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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

シンギュラリティの先

ちょっとA.I.に興味を持って記事や本を読むと、変化する世界に果たして我々はついていけるのだろうか?と不安になることがある。ネットの膨張による情報システムの変化にはまったくの素人だが、素人なりに考えてみた。

 

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(今週の一枚)スーパーAI初音ミク?(pixiv

 

 政府広報から大手電機会社までが色々な情報や通信の新語を作って、そこらじゅうで宣伝をして家電を売り込もうとしている。また、将棋や囲碁ではプロが次々と敗れ、A.I.の新たな可能性が示されている。しかし、IOTやら第4次産業革命やらといった、意味がよく分からない標語が踊って、気分は未来に向かっているように感じることができるが、果たしてそれが本当に起こりうる未来なのだろうか?

 基本的なことをまず書いてから、莫大な情報を整理することによって生まれたA.I.やシンギュラリティという概念を見て、そこから人の可能性を考えてみる。

 

※目次※

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基本的なArtificial Intelligence(A.I.)の考え方

 A.I.人工知能と言えばかっこいいが「なにそれ?」と聞かれると困る。そこで、基本的なA.I.の概念、パーセプトロンの概念を簡単に書く。

 

A 外部から情報を得る B 得た情報を解釈する C 解釈した情報を表現する

 

となる。

 英語レビュー(PDF注意)Wikipediaの記事なんかを見ても難しい言葉が並んでとても分かりにくい。至極簡単に言えば、ある命題に対して、A外部情報の受容、B情報判断、C実際の行動をそれぞれ個別のユニットと分ける。それぞれの処理を役割ごとに分かれているというのがこの概念といっていいと思う。

 人で例えると、A目や鼻で光や匂いを得て、B頭で考えて、C体が動く みたいな感じになる。

  パソコンはこの情報の解釈を一旦できるだけ単純化して、再度それを集め、条件付けをすることで一つの命題に対する答えを出し、画面に表示されるものといってもいいと思う。

 

 我々の頭は、まず答えを見つけ、その答えに楽にたどり着ける方法を模索し、それを応用する。これを学習と言う。

 赤ちゃんは最初は2本の足で立つこと(正解)ができないが、何度も失敗(解釈)して、フラフラとではあるが立つという答えに到達し、学習することで適切にしっかりと立つことができるようになる。

 このシステムはパーセプトロンにおいて各ユニットの効率化とユニット間の連結方法の変更でなされ、これを学習と考える。

 

 

 情報の取得、情報の解釈、情報への回答という3つのユニットセットこそA.I.の基本と言えるのだと思う。

 

最近のA.I.ディープラーニングやら)は何が新しいのか

 この人の脳みそやそのシステムを模倣した考え方は1950年代からずっと存在して、何度もブラッシュアップを繰り返すことで我々の生活の一部を支える機能となった。

 例えば、衛星写真の解析による天気予報、各種物流交通システム、車や家電の制御や今我々が見ている箱の絵もこれがやっている。

 では、最近すごいと噂の人工知能はいったい何が新しいのか?というと、実はそんなには新しい概念ではないのではないか?と思っている。むしろ、今までの考え方やそれに基づいた機械をちょっと見方や使い方を変えてみたというのが本当のところではないだろうか?

 

 従来の方法は、

A少ない情報を得て、B頭の中でこねくり回して、何回も試行する、Cそれなりの答えをだす

 

 新しい方法は、

A、莫大な情報を得て、Bその中で組み合わせて正しい情報にたどり着き、C最適な行動をする

 

というものである。

 新しい方法の一番大きな違いは、受け取る情報の量が極端に多く、思考するのではなくどこかにある正しい答えを探すという点だと思う。学習という点で見ると、今までは試行錯誤して答えを見つけていたことを、新しい方法ではすでにたくさんある答えの中からより正しいものを選んでいると言える。

 大量のゴミ情報から正しい答えへの道筋を探すといってもいい。いままではこのような莫大な量の情報は存在しなかったし、その処理にも莫大の時間がかかっていた。しかし、ここ20年でパソコン、スマフォの普及し、電子情報があふれ、それを処理するCPUが日々高度化、高速化することで、大容量の情報が行きかうようになった。これを上手く利用することこそ新しい方法の本質なのだろう。つまり、A.I.というソフトが賢くなったのではなく、パソコンやインターネットを担保するサーバーといったハードが発達したからできるようになった現象と言えるのかもしれない。

 もちろん、厳密な意味では上の講釈は誤っているかもしれないが、ソフトの進化というよりも、ハードの計算速度の改善がこの技術の肝であるということは間違いない。

 

新しいA.I.はシンギュラリティを起こすのか

 シンギュラリティとはある限界を超えると、我々が想像もつかない進化をA.I.が引き起こす!という思想である。自分はこの期待には否定的で、はっきり言えば、補助金などの資金をひねり出すためのおとぎ話でしょ?なんてひねた考えを持っている。

 

 なぜこんな風にひねくれるかというと、上で書いたようにディープラーニングに代表される新しいシステム概念は、命題に対してあくまで人がばらまいた情報解析を基にして答えを出しており、マシンの力を借りて、その最適解を出しているにすぎず、それを解釈するA.I.自体は旧態依然のパーセプトロンのままであるからである。

 例えば、高校の数学を解こうとする。いままでは、自分でああでもないこうでもないと問題を解き、自分なりの答えをだしていた。つまり、ユニットの中身の変更である。しかし、新しい方法はたくさん参考書を買ってきて、一番よさそうな問題の解き方を紙に書く感じであり、確かに新しい方法の方が処理はとても早い

 しかし、新しい方法は違う数学の問題や理科の問題を解くことができるのだろうか?という疑念が常に頭に浮かぶ。

 

 命題に対して、最適な答えを出すというパーセプトロンの概念はより正確になるだろうが、それを飛び越えて新しい発想であるとか、命題それ自体を変化させて、新しい何かをするといった事をする…といった方向にはどうしても結びつかないと思う。

 

 

人とパーセプトロン

 パーセプトロンの概念は人の脳の情報処理の方法をじっくり考えて思いついたそうなので、逆にこの概念から人を見ると、人というものがどういったものかを考えることもできる。

 例えば、人が老いるとAの受容器がポンコツになり、Bのたくさんあった思考ユニットが減り、Cの体が置いて動かなくなり正しい答えがうまくできなくなる。

 例えば、自閉症B思考ユニットとC回答装置の間に問題、もしくはC回答装置自体が不全の可能性があり、アウトプットを上手く出すことができずに、情報がずっと頭の中をめぐり続けると考えることができる。

 老いや病気をミクロの遺伝子やタンパク質レベルで生物学的に考えることは当然重要であると思うが、人をある概念や物として考えれば、マクロ的にそれに対する何らかの答えがあるのかもしれないと思った。

 

莫大な電子情報の処理によってもたらされるもの

 シンギュラリティなんて起こんねーよと拗ねていても面白くないので、適度な未来予測とシンギュラリティの先の可能性について考えてみる。

 おそらくこれからの世の中は善きに悪しきにAの受容器から、特に目から受け取る情報量がさらに増加して、それを基に人が生き方や考え方を組み立ている世の中になるのだろうと容易に想像できる。

 パソコンがお手頃に買えるようになり、誰しもがスマフォ片手に道を歩いていることからもわかるが、身近に持つ電子デバイスの高度化によって我々の生活自体も高度化するのだろう。自分は電脳コイルに出たようなメガネ型が一番近い世界線かなと思うが、どういったデバイスが普遍化するかはまだ明確にはわからない。

www.tokuma.jp

 一つ言えることは、A.I.が思考よりも大量の情報処理によってパーセプトロンを最適化するように、人間も同様の情報を処理するように世の中に要求されるようになり、それに伴って考え方や行動が変化していくだろうということである。

 例えば、一昔前は、よくわからないことがあると「辞書で調べなさい!」なんて学校の先生に言われたことはないだろうか? しかし、いまでは「ググれ」である。そして、辞書よりもより詳細な情報が容易に一瞬にして手に入り、たくさんある情報からどんなエッセンスを抽出するかが重要になっている。現状においても、このようにほぼ無意識ディープラーニングしているのだから、より情報が高度化するなら、今よりも頭の大部分の容量をその情報の選択、処理に費やすことになるだろう。

 

好意的な解釈をすると

 情報通信の増大によって変化する社会で、もし、我々の生活を補助するA.I.がシンギュラリティを引き起こすことができるのならば、模倣された人間も世代を重ねることで、当然シンギュラリティを引き起こす可能性を持っていることになる。

 

  片方だけが進化するなんてことはない。

 

 A.I.パーセプトロンを超え、自ら命題を変更することができるようになるのならば、我々人間も自らの意識と世界を繋ぐ新しい可能性に目覚めることができるのかもしれない。かつて、CIAやKGBは脳に秘められた力を超能力として引き出すことに多大な労力を費やし失敗したが、それはあくまでも我々の脳が莫大な量の情報処理という過程を経ていないが故の失敗だったのであり、それを通過した我々には魔法と呼べる能力を発揮できる可能性が生まれる土壌はすでにあるのだ。

 

そう、誰しもが体の枷を引きちぎり、魔法少女になる可能性を持っているのである!

 

人間は魔法少女に進化できる!

 

終わり ('A`)

 

 

 

 

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