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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

アマゾンがなんでコノザマになったか

最近、アマゾンで買い物したいけどできない。信用できない商品が溢れている。なんでこんなことになったか調べて考えてみた。

 

 

新春おみくじ2020www.pixiv.net(今週の一枚)新春おみくじ(pixiv

※gifが制御できないので、サイトにジャンプして遊んでください※

 

 日本の有名な総合ECサイトと言えばamazon楽天だけど、以前であれば個人的に楽天は検索やサイトビューが良くないのであまり利用しなかった。そのため、よくamazonを利用していたが、ここ数年、特に2018年後半から著しく使いにくくなった。聞いたことのないブランドや明らかに嘘くさい日本語のレビューが並ぶ。あてにならないので、商品ごとに買うサイトを変えるようになった。正直面倒くさいんだけど、なんでこんなことになったのか調べて考えてみた。

 

amazonの苦戦

 世界的ネットビジネスの雄アマゾンであるが、デカい分、色々問題が出ている。

 ここ数年、日本で一番報道されたのが、ヤマトとアマゾンの運賃をめぐる交渉で、これによってアマゾンが個人運送と契約したりとアマゾンプライムへの誘導が活発化したりしたが、極端に安いものを買わない限り送料無料が維持されたのは意外だったと思う。

www.itmedia.co.jp その分、雑な配送をされたりトラブルも増えたが、基本的には配送サービスは維持され、アマゾン側のコストは当然上がる。

 

一方、ヨーロッパではパナマ文書から続く課税逃れに関してもめた。

jp.reuters.com フランスでは追徴されることとなったし、今後世界展開を維持するにしても、現地で商売をしたら、その分納税することになるので、ヨーロッパでは思うように利益が伸びないことになる。

 

 次に大きかったのは中国のCtoCからの撤退であると思う。

www.bbc.com 巨大市場として注目されていた中国のネット通販事業だけれど、結局シェアの10%も取ることができず、政治的摩擦を含め今後10年を見通した場合、飽和した市場に価値を見出せなかったことと、アメリカ政府との兼ね合いを見ると、北米を取ったとみていいと思う。

 

 しかし、その北米市場でもいくつか大きな問題を抱えていて、その一番が労働問題であると思う。

www.bbc.com 労働者を安くこき使っていたことがバレて、批判に耐え切れず賃金引き上げをしたり、雇用環境を改善せざるを得なくなった。これにより営業利益は大幅に下がるわけで、業績としては下方修正される。

 さらに、アメリカ政府との関係がこじれまくっている。

www.cnbc.com アマゾンプライムの映像事業などネットワーククラウド関係に力を入れていたアマゾンはその延長で多くの関連ビジネスに手を出しているけど(通信規格sideworkやプラットフォーム事業など)、クラウド事業での契約でおそらく中国関連が原因でアメリカ軍とうまくいかなかった。

 事業として1兆円規模の契約がぽしゃったので大騒ぎしたといえばわかりやすいと思う。

 

 ここ数年をまとめると、事業は拡大しているけど、既存のビジネスで収益構造の悪化が続き、苦戦していることがうかがえる。

 

FBAの功罪

 そんな中でもアマゾンは頑張っている。fullfillment by amazon(以下、FBA)の拡張は大きな変化だと思う。効き慣れない言葉であるけれど、簡単に言えば、アマゾンに商品を置いておけば、注文から配送まで全部やってもらえるサービスである。アマゾンマーケットプレイスはFBAを基本として成り立っていて、アマゾン側としては販売側から倉庫代と手数料を取れるし、販売側としてはめんどくさい取次や各種手続きを省略できるので、win-winのビジネスになるシステムである。

 確かに、自分が個人や小さな法人として何か売ろうと思ったらFBAはものすごく助かるサービスであるし、中間業者を排除した点では革新的なことは間違いない。

 そして、このサービスは2018年から大きく変わり、国境を超えるものになった。例えば、近所の工場で受注生産したフィギュアをアマゾンの倉庫に保管しておけば、世界中のお客さんに向けてそのフィギュアを販売することが可能となり、置いておくだけで海外のフィギュア愛好家に商品が簡単に売れるという物である。

 


「第2回 Amazon Academy」 第3部

  いままでであれば、amazon.co.jpamazon.comは名目上別会社、別サイトであったが、その敷居を取っ払うことでより多くのビジネスチャンスを得るというすごい試みである。

 しかし、手放しで喜べない点もある。日本→海外という一方向のビジネスではなく、海外→日本も可能となり海の向こうからもタッチされる。転売する人は海外で買い付けたものを日本人に売るということになる。

 転売・輸入代行をする人が個人や外国籍の場合、もし商品に欠陥があるとその保証や信用はどこに帰着するのかはっきりしない。製造元の企業、販売元の個人、場所を貸したアマゾンはそれぞれ越境するので、法的にもグレーゾーンになってしまい、大きな事故が起こった場合、その責任を問えないことになる。

 

OEM商品とAlibaba転売

 日本のいままでの商売は「企業」が生産・製造委託したものを「個人」に売るスタイルが基本だと思う。所謂、Besiness to Customer(B to C)なんだけれど、アマゾンがFBAで始めたことは Customer to Customer(C to C)の拡大である。

 上の動画では日本の中小企業向けのプレゼンになっているが、実際のアマゾンのサイトを見ると、どこのものとも知れないメーカーの謎の商品が溢れている。メーカーをしつこく調べてみると深圳のひなびた工場だったり、香港のアパートだったりして、その多くが中国の個人か1人親方的な企業だったりする。そんな商品群をさらに調べると、大きく2つのパターンが見える。

 一つはOEMで作られたものになる。個人が適当にブランド名を付けて受注生産するものともいえる。日本では製造費が高いので、中国の業者に依頼して製造して、それをアマゾン倉庫に入れておいて売るパターンである。

www.jetro.go.jp

 もう一つはAlibabaなどの中国ECサイトからの転売である。

www.tmall.com Alibabaの日本サイトを覗くと明確に転売しようぜ!なんて書いてあって清々しい。もちろん、このサイトでは日本から中国へ販売しようと書いてあるが、逆に言えば、中国人には日本人に売れと書いているといってもいい。

ja.aliexpress.com

 調べればわかるが、アマゾンに売っている商品が上のaliexpressで格安で売っていることから見ても、明らかだと思う。

 アマゾン直売のB to Cを減らし、FBAのC to Cを増やしたため、今のように混沌としたアマゾン商品群になったのだろう。

 

輸入品の安全性

 中国産の微妙な商品を個人(日本人、中国人問わず)がアマゾンで売っていることが分かってきた。つまり、謎の商品はロゴを適当に張ったなんちゃってブランド品なのである。

 でも、それって大丈夫なのだろうか?

 衣料品や雑貨ならはずれを引いてもまぁしょうがないかとなるが、PC関連やモバイルバッテリー、家電製品の粗悪品を使った場合、最悪爆発したり火事になる。本来、欠陥品や歩留まりの悪い商品を出さないようにするシステムが日本にはあって、検査に合格しないと販売できない。

 

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経済産業省電気用品安全法ページより抜粋)

 

 そして、アマゾンのマーケットプレースで問題になってくるのは、無検査で販売しているものが多数あり、製造者責任や販売者を明らかにしないままのケースが非常に多いことである。

sellercentral-japan.amazon.com PSEマークがついていないものをそのまま売ったり、偽造したPSEマークを付けているものもあるらしい。

xn--y5qs5fbt3arn0a5rgs6l.net

 電気用品安全法改正され、表示が厳格化されて以降はそういったものは減る傾向にあるようだが、アマゾンマーケットプレイスはC to Cであるため脱法的に危険な商品が出回ることに歯止めが効かないのが現状と言っていい。

 

これからの使い方

 ま、はっきり言って欲しいと思ったら、食品や電気系は多少高くても別サイトでB to Cのまともなものを買ったほうがいい。それでも欲しいなら、評価を他サイトの比較したり、桜チェッカーを使うべきだと思う。

 また、最近のアマゾンでは販売業者の氏名などの情報を公開しない方向になっているので、C to Cで販売側と交渉ができず、基本的にアマゾンはクレームを受け付けないため、商品は交換でなく返品になる。そのため、品物が使えない前提で買い物をしたほうがいい。

 さらに、匿名の悪意を持った個人がアマゾン内で活動できるため、レビュー偽造や詐欺が横行するようになっており、住所を教える取引相手には注意すべきだし、判断がつかない場合はコンビニ預かりにするなどして、一つ間を置かないといけない。

matome.naver.jp

  販売傾向を追うと、これからアマゾン内に急速にこういった問題が起こることが容易に想定されるので、自己防衛は必須だと思う。

 

 終わりに

 「アマゾンでポチる」っていう標語は大好きだし、面倒な手間がなかったこのサイトにはすごく助けられた。でも、利益を出す為に業態を変えざるを得なかったのかなぁなんて調べていて感じた。

 それでも使っていきたいサイトなので、どうにかクソ商品やインチキ野郎は排除してもらいたいものである(;´Д`) 

 

 

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