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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

陰を上手く使いたい

印象的な絵を描きたいなぁと思うと、構図であったり特徴的な描き込みなど色々な方法がある。今回は今まで描いた絵を振り返って、自分なりに陰をもうちょっと効果的に使う方法を書き留めてみる。

 

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(今週の一枚)光あるところに陰あり(pixiv

 

 

※目次※

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風景と太陽と陰

 

 くそ暑い太陽光線の中ひたひたと歩いているとあまり感じないが、太陽が陰った夕方の帰り道をゆるゆると歩くと気づくことがある。

 それは物の輪郭が若干ぼやけて見えるがそのものが持っている色がはっきりと見えたり、一番強い太陽光が減る分、その他の光が作り出す陰が様々なパターンをもって眼に飛び込んでくることである。

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(太陽明るさを下げると陰は濃くなる pixiv

 

 そういった色彩を背に、なんちゃって風景画を描いていて気づくことは光と陰の強さというものは一対の関係になっていて、明るさバロメーターの綱引きをしていることではないだろうか?という点である。

  上の絵は夕方の散歩風景を描いたものだが、左は太陽光が少し強くそれによってできる人陰や水面に映る鏡面がある程度見えて絵全体を俯瞰してみることができる。一方、右は太陽光をより弱くして、写り込んでいた影は全体の暗さに飲まれてしまって薄くなり、残された太陽に照らされた中心のキャラクターに目線を集中させることができる。

 この左右の表現の差は、左では光:陰=5:5で、右では2:8のように10の明るさ値を取り合うことで生まれる。

 

 見せ方・操作には一長一短あるが、完成した絵に対して、黒塗りレイヤー一枚を全体の陰用に追加して透明度を上下させただけで、上絵の差を作り出すことができた。

 単純に全体の明るさ・コントラストをソフト上から弄るのも手ではあるが、意図したところの輝度のバランスを考えるとひと手間入れる価値はあると思う。

 風景、背景で太陽光源を意識して描きたい場合はいったん完成したものに対して、もう一回こういった全体に陰を作る作業を加えるだけで印象度を弄れるのはお得なはずだ。

 

 

キャラの輝きと陰

 pixivランキングを見ると多くがキャラクターをキャンパスいっぱいに描いた「キャラ絵」になる。こういった作品群はアニメ、漫画やゲームの2次創作がほとんどを占め、おまけのようにオリジナル作品が乗っている。こういった作品をぼんやり眺めると、そのエフェクト、ポージングやアイテムが変わるにしても、それらの作品に共通することは明るいものが多いことだと思う。

 なんでだろう?とみていくと、キャラ絵の過半が白地の背景に黒の線画を当て、おそらくそこに色を載せているものだからではないかと感じる。こういった作品は当然白ベースで色を載せていくので、当然その白に負けないようなカラーリングとなり、本背景を加えるにしても、キャラに合わせて明るいものになる。

 つまり、デジタルな絵というよりも、アナログな紙に描いた絵を何らかの方法でデジタル化し、着色しているとイメージしたほうが分かりやすいかなぁなんて思う。

 

 さて、そういったキャラの明るい絵に共通するのは陰が薄いということである。イメージとしては女優の水着写真集じゃないかと思う。白い砂浜とおっぱい、白い肌と輝く瞳。あらゆる角度から光が当たり、陰の入り込む隙間はほとんどない。陰影という意味では線画が「影」としてそれを補っていて、陰を加えることをむしろさけているようなものが多いと感じた。

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(左:右下に強い光源があるけど陰を加えない 右:光源なし pixiv) 

 

 ・・・と思ったので、以前投稿した上の左絵では背景はそのままで、強い光源があるにも関わらず陰ほとんど入れずに完成させてみたが、見返してみると、結構微妙である(;´・ω・) 

  むしろ、右絵の光源がない方がキャラが目立ちわかりやすいような印象を得る。これは絵柄や光源の有無というよりも、ニッペルフの絵は濃く、暗いというのが大きな原因ではないかと感じた。

 

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(背景を黒塗りにするとキャラが目立った)

 

 試しに背景を黒塗りにしてみると描き込みやカラーがしっかり見えて、見栄えのいい感じになった。暗い絵にはより暗い背景を付けるとよく見えるようである。

 自分的には意外な発見で、キャラ絵の場合はよくあるような2次創作的な明るいものの表現はむしろ自分の描き方には全く不向きだと感じることができた。

 どうやって背景と陰の折り合いをつけるかは課題だけど、陰を描かないようにして全体を明るくするアニメキャラ絵的な描き方よりも、しっかりと光源を意識した陰を加えた方が正解なような気がする。

 普遍的になりつつあるキャラ絵においても、絵柄、描き込み量に関係なく、キャラをいかに目立たせるかを考える場合、ただ明るくするのではなく、陰の有無を作ってみて、より目立つものを検討するのは一つの手なんじゃないだろうか?

 

 

物が見えないのに物を意識する陰

 

 光が照射されて、その進行方向に物体があると明るい部分と暗い部分ができる。その差が陰となって写り込むわけであるが、上手な人はこれを上手く使って絵の中にはないが、その陰でそれ自体を意識させることができる。

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(キャンパスに猫がいなくとも猫を感じる)

 

 例えば、夕方の道に電柱の陰がすっと見えるが、その電柱は描かない。これによって制限のあるキャンパスの外側をイメージさせて、より広い視野を絵に感じさせる方法である。

 

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(おでこに陰ができて、頭上に草や枝があるイメージ pixiv

 

 ただ、この方法は結構難しくて、細かいものを描く場合、空間的、立体的なイメージを持ちながら陰を描かないとよくわからないものになってしまう。そんなわけで、中々使わない(使う技量がない)のだが、一つの技として考えておくのはいいんじゃないかと思う。

 使い道としては、引きの絵やエロCGには使いにくいが、キャラにグッとよった際に画面いっぱいにキャラの顔や体が絵全体の大部分を占めて狭苦しい印象になる場合に、絵の外からの陰を加えると一味違うと思う。

 

 

直線の光線と陰

 

 光線はまっすぐ進む。巨大惑星みたいに空間が歪むような超重力源がない限り曲がらない。でも、それは光線一本に限って言えることで、多数の光束が光源から出る場合、放射状に光は広がる。風景画の場合はその光源の多くは太陽に依拠するので、その広がりに対して陰を考えればいいが、光の侵入を制限する窓であるとか、懐中電灯のような光に方向性を持たせるものは、光が一方に偏り、当然それ以外が陰となる。

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(真上からの強い光と暗闇 pixiv

 

 こういった直線的イメージの光を描いていて強く思うことは、光が作り出す陰というものはなくなってしまい、光っているところ以外が暗闇になるという点である。言い方を変えると、光が強くなれば、陰が強くなるという感じである。

 風景の項目での「光と陰は対になる」、陰影がバランスする考え方が全く違っていて、光と陰の強さが並行している点が気を付ける点だと思う。

 実際の工程としては、風景の陰影調整の様に黒の陰レイヤーを加えることに加え、さらにもう一枚、白の光レイヤー(オーバーレイ)を加えて、この2枚で明るさをコントロールしたほうがメリハリのある絵が作れるんじゃないかと思う。この2枚を使って、光が強いなら両方の不透明度を上げ、弱いなら下げることで調節する。

 さらに、光源の色(例えば蝋燭の光ならオレンジと赤)なんかの調節は環境光としてあるのかもしれないが、陰影を意識するなら色よりも白、黒レイヤーのバランス調整を密にした方がしっかりしたイメージが作れると思う。

 

 

終わりに

 

 自分の絵を見返してみるとやっぱり拙いなぁと実感する。ほんのちょっとめんどくさがらずにバランスを見たり、客観性を持つだけで大分見栄えが良くなるんじゃないかなぁと思うものがたくさんあった。

 週1投稿なんだからもっと余裕をもって作業すればいいじゃないかと思いつつ、どうしてもその辺がしっかりできない。

 

 おそらく、この辺の丁寧さがプロとアマの超えられない壁なんだろうなぁと思いつつ、少しずつマシな絵にしようと思った(^ω^)

 

 

 

 

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