2時間以上の長時間で超望遠レンズを使って遠隔操作動画撮影を企画して、実際に動かしてわかったことをまとめた記事。

(今週の一枚)ちゅーちゅー(うめぇうめぇ🦋)
前回から引き続きの記事で、今回は実際に動かしてわかったことを書きます。
カメラについて
DC-GH5はとてもいいカメラだと思う。軽くて使いやすい。まだ元気だったころのLUMIXのフラグシップ機だ。
しかし、一点問題があって、動画撮影時に動いている対象を撮影する際、ピントがどっかに飛んで行ってしまう(背景側にピントがずれる)点だ。ファームアップしても直らない。これはオートフォーカスが「色」の変化を認識しているかだと思う。他のカメラメーカーの位相差(影の濃淡)を検知する計算とは異なるものだ。設定を弄るとAF速度は改善するのでから、その設定(シンクロスキャン ONで179dに設定、AF駆動最速で追従は0)にしてカバーしているけど微妙な点は変わらない。
今回、オートフォーカスを前提に組んでいるのでこれはまずい。この問題をどうにか回避するために色々設定をいじくったけど、結局、マニュアルに近い設定に落ち着いた。撮影時、できるだけ被写体を画面全体に配置する(つまり、できるだけ背景部を減らす)。また、AFモードはAFS/AFFで、自動認識はOFFにして追尾はAFエリアを中央型(ゾーン)とした。つまり、大体でいいんで、できるだけ真ん中に来るものに焦点を当ててくださいという設定だ。強く焦点を当てたいポイントにはびしっと当たらなくなるが、全体像をしっかり捉え続けることを優先すれば背景飛びは抑制できた。ISOは環境ごとに設定をすることにして、📹Mモードで対応するのが一番使いやすかった。
ただ、超望遠の場合、焦点幅がとても広い。被写体深度を制限してもきつい。また、超望遠レンズはF値が低いのでちょっと暗くなったり、照明や葉っぱが動いたりする際のちらつきが起こるとどうしても検知がズレることがあり、一気にピントが飛んで容易には戻せないことがあるが、光量変化に弱いの点はもうしょうがない。
レンズの使用感
3つのレンズを使ってみた。
①,LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm H-PS45175
②,Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
③,LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm H-RS100400
一番使いやすかったのは①だ。軽くて持っていて疲れなかった。また、無線で使用した際、ズーム・フォーカス共に遠隔操作できるは非常に良かった。レンズ径が小さい分、精細度は少し悪いと思ったが、動画撮影において夏の曇り空の夜手前くらいの光量(100ルクスくらい?)でも十分な性能を発揮することが分かった。
②はインナーズームでそれなりに使いやすかったし、写真撮影をする際には一番いいレンズだと思う。画面にピシッと絵が収まる感じがあってGH5だと十分な性能を示すとてもいいレンズだと思う。ただ、完全に印象論なんだけど、動画撮影をする時、他のLUMIXレンズよりAFがちょっと遅れるような感じを受けた。
本命の③は重かった。確かに超望遠でかなり綺麗な写真が撮れてすごいなぁと思ったけど、ズームリングが重く、カメラを手で持って対象を捉えながらズームイン・アウトするのはほぼ不可能だと感じた。あくまで三脚運用が前提なのかと思う。
GH5の手振れ補正機能はカメラ単独ではOLYMPUSフラグシップ機に劣る。しかし、LUMIXレンズ(レンズ内手振れ補正)とセットで使うとそれが大幅に改善されて、特に動画撮影でいい絵が撮れた。実際使ってみると、確かに②のOLYMPUSレンズよりも①、③は安定した動画が撮れた。ただ、手振れ補正の癖なのか、特に望遠域ではたまにぐっと画面が動く癖があり、比較として見ると、OLYMPUS機の場合(OM1やE-M1mkⅢ)はベターっと補正した動作になるので、これを意識して動画を撮る必要がある。等速運動で撮影ができないとLUMIXはガタつき、OLYMPUSは多少振っても綺麗に対象に付いていくイメージになる。また、残念ながら、ジンバル設置時はちょっと問題が出た(後述)。

(↑大きさ的にもちょうどよくLUMIXのAPPで操作がしやすい)
電源について
長時間撮影するにあたり、GH5はカプラーを使い、モバイルバッテリーで給電した。興味があったので、GH5のカプラーをバッタ物3種類購入して条件を探してみた。結果、バッテリー側コネクタがUSB-TypeA給電のものは使ってはいけないことが分かった。TypeA給電は5V出力を途中で9Vに昇圧する。その際に問題が発生する。TypeA形で1本のものと二股で2つ(並列接続)のバッテリーを接続できるものを試したが、いずれもシャッターを切ったり動画撮影中パワーズームを動かすとカメラが停止する。おそらく、昇圧機(5V→9V)にバッファがなく、急激な電流量増加時に電圧降下を起こしてカメラが落ちるみたいだ。USB-TypeC型は初めから9Vを送り続けるみたいなので、電流量が増加しても電圧降下が起こらずそのまま撮影ができる。

(上の奴はダメ、改造する必要があり、買うなら下のTypeCコネクタの奴)
同様に、ディスプレイ、HDMI送受信機にもモバイルバッテリーを使った。どれが一番電気を食うかと言うと、ディスプレイだった。手持ちの20000mAhのものでもちょっと心もとない。高輝度なので長時間使うなら輝度を落として節電したほうがいい。
気を付けるべき点は「機械一個につき1つのバッテリー」を用意してないといけない点だ。どうもモバイルバッテリーの電力供給は多数の要求があった場合、電流量が安定しないみたいだ。仮に2つの出力先を繋いだ場合、一方の要求量が増えるともう一方の電流を絞る傾向があり、そのせいで両方の機械が止まってしまうみたいだ。

ホットシューでHDMI送信機用、ジンバル固定面にマジックテープでカメラ用のバッテリーを着けた。カメラ用はQC3.0 20W対応のものを使った。

HDMI受信機用とディスプレイ用を木片とマジックテープで固定して使った。ディスプレイ用はQC3.0 20W対応のものを使った。
結果、今回は合計4つのバッテリー(ジンバルのグリップバッテリーを入れると5つ)が必要となり不格好になったが、これ以上バッテリーを減らすとシステムが不安定になったので、これが正解だと思う。HDMI送受信機はそこまで電気を食わないので、もう少し小型のモバイルバッテリーでもいいかもしれないが、手持ちが写真のものだったのでこんな感じになった。
ジンバルについて
操作感
結構重い。これを持って何時間も撮影できるプロの人たちはすごいなと感心する。カメラ・レンズをセットする際のバランス合わせを頑張ってやるとかなり安定するが、モーターパワーが強いので多少適当でもグリップできるのは意外だった。レンズズームを望遠端いっぱいまで広げてもAPP設定で作成→仮想ジョイスティックの速度を全軸5くらい(通常は25くらい)まで落とすとブレのない動きを実現できた。
今回は3つのズームレンズを試したが、いずれのレンズのズームを変化させてバランスをくずしても安定して撮影することができた。しかし、何度も手動でズームを動かす場合、どうしてもカメラが固定面から動いてしまう。そのため、元のズーム位置に状態に戻しても元々のバランスが崩れることになり、手動ではできるだけ動かさない方がいいという結論になった。残念ながら付属でついてくるフォーカスモーターはトルクが弱く、ズームリングを動かすだけの力がないので使えなかった。改造してモーターを入れ変えてもジンバル側からの給電が間に合わないのでDJI APPでのズーム遠隔操作はできないことになる。そういった点で、パワーズームの①は優秀で小型で、LUMIX APPから無線操作によって動かせるズームを繰り返してもほとんど平衡が崩れなかった。超望遠にこだわらないなら、LUMIX機はXレンズシリーズがお勧めになる。
手振れ補正など
RS2本体は想像以上の安定性を持っていた。しかし、望遠で動作撮影をしていると画面がプルプルと微弱に振動することがあった。どうやらGH5の手振れ補正機能とRS2のバランス機能がうまく同期しないために起こるようだ。特に、Dual I.S.方式(カメラ・レンズ共同して手振れに当る)になるとそれが顕著になったので、固定台として使った今回は折衷案としてレンズ側の手振れ補正機能を切って運用したら、ブレのない動画が撮ることができた。GH5の手振れ設定を弄ればどうにかできるかもしれないが、チェックはしなかった。
また、RS2のグリップバッテリーはフル充電なら4時間くらいは余裕で使えるが、バッテリーの消耗を考えると、外部追加バッテリーを用意したほうが長時間撮影時には安心かもしれない。
無線について
HDMI送受信機はかなり強い電波を出すようで、家屋をはさんで10mくらい離れても余裕で画像を出力した。
LUMIX機は無線操作をする際、スマホ・タブレットではLUMIX SyncとPanasonic Image App、PCでの操作はLUMIX Tetherと言うソフトがあり、今回は手軽さを考えてスマホ操作でPanasonic Image Appを使って遠隔操作をしてみた。障害物がない状態だとカメラのWi-Fiの届く距離は20mくらいまで、それ以上は不安定になって切れる。壁や窓で防がれると、精々5mくらいが限界だと思う。一旦接続が切れると、再接続を試みることはせず、カメラ側から再度Wi-Fiの設定をし直す必要があり、遠隔操作する際は余裕をもって距離を測らないといけないと思う。
RS2本体のWi-Fiも同じくらいの距離で接続不良になったが、外付け子機RevenEyeの扱いはかなり難しいものがあった。RS2にRevenEyeを接続すると送受信をRevenEyeに統一するので、カメラ・ジンバル操作を一体化してスマホ一個でいろいろできるとすごく楽だが、GH5の制御はいまいちだとわかった。例えば、APP上で録画と写真のボタンは切り替え式なんだけど、それが切り替わらなかったり、AFが定まらないことが多かった。おそらく、GH5側が制御を全部渡さずRS2側と取り合いしている状態があるのではないかと思う(この点は仮説)。また、RevenEyeはHDMI情報を出力する都合上なのか、かなり発熱する。そのため、室内で30分くらいでスタックしたり、直射日光下だと10分で停止した。はずれ個体だったかもしれないけど…

(こいつが遠隔操作のボトルネックになった)
放熱板をRAVENEYEにくっつけたがダメでだった(面積が足りない点と発熱部に直接貼らないと効果が薄いので殻を割らないといけない)。次善策として、カメラ+HDMI送信機→受信機(HDMI IN)ディスプレイ(HDMI OUT)RevenEye→5m USB-C有線ケーブルでRS2接続で遠隔操作をしてみた。遠隔操作側で放熱板をつけたり風を当てて排熱しつつ操作の連続性をしようとしたが、結構な遅延とスタックが連発して使えなかった(当たり前か…)。
そのため、ユニットを一体化した操作はできない。出力を3つに割った。
1,GH5本体のWi-Fiでカメラ制御
2,GH5のHDMI出力から無線送信機を接続し遠隔映像出力
3,RS2本体のWi-Fiでジンバル制御
である。当然、制御には2つのスマホが必要なので激安型落ちスマホを買ってRS2を使うことになった。くそめんどくなってきた。
また、RS2 RoninというAPPはGoogle PlayやApple Storeでダウンロードできず、直接DJIサイトから落とすことになる。嘘か本当かわからないが、定期的に個人情報をどこかに送信するようだ。中華APPあるあるなので話半分で聞くべきだが、使う際はRS2用の個別スマホを使ったほうがいいかもしれない。
長くなったので、まとめは次の記事へ
(その3に続く)