘の開放を企図する。そんな中で、拉致実行犯の不良軍人は取り分が少ないことに不満を抱き勝手に動き出す。接点のあった元使用人家族を通じて身代金を要求したのだ。一回目の要求は簡単に通ったが、不良軍人がそれに味を占めて、お代わりを要求すると新郎が切れて元使用人家族が誘拐犯一味だと軍に通報してしまった。

 事態が軍上層部に知れると、不良軍人一味と花嫁以外の被害者たちは証拠隠滅のため皆殺しとなり、元使用人の息子と花嫁は無理心中ということで処分される。ついでに元使用人の娘(花嫁の友達?)も誘拐犯にでっち上げられ絞首刑となる。

 最後にメキシコ国旗がはためきバットエンド、あぁ無常といった感じだ。

 

映画の感想と評価

 胸糞の悪い映画だということを知って視聴したので、特に気分が悪くなるとか激しい怒りに震えるようなことはなかった。見ている人の興味が残酷話をどう締めるかに収束してゆく作りだと思う。

 そして、残念ながら残酷話は退屈で収束しなかった。特に最初の20分で披露宴をグダグダやっている場面がとてもつまらなかった。おそらく、怠惰な金持ちを描きたかったのだろうが、それが映画のテンポを落としたのではないかと感じた。そして、いまいち落ちが落ちなかった。

 各シーンについてみると、ホラー映画的なグロシーンはあまりなく、大勢の全裸シーンは何回かあったが、暴力や性的シーンなどはむしろ控えめに作られており、映像的インパクトに欠けるものだったと思う。

 さて、想像以上につまらないと感じたこの映画で、一番の問題は「登場人物がみんなアホ」という点だ。

 まず、近所で暴動が起こっているのにのんきにパーティを開いて麻薬をやって楽しんでいる。金持ちは軍にコネがあるなら元軍人を雇えばいいのに、よく知らないボディガードを雇い裏切られる。裏切る側もやばい連中とコネがある金持ちから強盗殺人しているのに、氏素性や顔がわかっている状態で犯行をしている。愚かだ。

 次に、一番大切な結婚式をブッチして暴動に突っ込んでビビる花嫁は意味不明としか言えない。また、連れて行った元使用人の息子も軍がやばいと知っているのにあっさり花嫁を渡している。正気を疑う。

 また、拉致した軍人も身バレしているのに身代金を要求したり、軍にチクった花婿も花嫁の安否なんて考えて行動していない。とても浅はかだ。

 そして、証拠隠滅した軍高官もバレたら金持ちに恨まれるのに安直に花嫁を殺しており、その事態をあっさり信じる花嫁の父も頭が悪いと言わざるを得ない。

 はっきり言って、劇中にでる全員の行動に一貫性がなく子供が右往左往しているようにしか見えない点がこの作品の質を下げているのではないかと思った。

 

少し踏み込んだ評価

 この映画では、おそらくメキシコにいる人たちは相互不信に陥り、法や常識を守らない動物の群れがメキシコというあいまいな枠の中で蠢いていることをビビットに表現したかったんだろうなぁと思う。しかし、それができなかったのは上記で書いた登場人物のアホアホだけでなく、必ず出さなければならないポイントをあえて外している点ではないかと思う。それは麻薬の売買とその関係者だ。

 具体的に言うと、一つは麻薬組織の存在だ。メキシコがなんだかんだで成り立っているのは、アメリカへの麻薬売買の中継地点としての立場があるからだ。だから、もし暴動が起こるとしても麻薬の流通に支障が出ないように秩序だった行動が要求される。まるで貧乏人が自発的に暴動を起こすような描かれ方をしているが、ある意味管理された彼らにそういった自主性はない。

 もう一つは政治家の存在だ。メキシコで凄惨な事件が起こる原因は、麻薬グループ同士の諍い、組織のメンツ、そして、政治家による依頼か関係性の暴露が多いらしい。麻薬カルテルと手を切ろうと勇気を出す政治家が次々と死ぬ一方で、カルテルと一体になる政治家の存在が社会問題化しており、メキシコでの人間関係を単純に金持ちと貧乏人に分けることができない。

 つまり、メキシコで起こっている相互不信は麻薬とその利益に根差した生きにくさや恐怖にあり、国民全員が悪いことをして金儲けをしているという「罪悪感」が人心を惑わしているのだろう。貧富の差が本質的な問題ではないと思う。しかし、この映画では「金」を主軸に物語を構成しているために劇中の役者の行動が非常にちぐはぐに繋がっているのではないかと感じた。

 

どうすればいいのか

 この映画では貧富の差と富の独占がメキシコを悪い方向に導いているという導線があるが、この流れに沿って物語を盛り上げるにはどうすればよかったのだろうか。

 ぶつぶつ考えると、やっぱり対比がないのが悪かったんじゃないだろうかと思う。先に書いたように登場人物がみんなアホなので何とも締まらない。だから、例えば、金持ちでまじめで頭が良くて立派な人がひどい目にあったらよかったのではないかと思う。おそらく、その役が花嫁だったのだろうけど、無能なアホ女としか映らなかったのが痛い。

 もう一つは、物語がだらだら続いてそのまま終わっているのが良くなかったのではないかと思う。なんらかのどんでん返しがないと徒労感がでる。だから、例えば、花嫁の父が実はとても悪い人で、嫁の浮気でできた子が花嫁であり、暴動も略奪も拉致も彼の計画だったとする。結婚式という最高の瞬間に浮気した嫁が死に、不浄の子がひどい目に合ってぶち殺されれば絶頂だろう。また、誘拐され拷問された人たちも彼の政敵だったら衝撃だろう。最後にニチャリと笑えばサイコスプラッター味が出る。金が人を変えるのだ~的な一文で絞めれば評価も変わるだろう。

 起承転結の転・結の部分がごっそり抜けていたので、「で?」という感想になるのだから、それをどうにか補えばいいのではと思った。

 

終わりに

 慣れない分野に触れて気分転換を図ったが、いまいちな気分になってしまった(;´Д`)

 まぁ、色々なものを試すことは大切だけど、どの分野でもまずは基本的に評価の高い物から試したほうがいいんだろうな(^ω^)

 

 

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