nipplelfsblog

nipplelf’s blog

1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

キラキラとした見栄えする絵を描こうと苦労する

なかなか見栄えのする絵を描けない。どうしようかと考えるとキラキラさせればいいんじゃないかと思った。そこでどうすれば自分らしく輝くかを考えてみた。

 

f:id:nipplelf:20200113113027j:plain

(今週の一枚)コンコンと降った雪の道をコンコンが進む(pixiv

 

 

色の輝き

色と距離と明るさ

 遠近感にかかわる色とその効果については以前つらつらと考えたけれど、色によって輝きを表現できるかということについては考えていなかった。

nipplelf.hatenablog.jp

 上の記事では太陽を光源として、そこからの距離や印象としての色の効果を考えた。技術的にハイライトやオーバーレイをかけてソフト的に明るさを出すことに主眼を置いたが、何が明るい色かそれとも暗い色かと言う点でははっきりとしない。そこで、光の強さとイメージの明るさや暖かさを起点に色を考えてみた。

 

明るい物理的な光の強さ

 物理的に見れば光の色の強さは波長の短い色が目に与える影響が強く(波長が短い=周波数が高く、刺激が連続して眼に打ち付けられる)、単色光を見た場合、青色が強い光、明るい色ということになる。しかし、「青い色と赤い色どっちが明るい色ですか?」と聞かれると、う~ん赤じゃないかと言う答えの方が多いのではないかと思う。

 これは目が感じる強い光と物理的に存在するエネルギーの大きい光と暖かいと感じる色は一致しないことから起こる事象だと思う。必ずしも感覚と現象が一致しないという言ういい例となる。風水や占いで言うラッキーカラーの価値や色相差を使った暖色寒色の使い分けなどはここに起因するのではないかと思う。

www.ju-town.com

 

色相と明るさ

 そこで、現実的な物理現象と印象に与える色が違うため、「明るい色」と言うものが決めきれないが、ここで仮に、ここでは暖かい色を「明るいと感じる色」とする。そうするとより感覚的に明るい、暖かいと感じるものが出す光や色こそが明るいものとなるので、その色を連想してみる。

 手元にあるもので温かいものは「手」であるし、この季節であれば「ストーブの火」なんかがぱっと思いつく。そうすると手の赤身やストーブの炎の色が明るい色となるので赤や黄色、オレンジ色が色相で明るい色(いわゆる暖色)となる。

f:id:nipplelf:20200113144404j:plain

(暖色が多い絵: 暖かいが明るくはない)

 

 しかし、実際にそういった暖色が多い作品を作ってみると、そんなに明るい感じにはならなかった。むしろ、ホワンとした感じが出てしまい、眠くなるのでより暗く感じてしまう。

f:id:nipplelf:20200113144747j:plain

(寒色が多い絵:寒々としているが明るい)

 

 一方で、寒色が多い作品を作ってみると、非常に強いトゲトゲとした印象を得るとともに明るい印象を受けた。エッジの際立ったすっきりとした印象を得るのではないかと思う。

f:id:nipplelf:20200113145837j:plain

f:id:nipplelf:20200113145849j:plain

(色相を反転した絵:明るさと言う点では反転前と変わらない)

 

 試しに色相を反転してみると、やはり青色の方が強い印象を得る。しかし、明るさの印象やエッジの分かりやすさと言う点では元の絵と変わらない。明るさと言う点では色相の違いは変わらないということが分かると思う。

 

目が感じる明るさ

 では、何が雪山の明るさを担保しているかと考えて、色々データパラメータを弄ってみると、一番の差が明暗や色相でなく、より白色が多い方が明るいという答えに行きついた。

f:id:nipplelf:20200113151728j:plain

f:id:nipplelf:20200113151742j:plain

(モノクロにした絵:上は黒が多く、下は白が多い)

 

 モノクロにしてはっきりわかるが、色相は明るさの担保にならず、彩度と明度の組み合わせが重要となる。

f:id:nipplelf:20200113152158j:plain

(明るい色のイメージ:色相は関係なく、彩度と明度の上昇が必要だった)

 

 しかし、ここで大切なことはコントラスト差やグラディエーションの評価ではなく、いかに「白色」の割合(白色に近い色の割合ではない)が多いかということで明るさが変わってくるということであった。単純に明るい絵を考える際、陰影のバランスを考えると暗い場面にポツンと光点があると印象のある絵が作れるが、絵全体の明るさを考えた場合はやはり暗い絵になる。

 

白の割合

 そこで、もうちょっと突っ込んで、その白(黒)色に近い色の割合はどの程度であれば明るいものになるのかということを考える。

 すると、どうやら適切な割合には限界幅があるみたいで、自分が最も明るいと感じる白色の割合は完全に白もしくは黒の割合はそれぞれ5%程度で、必ず起点となる暗さ(明るさ)がないと明度を認識できず、完全な白(黒)を除いてしまうと、トーンカーブを使ってグラディエーションマッピングを比較しても、あまり明るさに差を見ることができなかった。

 「見てくれ」と言う意味ではや柔らかい色彩・色相の変化があると立体感を見ること出来るが、単に「明るさ」と言う意味では端っこの白黒の割合をコントロールしたほうがいいのではないかと思う。

f:id:nipplelf:20200113154637j:plain

(白黒の割合:上段 元絵、下段 色相反転、左中央右で白の割合と明るさを比較)

 

 例として、雪山の絵を分割して色相を反転したものを比較すると、完全に白色と黒色を持つ上段中央が最も明るく感じ、黒色が多い下段右のが最も暗く感じた。

 

 結論としては、目が感じる明るさは「白黒の割合」と暖かさ・強さは「色相」であり、明るさと印象を別の要素としてみたほうがいいとなる。キラキラさせるには彩度と明度を意識するよりも絵のどこかに白と黒をほんのちょっと加えることが大切なんじゃないかと思う。

 ただ、これについては多分に主観が混じっているし、使っているディスプレイによって見え方が変化するので、絶対的な答えはないと思う(自分の場合は2K31インチモニタ、FHD24インチモニタ、8インチディスプレイで見た総評)。

 

キラキラ栄える絵を作る

 見栄えのする明るい絵を描くということは(彩度・色相)と(明度)を別に意識し、部分的に真っ白真っ黒にすることではないか…という観察となったが、試しにそれぞれやってみた。

 

見栄えのする鮮やかな絵

f:id:nipplelf:20200113172048j:plain

(彩度と色相を意識した絵:奥に青、手前に赤を意識して配置)

 

 背景絵になるが、意識的に色分けをして、強く印象を出したい部分(天空城)を見せるためにその周辺に寒色を配置し、暖かい印象やぼやけたイメージを出すために天球城を包むように 暖色を配置した。間に緑色を多めに入れることで色にグラデーションを作って、中央部に目線が行くのではないかと思う。

 背景絵として考えると、合格の域に達すると思うし、このままゲームのADV形式に使ったりするなら、キャラの押出しを損なうことなく見栄えのいい絵ということになるが、これ単独をデジタル絵として見ると、不十分ではないかと思う。絵の中心はお城であり、より強くそれを意識づけるなら、明度の変更と白と黒の割合を出したほうがいいと思った。

 

キラキラした絵

f:id:nipplelf:20200113173421j:plain

(明度を意識した絵:中心の太陽を白、陰を多用して全体的に暖色を配置)

 

 こちらも背景絵になるが、意識的に色相を狭めて明暗さを強く意識した明るい絵を作った。中心となる太陽を強く意識することでキラキラとした絵になるし、日差しや街の明かりを暖色にすることでメリハリが効いて物ができたと思う。

 パッと明るい印象を作ることができたので、人目を引き付けるにはこの絵はまずまずのできたと思うし、何かイメージを補助するような言葉を入れたりすることで強い方向性を入れる余地を作れたと思う。

 しかし、若干チカチカするため太陽を見た際に山際の村をよく見ることができず、焦点が若干弱くなってしまうような気がする。光源の配置もあるが、色相を限定しすぎたため単調な印象が強く、この絵のみではイメージの幅が減るのかもしれない。

 

見栄えのするキラキラした絵

f:id:nipplelf:20200113174628j:plain

(色相と彩度、明るさを意識した絵:黒が不足していたので文字を加えてみた)

 今週の一枚をもう少し加工した絵になる。全体的に暖色に見えるが、各所に青色を潜ませて、チャンネルを弄ることで、外延部を少し青を強調して太陽を中心に色にグラディエーションを付けた。また、日光と反射する水蒸気とキツネの背を白くすることで5%を完全に白色にした。さらに、黒の割合が元絵では不足していたので、ロゴを入れることで、黒色の割合を増すことにした。陰に黒を追加することも考えたが、彩度のバランスが崩れるのでそれを維持したままこの形になった。

 だいぶキラキラ見栄えが良くなったのではないだろうか?

 ただ、問題が一点あって、文字というかセンテンスでこれだというものが浮かんでこななかった(;´Д`)(家に帰ろうってなんだよ・・・)

 かっちょええ単語を見つけたりするワーディングセンスが欲しい(-_-;)

 

終わりに

 試しにやってみたことなのでこれが正解ですとは言えないが、線画が厚い(黒が多い)場合はそのどこかに白線を入れたり、逆に絵全体が白い場合は黒い線を入れるだけでもだいぶ印象が変わるのではないかと思う。ほんの少し、白と黒の領域を作ればいいだけなので、損はないと思う。

 ま、ちょっとした工夫でうまくいけばいいかなと言う豆知識を得た感じ(^ω^)

 

 

 

☆同人CG販売中

 

COPYRIGHT Nipplelf ALL RIGHTS RESERVED.