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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

キャラの表情作りを考える

キャラクターを描こうとすると、表情豊かな顔とは何だろうなぁと考えることがある。どうすればいい物が描けるかを考えてみた。

(今週の一枚)やめろぉ(ぐへへ🐷)

 

 エロCG集を作成を再開した。そこで一番参ったのが実は顔だったりする。昔描いたものを見返すとそれらしい表情になっているものもあれば、なんかこれじゃない感のある表情もある。では、こういった感覚はどうやったら埋められるのか、しっくりくる表情は何なのかをぶつくさ考えてみた。

 

今やっていること(復習として)

 エロCG集のシーンは一枚(もしくは数枚)の元絵を描いて、その絵に対して少しずつ表情などの変化を加えることで差分絵というものを作って、一つのシーンを構成している。紙芝居みたいなものだ。

 おそらくこの作りはエロPCソフトの系譜なんだろうが、よくある差分絵はキャラクターを含めた元絵の顔の表情だけを変化させ、後はエフェクト(集中線やセリフ)を加えることでたくさんの差分絵を作り出している。絵はとても硬い。

 コスパから言えば、一枚描いて何十倍にも膨らませることができるので非常に効率的だが、こういった方式に慣れないと視聴に苦痛を感じてしまうこともある。

 そこで、自分はキャラクターの角度を少し変じたり、体の各部位を動かすことで、なんとなく臨場感を作ろうとしている。まぁ、普通の差分絵と比べると異常に手間がかかるのでなかなか進まない点が欠点だ。

 さて、このニッペルフ流の差分絵でも顔の表情というものはとても大切だ。エッチな感じを出すためには表情の大きな変化がないとドキドキしない。

(差分絵の例 表情で印象がだいぶ違う)

 上の絵のようにそれっぽくはなりつつあるが、ここで疑問になってくるのはキャラに様々な表情をさせた際、どういった顔がシーンに合うかどうかという点である。

 痛い顔、エロい顔、困った顔、怒った顔などなど普通に会話をしている人間の表情よりもわかりやすくそれを伝えないといけないがなかなかうまくいかない。

 

A.I.画像を見てみる

 表情と言っても人によって千差万別だ。当然、人が作り出した創造物である絵もその表現や顔の表情は千差万別である。おそらく、統一的な感情を示す顔の表情というものはないのかもしれない。例えば、アメリカ人は笑いかける時に便所ブラシみたいな歯を見せて笑う。しかし、日本人が笑う時は口を大きく開けて笑い声を出したり三日月型に口角を上げて笑む。文化によって表現方法が異なるのだ。

 では、平均的な表情というものにはどういったものがあるだろうか。大量のサンプルから平均値を取ればそれらしい顔が見えるのかもしれない。そこで、最近話題に挙がっているA.I.アート(動画)で表情を見てみる。

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(ヨーロッパ風にセーラームーンを映画の番宣みたいにした動画)

 上の動画はショート動画の集合体だ。おそらく選択した入力集団の平均を画像で出力して、3度程度角度を疑似的につけて動画としている。出力に偏差(というか、人による選択)があるので、それぞれの顔にシーンに合った表情があるはずだ。

 実際に動画を見ると、動画自体はよくできているが、おかしなことに顔を見ても彼ら彼女らがどんなことを想っているかよくわからない。表情がないのだ。全員ポーッとしているような顔で何を言いたいのかよくわからない。この辺が平均値から出力するA.I.アートの限界なのだろう。

 ここからわかることはたとえ顔の作りが整っていたとしても、表情が乏しければ表現の幅がずいぶんと小さくなるということだ。一見、美しく魅惑的に見えてもよく見ると価値が半減する気がする。つまり、表情というものは平均値からかけ離れたほうが印象的になり、印象を決定する特徴・歪みが必要なのだろうとわかる。

 

漫画・アニメから表情を探る

 日本の漫画は白黒で平たい紙の上にキャラクターを載せて物語を作っている。そして、そのコントラストの上で最も栄える顔を作っているのではないかと思う。この表現に色を付けたり、より立体的にしたり、アニメーションにしようとすると、途端に作画が破綻する。よくアニメで作画崩壊wwwなんて言われることがあるが、雑な構成が原因だけでなく、如何にこの立体感のない顔のキャラをどう立体的に動かすかがアニメの一つの山なんじゃないかと思う。

 この問題については原作の作画にも依るが、デフォルメした顔のキャラの場合、実際の顔の表情が変化するというより、動作や顔そのものを変化させることで強い喜怒哀楽を示している。それぞれに表現方法があり、そういった表現の積み重ねが表情の豊かさを担保しているのだろう。

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(あいまいみー第9話 FXで有り金全部溶かしたような顔)

 例えば、上のアニメは各キャラの顔はほぼ同じだが、キャラには個性がある。行動にそれぞれ決まった特徴をつけて同じ容姿でも違いを表現している。特徴的な表現として上の動画を上げたが、バクチで有り金全部なくなった人の顔はこんな風になるんだろうなぁと感じられる。しかし、実際にはこんな溶けたような顔にはならない。こういったわかりやすい表現をたくさん積み重ねることでパーツの変化がわかりにくい漫画由来の顔に多種多様な感情を作っているのだと思う。

 つまり、表情を作るというのは、実際の表情をトレースするだけでなく、その表現のイメージを抽出して自分なりにさらに強調する必要があるということだろう。

 

日本的3DCGから表情を探る

 不気味の谷という言葉がある。アニメ・マンガの絵、特にキャラクターの顔を実際の人間の顔に近づけようとすると、その絵がとても気持ち悪いものになるというものである。これは実際の人間の顔にも言え、写真を漫画っぽく加工しすぎると化け物みたいになってしまうことが多々ある。この超えられない限界点を「谷」と表現している。この問題は立体化や動きのあるものになると強く顕在化する。

 この問題に対して、アニメ由来のキャラは表現や動きを限定して対応するものが多い。例えば、はやりのVtuberは基本的に正面顔(左右に数度動く程度で上記のA.I.動画に近い考え)しか見せない。これは横から見ると顔の形状が破綻して奇形に見えるからだ。もしかしたら、コスパ重視で頭半球にパーツを置いているだけなのかもしれない(3D造形をしていない)。ドールやフィギュアにも同じような問題を抱えているが、これを髪の毛を盛ることで横顔が見えないようにして対応している。

 ある程度金をかけた3Dモデルも、顔に関してはつるつるののっぺらぼうに目や口を置くだけでごまかしていることが多く、立体感を一切排除することで整合性を取っている。稼働点が少なければそれなりになるが、稼働点の多くなると…という感じだ。

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 上の動画では、動きでモデルを使い分けている。それに手書きの作画を混ぜることで如何にもそれっぽさを出しているが、ちゃんと見るとすべての3Dモデルは顔だけ浮いている(しわや影などの構成要素が異常に少ない)。混ぜるということは、暗に3Dモデルでは必要十分な質の作品を作れないと言っているようなものだ。

 まぁ、顔のスキャルピング(造形)しない時点でしょうがないが、これでは求める表情のある顔を作るという点で全く参考にならない。

area.autodesk.jp

 ジブリが頑張っているが、自分には宮崎チームが作り上げた「女の子の可愛さ」を表現できていないと思う。まだ谷を越えられていないと感じる。一方で、表情を豊かにしようとするとモデルそのものを崩して漫画的手法を入れる点は参考になると思う。

 

実写から落とし込んだ3DCGから表情を探る

 そこで、谷の逆から攻めて、実際に存在する人間や動物をデフォルメしてアニメ化する作品を考える。これらを閲覧すると、顔そのものの変化や部位の動きが感情を表すバロメーターになっている傾向があり、顔の変化を補助する形で体の動きが伴い、瑞々しい表情を作っている。

  瞳が動き、眉毛が動き、口が動き、顔全体で感情を表現していると言ってもいい。

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(ほんの15秒のだけど様々な表情が読み取れる)

 上の動画はキツネと人間の顔を混ぜてそれっぽく構成した3Dモデルを動かしたものだ。その動きは顔だけでも非常に繊細でパーツごとに動きの意味がある。

 表情豊かな役者さんは顔がよく動き大仰な動作をするが、普通の人はそんな顔や動きはしない。あくまで相手に自分の感情を見てもらおうと強く意識・訓練した動きであり、3DCGではそう言った動きをうまくトレースすることで表現に幅を持たせているのだと思う。

 これらを総合すると、多少無理があっても極端なパーツの動きを作り、身振り手振りは出来るだけ大きくした方がわかりやすい感情の表現になるのだと思う。また、顔自体の変化にこだわるのではなく、体の動きと顔の表情を連動させて、キャラクター全体で喜怒哀楽を表現したほうが見る側にしっかりとこちらの意図が伝わるのだろう。

 

まとめて

 何かを表現する際、いらないものをできるだけ減らす。しかし減らし過ぎるとバランスが崩れるから注意が必要だ。見せたいものを少し大げさに描き、同時に、その部分を少し大きく描く。顔だけでなくキャラ全体で表情を作ったほうが印象が深くなる可能性がある。

 その上で、表現のために造形をあえて崩す場合、それを補うために細かいものを加えて印象をごまかすと全体が安定するが、それを繰り返すと作品全体が破綻するので、表情を大きくする場合は限定するといいみたいだ。

 

終わりに

 ぶつくさ書いた割には至極当たり前の結論になった(;´Д`)

 まぁ、少し顔を崩しても表現が伝わるならそのほうがいい絵なんだろう。ちょっと工夫してみようと思った(^ω^)

 

 

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