nipplelfsblog

nipplelf’s blog

1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

自民党は勝ったのか負けたのか

衆議院選挙が終わった。一見、現状維持が結果のように見えるが実際そうなのかを少し細かく見てみて素人なりに考えてみた。

 

f:id:nipplelf:20211101211451j:plain

(今週の一枚)つんつんツンデレハロウィン🎃(pixiv

 

結果を総数だけで見る

www.nhk.or.jp

 総選挙前後の数と比較すると、与党(自民+公明)305→293、対立野党(立憲+共産+国民+れいわ+社民)131→120となり、同じ程度減らしたが、与党寄りの日本維新の会が11→41となった。また、れいわ新選組議席を2席伸ばしたが、その他の小政党は一切議席を得ることができなかった。

 前回選挙時は憲法改正に必要な2/3を与党が持ち各委員会の議長任命権を得たことで与党が議会をほぼ制圧したが、今回は、与党に維新を足すと7割を超える議席が与党寄りの議員で占められるので、以前よりも改革的な物事が進む可能性が非常に高くなった。

 大幅に物事を変えるには全議席の2/3が必要でその数は310だが、今回の結果では(自民+公明)でも(自民+維新)でもその数には届かないので、無所属を自民党が受け入れたり、公明党日本維新の会の間でつばぜり合いが起こるのだろう。

 維新が閣外協力するか内閣に入るのかでバランスが大きく異なるが、反対野党の存在価値がさらに小さくなることだけは確かだと思う。

 

各党戦略と結果を見る

 自民党公明党は多くの政策で共通しており、与党として政府を運営している。今回の選挙において、自民党総裁選挙により菅氏から岸田氏へと総理が変わったため、岸田政権の再分配政策や「公平でやさしい」といったスローガンはあまり浸透せず、どちらかというとコロナ禍対応の成否と安倍氏から続く内閣府が主導する国家運営の評価を問う形になった。その結果は小選挙区議席数を減らし、比例選挙区では各地で票数を伸ばした。政府コロナ禍対応は及第点だったが、議員本人に問題がある人や地元での議員活動が不十分だった人が落選した傾向があった。

 立憲民主党共産党が中心となって小選挙区で統一候補を全国で出した。そのため、統一した政策はほぼなく、自民党に反対というのがスローガンと言える。打算として自民票は3~4割で、その他党票を集めれば自民党を超えて小選挙区で勝てるという目算だった。結果を見ると、思惑通り小選挙区では善戦した選挙区がいくつもあったが、比例票では大幅に票を減らし、立憲の比例議員数が半分程度まで減った。つまり、自爆である。

 また、日本維新の会は大阪モデルを提唱し、実験的な施策を大阪府市域で行い、それを全国的に発展させたものを政策にするとして、自民党より新自由主義的・革新的でわかりやすいイメージ戦略を行った。その結果として、小選挙区では大阪のみで完勝し、比例でも全国的に薄く広く票を拾って議席数を大幅に伸ばした。

 一方、国民民主党は現実的な国家政策の別案を提案したが、現政府との明確な差別化がされていないため微増となった。れいわ新選組ポピュリズムを全面に押し出し議席数を増やしたが、その他には目立った政策的主張がなかった。

 

議員と党の価値

 選挙結果からわかることは党をどう見るか、議員個人をどう見るかに分かれる。

 所属党に関係なく、しっかり議員活動をして地元で選挙民の声を聴いていた議員は勝ったし、東京でふんぞり返って勉強しなかった議員は負けた。党派色はなく、純粋に議員の資質が問われるようになってきた点は小選挙区の意味があった良い選挙なのではないかと思う。

 例えば、自民党幹事長甘利明氏は優秀であるが、TPPでアメリカからにらまれ、金銭がらみの醜聞を十分に払しょくできなかったので落ちた。立憲民主党の吉田晴美氏は4年間しっかりと地元で地道に活動を行い、石原伸晃氏を破る快挙を成し遂げた。

 一方で、党を見ると、既存野党が数を減らし、新党が議席を伸ばした。そして、その新党も明暗がはっきり分かれた。これは既存野党の業績に対する評価が低く、その不満のはけ口が新党に向かい、より具体的な試案を持つ党にそれが流れた傾向がある。

 立憲共産党と揶揄されたように、これら党には具体策がほとんど存在せず、国会内でもほとんど党としての仕事をしなかった。ただ反対なので非常に印象が悪い。NHK党も初期のNHK関連の問題を放置して知名度を得ることのみに血道を上げて失敗した。維新・国民とれいわは政策内容・主張は全く異なるが、わかりやすく具体的に要点を絞ってテーマをついたので票を得たことが分かる。

 つまり、前回選挙よりも選挙民はしっかりと業績や政策の具体性を見るようになり、我々日本人が成熟しつつあるということになるし、それを読み取って各有権者にそれぞれの主張を伝えられた議員や党が勝利したことになる。

 

SNSの意味

 最近、なんでもかんでもネットである。政治もSNSを見ると様々な主張が入り乱れるが、政治関連の主張をする人達を見ると「あっ触らんとこ…」となる。具体的な名前は控えるが、右左関係なく強い主張をする人にはたくさんの仲間が付き、かなり強い感じで色んな人に襲い掛かっている。そのため、そういった主張をする人達はたくさんいるんだろうなぁと思うが、実際はちょっと違う。

 政治はワイドショー化して久しいが、その流れはSNSで拡大して一大コンテンツとなった。しかし、実際にそのコンテンツを楽しむ人たちの数は常に変化する。当然コンテンツなのでつまらないと客は減るし面白いと客は増える。一時期、「悪の民主党政権、正義の安倍政権」というショーが大変受けて、それを肯定する人と否定する人がそれぞれ増えた。最盛期で200万人程度がそのコンテンツユーザーと見られたが、現状では40万人程度がそれに毎日触れていると考えられる。この40万人は一般コンテンツとしては非常に巨大なマーケットであるし、それを視野においてビジネスする人がたくさんいる。しかし、本筋の政治や選挙となると非常に小さい。現在日本の有権者数は約1億人であり、政治的に力を持つと言われている数がその1%の100万人とすると、何かを動かすにしては数が足りないのである。

 自民党は麻生政権末期からニコニコ動画を通じてネットサポーターズの前身となるネット活動を始めて今に至るが、安倍政権の初めの3年以降効果が指数関数的に落ちた。特に今回の選挙戦ではこれがほとんど機能しなかった。おそらくであるが、安倍首相というわかりやすいアイコンがない状態ではユーザーの喰いつきも悪く、SNS利用者間ではすでに色分けが住んでおり、いいことを言おうと悪口を言おうと、他陣営から票を引き込むことがほぼ不可能な状態に落ち着いたからなのだろう。これは他の政党でもほぼ一線といっていい。

 そのため、悪口やデマでは無党派は動かず、自民党には冷静な評価がされ、立憲共産党には強烈な逆風が吹いたと考えられる。自身の業績やユーザー利益を基本として、自陣営のアピールポイントをプレゼンできることがこれからの政治SNSには必要とされるのだろう。

 

自民党の勝敗

 今回の選挙を見ると、はっきりわかることは立憲民主党の執行部への失望と地域独裁に移行した維新への期待だと思う。しかし、いくつかの視点で自民党を見ると注目点があり、特に議員への不満が多くあって、当落で入れ替わりが起こっていることが分かる。派閥政治への否定や世襲であっても無能な者の排除は部分的な自民党の敗北であるが、この結果は現状を変えることへの第一歩になる可能性が高いと思った。

 つまり、自民党内で新陳代謝が起こる可能性が高く、党としては活性化するので自民党の勝利なのだとわかる。しかし、その変化がうまくいかなければ次の大敗へとつながるターニングポイントなのだろう。

 

終わりに

 メディアやSNSで声の大きい人たちと関係なく、我々がそれぞれ調べて票を入れていくようになったのはいいことだし、ちゃんと考えないとヤバいと思っている人が増えたことなんだろうと思う。肌感という意味で日本は意外と危機なのかもしれない。

 まっ、大人なんだから選挙に行って意思表示はしていきたいよね(^ω^)

 

 

☆エロ同人CG販売中

 

COPYRIGHT Nipplelf ALL RIGHTS RESERVED.