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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

光陰を考えなおす

印象的な絵を作ろうとするとなかなかすんなりとはいかない。そんな中でも、陰影の解釈やその手法の改善でどうにかなるかと思ったり、陰影のパランスが大切なんじゃないかな?などと日々迷っている。そんな変化する描き方から現状を書き留める。

 

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(今週の一枚)ふみふみ🐈(pixiv

 

 PCの計算力の向上と描画ソフトの開発によって、個人でもある程度気軽に3DCGが作れるようになってきた。それに伴って、日々目にする映像作品にもそういうCGものがどんどん増えている。おそらく見ている人も知らずのうちにそういった映像に慣れて、立体的なものが当然絵にもあるべきと考えるようになるのかもしれない。実際に作る際、平たい画面にリアルで立体感を定義するものと言えば…光と影、陰影の細かさになるのだろう。

 では、単純に白黒をべたっと入れてしまえばいいのか?と言えばそう単純なものではない。やはりバランスだったり、絵としての強調だったり、見やすさだったりと写真にはないものが絵には求められるのかもしれない。その辺について、いまぼちぼち考えて、取り組みつつある点を書いておこうと思う。

 

 

すごく基本的なこと

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 絵や3DCGで教科書的によくある陰影の図である。なんとなく左から右へ行くほど立体的になるようすがわかるのではないだろうか。

A、光が当たらない場所に影を作る。

B、別オブジェクトへの影響を陰として作る。

C、光の反射も同様に作る。

 雑に作ってもそれなりの立体感が感じられるのではないかと思う。要は光が物に当たる場所と当らない場所を考えることである。当るところの物体は輝き、その光が当たらないところは黒くなることを踏まえれば、平面に立体的にものを描くことができるということである。

 これだけ知っておけば、完成した平たい絵であっても、後で手直しをすることで、一定程度の立体感と全体の広がりを作ることができると思う。

 図で考えると、Aの様に背景に物体の陰が写っていないとふわっと浮きあがっているような絵になるが、Bの様にちょっと陰を入れるだけで、この物体がなにかの上に置いてあるというイメージを作ることができる。さらに、Cのように光を入れれば、より明確に位置を認識する感覚が作れるのではないだろうか?

 しかし、これを基に最初から描こうとすると結構な難問があって、光の強さと影の強さはバランスするので、物体に凹凸があって、光が平等に当たらないと陰影にグラディエントができ、その表現が難しいこと、対象の物体がたくさんあると反射によってそれぞれに影と陰が存在し、その干渉はどうなるかを考えないといけないこと、一般の空間では光源は多種あるので、一概に陰影を決定できないことなど、まぁ言い出したらきりがない。

 3DCGの解釈として基本は大切だが、それで絵を解釈するのはやはり一長一短あるなと思う。

 

強い光と強い陰

 そこで、光だけで印象的なものはどういったものかと考えると、一番わかりやすいものは一種類の強い光に照らされた物体とそれが作る強い陰影のコントラストではないか?考えることもできる。

とりあえず、実際に描いたものを見てみる。

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 この図では、同じ絵で左は強い光と陰影、右は全体的に明るいとなり、左の方がせっかく描いた足の部分がここではほとんど見えなくなるが、盤上に集中しているという印象を強く作れたような気がする。

 こうすることで、無駄な情報を極力省き、より単純化することでぱっと見のなんだこれ?という興味を見る人にひかせることができる。

 しかし、左図を5秒以上眺める、つまり普通に絵として眺める場合、情報が不足しすぎているためいったいこの絵が何を言っているのかよくわからない。つまり、左図は一瞬見るのには適しているが、じっと見るのにはむしろ不向きで、右図はその逆となる。

 ぱっと見て少ない情報で強い印象を与え、よく見みると情報が詰まっていていい絵と感じられる光量の兼ね合いはとても難しいと感じた。

 

 これは光陰を逆にした場合も当てはまる。例えば、よくあるスマフォゲーのキャラはランクが上がるとキラキラしてゆき、ビックリマンもびっくりのキラキラ✨になってすごそうになるが、その白によってせっかくの書き込まれた絵の価値はとても下がる。しかし、これはそのキャラやカードを動かすという前提がある、つまり絵だけで考えていないので成り立つのだろう。

 

インチキ光を使う

 では光陰の陰を緩めたとして、それを補うにはどうしようかというと、萌え絵を見てものすごく参考になる。萌え顔はものすごくディフォルメされているため、上記のような陰影はほとんど使えない。それを補うために、さまざまな工夫がなされているが、光陰もその一つであると思う。

 いくつも参考点はあるが、一番大切だなと思った点は光源を無視して「見せたいところを意図的に輝かせる」ということだと思った。顔なら目元、おっぱいなら真ん中といった具合にポイントを決めたら、そこをハイライトなり、オーバーレイで好きなイメージカラーを使って強調するのである。めちゃくちゃであるが、実にいい。がたがた言わずに光らせるのである。

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 左絵は目元をピンクにして、右絵が元絵となる。

背景や光陰がない状態でもある程度の印象の変化は見えるし、光陰を加えた後にさらに強調部を作るのにはいいのではないだろうか?

 

インチキ光を応用してみる

  試験中といってもある程度実戦に使うことができるので、やってみた。

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 左が元絵、中央は顔と足先にインチキ光、右はさらにコントラスト調整

 この絵で左の元絵は天井からの青い光とその逆光を意識して作ったので、当然キャラの大部分は影となり、当初案では上のビリヤードの左絵の様にほとんど体の部分を見えにくくする予定であったが、方針を変更して陰影の部分を弱めて顔と足にインチキ光を当てた。

 本来であれば、足のみの強調で顔は見えないはずであったが、インチキ光を利用して、明るさとカラーバランスを変更することができ、顔の怪しげな表情と迫る足の両方を見せることができたと思う。右絵はやりすぎという感があるので、微調整は必要だろう。構図としては破たんしたが、絵としては逆に完成したのではないかと感じた。

 難点としては強調点を作るにしても、そこが絵としてへたれているとむしろ悪く映るので、力を入れて強調して描く部分は、さらに時間をかけなければいけないという点であろう。・・・つまり、さらに面倒になる( ^ω^)・・・

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↑そうすると顔の部分をもう少し書き込むべきか悩ましい・・・

 

終わりに

 いいデザインやテーマ性がある作品を見ると一目見てハッΣ(・□・;)とする時がある。自分もこういうの作りたいなぁと思いつつ、基の能力が不足しているのでデッサンや書き込み、細かい彩色がポンコツなのでなかなかうまくいかない。

 そういう視点で見ると、今回考え直している点は画力の向上というより、なんだかごまかす手法を探しているようにも感じる。見ている人にはそんなことどうでも良く、より見やすくて、エロくて、美しいものを欲しているのでどうでもいいことだろうが、実力でどうにかいいものを作りたいという欲はどうしても出てくるのを感じた。

 

 まぁ、そんなことを言ってもエロいエロ同人は悩み中でなかなか進まないので、どうにかしなくてはならない( ^ω^)・・・

 

 

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