自分は原発賛成派だが、今の原発行政による稼働は反対だ。原油高騰時にどうなるか考えてみた。

(今週の一枚)無想昇狸(Pixiv)
エネルギーについてあまり詳しくないので、この紛争を機に少し調べてみた記事です。
紛争のゆくえ
アメリカによるイラン攻撃とその反撃によるホルムズ海峡閉鎖により、原油価格が高騰した。もし、このまま海峡閉鎖が続くのなら、いくら値を上げても原油そのものがなくなる事態となる。石油を前提とした世界経済が揺らいでいる。
各国の思惑と現状を簡単に書いて今後を予想する。
この紛争の発端になった出来事は、ガザ地区にいたイスラム武装組織によるイスラエルへの攻撃と虐殺、拉致である。当時、汚職発覚で死に体だったイスラエルのネタニエフ政権はこれ幸いとガザに侵攻し街を廃墟に変えた。ガザが落ち着くと周辺国の関係組織へ攻撃を開始し、ついにはテロ組織の根元であるイランへの攻撃がアメリカとの共同作戦により開始された。イスラエルでは最初の拉致以降に穏健派が消え極右と組んだ政権が安定化した。つまり、紛争を辞めれば汚職追及と戦争責任を問われるので、現イスラエル政権は戦争を辞めることができない。
イランと言う国は国ではない。国体を持たず、建前上で宗教指導者をトップに置いていたが内実はバラバラだ。例えば、イラン国軍とイラン革命防衛隊は別の組織であり装備も統制も異なる。中央集権化できないため、権力闘争が常にありアメリカ介入の有無にかかわらず不安定だ。また、その中に各武装組織が暗躍して各国に混乱の種をまいており何が何だかわからない。そのため、一旦紛争になると地域に潜む武装組織が好き勝手に戦っていた。なんとか政府を運営していた人達が暗殺されたイラン政府には力がなく現実的な交渉はできない。
アメリカはシェールオイル採掘以降に原油の純輸出国になろうとしている。埋蔵量は莫大だが、砂漠の国と比べて経費が掛かり過ぎ、割高商品なのが難点である。今回は中東原油を止めることに成功して、イラン原油の大量輸入国である中国に大打撃を与えることに成功した。
ベネズエラ大統領拉致に続く軍事行動なので、アメリカの意図は中国の経済破壊の意図が強くイスラエルへの支援の意味は比較的薄い。また、原油価格高騰により、採算性が上向いたアメリカ石油産業は活気づき、意外と景気が上向く可能性もある。トランプ大統領による意味不明なSNS投稿はアメリカによる原油の販売戦略の一環なのかもしれないが、中東の石油利権をアメリカに移す長期的戦略の一環なのかもしれない。
我が国は精製を自国で行えるが原料の原油のほとんどを中東に頼っている。この紛争により経済危機に陥る可能性がある。日本政府はトランプ政権にべったりで、なんらかの経済的譲歩を行っている最中だ。
北のアラスカの油田開発関与を発表したが、石油依存を中東からアメリカにシフトする可能性もあり、日本側はこの紛争を理由に投資計画を練り直すのだろう。
まとめると、今回の紛争は石油利権の移動がテーマだろう。アメリカは原油輸出国としての地位を高めて世界の支配を狙っている。我々はその波に翻弄されている。紛争は中途半端に続きそうで中東の石油はずっと高値で供給が不安定になることが予想できる。
原発が動かない理由
自分は原発賛成派だ。石油の価格がこれから値上がりし供給も不安定化するならジャンジャン原発を動かそうという世論誘導がされるだろう。
しかし、わが国で原発再稼働や新規原発建設は難しいと思う。
理由は高価だからだ。
世界各国で生成AIや電気自動への投資で電気の需要は爆増している。その需要を満たすには莫大なエネルギーが必要で、安定的供給には石油か核燃料しかそれを満たせない。紛争で中東原油が不安定化するなら核燃料への依存は大きくなる。特に中国は今回の件で一番の被害国で、戦略物資として核物質確保は絶対となる。そのため、これからウランの価格上昇は容易に予想できる。金価格みたいになるのかもしれない。
また、日本においてプルサーマル計画を何十年もやってきた。高速増殖炉稼働が不可能となったが、その代替として使い終わった核燃料からプルトニウムを分離・濃縮してそれを劣化ウランと混ぜて新しい核燃料を作り使う計画だ。これを繰り返せば、ほぼ永久に減らない燃料となり永久にエネルギーを生み出せる。しかし、これがうまくかなかった。
再生燃料は危険性が高く専用炉が必要だが未だにそんな施設は作れない。現状の原発燃料にちょっと混ぜて使う程度で再生燃料の使い先がない。肝心の再生燃料製造も、プルトニウム分離は日本国内ではできず、委託したフランス・アレバ(経営不振で会社分割され燃料業務はオラノ社)でも分離は1回が技術的限界だ。何度も分離できないなら計画はずっと無理筋だった。
また、この再処理を前提とした使用済み核燃料が日本・フランスで各地に山積みになっており、すでに保管庫はいっぱいで分離したプルトニウムも使う当てがないため大量保有に核兵器製造を疑われている始末(実際は日本国内にあまりないから難癖ともいえる)だ。そのまま埋めるにしても、用地確保と施設建築をしていないため、施設完成までこのゴミをどこかに保管する必要がある。そして、ついに計画の大部分を担っていたフランスの処理施設建設が中止となって打つ手なしの完全破綻となる。
こんな状態で、止まっている原発を動かしたらどうなるかアホでもわかるだろう。管理できない核廃棄物が溢れる。日本政府は建前上原発再稼働を強く推進する立場を取りながら、再稼働にあいまいな態度に終始していたのは上記の問題を見て見ないふりをしているからだ。プルサーマル計画が破綻したならゴミ処理問題に向き合うことになり、少なくとも何十兆という費用がこれから追加で必要になる。
こんな状態で、原発稼働なんてして大丈夫なんだろうか?原発賛成派の自分でもいまのままでは稼働には反対だ。どう見ても破滅する。
ナフサは本当になくなるのか
4月4日放送のTBSの報道特集と言う番組が炎上した。6月までに石油精製物のナフサがなくなり、プラスチック製品製造ができなくなり日本経済や医療が崩壊するという報道だ。この番組では何度も同じような意図で1か月近く危機を煽っていたが、一連の番組の中で「2か月で」がネックで叩かれた。
(↑のように毎週特集を組んでいる)
実際、すでにプラ関係の部材は部分的に不足しつつある。原油をスポットで買い入れても契約・輸送で半年以上かかるから、この報道はおおむね正しい。
この番組で問題なのは危機を煽って日本を不安定化しようという意図がある点である。直近では米不足と米価暴騰、コロナのマスク、古くはオイルショックのトイレットペーパーのような例があり、これらはすべて報道が原因で起こった災害である。在庫があっても、みんなが買い占めれば商品が店からなくなりパニックになる。今起こっている建築関連の不足の半分は転売目的の買い占めが横行しているからで、本当にその在庫さえもなくなれば上記番組のような経済危機になる。…が、一昨年の米騒ぎを見てわかるようになかなかそこまではいかない。我々の社会はまだ強いのだ。この報道特集と言う番組はこういった扇動を常に繰り返している。国民の不安を作り政権を揺さぶりたいのだろう。邪悪だ。
この邪悪な意図とは別に、紛争が急に終わったとしても、石油流通安定化と精製調整で少なくとも1年間は石油関連の品薄状態・値上げは続く。今後は高市政権がどこまで中東原油依存を下げ、アメリカやロシアからどの程度買い入れる決断をするかでこの品薄状態は変化するだろう。
非常に重要なことは、我々の生活に石油関連製品が絶対に必要だという点だ。太陽光だ風力だ原子力だ…とエネルギーの観点から必要性を語っても、石油製品がないと生活が成り立たないのである。
エネルギー利権を移すべきか
今回の紛争や報道で分かったことは、石油は絶対に必要で同時にエネルギー確保が難しくなるということだ。この状況において、日本国内では太陽光から原発へ利権のシフトが起こりつつある。
再エネ・太陽光関連ははっきり言って糞の山だ。パネル売買・土地取引・管理・電力供給・売電取引・ごみ問題などすべての項目で糞だ。しかも再エネ賦課金と言う謎の税金が突っ込まれ、毎年何兆円もの資金が動く大利権になっている。
これにメスを入れたのが高市政権だ。報道特集と異なり頑張っていると思う。
…とは言っても、現政権が単純に正義の味方というわけではない。太陽光発電をすりつぶしても再エネ賦課金は残すだろう。税金は安くならない。恐らく、その金を原発建設やごみ処理場に使いプルサーマル計画の後処理に使うことが予想できる。原発はダメだ、太陽光だ、やっぱりだめだ、原発だ!という感じで東日本大震災以来の大転換だ。
各種産業界の強い要望や産業政策としての生成AI用データセンター建設など電力需要が増す中で、安定電力の増産は喫緊の課題だからこういった行動に移るのは理性的と言っていい。しかし、肝心の原発行政は依然としてポンコツだ。ゴミ問題同様に原発運用もかなりいい加減なもので、古い原発は新しい基準をクリアしていない。表面上クリアを装っているが、実際は改修した装備は張りぼてで全く昔のままのシステムを使い、ついに不備のもみ消しもできなくなった。
我々は東日本大震災で福島原発のメルトダウンを経験した。今まで、これが原因で国民の理解が得られない(馬鹿な国民が感情的になって困る)ので原発が動かせないと言うことになっていたが、実際は地震を機にちゃんと調べたら杜撰過ぎて使い物にならないことが分かったのだろう。古い原発はポンコツでダメ、新しい原発は高すぎて作れない。八方ふさがりだ。
そのため、例えエネルギー利権をうまく移動しても原発運用によってエネルギー安定化することは難しい。しかし、それでも政府として原発にエネルギー割合を移すのは太陽光が余りにも使えないからなのだろう。本当に厳しい選択だ。
まとめ
世界でエネルギー利権の移動が起こりそうで、その波に日本はなんとか乗ろうとしている。しかし、経済産業省のエネルギー政策や東京電力の無謬性による失敗が尾を引いて、いよいよ停電が頻発する可能性が出てきた。紛争を機に撒き戻しを計っているが、資源獲得がうまくいくかは未知数で、太陽光を切っても原発稼働にも問題点があり過ぎて暗中模索である。
終わりに
う~ん、調べれば調べるほどやばいことが出てくる(;´Д`)
電力会社の西と東でかなり意識も違うし、楽観的な予測はできないと思った。
ローカルで生成AIをどんどん使って今のうちに電気をたくさん使っておこう(^ω^)
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