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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

けものフレンズの魅力と違和感

 夜中のテレビは危険である。ふとつけてボーとみているとそのまま寝ていたり、なかなかOffにできず見続けてしまう。ほとんどの番組構成もなんか適当に編成している感じで緩い。

 そんな中で今話題(?)のけものフレンズを視聴したのでニワカなりに語ってみる。

 

【オリジナル】「竜の要求」イラスト/ニッペルフ [pixiv]

↑背景からキャラはまだ浮いているだろうか?

 

 

お話について

 

 この物語は、ふと気づくと荒野のただなかにいる主人公「かばんちゃん」と、たまたまいた動物の耳としっぽの生えた女の子「サーバルちゃん」がなぜここにいるか知るために、「図書館」を目指して旅をする話である。ぼっとみると結構面白い。暴力的シーンもないし、萌えキャラしかいないのでゆっくり見られる。どうしてこんなところに主人公がいるのか伏線を少しずつだされており、ちょっとしたSF感がある。また、ショートコーナーがあり、各話で出てくる萌えキャラのもとになった動物について簡単に説明が入っているものいい。

 

 感覚として、ETV、3ちゃんを夜中に見ている感じになる。

 

 ガチンコでしっかり視聴すると金がかかってないし作りが雑だが、ぼんやり見るのはとてもいい作品だと思う。

 

 

映像について

 

 ほんわかして寝る前に見たい作品である。ただ、意識をしっかりしてみていると何だろうか画面に違和感があり、別のアニメにない変な気分になった。

 そこで無料のネット放送の1話を見返してみた。結論から言えば、キャラが「浮いている」ことがこの違和感の原因だとわかった。

 こういった作品の質の良し悪しというよりも、映像作品や絵画などに対する認識の仕方が変わってきている自分自身の問題のようである。これは絵を描くようになって、他の作者様の作品と差別化するために、どうやったら立体感のあるものを作れるかという点に目が行くようになったことが原因だろう。

 

 

自分の認識の変化につながった描き方

 

 この認識の変化を誘ったお絵かきであるが、専門教育はまったく受けていないので、常に試行錯誤している。お世辞にもうまくはないが、今のところ、最も気を付けているのは、影と陰を意識して描くようにするようにしている点である。

 

 ニッペルフは背景とキャラで別々に作っている。それを合成するのだが、うまくはまり込まないことがよくあった。異なる写真を2枚重ねたような違和感があり、変な出来上がりになることが多かった。原因はキャラによる背景への陰がしっかりと反映されておらず、背景にある光源からキャラへの光の投射を意識していないため、おかしな感じになっているためであった。そのためキャラと背景の整合性に注意を払うことにして、少しずつ補正をした描き方を模索しているし、ルーチン化を目指している。


 原因がわかれば対処できるし、意図的にそれを使えばキャラを目立たせることもできる。背景を伴った絵を出すにあたって、3次元的位置関係を意識させるために嘘発光(漫画のオーラみたいなもの)や背景からの反射光も加えることができれば、もっと栄える絵を作れるのでは?と試行錯誤をしているところである。

 さらに漫画的な集中線のような視線を誘導できるような効果も入れられればもっと違ったものになるのかもしれないと考えている。


 こうやって絵を塗る際、配色よりも陰影に注目している時間が多い。それが無意識に出てきてしまっているため、けものフレンズのCGに強い違和感を感じてしまった。
口を開けてただぼんやりアニメが見えなくなるのはちょっと悲しい。

 

 

けものフレンズの3DCG

 

 さて、絵を描く視点からけものフレンズの違和感には2つあると思う。
 

 1つ目は、見栄えのいい立体的な絵を描く際に苦労している点をこのアニメは全く無視していることである。

 けものフレンズのキャラ自体は3Dでモテリングされたものをボーンを使って動かしているようで、セルアニメのような歪んだ動きがない代わりに全く乱れのない整ったキャラクターを常に表示することができる。それらキャラに背景を充て、キャラを小さくしたり大きくすることで遠近感を出している。よくある3DCGアニメのつくりである。

 しかし、これら映像で、キャラからの背景への効果、例えば、急に止まった際に土煙が上がったり、大地か削られるなどの影響が全くない。また、背景側からの効果、日陰なのにその陰がキャラに投射されなかったり、足元に陰がない。そのため、背景からキャラが浮いてしまい、まるで水の中を泳いでいるように見えてしまう。この点はアクション物としてきついんじゃないかと思うし、これをどうにかできたら結構いい作品になるんじゃないかとも思う。


 2つ目はキャラの動きに関してジョイントが少なすぎる点である。棒人間の関節が少なすぎて激しいアクションなどをすると本来歪むべき部分が歪まない。例えば足を踏み込むと股関節が左右で変化したり、肩の位置がずれたりしない。そのため、キャラの動きがとても固い。せっかく皮となるキャラの可愛さが動きから見えてこなくなってしまっている。しかし、こんなものはほんのちょっとの変化なので、ちょっと顔を傾けたりするだけでだいぶ変わってくると思うので、もったいないなぁと思う。

 

終わりに

 まぁ金がない深夜放送ならしょうがないし、3DCGを使ったアニメーションも以前と比べればびっくりするほどいいものになったと思うので、これも制作手法変化の過渡期の1作品なのかもしれないと思うが、ヒットの可能性があるのにもったいないなぁと感じざるを得ない。

 

・・・などとぶつぶつ言いながら金を払わず視聴するフレンズは困った客なのだろう。

 

 

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