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エヴァンゲリオンの雑な解説とその見方

いよいよエヴァの新作かぁ…半分くらい忘れたので、簡単に内容を振り返ってその背景と新作の見方を考えてみる。

 

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(今週の一枚)あ~生き返るわ~(pixiv

 

ネタバレが多いので作品を楽しみたい方は注意してください

 

雑な概要説明

 時は2015年、陰気なシンジ君はなんだかんだでエヴァンゲリオンという巨大人型兵器に乗ってネルフと言う秘密組織で敵・使徒と戦うことになる。母が死に父に捨てられたと思っていた彼はエヴァに乗って活躍することで、父親に認められ、恋をして、みんなのヒーローになろうとする。そして、何度も挫折しながらついに使徒を倒し、彼はエヴァの真実に到達する。

 実はエヴァンゲリオンは人類を守る兵器ではなく、願いをかなえるための「鍵」だった。使徒をすべて倒しこの鍵を使うと、人類は一つの生き物になって大昔に分かれてしまった人類の本来の姿に戻る。彼は仕組まれていた計画の部品だったのだ。

 シンジ君の父親はこの鍵を使うことで世界を変え、死んでしまった彼の妻ユイ(シンジ君のお母さん)に会おうとし、ネルフは鍵を使うことで人類を「正しい姿」に戻そうとしていた。結局シンジ君は大人の願いをかなえるいけにえだったのだ。

 しかし、いいように利用されたシンジ君は素直に大人が思うように鍵として働かなかった。一旦一つになった世界を自分の都合のいいように作り替えだした。まったく新しい地球を作って、シンジ君にとって都合のいい世界を作ろうとした。

 新しい朝、あたかもタイムスリップしたような新しい世界で、彼の生活はうまくいくはずだった。…が、選択肢を変えてやり直してもうまくいかない。古い世界で消しきれなかった人達が邪魔をしたり、鍵の力が万能ではなかったため、新しい世界でもシンジ君が思い描いた結末にはならなかったのだ。困ったシンジ君は無意識のうちにもう一度鍵を使い世界を作り替える。

 そう、実はシンジ君は自らの記憶を消し、気づかない内に何度も何度も世界を作り替えていたのだ。そして、また新しい世界でも同じように失敗をして、嘆き、その世界を否定していったのだ。その度に鍵の力は衰え、彼は少しずつ小さくなってゆくいびつな世界を作り続けていた。

 何度も繰り返される終わりのない物語のなかで、失敗を繰り替えすシンジ君は救われるのか? 神様の様な力を持った彼を退治できるものはいるのか? 終わらない破壊と再生の地獄の中で映画は最終章を迎える。

www.youtube.com

作品に対する評価

 まぁ概要を読んでいただければわかるが、ネタに詰まって爆発落ち・世界崩壊…みたいな何十年前に流行った漫画の打ち切りネタを魔界転生っぽい仏教の輪廻を混ぜ込むことで物語をうまく繋いでいる。

 その物語に思春期の主人公達の感情やスーパーロボットキリスト教のいくつかの聖典にでる中二病ワードを加えることで、意味深な謎かけ作品となり、読者を引き込んでゆくやり方はすごくよくできているなぁと2020年に振返っても感心する。

 テレビ版→旧劇場版→新劇場版と言う形で時系列(世界の作り替え)が進み、シンジ君が今も苦しんでいるが、漫画版では非常にうまく完結した。こういったいくつものメディアミックスやオムニバスを含めるとエヴァンゲリオン/エヴァンゲリヲンと言う作品は歴史に残る作品だが、面白いかと言われると疑問が残る作品になっていると思う。もやっとする。

 その要因ははっきりしていて、繰り返し見てもさっぱり理解できないからである。なんとかの槍とか、何とか計画とか言われても全く内容説明はないし、一生懸命調べても核心に到達しない。ただシンジ君は苦しみ続けるのだ。話の過程はすごく面白いがオチが存在しないので、視聴者がどうとでも解釈できてしまい、それが20年以上も長きにわたって続いているためだともいえる。

 漫画版ではシンジ君が作り替えた最後の世界でエヴァの存在が消える。シンジ君はまったく普通の男の子に戻って物語が終わる。これが最もしっくりくるオチで、それ以外の作品では話を宇宙レベルにして気持ち悪いグロ画像でごまかしているが、内容自体は天丼なのでかぶせすぎでつまらなくなっている。

 また、作品の根底にある生まれ変わる苦しみを上手く表現・昇華できていないために、映像の美しさやキャラクターの個性で乗り切ろうとしたが、それも前作Qで限界に達してしまい本当に話をたためるのか多くの人が疑問に思っているのではないかと思う。

 つまり、作品の過程としては超一流であったし、話の引っ張り方やキャラはどんな作品にも負けない個性を持っているが、オチを含める作品全体はひどくつまらない凡作と言う評価になる。

 

現実に与えた影響

 作品内容を一言にまとめると、「シンジ君が神様になって苦しむ話」である。この万能感と絶望がセットになって世の中に色々と影響を与えた。振り返ると正負2面が挙げられる。

負の面

 当時の経済状態がとても悪い中で、作品が大ヒットした。特にテレビ版後半のなぞなぞが議論を呼んだ。現実の不況や不安とアニメの終末思想的印象が醸成され、アニメにその答えが求められたが、テレビ版は謎をすべてほったらかして終わった。大批判を浴びたが、一方、これが実に当時の若い人の心に棘のように刺さった。そして、これを出汁にしたインチキ商売や新宗教がいくつも偽の答えを提示したが、一番大きいものがオウム真理教だろう。その後、サリンVXガスを使った無差別テロ・殺人に至った経緯を見れば、この作品の破滅思想に多くの類似点を見ることができる。多くのメディアや広告代理店がなかったことにしているが、最も大切な点だと思う。

 もちろん、この作品が悪と言うわけではない。金儲けや洗脳をしているエセ宗教団体(北朝鮮系テロ組織)を野放しにした社会が最も悪いし、日本全体がそういった鬱な雰囲気であり、この作品はむしろその被害者と言える。しかし、注意しないといけないことはこういった破滅的宗教観を混ぜた作品は容易に利用され、弱者や心の弱った人が食いものにされる点である。自分もこの作品が流行っていた時にオウムや似非宗教によく勧誘されたし、下手すると入信していたかもしれないと思うと恐ろしい。

正の面 

 一番はキャラクター商法の成功だと思う。謎な物語を背景に綾波レイ惣流・アスカ・ラングレー、渚カオルのキャラデザインとイメージアップはその後のアニメに多大な影響を与えた。これは物語の難解さ反比例してわかりやすいキャライメージと当時の男の子(女の子)が求める女子(男子)像を上手く包括したためだと思うが、これらキャラを使ってメディアミックスを限界まで広げ、まるで偶像崇拝やアイドルのように宣伝することで、アニメやコラボ商品を売り上げ大幅増につなげた。このキャラクター商法は広告として革命的で、このラインをなぞるように今も進撃の巨人鬼滅の刃を売り上げていることを考えるとそのすごさが分かると思う。

www.itmedia.co.jp

 エヴァ以前にも同様の売り方をした作品はいくつかあったが、どうしてもアニメ特有のイモ臭さがキャラに出て一般受けしなかった。しかし、エヴァ以降はスマホやネットの普及もあり、アニメキャラは「一般広告に使える」と言う認識が生まれた大元の作品ということができるのかもしれない。

jp.ub-speeda.com

 

なぜ地獄が続くのか

 エヴァのストーリーは何度も生まれ変わって失敗を繰り返すいわば無間地獄であり、その中のシンジ君の心象は庵野監督の心理を強く反映したものだと言われている。つまり、映画を作り続けることは監督自身がきついと思っている感情を何度も何度も描き続けていることになる。これは傍目に見ても苦しいことはわかるし、一旦終わった物語(シンジ君が世界を再生しなければそれで終わり)を繰り返し再生してしまうには理由があると思う。

 それは作品への思いよりも「金」だろう。

 庵野氏はエヴァ以降いくつかのアニメ作品や実写作品に携わり、代表作と呼べるエヴァンゲリオン以降主に実写映画に注力していた。ご本人もアニメーションから離れて新しい世界に自分の新しい可能性を見出そうとしていたのだと思う。

movie.walkerplus.com

 新しい風・独特の映像美を目指した作品を作るなかで、しかし、突如として彼はエヴァに戻ってしまう。新劇場版制作の合間に完成したシン・ゴジラにしても、エヴァンゲリオンヤシマ作戦の焼き増しであり、それまでの実写の作風とは異なる。

diamond.jp

 この原因はおそらく制作会社のガイナックスがあまりのドンブリ経営のため傾き、そこから脱出する形で新制作会社カラーを設立して資金を作らないといけなくなったためだろう。その流れの中で、タニマチのSANKYOBisty)が新台売るために、エヴァの新作映画を作る契約(延長)をしたと考えられる。

 また、新劇場版シリーズはいずれも中途半端な出来(使いまわし・ストーリーの破綻など)でかなり無理をしてリリースされているが、パチンコ・パチスロの新台発売スパンと新作映画発表は綺麗にリンクしており、映画が雑な出来でもリリースしてしまうのは、ファンを見て作り込むというよりは新台発表を見て行動していると思われる。

2d-ps.com

 つまり、今のエヴァンゲリヲンはパチンコ・パチスロの販促映画であり、物語を楽しんだり、オムニバス的に戦闘のワンシーンにワクワクするために作ったものではない。

 作中のシンジ君の無間地獄同様、エヴァ製作陣が不完全な失敗作を繰り返し作り続けてなくてはならない様を見るとなんとも因果なものだと感じてしまった。

 

どうエヴァ映画を見ようか

 ぶつくさ言ったが、自分を含め多くが結局映画館に足を運ぶんだろう。そうしたときにどういった心持で映画館にいけばいいのだろうか?庵野氏の苦痛を感じるべきか、パチンコの販促と見るべきか、20年にも及ぶ物語の終わりと見るべきか、純粋に映画として見るべきか…

 一つ言えることは期待しないことなんだろう。まぁ強引に延期したから無理くり作るだろうし、物語は終わらないし、シーンはつぎはぎで、フルCGの戦闘シーンなんかもないかもしれない。厳しい現実を映画から感じるのではなく、歴史を感じればいいのだろう。

 

終わりに

 少年エース創刊号(巻頭表紙はシンジ君とエヴァ初号機)を買ってからもう20年以上たった。買いに行った本屋はもうないし、物語の謎もネットですぐわかる。時代は変わり、ブームは過ぎた。

 それでもまぁ…見に行こうか(^ω^)

 

 

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