超望遠レンズを使った遠隔操作長時間動画撮影を実際に動かして、困ったことやわかったことをまとめた記事

(今週の一枚)怒龍逃狸(pixiv)
前回、前々回から引き続きの記事で、今回は実際に動かしてわかったことを引き続き書きます。
システムの一体化について
一番最初に想定したのは、一つの操縦装置を使ってカメラで撮影しようとしたシステムだ。

ジンバル経由でカメラまでコントロールしてシステムを統合できていれば、すっきりしたシステムになるし、仮想環境(Linux上に仮想Androidを走らせる)を作ってPC上でも操作できれば操作をかなりカスタムできる。ついでにネット経由でPC操作ができれば結構いろんなことができると思っていた。カメラのフォーカスに関してはカメラを対象に向けて自動フォーカス機能を使って自律的に使えば、このシステムは一系統にまとまり、うまく動くと皮算用をした。

しかし、今回試したものでは二つの操縦装置ともう一つの画面が必要となってしまった(つまり3系統)。仮にPCに入出力を統合しても、仮想スマホAではLUMIXのAPPを使い、仮想スマホBではDJIのAPPを使って制御することになる。この状態だと、二つの仮想AndroidをPC上に立てたうえで、最低でもデータ統合にもう一つAPPを立ち上げる必要が出る。明らかに自分の手に余るので当初考えていた思い付きは大幅に修正されることになってしまった。
この原因は前回の記事でも触れたようにジンバル子機(無線機)REVENEYEの不安定性になる。使わないのももったいないので、試しに、全体の制御を統一して(カメラMFでジンバルからフォーカスも制御)で撮影をしたが、その際に遠隔操縦においてDJIのAPPにも問題があることが分かった。
このソフトはおそらく同社のドローンを操縦する際に使用するものを流用したと思う。ドローンにセットされたCCDはこのソフトによる制御で簡易的な自動追尾機能とその関連機能を備えており、おそらくレンズ焦点が50mm前後(フルサイズ換算、所謂標準視線域、動画用で1mm解像度)、対象距離5mくらいを想定しているんじゃないかと思う。DJI Ronin 3Dフォーカスシステムも同様で、あくまで簡易オートフォーカスからフォーカスモーターを動かすものだ。しかし、フォーカスが甘く、肝のフォーカスモーターのトルクが弱く、設置固定が難しいため宣伝されたような素早い動きはできないし、超望遠は対応しない。近距離での撮影を前提にしたものだと思う。
そのため、超望遠の撮影において、DC-GH5の内蔵ソフトと比較するとDJIソフトは機能に大きな差がでる。
また、今回使ったDC-GH5は一応LUMIXのフラグシップ機なので、いくつもの機能がついており、すべての画像出力情報・制御情報をDJI APPが使えるとはとても思えない。事実、DJIのソフトからGH5のほとんどの機能は使えず、動画撮影と写真撮影の切り替えさえできなかった。本来、カメラ・パワーモーター付きのレンズ、ジンバルをセットで運用する場合、ジンバル側がモーター系統をすべて支配下に置かないと使えないけど、そこまでの機能はないというのが、このシステムのボトルネックになる。結果、仮に4K動画の長時間撮影できたとしてもそのすべての絵が若干ぼやけたものになりわざわざこのカメラを使う意味がなくなってしまった。
また、リレーすればするほど、画像に遅延が生まれてしまい、手動操作がもたつくので、できるだけシンプルな接続を行い、最後にまとめる形の方がいい動画を撮れる。
結局のところ、上のポンチ絵のように実際の運用は並列で処理したほうがいい絵が撮れることがわかった。どうやら、ジンバルのその他機能はあくまでおまけ的なもののようで、本来運用は人間の手でジンバル本機で行うことが大前提のようだ。リサーチ不足だ(;´Д`)
中華製の他の機種も色々調べたが、市販のものだと、無線化、HDMI出力、カメラ操作、ジンバル操作を一括してコントロールするのは今のところなかなか難しいので、今回のように分割して個々で使うのが一応の答えになるのだろう。
スペック情報について
カメラ関係はとにかく嘘が多い。こんなことできます、あんなことできますと言っても、最新機能はかなり限定した状態での表現だったり、他社と比べてどうたらこうたら言っても中のチップが同じだったりソフトを使いまわしているので差がない。場合によっては同社の別カメラを比較してもほとんど性能に違いがなかったりする。
この根源はカメラが嗜好品扱いということなのだろう。販売にカメラの所有欲を満たすことを優先させている。そのため、実用上の必要情報が商業誌関係ではほとんど出ていない点がきつい。かといって、自分も含めて、個人の情報も非常に不確かなものや主観がかなり混じっているものが多く、査読がないので参考程度になってしまう。自分で使ってみないとわからないという情報拾得の限界にぶつかってしまった。
また、今回学んだ・驚いた点は、所謂「プロ」と称したYoutuberの情報がほとんど役に立たなかったことだ。LUMIXにしてもいいよ~すごいよ~と言っているが、問題点はかなりあるし、癖を理解して使わないとちゃんと撮れない。彼らは色々講釈を垂れているが、テレビ通販の販売員くらいの価値しかなかった。さらに、Feiyu Techジンバルに関してはひどすぎて殆ど嘘しかない。むしろ、素人おじさんの動画の方がまじめにレビューに取り組んでいる。この辺は業界の長年の悪癖でいい加減やばいんじゃないかなぁと強く感じた。
DJIに関してはほとんど情報がなく、性能もかなり尖っており自分のような素人が扱うにはかなり厳しかった。ジンバル本体の性能は非常に高く(重いけど)、耐久性もかなりのものがある。耐荷重も4.5kgを謳っているが、ごまかし抜きでそれに近い性能を持っていると思う。一方で、先にも述べたようにソフト周りやおまけの無線機やフォーカスモーターはお世辞にもいい物ではない。よくある中華製ポンコツだ。この辺をどう理解して使うかがプロとアマの谷になるんだろう。
いずれにしろ、かつてのネットブログなどを軸とした有志が作った情報網みたいなものが現在ほとんどなくなり、おそらく企業が金をかけて宣伝する一環でインターネット上に情報が溢れている。これを前提に調べ物をしてもまともな商品情報になかなかたどり着けない。高い物を買う際は注意だ。
個人の腕と機械の性能
まぁ、偉そうに講釈を垂れても自分の写真撮影の能力は低い。へたくそと言っていいだろう。それを電子制御でどうにかしてやろうというのが今回のテーマだったんだけど、その機械の性能も通常使用とはずれているため微妙だったという笑えない落ちになった。
これをやるにあたって色々な人に話を聞いたんだけど、やっぱりすごい人はすごい。しかし、そのすごい人は思ったよりも少なく、こいつへたくそじゃないか?と疑いたくなる人も一定数いた。そんな人でもそれなりの作品を作れるので今どきの高級カメラの性能はかなりのものだとわかる。
上手な人は知識が豊富だし、ずっとやっていてこだわりがある。また、そのこだわりを実現するためにそれ専用の道具を揃えており、触らせてもらうとやっぱりすごく使いやすい。高級品と言うのはこういうものなのかと実感できた。
高い嗜好品としてのカメラをそろえる人と上手な人の違いはその辺の道具の持ち方・選び方なんだろうなと思う。
自分はほとんど写真を撮らないし、道具にこだわらないから、当然いい写真は撮れないけど、もしいい物を買うなら、総合的性能よりも自分に必要な点に絞って商品を選びたいと思った。
終わりに
なんとか遠隔操作型超望遠動画撮影システム(笑)を運用することができた。まったく未知の分野だったけど、なんとかできたのはいい気分である。
遊びが広がるのはいいが、時間が( ^ω^)・・・
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