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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

夏の光と色を考える

夏をイメージしようとするとキャラは薄着でおっぱいボ~ンにすればいいが、それだけだと拙いし面白くない。絵全体としてのイメージはどう作ればいいのだろうか?今回はそれを夏の光でちょっと考えてみた。

 

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(今週の一枚)そろそろ夏本番(pixiv

 

※目次※

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夏の絵を見て感じる

 絵というのは不思議なものでよく見ると全面がインチキくさい、現実世界ではありえない作りをしていても、ぱっと見ると綺麗だなぁと思うものや、じっと眺めていると「そうそうこんな感じだ」と錯覚してしまうものがたくさんある。

 意図してこういった風景やキャラクターを描ききるすごい人もいれば、なんとなく描かれたものが心を打ってくる作品になる天才なんかもいて、ひゃー‼‼‼と恐れ入る。

 ちまちま書いている身としてはこういった力作・秀作を見せていただくと、はるか遠い頂を眺める気分になるが、pixivのランキングだったり、twitterのfavが必ずしも評価として上がらなかったりするのはちょっともやっとする。この辺がSNSの妙であるし、自分の感性が必ずしも正しくはないとしょんぼりともするのだが、いいものはいいと言っていきたい。

 

 さて、こういったものを見ていると、自分が見入るものはテーマ性がとても高かったり、絵を見ることで何かを連想するものが多い。ゲームのコンセプトアートであったり、題名を見て何かを思い出すようなものともいえる。そういったすごいものをうまくまねようというのは無理でも、ちょっとでも近づきたいなぁと思い、「夏」を連想できる光について考えてみた。

 

夏の強い日差し

 夏と言えば強い日差しであろう。俳句の季語になるアイス🍨やかき氷🍧も捨てがたいが、風景を考えると自然と明るい画面が頭に浮かぶ。

 ただ、絵を描いていて感じるのは、この強い日差しというのは結構曲者だということだ。

 我々が見る暑そうな日差しというのはどんなものかというと、ハイライトの利いた白っぽい色を意識するかもしれないが、実はそれだけだと強い日差しにならない。

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(ハイライト比較:左が元絵で中央がハイライトをキャラにかけたもの、右が日差しに対応する影を追加したもの)

 

 例えば、全体が「明るい部屋」に入ると、入った瞬間は眩しいと思うが、しばらくその部屋にいるとそれが当たり前になって、「普通の部屋」になってしまう。目が自動的に明るさ調整をしてしまうのだ。一方で、暗い部屋で強いライトが当たっている部分があるとすると、その部分は常に明るいと感じる。明暗があることで眼の自動調整を明暗どちらにも引っ張らないようにしている。

 つまり、視界の一部に常に「明るさの差」がある状態を維持しないと明るい暗いを認識できず、全面がハイライトであっても夏の光というものは「暑い」と感じることができない。逆に言えば、明かりに対してしっかりとした陰を作ることができれば強い光を作ることができる。

 ただ、「夏の絵」として見ると結構難点があって、白黒を等量追加すると考えると、強い光の場合は白で輪郭が消失して、黒は何も見えなくなる。つまりこの加える量をかなり調整しなくては暑そうだなぁというイメージをなかなか作れないのだと感じた。

 

 攻略の糸口としてはこの明るさを数値として考え、コントラスト調整や色相調整を絵全体にかけることでバランスを取るという手もあるが、3次元的凸凹の表現を部分的に残そうとするとやはり不十分になってしまう。

 そのため、ざっと強い明暗の部分の作成と局所的な陰の部分の塗り込みを組合せることで、いいコントラストが作れるのではないか今のところ考えている。

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(陰を中心でも暑い日差しは作れるのかもしれないが現状はこの程度が限界)

 

 少なくとも、大切なことはしっかりとした明暗の意識といらない部分は思い切って切り捨てることだと思うが、この辺はまだまだ難しいなぁと思った。

 

イメージの中の光彩

 日差しとは関係なく夏には色々な色があふれている。しかしそれを全部描きだすことはできないし、もし大量の情報を差し込むことができても目がちかちかするだけだろう。そこで必要になるのは、ぼんやりと頭の中に思い描いた色を付けくわえることではないかと思う。

 実際そういう目線で街を歩いてみると、意図してそういった色を出しているところにぶつかることがある。

 お菓子屋のショウウィンドウを見れば白い光を当ててケーキを輝かせているし、夜にレストランに行けば少し赤味のある光を当てご飯を美味しそうに見せている。

 スポーツであれば、各チームのチームカラーがあるし、インターネットであれば各ECサイトにはそれぞれの見せたい色がある。

  季節が変われば街を歩く人の服装の色も秋になれば落ち着いたものに変わるし、春になれば明るい色に変わる。

 

 こういったイメージを誘導したい色というものは心理学であるとか、行動生理学の分野なのだろうが、難しいことはわからない。ただ、上手な人の絵を見ていてわかることは、各作品ごとに2色、もしくは3色の色付近に色の幅を集めているんじゃないかなぁと思った。また、その色の幅もしっかり管理されていて(よく使う好みの色なのかもしれないけど)、ぱっと見てその人の個性がうまく光っているなぁと思うものが多い。 

  この辺は厚塗りの技法にもかかわるのかと感じていて、ちょっと決め手が見えないが、少なくともわかることは絵を描く際に、1色イメージカラーを決めて置いて、それに沿って塗ったり、最後にその色に向けて調整することで落ち着いた絵にすることでできるんじゃないかと思う。

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(祭りと言えばオレンジかな?)

 

一瞬を切り取る色

  これは上のイメージカラーで書いたことに近いのだが、その考えに時間を意識して、もっと短い間隔で起こる現象を色で見せることができないだろうかという考えである。

 一瞬を切り取るといっても、任意の瞬間を切り取るのではなく、何か物事や情景が変化する瞬間のことである。

 恋を意識した瞬間、火山が爆発した瞬間、蹴りが頭にあたった瞬間などなど大きな変化がある時間はとても短いが強烈であり、それゆえに印象に残るんじゃないかなぁと思う。

 

 現実世界では数ミリ秒ごとに写真を連続的にずーと撮って、ベストの1枚をだせばいい。ある狭い瞬間を切り取って、題をつけて額に収める感じがある。そういった意味で、写真は魂を切り取って紙に焼き付けるなんて言うが、絵の場合はどちらかというとあるシーン全体を取り込んでいるものや、一連の動きやある場所のぼんやりとした時間を一つにまとめたような、写真よりも長い間隔のものが多いと思う。例えば、ムンクの叫びは「あ¨~」と叫び続けていて、そんな人を写真でとっても微妙だし、いい写真にはならない気がする。そういった絵の時間の感覚をもう少し狭めようという感じで色を加えたい。

 

 そうすると夏の場合は意外と色のバリエーションが少ない。シーンで考えると、入道雲が見えるような青みががった空の色、野原を駆け回った時に感じる草の匂いのする緑色なんて連想できるが、夏をもっと短く感じるもの、鋭い変化があるものはなかなかみつけることはできない。いつまでも漠然と強い暑さが続き、終わりの見えない日差しがさんさんと照り続けるような気配が支配する時の印象がある。

 今回は何かないかなぁと花火大会を思いついて、花火が爆発した瞬間の色(紫を中心とした鮮やかな七色)を元絵に加えて、輝きを白のハイライトで強化した。

 

 暗い夜の空、ぱっと輝きそのあとまた暗くなる。そんな感じを目指したのだが、まぁ結果はご覧の通りで、今週の一枚の浴衣の女の子となった。客観的に見直してみると、「う~んもう一声」となってしまうのだが、色というよりもフォーカスをもう少し広くとるか、グッと迫るか構図の撮り方にもこういった雰囲気は大切なのかもしれないと感じるものになった。

 

 悪くはないが、グサッとこないので、色や構図などをもう少し練って、時間や変化を意識して描きだせればもうちょっと上達するのかもしれない( ^ω^)・・・

 

終わりに

 

 というわけで、毎度のことながらもう少し何か欲しいなぁと思いつつ、「夏」にはもう一つ届かないなぁと汗をかくようになってしまった(;´Д`)

色で距離を考えるとか光陰を考えなおすなんかでなんかで、ああだこうだと考えてはいるのだが、個性やうまさがちょろちょろとしか出てこないのはちょっと悔しい。

 

 まぁ1000年くらいすれば、超天才になるのだろうから気長に進もうと思った(^ω^)

 

 

 

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