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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

金を払わない客はいい客なのか

ネットでデータや物品の売買をする上で値付けは大きな問題になる。果たしてこれをどうすればいいか経験から考えてみた。

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(今週の一枚)冬山の朝(pixiv

 

 コロナ禍の中、ネットビジネスが全盛になりつつある。年寄りから子供まで電子マネーを使って商品の売り買いをする姿はほんの数年前までは珍しい光景だったが、今はよくある日常である。

www.soumu.go.jp

 そんな中で、自分は約5年前から当ニッペルフアカウントを含めて個人で作成したデータや物販を細々とやっており、色々と問題にぶつかることがあった。今回はその中でお客さんをお金の支払いの有無で分け、ネットにおける購入意欲がどう変化するのかの考察を書いてみようと思う。

 まぁ、売上数としても5年でせいぜいデータで1万個くらいの比較的小さな出入りなので統計的なものではなく、個人の感覚的なふわっとしたものと見ていただければ幸いです。

 

無料の客

 結論から書くと、基本的に無料はやるべきではない。よく見知った人に限定すべき。

 

無料の構造

 まず、前提として「○○無料!」というテキストは様々なサービスで人目を引く。何かを売ったりゲームに参加させる(数合わせ)のはネット・SNSビジネスの典型だと思う。これは企業や大手キュレーターが大量の宣伝費と共に投下される餌みたいなもので、無料にしてもお客の時間を奪うことで最終的に何らかの利益を得る構造になっている。

 これを個人でやろうと色々な人が苦労している。お客に自分の作品や情報を「売る」場合もあるし、楽しみの一環として無料で自分のデジタルアイテムや情報を見ず知らずの人にプレゼントする場合もある。無料にも色々意図があるが自分は純粋に無料商品に対して個人で売り上げ・宣伝効果があるか疑問に思っている。

 

自分がやってみた感じ

 自分はいくつかの無償行為を行っている。多くは遊びの一環として絵をプレゼントしたり、お役立ち情報を流しているといった行為だ。基本的に楽しいからやっている。層はできるだけ広く拾っているけど、残念なことに篤く感謝されることはほとんどない。逆に作品や情報を盗まれたりすることもある。その分、お金以外でお返しをいただける場合はその人が大変優しい気の利く人なんだろうと気づく。世知辛い世の中である。

 一方で、遊びの延長ではあるがビジネスとして自分に係る様々なリンクのアクセスからのお客の出入りを試験的に調べている。その中で、意外なことだが、無料の場合を見ると、レスポンスもないし宣伝効果もほとんどなかった。

 

 また、無料案件なんてのもあって

  • ボランティア(お気持ち満足)の場合
  • 宣伝になるなどお金以外の利益がある場合

なんて条件が送られてくることもある。一見よさそうに見えるが、招待する側はかなり悪意を持っている。企業の場合は無賃労働・奴隷探しと同義だし、個人の場合は口車に引っかかった馬鹿を利用している程度にしか見ていない。言葉は綺麗でも行動を見るとはっきりしている。個人・企業・大学・自治体とこの傾向は変わらない。まぁ、これは商売の基本だし、現実でもネットでも変わらないと考えてもよい。

 なんだかんだしっかり料金を取らないといびつな関係になってうまくいかない。対価を払わない・払えない奴はその商品に価値を作れないので、その先のビジネスにはつながらないし、気持ちが満足することもない。

 

お客側の価値観

 自分の場合、どの方向からも無料配布・作成がうまくいかない場合が多いが、自虐的になってもしょうがないので、この効果の意味をブツブツと考えてみると傾向から一つの答えに行きつく。それは無料配布は受け取る側が「お客様」になる場合がとても多いという点である。彼らは「無料で得られるもの」は「価値のないもの」と強く認識する傾向がある点ともいえる。これはインターネットの方が対面よりもとても高かった。

 

 そこでネットユーザーの行動傾向を考えると、我々の立脚しているインターネットは一見広大で情報の刺激に溢れているが、それを使うユーザーはある程度環境をそろえてしまうとそこから動かなくなることが知られている。例えば、Yahooで記事を毎日見る人はわざわざ新聞サイトを開かないし、Twitterをする人はInstagramにはアカウントを作らない。youtubeのお勧め欄は同じようなものになる。どうやらこれが無料に価値を見出せない理由みたいだ。

 この行動傾向を変える施策が広告や無料の役割だけど、特にネットに関してはこれがほとんど機能しない。これはネットに過剰な情報があり、データはほとんど無料で手に入る(…と錯覚している)からである。エロにしろ学問にしろ政治にしろスポーツにしろ表面的なデータがSNS上で処理できないものとしてユーザーに流れてくる。無料品はその流れの一つとなって無為に消費されているようだ。

 この「無料」=「無価値」が根底にあるから行為自体が低く見られて、いくら善意を持とうがその後のビジネスを見据えようがお客からはあほに見えるみたいだ。

 

 結局、「無料」の行為は想像以上に販売・制作側が「損をする行為」であるとわかる。アフィブログyoutube投稿のように広告費を得るスタイルか、大企業のようにステマしたり大々的に広告費をかければ違うのだろうが、個人で販売をやるなら、損を覚悟で範囲をかなり限定すべきだろうという結果に落ち着いた。

 

有料の客

 どの角度から見ても無料は損をする行為である。SNSでいいね系が何万もあって自尊心が満たされてもそれ以上の利益には繋がらない。無料の客と有料の客の間には深くて大きな谷がある。

 …ではどうすればいいかと考えると、答えはお金を取る方向にあったりする。

 

客の傾向

 自分は色々な金額の物を売買するけど、当然安ければ安いほど物は売れる。また、ここで大切な点があって、例え少額だとしても無料配布より有料配布したほうが多くの人が作品に興味を持ったり好意的な印象を持ってくれる。おかしなことだけど、ただで配るより、同じものを10円でもお金を取った方がお客が勝手に価値を見出してくれるのである。

 おそらく、上記の「無料」=「無価値」という基準から外れるため、買ったものを価値のあるものとして認識してくれるようだ。そこに大きな違いがある。もし、自分の作品の価値を高めようと思うなら、ただは絶対ダメということだろう。

 逆に自分の商品に絶対的な価値を付けることができればはいかようにもなる。特に美術作品(エロでも)はレッテルの塊でどう価値づけ・どう見せるかで客の購入傾向は変わる。

 

客の払う金額

 自分の場合、そういったレッテル・勲章を持っていない素面の商品である。それを売る際、大まかではあるが、お客が実際に払う金額が、~20円、~1000円、~3万円で販売数に変化が出た。実売20円以下はお試し品や処分品のようなものを配布すると非常に多くの人が反応してくれるが、面白いことに20円を超えると反応がとても悪くなる。また、この山が1000円付近にもあって、消費税込みで990円と1000円超えでは倍以上販売数が違う。同じような傾向が3万円付近にもあるが、3万を超えるとほとんど売れないし、購入者の声がとても小さくなるので心理的販売境界線はそれ以降もあるのだろう。

 日本人の可処分所得(使える金)が徐々に少なくなっているので、この辺は年とともに変化するかもしれない。

 

客の値引きへの興味

 金額的傾向と並んで気になるのが値引きについてである。スーパーでお勤め品ならよく売れる…みたいな話を聞くけど、ネットならどうなるんだろうか? 実際やってみると意外と大きな差ができた。物販は値引き効果なし。エロは50%や95%OFFのような大幅値引きには強い反応を示すけど、小さな率には効果がない。その他一般ネット販売は実売価格に依存した。

 これはある程度競合が存在すると表面的な美しさやDL数・検索数が少ないと評価の範囲に入らずはじかれてしまうので、単純に金額での多寡では測り切れなかった。しかし、少なくとも990円よりは19800円の95%OFFセールを定期的(実売価格990円)に行う方が売り上げはいいようだ。

 

お客の気持ち

 貧乏人がスマホゲーに毎月何万も払うようなシステムが世の中の大勢を占めている。これがいいかどうかはわからないけど、ネットのデータ販売は結局のところ買った人が満足できるかどうかという心情の問題を多く占めている。

 もちろん、これはエンドユーザーに限った話で素材や物販の場合はまた違かもしれないが、大切なことは、彼らエンドユーザーは商品のアウトプットに対して金を払うのではなく、金を払った自分の行為を見て満足している傾向がとても強いという点だ。

 何か素敵なものを見つけて購入して手元においても、彼らはそれ自体を見ていないとも言える。デジタルデータ故の悲しい話だけど、そういったお客の描く虚像に対してうまくアプローチするためにも適切な値付けや商品価値の維持は大切なんだろう。

 客観的にいいものを作るのではなく、客の主観的に満足できるものを売りつける雰囲気が大切と言えるのかもしれない。

 

終わりに

 実は、大切なのは金額の多寡でなく満足度が重要で、「損をした」と思わなければ値はいくらでもいい…というのは変な感じがする(;・∀・)

 まぁ、買ってくれた人が楽しんでもらえればいいか(^ω^)

 

 

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